月の歌会



連歌の花道

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    新しい鳥のようだと味噌を溶く母の背中に素粒子を説く

    小早川さん&東風さん

    ノーベル賞受賞の話題もあったのかもしれないが、素粒子が唐突で、どう受け止めていいものだろうか。作者は素粒子の専門家で、内容を知らない母に説明しているのかもしれないが。「新しい鳥」と味噌を喩えるのも、しっくりこなかった。「溶く」「説く」の押韻がどこまで効いているか。
    村田馨

    「溶く」と「解く」によって読んでいて心地よいリズムが生み出されています。同じ「とく」でも、一方は味噌汁を作っていてまたもう一方は素粒子について語っていて、というように行動に大きな違いがあり、それが強調されているようで面白いです。既に出ているように、素粒子はノーベル賞受賞の話題から出てきたのかなと思いました。
    多田なの

    最初は「新しい鳥?」「素粒子?」と思っていたのですが、「ニュートリノのことか!」と気づいてからはすごく好きな歌になりました。加えて「溶く」と「説く」で韻を踏んでいるのもうまいと思います。難しいことを適当に聞き流している母の姿が浮かび、微笑ましい気持ちになりました。
    宇野なずき

    「新しい鳥のようだと」が何処にかかるかちょっと不明瞭ですが、「説く」の方にかかるのだと見ました。まるで空を自在に美しく飛ぶ鳥のようだということは、大変わくわくして夢見るように語っているのでしょう。更に、味噌を溶くという日常性の中にある母とのギャップがほのぼのとして素敵です。とくが繰り返されているのもおもしろい。
    菊池あき

    母:ねえタカシ、この人何の研究でノーベル賞とったの。
    タカシ:ニュートリノだよ。
    母:(味噌を溶きつつ)なんか新しい鳥みたいね。
    タカシ:いや鳥じゃなくて素粒子だよ。つまり宇宙から……
    みたいな会話を想像しました。うちの母が言いそうです。
    中牧正太

    ニュートリノ→新しい鳥という発想はあまりにぶっ飛んでいて可笑しかったです。
    村田馨

    新しい鳥の比喩はニュートリノからでしょうか、素粒子のことをなんともわからないものとして捉えているように取れていいなと思いました。味噌を溶くと素粒子を説くが掛かっていて、しみじみとした歌の中に技巧が凝らされているのが印象的でした。
    太田青磁

    母というのはだいたいおおざっぱですよね。初めは意味が分からなかったのが、他の方の評で繋がってようやく分かったのですが。説くという息子(娘かも)の態度が律儀で賢そうで、その様子も想像できて楽しいです。歌を楽しむためにやはり広くアンテナをはっておかなくてはと気づかされました。
    気球

    唐突に「素粒子」が出てきて、なんでここで…?と思ったのですが、「ニュートリノ=新しい鳥」だったんですね…!答え合わせが最後にきてたとは最初気づきませんでした。ご飯を作りながらニュースから聞こえてきた「ニュートリノ」を拾ったお母さんに子どもが説明している図が見えると、家族の仲のよさなんかも見えて素敵な歌だなと思いました。溶くと説くの韻もいいなと思いました。
    オリー

    とても良くできた歌で、母親と主体の親子漫才のような関係が見事に詠まれていると思います。ぜいたくを言えば欠点はうま過ぎたところでしょうか。
    泳二

    一番目に書いた者です。解説があったから理解できますが、歌だけで何も解説がなくても分かりますか?そこまで読者にやさしい作とは思えません。
    村田馨

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