文月の歌会
夢で会う約束がある 傘立ての底にうまれた夜のみずうみ 久藤さえ × 西藤智
平成26年度 文月の歌会『下弦の部』
上の句に付ける下の句を出詠ください
詠草リスト
特選(2点)×1票 |
並選(1点)×2票 |
次選(0点)×∞票 |
互選(2点)×1票 |
泣きたいときはまたここに来る
出詠名
さとこ
首席 / 20点 特×8 並×2 次×4 自×1
互選名 悠ちゃむゆりぐも知己凛クニコはだし黒夜行みなま橋折箔紙福山桃歌管理人月丘ナイル小早川自さとこ
選評名
天の川をすする行為が慰めのように思えます。
ゆりぐも
★0
上の句だけだと「天の川”を”すする」と読んでいたのですが、この下の句がつくことで「天の川”で”すする」と読みました。
鼻をすすりながら天の川の辺で泣いているのかなと。
小さい子がお星様に紛れてぐすんぐすん。そんなイメージも浮かびましたが、織姫彦星の話を思うと、女子が想い人になかなか会えない寂しさの涙をここでひとり流してるのかなとも。
どちらにとらえても切なくてキュンときました。
クニコ
★0
ストレートな下の句だけど、上の句の感じにはとても合っていると感じました。そういう習慣なのか、自分だけの秘密の場所なのか、そういう場所を持っているというのはいいですよね。
黒夜行
★0
天の川ですする読み(場所として捉える)は目からうろこです。すとんと腑に落ちました。
ゆりぐも
★0
上の句の「ないしょですする」を巧くとらえて詠んだ作品だと思います。下の句をせつなく結んだところにも惹かれました。
ちゃむ
★0
天の川「で」すするとしたらそう詠むか!という感じでした。天の川「を」すするとしたらちょっと弱い感じになってしまうのだけど、天の川を背景もしくは場所として捉えることで下の句をうまく膨らませていると思います。
箔紙
★0
「特選2点制」以降で初の20点突破!!
二ヶ月連続の下弦制覇で、さっちんの圧勝でしたー!! *:・゚ヽ(゚ロ゚*
管理人
★0
ありがとうございました。
泣くのを我慢していた人がいつの間にか天の川のほとりに立っていて、キラキラした水(星)を手ですくってすする。ここを秘密の場所にしよう。というイメージです。「銀河鉄道の夜」のプリオシン海岸を意識しました。
さとこ
★0
ほしくずゼリーをちょこんとのせて
出詠名
知己凛
2席 / 11点 特×3 並×3 次×3 自×1
互選名 ゆりぐも大渕マコさとこクニコはだし温かい図鑑橋折箔紙福山桃歌自知己凛
選評名
天の川にのせるほしくずゼリー、フルーツパフェのさくらんぼのような感じをイメージしました。わくわくするものになりそう。
ゆりぐも
★0
「ないしょ」の可愛らしさをそのまま生かしたかわいらしい一首になりましたね。
なぜかキキララが星型のゼリーを天の川の上に運んでるファンシーな絵が浮かびました。
こういうのもいいな~。
クニコ
★0
かわいさにやられました。ただでさえ壮大な天の川に、欲張って星屑までトッピング。シンプルですがなぜか好きです。
温かい図鑑
★0
手馴れた感じで「ちょこんとのせて」いるのがますますかわいらしいです。
橋折
★0
わあデザートっぽい!しゃれたメニューの名前みたいでいいですね、可愛らしいです。ほしくずがゼリーなら天の川はなんだろう…牛乳寒天かな…
箔紙
★0
今日和菓子コーナーでくずきりを見つけて、「あ、天の川はくずきりでもいいなぁ」と思いました(追伸)
箔紙
★0
喉に詰まった誰かの願い
出詠名
クニコ
3席 / 11点 特×2 並×5 次×3 自×1
互選名 悠ちゃむゆりぐも大渕マコ迂回さとこ黒夜行温かい図鑑管理人月丘ナイル自クニコ
選評名
七夕でいろんな人が天の川に願い事を託したと思いますが、それがすすられて消化されていくという。最後の足掻きとして喉に詰まった気がします。少し切ない。
悠
★0
なんとなく、上の句も下の句も名詞で終わってると、収まりが悪い感覚があって(まあ、そんな風に書いてある短歌の本を読んだことがあるからかもだけど)、「誰かの願いが喉に詰まった」みたいな語順でも良かったのかなぁ、とか。発想は面白いと思いました
