連歌の花道『新月ノ歌会』

皐月の歌会

新月ノ歌会工事中

夢で会う約束がある 傘立ての底にうまれた夜のみずうみ 久藤さえ × 西藤智

平成31年度 皐月の歌会『下弦の部』

 上の句に付ける下の句を出詠ください

詠草リスト

[今回の投票式目]
特選(2点)×1票
並選(1点)×5票
次選(0点)×∞票
互選(2点)×1票

冠風ではじまる第二楽章

出詠名 甘酢あんかけ
首席 / 35点 ×10 ×13 ×1 ×1

互選名 知己凛キール寿々多実果りん2ロサ・ブラックティー遠野 かなみNATURAもーたろ常盤このは天田銀河まちか404notF0816さち芍薬文月袴田朱夏衣未(みみ)水無月水有藤 かづえ榊 康静ジャックきつね甘酢あんかけ

選評名 素足になった時、一番最初に感じたのが、足元を抜ける風だったのでしょうか(^^)肌で感じる爽やかさと、「第二楽章」の言葉が、その風の心地良さを『音』としても表している様で、情景を体感しているみたいでした。
ロサ・ブラックティー
★0
既に第一楽章が終わっていることが、大きなポイントですよね。そして、『風』が①どういう強さの風か②どの方角から吹いているのか…この2点が次のポイントなのだと思います。
ときどき吹く風では、はじまりに相応しくないという気がしますので、常に風が吹いている日や時間なのでしょう。
私は、少し髪がなびく状態の風をイメージして読みました。
方角は、東西南北のどれとも言い切れず…身体の前面より背中へと吹く風を体感として想定しました。
『第二楽章』へ戻りますが、奏でている楽器について考えてみると、吹いてきた風の強さによって、弦楽器よりは金管楽器が合っていることもあるでしょうし、微風であれば弦楽器が聞こえてきそうですね。
音符が、風に乗って届くという動きの部分も含めて、躍動感やいよいよはじまる期待感なども感じますし、良い下の句だと思いました。
遠野 かなみ
★0
いくつかの章で構成された楽曲であれば、第一楽章を受けての第二楽章。第一楽章を聴きたい。第一楽章を外すと第二楽章単独の味わいだけに終結します。第一楽章を受けての”風ではじまる”だと思うので、そこからもう一度上の句に戻りました。風にどこか自由への憧れの象徴を見ているように感じられたからか、アルプスの少女ハイジでクララが車椅子から立つシーンがよぎりました。上の句にリハビリ等により自分の足で立てた歓喜・心地よさを、下の句の風(の音)に、これまで以上に世界が広がってゆく自由への謳歌を聞くようでした。胸に迫るものがあり、これからも声援を送りたい、そんな気持ちがこみ上げてきた歌でした。
榊 康
★0
「第二楽章」をどう捉えても、「第一楽章」の存在が前提にありますよね。夏草に素足で立つまでが第一楽章で、上の句は第一楽章の終わりがけ。そして下の句で第二楽章へ。短歌の「外」も想像でき、スケールの大きさを感じました。
さち
★0
なにをもって第二楽章とするか、読み手にゆだねてくれる懐の大きい歌です。私は「春」が第一楽章で「夏」が第二楽章なのだろうと読みました。さっきまで履いていた靴や靴下が急に暑く窮屈に思えたならそこからがあなたの夏ですよ、と教えられたような気持ちです。風が耳の横をすーっと流れていくさまも浮かぶ美しい歌です。
芍薬
★0
素足で立つさわやかな新しい自分への始まりの感じが映像で浮かびます。とても綺麗な歌です。
文月
★0
素足で立つさわやかな新しい自分への始まりの感じが映像で浮かびます。とても綺麗な歌です。
文月
★0
はっきりとした感じに、とても惹かれるものがありました!
衣未(みみ)
★0
下の句だけでもとても魅力的。足の裏に夏草を感じて終える第一楽章、そしてここからは風ではじまる第二楽章。具体こそありませんがいろいろな人生の段階を想像させていいと思います。
袴田朱夏
★0
足裏にちくちくと夏草、それから風、という外からの刺激を受けて、自分の新しい物語が動き出すのを感じる。はじまりは静かな風の音、そこからどんな音楽に変わっていくのかは主体自身にもわからないけれど、わからないからこそわくわくするような、かろやかな希望にあふれていて、好きです。
まちか
★0
始まりの前には終わりがある、一区切りついた、という感じが新鮮で好きでした。
水無月水有
★0
風、第二楽章という言葉使いが上句にぴったりです。
NATURA
★0
上の句からの流れが素晴らしく、美しいメロディが聴こえてきそうです。
静ジャック
★0
風ではじまるというのがとてもいいと思います。
きつね
★0

