「まだ地球の人」と言っているのだから、いずれは地球外に移住することを暗示させているのだろう。単なる夢物語として言っている訳ではないという強さを感じる。「新しい靴」と「希望」は同じことを繰り返しているように思える。
村田馨
今回のR-2ぐらんぷりに出された歌を見て一番に思ったことは、歌題とは直接関係ないのに靴を詠みこんでいる歌が複数あるなということでした。この歌の中に出てくる靴は特に印象的で、「ぼくはまだ地球の人だ」と強く宣言している主体にとって新しい靴とはどれほど大きな存在なのだろうと考えさせられました。希望と並んで失くしたものに挙げるって相当重要ですよね。歌に込められた意味を正確に理解することは私にはできませんでしたが、一番印象に残った歌でした。
多田なの
「靴」と「希望」を並列してしまうのが面白いと感じました。「希望」をなくすことは絶望すること、「靴」をなくすというのはそれを探しに行く手段すらなくすということですが、「ぼく」はそこで視線を一気に高くして、地球人だからまだ大丈夫と持っていく、挫けない強さがある。それを更にちょっとユーモラスな感覚で持って描いており、したたかさを感じる歌になっている。
菊池あき
一読して不思議な魅力を感じさせてくれた歌でした。先に書かれた方のコメントにもあるように、絶望をあえて軽い言葉と表現で歌っているところが魅力になっていると感じました。
Loufock
新しい靴と希望が何かの暗示なのかなと思いましたが捉えきれませんでした。まだとだけの限定が抽象度を上げているようで、イメージが掴みきれませんでした。SF的な感覚か災害のような非常事態なのか、視点は鋭いと感じました。
太田青磁
飛び降り自殺なのかなと読みました。暗っ!!!
ナイス害
新しい靴と希望はほぼ同義と取って良いような気がします。「地球の人」であることは主体にはどのような意味を持つのでしょう。明示はされていませんが、それは、希望よりも基本的な力になる何か、というような気がします。靴がなくても歩いていけると主体は感じているのかもしれません。リズムが良く不思議に元気が出る歌でした。
秋山生糸
「新しい靴」が比喩なのか本当の靴なのかどうかはわからないけど、新しい靴と希望を無くすことが、その人にとってどれだけ大きな揺らぎだったのかということを感じされる上の句。
普通に言えば希望を無くす→目の前が真っ暗になる、とかのイメージなんですが、それを「ぼくはまだ地球の人だ」と、自分の存在を確かめてるように思えます。
でも地球の人で無くなるときって死ぬときなのかな、と思うと、希望は無くしても生きている、という生の確認なのかなーとも。
なべとびすこ
新しさがあると感じました。「地球の人」ではなくなってしまうかもしれないという主体の不安感がそこはかとなく匂ってきます。「地球の人である」という当たり前のことですら危うくなっている主体は「新しい靴と希望」を失くしてしまったと告白しており、淡々とした口調でありながら主体の虚しさが出ている歌だと思いました。
「だ」が続くのは勇気のいる書き方だと思うのですが、この歌ではリズムが出ていて結果的に口ずさみやすくなっているように思います。
木村友
「まだ地球の人だ」という点におかしみがあります。歌意はわかるのですが、『僕はまだ地球の人だ○○と○○を失くしただけだ』と考えた時に「新しい靴」と「希望」で良かったのかな、とひねくれて読んでしまいました。
泳二
「ぼくはまだ地球の人だ」という出だしがいいと思いました。「地球」という単語を出すことで自然と宇宙をイメージさせます。「まだ」という言い方から、「地球の人」ではなくなる状態、つまり宇宙に放り出されて途方に暮れた様子も伺えます。途方に暮れてはいるんだけど、まだ地球から放り出されたわけではない。そこにかすかな希望のような、こだわりのような、いっそ放り出されてしまえばよかったのにという絶望のようなものがないまぜになった感じを受け取りました。ただ、「新しい靴」と「希望」の並列は少し平凡かなと思いました。
にしだゆい