黒夜行
★0
夜空にいる神様の一人でしょうか、天の川を飲むと誰かの星に託した願い事まで飲んでしまった。願い事が胸(喉)につまるという共感性をもとに、それが神様まで一緒に悩ませてしまう、上句の世界観から寓話的に物語を広げる。丁寧に整えられた一首と思いました。
管理人
★0
罪に数えて東京に行く
出詠名
迂回
4席 / 8点 特×2 並×2 次×3 自×1
互選名 悠大渕マコさとこクニコはだし福山桃歌管理人自迂回
選評名
天の川をすするのは大して悪いことではないと思うのですが。もしかしたら夢の中の話かもしれないし。それを自分の中で罪とする。何か強い覚悟があっての上京なのかと想像が膨らみます。
さとこ
★0
天の川をすするって行為はなにかの比喩なのでしょうか。それをだれに告げることもなく東京へ行くことが罪なのかなと思いました。
はだし
★0
上句「ないしょですする」には、創世記のリンゴみたいな神話的な背徳が浮かびました。そこから物語を組み上げたよう。夜空から堕ちた先に「東京」という現代の具体を持ち込んだ構成も面白いです。清濁併せ呑む大都会なら天の川を飲んだくらいの罪なら受け入れそうだし、今後どんな波瀾万丈があるのか、一首の外に想像が広がります。単にファンタジーとしても読めますが、全体が現実の上京を詩的に喩えてるようにも。
管理人
★0
あかるい嘘を渡し合う夜
出詠名
ゆりぐも
5席 / 8点 特×1 並×4 次×4 自×1
互選名 悠ちゃむ迂回さとこクニコはだし橋折福山桃歌管理人自ゆりぐも
選評名
「あかるい嘘」は七夕の短冊と読みましたがちょっと無理やりかな。笹に吊るされてく願いがどうにもうそ臭く思えて、一人外れた場所できれいな星空だけを味わっているようなシーンが浮かびました。
迂回
★0
「ないしょ」だから「誰か他の人」はいないはずなのに、それでも「渡し合う」ってことは、相手は彦星なのかなぁ、と。七夕ではない日なんでしょうね、この日は。でも違うかなぁ。その読みだと「あかるい嘘」がうまく読み解けないんだよなぁ
黒夜行
★0
僕の中にもひとつの宇宙
出詠名
永乃ゆち
6席 / 6点 特×1 並×4 次×3 自×0
互選名 悠ゆりぐも知己凛大渕マコさとこクニコはだし福山桃歌
選評名
天の川をひと口飲み込むことで、宇宙のはるかな物語の一部を身に宿すことになるのかと思うと何だか素敵です。
もしかしたら、胃の中に地球外生命体のいる星があるかもしれませんね。
さとこ
★0
ピンクでそっと小指結わえた
出詠名
みなま
7席 / 6点 特×0 並×4 次×3 自×1
互選名 悠迂回さとこ温かい図鑑橋折箔紙福山桃歌自みなま
選評名
おそうめんでしょうか。家族がいない間にないしょでゆでて、食べながら「天の川みたいだな」とぼんやり考えているのを想像しました。子どもの頃、ピンクの麺をいじっていて母に怒られたことを思い出し、懐かしくなりました。
さとこ
★0
緑とピンクがちょこっとずつ入ってるおそうめんでしょうね、「天の川」をそうめんに見立てるところが夏らしく爽やかで美味しそうです。お腹すいたなあ。
ピンクでそっと小指結わえた、ということは赤い糸を結ぶというか恋の願いを込めてるんでしょうか。赤い糸になりきらない、あえてピンクのおそうめんというところが控えめでなんだか素敵です。
箔紙
★0
よるの外野はほんのり暗く
出詠名
はだし
8席 / 5点 特×0 並×3 次×4 自×1
互選名 悠大渕マコ黒夜行みなま橋折管理人小早川自はだし
選評名
宇宙は暗いはずなんだけど、たぶん天の川の周辺は明るいでしょう。それでも、天の川を飲んでるってことは、天の川に物凄く近づいてるはずで、目の前にとんでもなく明るいものがあるからこそ周りが暗く見えている。何で外野を見ているのか。それは、誰かこないかを見張っているんだ。なんとなくそんな風に、背景に関するあれこれがズルっと引きずり出されてくるような感じの下の句でいいなと思いました。
黒夜行
★0
検査薬では陰性だけど
出詠名
黒夜行
9席 / 4点 特×0 並×2 次×4 自×1