光りはじめるぼくらの轍

出詠名 西鎮
2 / 20 ×2 ×14 ×4 ×1

互選名 寿々多実果りん2ロサ・ブラックティー遠野 かなみ甘酢あんかけさかなかなNATURAもーたろ常盤このは天田銀河404notF0816さち芍薬文月袴田朱夏衣未(みみ)水無月水有藤 かづえ榊 康静ジャック西鎮

選評名 この轍は、素足で立った地点より先の轍を指しているのか…それとも、後ろを振り返って今まで通過した地点で光りはじめるのか…どちらなのだろうと何度も考えていたのですが、両者それぞれに受け止めて読みました。
『ぼくら』という複数形であることから、私個人は、大切な仲間たち(深い信頼のもとで、しっかり友情を結んでいる親友たち)と歩んで来た。或いは、恋人やパートナーとの長い道のりを経て現在に至る…ここにたどり着くまでに味わってきたすべての経験の肯定が、『光り』の一言に象徴されていると思いました。
光と闇は、コインの表裏ように一体だと聞きますので、主体たちにもさまざまな出来事やそれ相応の葛藤があったのではないか…と捉えました。
この景を映像化したとき、轍から眩しい光りが辺り一面にもうっすらと霧状の密度で広がってゆくイメージを持ち、その神秘的な場面の切り取り方が良いなと感じて、票を入れました。
遠野 かなみ
★0
歩いた所が道になり、映像を伴って、倒れた草が光るのが見えるようで、いいなと思いました。
常盤このは
★0
轍というのは歩かないと生まれないものなので「ここからが」との組み合わせを考えるととても不思議な景色が生まれます。あらかじめ「ここを歩きなさい」と神様が光で草原の一部を指し示しているかのようです。
芍薬
★0
始まる轍がうまい表現だと思いました。素足で立ち見る新しい場所はあかるいみらいなんでしょうね。
文月
★0
ふつう轍は後ろにしか見えないと思うのですが、主体には見えているのでしょうか。未来の自分が見える、というような不思議なことを表現されているように読めました。
袴田朱夏
★0
これからできる未来の轍が、光るものであるのだという確信を読んだのかなと解釈しました。サザンの希望の轍も思い出され、ずんずん前に行く感じに若さを感じました。
甘酢あんかけ
★0

旅だと告げるように鳴る風

出詠名 天田銀河
3 / 19 ×2 ×13 ×7 ×1

互選名 松本未句知己凛寿々多実果ロサ・ブラックティー西鎮遠野 かなみ甘酢あんかけNATURAもーたろまちか404notF0816さち芍薬袴田朱夏衣未(みみ)水無月水有きい榊 康静ジャックきつね天田銀河

選評名 風を詠まれた中で、私はこの風が上の句にピッタリだと思いました。強すぎず弱すぎず。心地よい風を感じました。
知己凛
★0
「吹く」ではなく「鳴る」を選んだところが素敵です。耳元をさーっと風が抜けていくすがすがしさが上の句に綺麗にマッチして、どんな旅をすることになるのか想像するのが楽しいです。
芍薬
★0
一首を通して五七五七七で難なく読めますが、言葉を分けて考えると面白いです。「夏草に素足で立てば」「風」であり、それはどんな風かというと「ここからが旅だと告げるように鳴る」風。この風の描き方が素敵だと思うと共に、こういう「が」の活かし方があるのかと脱帽しました。
さち
★0
追い風、向かい風、いろいろありますが、どんな風なのか。さえぎるもののない(はずの)草原で鳴る風なら、かなり強いことが想像されます。上の方の書かれているように「鳴る」であるところがよくて、本当に聞こえたのではなく心象のなかで吹いた風かもしれないと思いました。
袴田朱夏
★0
人生を旅としていると読みました。風の音に、少し恐怖心を感じながらも、踏み出そうとしている、そんな若い人のこころを想起させる青春のお歌でした。
甘酢あんかけ
★0

