いささか盛り込み過ぎか。新人投手が空を仰ぐ―打たれたのであろう―ということと、その白球を追うこと。さらにラッパの響き(応援)まである。「サブマリン山田久志があふぎみる球のゆくへも大阪の空」(吉岡 生夫『草食獣―勇怯編』)という名歌を思いだす。
村田馨
空の青、白球の白、そしてラッパの金の色の組み合わせが爽やかで、歌中の新人投手がとても眩しく感じられます。野球を詠む歌において観客がボールを目で追う動きを使うことは多々ありそうですが、この歌ではラッパの響きにそれをさせているのが面白いです。力強いラッパの音が想像できて、臨場感のある歌に仕上がっていると思いました。
多田なの
個人的にラッパの音はプロ野球よりも高校球児のイメージが強いので、「新人投手」との違和感がありました。
ラッパが響くという事は、打った方へのエールなので、新人投手は滅多打ちな感じですね。ちらと見て響かせるってところが、ちょっと意地悪な感じも受けました。
知己凛
いまはプロ野球では鳴りものは禁止されているんでしたっけ?昔はいわゆる私設応援団が自在にラッパでちょっと外れた音階を鳴らしながら応援していたものですが。学生野球や社会人野球で活躍するブラスバンドは一致団結、乱れのない響きを奏で、本作の「ラッパ」という言葉とはちょっとニュアンスが違うように思いました。
村田馨
空、新人投手、白球、ラッパとたたみかけるような力が感じられるところが魅力でしょうか。好きな歌です。爽やかな後味があります。逆に、盛り込みすぎの感があるところが惜しい点です。
月骨
野球応援といえばトランペットの音が鳴り出しそうなイメージです。奏者の視点なのでしょうか、中継のテレビ画面の動きにも見えておもしろいです。新人投手はやや硬い響きですが、題の読み込みに苦心されたのかなと感じました。
太田青磁
それこそ90年代の、まだ広島市民球場を思い出します。懐かしいなぁ。鳴り物がオッケーだった頃の話。旧仮名がいい味を出しています。
大木はち
「ラッパの響き」に収束するつくりですが、最初の方の評にあるようにやや要素を盛り込みすぎてせっかくのシーンがごちゃごちゃしてしまったように思います。
泳二