互選名 大渕マコ迂回はだしみなま福山桃歌月丘ナイル自黒夜行
選評名
妊娠検査薬でしょうか。ミルキーウェイをどんなすすり方したんだ ということでよろしいか。可愛らしい印象の上句ながらちょっと深読みするとそっちにいってしまいがちでしたが、歌として解決するにはちょっと難しい感じがしました。この歌についても内容は衝撃なんだけど意図の説明で精一杯な印象です。プラスなにかが欲しかった。
迂回
★0
少しにがいねおとなの味だね
出詠名
福山桃歌
9席 / 4点 特×0 並×2 次×4 自×1
互選名 ちゃむ知己凛クニコはだし箔紙管理人自福山桃歌
選評名
「少しにがいね」か「おとなの味だね」のどっちかだけでも良かったような気がします。両方だと、ちょっと説明しすぎ、というか、もうちょい別の要素を足せるんじゃない?もったいないなぁ、なんて思ってしまいました。
黒夜行
★0
私は逆に、二人がひそひそ話している姿が見えて、小さい頃かくれて内緒の話をしてたことを思い出しました。
知己凛
★0
いやん、これえろ......あれ、えろくないえろくない。
管理人
★0
だらけた年の焼ける喉越し
出詠名
橋折
10席 / 4点 特×0 並×2 次×0 自×1
互選名 悠迂回自橋折
選評名
「はやくしないとだれかきちゃうよ?」
出詠名
すみ
11席 / 3点 特×1 並×1 次×2 自×0
互選名 知己凛福山桃歌月丘ナイル小早川
選評名
「してはいけないこと」を「してる」というスリル感がストレートに伝わってきました。
早くっ。見つかっちゃうよっ。って応えたくなります。
知己凛
★0
蛍よぶ声聞こえてきたぞ
出詠名
ちゃむ
12席 / 3点 特×0 並×1 次×2 自×1
互選名 悠大渕マコ温かい図鑑自ちゃむ
選評名
呼びかけドキっでむせる彦星
出詠名
温かい図鑑
13席 / 2点 特×0 並×0 次×3 自×1
互選名 ちゃむクニコ小早川自温かい図鑑
選評名
空の境に虹が落ちてる
出詠名
小早川
14席 / 2点 特×0 並×0 次×2 自×1
互選名 はだし管理人自小早川
選評名
「空の境に虹が落ちてる」詩的な表現も巧みで、とてもきれいな句と思います。
ただ句単体としては優れているものの、上句に付けると「天の川」「空」「虹」という
歌材の横並び感が一首全体のイメージを平淡にしてしまうようにも。
連歌特有の「付合の妙」、化学反応が起こる言葉の組み合わせを冒険したいです。
管理人
★0
白鳥さんとずるずるきらり
出詠名
悠
14席 / 2点 特×0 並×0 次×2 自×1
互選名 箔紙小早川自悠
選評名
結句「ずるずるきらり」に一首全体が集束、オノマトペで詩情を説明するような構成。試みは面白いですが、読み手がそこから多くを得るのは苦しいように思いました。作中のストーリーをイメージするのが難しかったです。
管理人
★0
星座のパフェによく合っている
出詠名
大渕マコ
15席 / 2点 特×0 並×0 次×1 自×1
互選名 ゆりぐも自大渕マコ
選評名
なんとなくですけど、「みんなにはないしょで」っていうのと「パフェ」というのがうまく合わない印象がありました。その用意周到さが面白い、という読み方も出来るかもですけど
黒夜行
★0
舌で弾けるデネブとベガが
出詠名
箔紙
16席 / 2点 特×0 並×0 次×0 自×1
互選名 自箔紙
選評名
月POINT
順位 | 筆名 | 首席 | 投句 | 選句 | 特選 | 偏差 | EX | 合計 |
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EX内訳
最優+3:さとこ
最黄+2:クニコ
最緑+2:さとこゆりぐもはだし黒夜行福山桃歌
上下+1:箔紙ちゃむ迂回黒夜行悠温かい図鑑みなますみ管理人はだし橋折
初回+1:福山桃歌
欠票-1:永乃ゆちすみ
欠評-1:永乃ゆちみなま福山桃歌すみ小早川大渕マコ
六連+3:ちゃむ
のの+1:迂回
開催後記
さとこさんが2ヶ月連続の下弦首席でした
この回はサーバトラブルで5日順延して開催されました
通算20回出席: みなま
ありがとうございました