世界 わたしの青が目覚める

出詠名 まちか
4 / 16 ×1 ×12 ×4 ×1

互選名 キールりん2ロサ・ブラックティー西鎮遠野 かなみ甘酢あんかけさかなかな常盤このは天田銀河404notF0816さち芍薬文月水無月水有きい榊 康まちか

選評名 夏草の青々とした緑、私の青春、未熟な懸命さ、等々、色々な「青」に思いを馳せられる1首でした。ハッとして世界が煌めき始める様が感じられます。
りん2
★0
「わたしの青が目覚める」というフレーズが好きです。足裏の草の感触とか草の匂いとかに触発された、ざわざわした感じが伝わってきました。
きい
★0
他の方も詠まれていますが、この上の句には、このお歌のように三句を体言止めで受けて、四句から結句にかけての句またがりで繋ぐのが美しいんだなぁ、と気づかされました。そのようなお歌のなかでも、最も美しいと感じました。「青が目覚める」、よいですね。
西鎮
★0
↑すみません。不明、お恥ずかしいです。句またがりではありませんよね、大変失礼しました…四句の中間切れということでよかったのでしょうか😅
西鎮
★0
自分の中にはいまどんな「青」が眠っているだろうか、と胸に手を当てて考えたくなるそんな一首です。ここからが世界、と言い切ってしまう強さも好きです。
芍薬
★0
青が目覚めるというのが抽象的でいろいろ読者に想像させてくれます。未来を見据えた凛とした姿勢が伝わってきました。
甘酢あんかけ
★0

宇宙 みどりのカタパルトより

出詠名 袴田朱夏
5 / 15 ×5 ×3 ×5 ×1

互選名 りん2ロサ・ブラックティー西鎮甘酢あんかけさかなかな天田銀河まちか404notF0816芍薬藤 かづえ榊 康袴田朱夏

選評名 ウォォォー!ガンダムみたい!宇宙だもんね。行きまーす!と中腰ぎみで駆け出しそう。認めたくないものだが、みどりのカタパルトがいい(^_^)
榊 康
★0
『〇〇〇、行きま~す!」ってやってるコ居そう(^^;)そういえば、スーツは素足で裸足(^^;)カモ
ロサ・ブラックティー
★0
結句のみどりのカタパルトがすごくいいなと思いました。カタパルトという言葉を存知ず調べたところ、艦艇(現代では主に航空母艦)から航空機を射出するための機械、また宇宙船やロボットなどを射出する装置もカタパルトと呼ばれる、と、ありました。作中主体がこれから勢いよく飛び立とうとしていることが伝わってきます。未来への空間の広がりも感じられ爽快感があります。みどりとひらがな表記にされたのも、漢字より適しているように感じました。展開に心地よい飛躍と意外性がありとっても好きなお歌だと感じました。ただ、宇宙というのが若干飛びすぎなような気もほんの少し致しましたが、これがまた若さなのかなという解釈もできてとても魅力的でした。
甘酢あんかけ
★0
宇宙とカタパルトから、夏の草原へ裸足でかけてゆく自由と勢いが強く感じられ、非常に魅力的だと感じました。子供の豊かなイマジネーションにも、大人の開き直りにもとれ、深いと思いました。
西鎮
★0
みどりのカタパルトがいいですね!作中主体には宇宙を駆け抜けて行って欲しいと思います。
404notF0816
★0
確かにここ(夏草)は地球なのですけど、大きな目で見れば宇宙の一部なんですよね。なので「宇宙」と大きな言葉で言い切ってしまうのもあながち間違いではないんだなと気づかされました。みどりをひらがなにしたところが子どもが本気を出して壮大な自然に立ち向かっていくさまを表現しているようで瑞々しい一首です。
芍薬
★0

君がひとりで決めてゆく道

出詠名 寿々多実果
6 / 14 ×1 ×10 ×7 ×1

互選名 松本未句知己凛ロサ・ブラックティー西鎮遠野 かなみ甘酢あんかけさかなかなNATURAもーたろ常盤このは天田銀河404notF0816藤 かづえ榊 康静ジャックきつね寿々多実果

選評名 素足になるまではあなたと君は並んで歩いていたのかなと思いました。わくわくする夏の景が多いなかですこしシーンとした寂しさがユニークで目を惹きます。もしかすると親子の姿なのかもしれません。親離れ子離れのシーンだとしたらそれもとても素敵ですね。
芍薬
★0
親から子への歌ととりました。」」))「「未来へのつながりをイメージさせる下の句のなかで、シンプルなのですが、その分力強さとまっすぐさを感じたのがこちらでした。

主体の視線の優しさも伝わってきました。
天田銀河
★0
自立への一歩と読みました。見守る大人の厳しくも優しい姿勢がにじみ出ています。この子のために厳しくしなくては、と、言い聞かせているようにも感じ、親心を打つお歌だと思いました。
甘酢あんかけ
★0

