月の歌会



連歌の花道

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    勾玉の形に透ける己が身を新しき児は知らずに揺れる

    菊池あきさん&文月郁葉さん

    胎児を勾玉に見たてたのは新鮮な発見。これから刻み始める「児」の歴史と、これまで歴史が刻み込まれた「勾玉」がうまくからみあっている。
    村田馨

    新しき児とは胎児のことでしょうか。確かに勾玉のような形をしていますね。「透ける」や「新しき」という語がまだこの世に生まれてきていない胎児を表現するのにぴったりであると思いました。また、下の句の胎児自身はそのことを知らないという内容にはっとさせられます。自分の姿を知らない胎児が、母親の中でそれでも確かに生きているということに生命の不思議を感じます。
    多田なの

    勾玉のかたちは胎児を模したもの、という説がありますね。前評のとおり、過去から現在、未来への時間の広がりを感じさせます。また揺れる、という結句は未来の揺らぎを思わせて素敵ですし、透ける、との音のつながりも良いと思います。
    1点だけ難を言うなら、己が身を…知らず、というところで少しつまづいてしまいました。胎児は自らが過去を身のうちに持っていることにいまだ気がついていない、ということでしょうか。胎児の認識の問題にまで深入りしなくても良かったかなと思いました。

    秋山生糸

    エコーに写る胎児を勾玉の形になぞらえたのでしょうか。新しき児を主体として、親としての喜びが伝わってきました。透ける己が身を、という表現も、音の調べも整っていて気持ちのよい歌です。
    太田青磁

    胎児が羊水に揺られている様子ですね。まだ生まれていない、目も開いていない胎児は自分の形が勾玉のようだと知らないんですよね…自分のことを認識していなくても「生きている」という神秘や、胎児を慈しんでいる様子が読んである歌だなと思いました。「透ける己が身」の表現がとても綺麗です。
    オリー

    胎児と勾玉は一見新鮮味はありませんが「透ける」は水晶や翡翠のような勾玉のイメージとエコー画像のイメージが重なって見事だと思います。結句の「揺れる」も子宮の中で浮かぶ様子と命の弱さと強さの両方が表れていて巧みだと思いました。
    泳二

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