息吹きに満ちた海のはじまり

出詠名 芍薬
7 / 13 ×1 ×9 ×5 ×1

互選名 ロサ・ブラックティー西鎮遠野 かなみ甘酢あんかけNATURA常盤このは天田銀河まちかさち文月藤 かづえきい榊 康静ジャックきつね芍薬

選評名 杉谷麻衣さんという方が詠まれた<捨ててゆく景色のなかにも幾億のいぶきがあってレールは続く>という素敵な歌があるのですが、それを思い出しグッとこの下の句の世界に引き込まれました。初夏の十勝のような命の満ち満ちた雄大な景色が眼前に広がる素敵な歌ですね!目の前の視界が広がってる分、見ている世界観と申しますかそういったものが広いのだろうと想像させられます。
榊 康
★0
「息吹に満ちた海」が、小さい草ではなく、少し丈の高い草の、草原が風にうねっている情景を連想しまして、広大さを感じました。
ロサ・ブラックティー
★0
見晴らしの良い場所に立ち、とてもすがすがしい心地を感じている主体の姿を想像しました。精神的にふんぎりや区切りがついた後…のようにも思えます。
そして、夏草や海に表される広大な自然の豊かさと生命力が伝わる句ですね。爽やかな印象が好きでした。
上の句の夏草と素足が一番活かされていると思い、特選にさせていただきました。
遠野 かなみ
★0
夏草の景色もある程度の空間の広がりを感じましたが、海の始まりとしたことで、さらに果てのない広い空間を感じ、未来への大きな開放感を感じさせてくれました。息吹きという言葉で躍動感を感じ若いエネルギーを感じました。
甘酢あんかけ
★0

夢の跡から夢への一歩

出詠名 常盤このは
8 / 12 ×2 ×6 ×4 ×1

互選名 キールロサ・ブラックティー甘酢あんかけさかなかなもーたろさち芍薬文月榊 康静ジャックきつね常盤このは

選評名 立たれている場所が牧草地なら、この場所を開墾した人々の遠い夢を偲ぶことができ、かつての都跡なら、今はその面影はなくとも、ここに理想郷を求め築かれたのだなぁと想いを馳せることができます。そこからの夢への一歩に夢の連鎖からくる壮大な夢物語を見るようで、また”夢から夢へ”にこの世の過客の夢語りを聞くようで、どこか儚さの様なものもこの一首には漂っているように感じられます。詠み人により上の句からこのような感慨の歌が生まれるなんて、連歌の面白さであり魅力ですね!
榊 康
★0
「夢の跡」から松尾芭蕉を思い起こさせつつ、上の句が生きる展開になっていますね。上の句からは特に「ここからが」で終わる所にポジティブさを感じましたが、この下の句はストレートな言葉でハッキリとそちら(ポジティブ)に方向づけられていて、作者の意思のようなものを感じました。
さち
★0
奥の細道のテイスト(夢の跡)をこんな形で取り入れることができるなんて素敵ですね。つはものたちはこのあとどんな道を歩んでいくのか後ろから見守りたくなる歌です。
芍薬
★0
芭蕉の夢のあとを生かした面白みがあるお歌だと思いました。一気に前向きな明るいお歌に転換されてて、若々しい雰囲気がいいなと思いました。
甘酢あんかけ
★0
うまいし、ポジティブなところが好きです。
特選を入れるつもりでいたのですが、評を書いていたら「ここからが夢の跡から夢への一歩」の「ここからが」に違和感を感じてしまいました。
上の句の単語、雰囲気を生かしていてとてもいいなと思うのですが、そこだけが残念に(自分は)思いました。
きつね
★0

メロス、光はひとすじ伸びて

出詠名 遠野 かなみ
9 / 11 ×2 ×5 ×4 ×1

互選名 松本未句寿々多実果りん2ロサ・ブラックティー西鎮天田銀河袴田朱夏藤 かづえきい榊 康遠野 かなみ

選評名 メロスを置いたことで「ここ」まで走ってきた履歴を感じさせるのが面白いと思いました。これまでとこれからを繋ぐ巧みな設定だと思います。
松本未句
★0
夏草、素足というキーワードから「メロス」が浮かぶことがまずユニークですばらしいです。伸びた光の先にゴールは見えているでしょうか、メロスに大声でエールを送りたくなります。
芍薬
★0
「メロス、」は、メロスへの呼びかけと取り、歌の中では「ここから」が何かは明示されていない、ただし「光はひとすじ伸びて」というイメージだけ示されたと読みました。『走れメロス』の話のどこか、例えば山賊を退治して倒れたあとにどうにか立ち直ったときに、メロスが見たわずかな希望を思い起こさせます。

――斜陽は赤い光を、樹々の葉に投じ、葉も枝も燃えるばかりに輝いている。日没までには、まだ間がある。(太宰治『走れメロス』より)――

三句末尾「が」にとらわれることなく大胆に、しかも上の句のイメージからメロスの駆けだす姿を見せる秀歌だと思います。
袴田朱夏
★0

夏 サンダルを手に走り出す

出詠名 キール
10 / 8 ×1 ×4 ×6 ×1

互選名 寿々多実果西鎮NATURAもーたろ常盤このはまちか404notF0816袴田朱夏榊 康静ジャックキール

選評名 上の句を受けて、そのままの躍動感が感じられる。
もーたろ
★0
脱いだ靴をどうするかについてきちんと言及している唯一の歌ですね笑。草原はスニーカー以外だと走りにくいのでサンダルなら確かに脱ぐよなぁと思わされました。
芍薬
★0

子どもにもどるための入口

出詠名 知己凛
11 / 8 ×0 ×6 ×8 ×1

互選名 松本未句キール寿々多実果りん2ロサ・ブラックティー甘酢あんかけNATURA天田銀河さち袴田朱夏衣未(みみ)きい榊 康静ジャック知己凛

選評名 裸足になるとみんな童心に帰るというか、大人もついつい子供のようにはしゃいでしまう気がします。そんな入口に立っているのですね。
きい
★0
夏って子どものための季節みたいな感じがしますよね。ヒールや革靴、スニーカーぜんぶ脱いでみんなが同じ素足になったら、大人社会でのヒエラルキーなど関係の無い世界に行けそうです。
芍薬
★0
大人になると素足で草に立つことがない生活になってしまう。でも、ひとたび夏草の上に立ってしまえば、草のごわごわを足の裏で感じ取ってしまえば、一気に童心にかえれるんだという、感覚がとても呼び覚まされるお歌でした。
甘酢あんかけ
★0

世界の始まり 息吸い込んで

出詠名 りん2
12 / 7 ×1 ×3 ×5 ×1

互選名 ロサ・ブラックティー甘酢あんかけもーたろ常盤このは芍薬きい榊 康静ジャックりん2

選評名 かなり迷いました(^^)この「世界」は、「新しい世界」なのですね。「息吸い込んで」の言葉のおかげで、新鮮な草の薫りが感じられる気がしました。
ロサ・ブラックティー
★0
「世界」という大きな概念を歌に取り入れるのは勇気がいることだと思います。夏草茂るすがすがしい空気をめいっぱい吸い込んでその世界に飛び込んでいく主体の緊張感やどきどきが伝わってきました。
芍薬
★0
結句の「息吸い込んで」がいいなと思いました。夏草のしげる中で感じた新しい世界に対しての少しの緊張と前向きさが表れているように思います。

★0
息を吸い込むという動作が、これから始まる未来へのこころの準備として読めました。ものごとのはじまり、いよいよ動き出す瞬間が感じられました。前方に拓けている気持ちのよさがありました。
甘酢あんかけ
★0

時間旅行のための助走路

出詠名 静ジャック
13 / 7 ×0 ×5 ×7 ×1

互選名 松本未句知己凛ロサ・ブラックティー遠野 かなみ甘酢あんかけNATURAもーたろ天田銀河404notF0816さち衣未(みみ)榊 康静ジャック

選評名 なんといっても時間旅行というパワーワードが好きです。
404notF0816
★0
時間旅行!ということは過去にも未来にも行けるのですね。自分だったらどこを目的地に設定するかな、と考えるとわくわくしてきます。
芍薬
★0
助走路がいいなと思いました。時間旅行という拓けている空間にむけて、勢いつけていくんだという疾走感がここちよかったです。
甘酢あんかけ
★0

芽生えの季節さあ雨よ降れ

出詠名
14 / 7 ×0 ×5 ×5 ×1

互選名 松本未句知己凛寿々多実果もーたろ天田銀河404notF0816藤 かづえきい榊 康静ジャック

選評名 そうそう、清々しい上の句なので忘れそうでしたが季節はまだ6月なんですね。雨よどんどん降ってこいと素足で草に立つ主体が潔いです。
きい
★0
上の句だけを読むとすかっと晴れた夏空を思い浮かべがちなのですが、生き物が育つには雨が必須なんですよね。空に向かって「さあ」と呼びかける主体の器の大きさを感じます。雨が苦手なのでこの発想はなかったなぁ…笑。
芍薬
★0
雨、という語が入っているのは本作だけでしたね。六月にふさわしいと思います。梅雨の季節を迎えてやるぞ、さあ来い、という結句の思い切りの良さがいいな、と感じました。
藤 かづえ
★0

あたしと風の旅のはじまり

出詠名 もーたろ
15 / 6 ×0 ×4 ×7 ×1

互選名 寿々多実果ロサ・ブラックティー甘酢あんかけNATURAさち袴田朱夏衣未(みみ)水無月水有榊 康静ジャックきつねもーたろ

選評名 上の句からふくらんだイメージを素直に詠んだとてもかわいらしい言葉のつながりです。「あたし」という一人称、まだ幼さを残した少女の旅への覚悟を感じさせて素敵です。
芍薬
★0
”わたし”ではなく”あたし”とされた所に詠み人の個性を感じました。”あたし”とされたからなのか、少し前のゆったりと時間が流れていた寅さんの時代、もしくはまだ交通機関の発達してない時代の、旅に風をお供にしていた旅人が詠まれたような、ノスタルジックな空気に包まれます。詠み人の穏やかな心境が歌から伝わります。
榊 康
★0
あたしという言い方がとてもよそ行きでないところがポイントかなと読みました。素の自分がまっすぐな言葉で自分に語りかけている、そんな様子が想起されました。若々しさを感じました。
甘酢あんかけ
★0

プール掃除のスタートとなる

出詠名 さかなかな
16 / 6 ×0 ×4 ×5 ×1

互選名 ロサ・ブラックティー常盤このは天田銀河さち袴田朱夏きい榊 康静ジャックさかなかな

選評名 なぜ素足になったのか、と言う理由に納得(^^)季節もぴったり、そして、なぜか、来たるべき時への期待感もちらほら見える気がしまして(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
実にリアルな6月の風景です。海パンTシャツ姿の水泳部員が、手に手に大きなブラシを持って「さあ始めるか」と並んでいる姿が目に浮かびました。
きい
★0
プールというと学校のプールを思い浮かべてしまうので、ん?まわりはコンクリートで埋められていて草は生えていない気がする……と不思議な気持ちになったのですが、夏の本番スタート!というわくわくする感じが上手に表されているなあと楽しくなりました。
芍薬
★0
上の句で飛躍したくなるところ、あえて現実的な景をもってきたところに好感を持ちます。飛躍のためにはきちんとした下準備が必要ですからね。掃除なんてと腐らずに、それこそ夏草のように元気に掃除してほしいです。
袴田朱夏
★0
水泳をやっていたのでプールという言葉を見ると心を揺さぶられてしまいます。掃除をする、ということはいよいよプールのシーズン到来。うきうきします。
静ジャック
★0

青匂ひたち君へと歩む

出詠名 文月
16 / 6 ×0 ×4 ×5 ×1

互選名 寿々多実果ロサ・ブラックティー西鎮甘酢あんかけNATURA常盤このは天田銀河榊 康静ジャック文月

選評名 君は草原の向こう側にいるのでしょうか、それともすこし前を歩いているのでしょうか。恋のはじまりにむけて素足で歩いていく主体、青春そのものの青臭さを「青匂ひたち」と表現したところが美しいです。
芍薬
★0
青匂いという嗅覚を前面に出した語がとてもいいと思いました。あの夏の草の熱気とともにやってくる独特の草の香りは、夏の野の象徴だと思います。そこに君という対象が出てくる。物語が生まれそうなお歌で印象的でした。
甘酢あんかけ
★0

令和を翔る私の一歩

出詠名 榊 康
17 / 6 ×0 ×4 ×3 ×1

互選名 寿々多実果ロサ・ブラックティー常盤このはさち文月藤 かづえ静ジャック榊 康

選評名 令和になって最初の新月の歌会にこう詠まれたことが読んで嬉しくなりました。これからも楽しい歌会を。
寿々多実果
★0
そういえば前回は平成でしたね!新しい元号になってはじめての歌会、そしてはじめての夏、どんな楽しいことが待っているのでしょうか。
芍薬
★0
今だからこそ詠める一首ですね。翔けていきたいです。
静ジャック
★0

魔王を倒す旅のはじまり

出詠名 水無月水有
18 / 5 ×1 ×1 ×6 ×1

互選名 キールロサ・ブラックティーNATURAさち袴田朱夏榊 康静ジャック水無月水有

選評名 草原に立つ勇者の姿を思い浮かべました。魔王は隠喩でこれからこの作中主体に起こる試練のことなのだろうと思いました。真剣な面持ちで夏草の上に立ち深呼吸している人が見えてくるようです。
キール
★0
ゲームに疎いので具体的な名前はわからないのですがきっとこういうシーン、ありますよね。怖くなるほど広い、果ての見えない草原なのではないでしょうか。応援の気持ちで追い風をふーっと吹きたくなりました。
芍薬
★0

青春だよと強く吹く風

出詠名 きつね
19 / 5 ×0 ×3 ×10 ×1

互選名 キールロサ・ブラックティー西鎮NATURAもーたろまちかさち芍薬水無月水有藤 かづえきい榊 康静ジャックきつね

選評名 三浦しをんさんの『風が強く吹いている』を思い浮かべました。風に背を押されながら陸上選手のようなたくましい脚が駆け抜けていくさまがさわやかで夏らしいです。
芍薬
★0

魔界であろうと勇敢になる

出詠名 きい
20 / 5 ×0 ×3 ×3 ×1

互選名 寿々多実果ロサ・ブラックティーまちかさち衣未(みみ)榊 康きい

選評名 素足になる事が、まるで封印を解くかの如くで(^^)ものすごく開放感を感じました。好きです。こういうシチュエーション。素足になる=「自分を出す」みたいでいいですね(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
身を守ってくれていた鎧や武器を捨ててまっさらな自分で立ち向かう、そんなすがすがしい景が浮かびました。夏草にどんな敵がひそんでいても勝てそうな気がします。
芍薬
★0

日傘掲げて空の始まり

出詠名 衣未(みみ)
21 / 5 ×0 ×3 ×2 ×1

互選名 知己凛甘酢あんかけ榊 康静ジャック衣未(みみ)

選評名 ジブリ作品「風立ちぬ」をなんとなく思い浮かべました。素足、日傘、空、夏の世界を素直に詠まれたわかりやすい一首かなと思いきや、日傘を掲げたら空は見えなくなるのでは?空は本当に始まるのだろうか?と引っかかりを感じさせる面白い一首です。
芍薬
★0
空はどこから空なのか。夏草の一ミリ上は、もう空の一部なのかも知れない。歌人の奥村晃作さんの「どこまでが空かと思い結局は地上スレスレまで空である」を、思い出しました。日傘というアイテムで降り注ぐ太陽、濃い影を思い浮かべました。大きな夏空をメインにうたったお歌と読み取りました。雄大!
甘酢あんかけ
★0

卒業までの恋の<kana>即興劇<:>エチュード</kana>

出詠名 蟻男
22 / 4 ×0 ×4 ×4 ×0

互選名 ロサ・ブラックティー遠野 かなみ甘酢あんかけ常盤このは袴田朱夏榊 康静ジャックきつね

選評名 中学・高校三年生ぐらいでしょうか。だいたい夏で部活を引退して受験勉強を本格的に始めて卒業のパターンですね。主体は卒業までに告白するのかどうか、気になるところです笑。
芍薬
★0
上のかたも書かれているとおり、次年三月に向けてここからまさに動くんだという決意が感じ取れていいなあと思います。字数が限られるなかで卒業という具体を持ってきて、残された半年くらいの期間を想定させた点も巧み。即興劇とのことで、部活なら演劇部でしょうかね。青春の一ページ、がんばってほしい。
袴田朱夏
★0
夏から卒業までの半年の期間、恋の舞台で自分はどう演じようか・・・?と、考えている、若い方のやってやるぞ的な心意気が感じられました。
甘酢あんかけ
★0

空へと翔ける兄弟の道

出詠名 松本未句
23 / 4 ×0 ×2 ×6 ×1

互選名 ロサ・ブラックティー遠野 かなみさかなかなさち芍薬袴田朱夏きい榊 康松本未句

選評名 駆けっこ競争にぴったりのフィールド、すこし上りの傾斜がついた草原でしょうか。勢い余ってそのまま空に到達できそうなわくわくとした気持ちが伝わってきました。
芍薬
★0

本番 わたしいまから旅立つ

出詠名 404notF0816
24 / 4 ×0 ×2 ×4 ×1

互選名 ロサ・ブラックティーさかなかな常盤このは藤 かづえ榊 康静ジャック404notF0816

選評名 「ここからが本番」が良いです(^0^)/
ロサ・ブラックティー
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”本番”とされての”旅立つ”と閉じられたことで、夢に向かい故郷を発つ光景が自然に立ち、”いまから”も”本番”と響き合い臨場感が伝わります。”いま”も”本番”と合わせて漢字にした方が、本番に対する意気込み・決意みたいなものに力強さが添えられたかなと思いましたが、平仮名の所が、少しどこかに心細さもあるのかなと想像させられました。
榊 康
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主体は思春期の少年少女かなと思いながら読みました。人生の準備段階(幼児期)を終えて、ここからが本番だと自覚しているところがすごいですね。目の前にたくさんの選択肢が広がっていそうな夢のある一首です。
芍薬
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臆さぬ始まり ありのままに

出詠名 ロサ・ブラックティー
25 / 3 ×0 ×1 ×0 ×1

互選名 榊 康ロサ・ブラックティー

選評名 いま主体は何かへの踏ん切りをつけるために夏草に立っているのですね。おそらくは恋、でしょうか。素足=着飾らないで相手と向き合う覚悟ができたのかなと思いました。
芍薬
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ここからが”臆さぬ””始まり”ということは、それまで臆して来たのね(^_^) でも臆病であることはそう悪くもないですよ。”怖い”と思うことは、どこかまだ準備が足りてないのを薄々自覚していて、そういう人は不安がなくなるまで色々と検証を重ねる人だからね。そんな積み重ねをして来た人の”ありのまま”は見守る側も”信じよう”となると思います。
榊 康
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恋という名の罠のはじまり

出詠名 NATURA
26 / 2 ×0 ×0 ×6 ×1

互選名 松本未句ロサ・ブラックティーさち袴田朱夏榊 康静ジャックNATURA

選評名 素足という無防備さで確信犯的に罠におちていく主体は強いですね。なんとなく好きになってはいけない相手との恋なのかなと思いましたが夏ですし、良いと思います!
芍薬
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<kana>兵<:>つはもの</kana>どもの夢の跡てふ

出詠名 さち
27 / 2 ×0 ×0 ×5 ×1

互選名 西鎮甘酢あんかけNATURA芍薬榊 康さち

選評名 古語に疎いので「てふ」に込めた意味が掴みきれなかったのですが(と云う、の意味で合っているでしょうか?)、全体的に夏!明るい!これから!という前向きな歌が多い中で静けさが際立つ一首でした。風が草を揺らす音だけが聴こえてきそうです。
芍薬
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力不足で理解し切れなかったのですが、芭蕉の作品をふまえ、最後のてふを飛び立つ蝶として添え、ストーリーをふくらませているのかなと読んでみました。違ってたらすみません。。
甘酢あんかけ
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少年少女のスタートライン

出詠名
28 / 2 ×0 ×0 ×3 ×1

互選名 ロサ・ブラックティー榊 康静ジャック

選評名 ぐんぐん伸びていくであろうつやつやの夏草と少年少女の重ね合わせ方が清潔感のある雰囲気でした。このスタートラインから先、転んだり倒れたりしながらもその都度立ち上がり、彼らは強くなっていくのでしょうね。
芍薬
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大人の心立ち入り禁止

出詠名
29 / 1 ×0 ×1 ×4 ×0

互選名 ロサ・ブラックティーさち文月藤 かづえ榊 康

選評名 子どもにかえってよいですよ、をかっちり大人テイストで表現するとこのような下の句になるのですね。標語のような言葉遣いでありつつ、目の前の景にわくわくする心をおさえきれずにいる主体もちらっと垣間見えてほほえましいです。
芍薬
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素足で歩く‥大人になると草の上を素足で走る事あまり無いですから、子供に立ち返りって断りがいいですね。
文月
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虹の始まり新しい君

出詠名 しまりす
30 / 1 ×0 ×1 ×4 ×0

互選名 もーたろ404notF0816さち榊 康静ジャック

選評名 虹の始まりがいいですね。六月らしくて雨後のようで、立っている足元から虹が生えているような気がしました。
404notF0816
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雨上がり、すっきりと晴れた草原に立っているふたりを思い浮かべました。恋人でも親子でもどんな関係でもフィットしますね。
芍薬
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心の白黒天然色に

出詠名 温湿布
31 / 0 ×0 ×0 ×3 ×0

互選名 ロサ・ブラックティーさち榊 康

選評名 心に鬱屈したものを抱えながらとぼとぼと歩いてきて、えいやっ!と靴も靴下も脱ぎ捨てて仁王立ちしている主体が浮かびます。ことのほか夏の自然は色が綺麗です、心も晴れ晴れとしますように。
芍薬
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