連歌の花道『新月ノ歌会』

聖夜の歌会

新月ノ歌会工事中

夢で会う約束がある 傘立ての底にうまれた夜のみずうみ 久藤さえ × 西藤智

今年イチを決める歌会 Champions Renga『Champions Renga』

新月ノ歌会
平成28年 星 CHAMPIONS RENGA 星

詠草リスト

 

冠さよならが五階の窓を去ってゆくそれから春が満ちる教室

出詠名 つん × きつね
首席 / 22180点 ×4 ×7

互選名 木蓮古志野光きつね吉川みほロサ・ブラックティー雪間さとこ塾カレー宮嶋いつく静ジャック宮本背水きい

選評名 学生らしさも読み込まれているように思え、
さらに季節や時間も抱き込んだ、レベルの高い一首だと思います。
難を言えば「それから」で下の句をはじめたことによって、
説明チックな印象も受けました。
古志野光
★0
「さよなら」と「それから」が響きあっていて、「それから」には韻律として濁りもなく、さよならの後の一呼吸のようにも思え、効果的とわたしは感じました。一首を通して学生時代と春の柔らかさと傷つきやすさを感じられました。
吉川みほ
★0
ふたたび鑑賞しますと、「さよなら」が去っていった五階の窓から、入れ替わりに「春」が入って来たように思いまして。なにか暖かいものが満たされていく様な感じがした所が、良かったです。
ロサ・ブラックティー
★0
これも好きなんですが票が足りませんでした。
みちくさ
★0
季節の流れで行けば、卒業の季節の後に春本番。移り変わりをよく描き出している歌だと思いました。
宮嶋いつく
★0

名月にあと十センチ届かない 悔しくて咲く夜の朝顔

出詠名 静ジャック × 雀來豆
2 / 14116 ×4 ×3

互選名 木蓮きつねみちくさ雀來豆いちかわあさひ宮本背水きい

選評名 僭越ですが私が新月ノ歌会にぜひ参加してみたいと思ったきっかけになった連歌です。ウィットにとんだ名月の上句に下句の朝顔が泣くしかも夜に!ととても衝撃をうけた一首でした。大好きです。
木蓮
★0
上句、下句のつき具合、離れ具合が、とてもうまくいったと思います。
雀來豆
★0
もう一度読み直してみて、一番景が美しいと思いました。
悔しさが花の咲きっぷりから伝わるようです。
いちかわあさひ
★0

自動ドアすり抜けてゆく夏の蝶つかまえられず空がひろがる

出詠名 吉川みほ × えんどうけいこ
3 / 8066 ×2 ×2

互選名 ロサ・ブラックティー塾カレー宮嶋いつくきい

選評名 解放感が素敵です。
ロサ・ブラックティー
★0
蝶という一点を追うように見せて、建物内から夏空の野外に移っていく視点。この情景の広がりが見事と思いました。
宮嶋いつく
★0

ロケットの中にこっそり冬の月君は満ちたり欠けたりしない

出詠名 木蓮 × みちくさ
3 / 8066 ×2 ×2

互選名 雪間さとこみちくさ静ジャック蟻男

選評名 悲しい歌っぽいのに「しない」と言い切ったことで決然とした思いのようなものを感じる歌です。一首に絞るとしたらこれかな。
静ジャック
★0
“君”への想いが言い切りの形で伝わってきます。
優柔不断な私には憧れすらある歌です。
蟻男
★0

きらきらとあるかなきかの初氷北極星を閉じ込めてゐる

出詠名 藤 かづえ × 宮嶋いつく
4 / 8065 ×1 ×3

互選名 ロサ・ブラックティー雪間さとこ塾カレー404notF0816

選評名 今回は、空間を詠んだ歌を選んだように思います。この歌については、評にも書いた通り、「氷」と「星」という、微かに光るものが二つあって美しいと思ったのと、空気の、澄んだ冷たさが心地よかったので選びました。
ロサ・ブラックティー
★0

新緑も振り返らずにダービー馬ちぎり絵のなか走りつづける

出詠名 静ジャック × 塾カレー
5 / 8064 ×0 ×4

互選名 きつねいちかわあさひ宮嶋いつく宮本背水

選評名 なんかちょっとかっこよくて好きです
きつね
★0
爽やかさと力強さがダイレクトに伝わることに加えて、色彩感覚が好きです。
いちかわあさひ
★0
ダイナミックな動きの一瞬を留めるために選択された「ちぎり絵」という言葉が秀逸でハッとしました。鮮烈。
吉川みほ
★0

また一つ忘れてしまう木の実落つフィルムケースに閉じこめてみる

出詠名 吉川みほ × 蟻男
5 / 8064 ×0 ×4

互選名 吉川みほ404notF0816いちかわあさひ蟻男

選評名 フィルムケースに記憶を閉じ込めている。それは木の実の形をしている。抽象と具象の取り合わせが面白い上下の組み合わせだと感じました。
吉川みほ
★0
最初、木の実が落ちる懐かしい感覚から、フィルムケースへ閉じ込めるリアリティーがよい、と思いました。
いちかわあさひ
★0

またひとり踊りの輪から消えてゆくかがり火越しに影を伸ばして 名を遠雷に呼ばれたように

出詠名 宮嶋いつく × 古志野光 きい
6 / 6050 ×2 ×1

互選名 古志野光吉川みほ静ジャック

選評名 この回はたしか下句が同点で二つあるのですね。わたしは「名を遠雷に呼ばれたように」で読みました。いないひとから呼ばれるように遠雷が聞こえる盆踊りの情景を象徴的、かつ幻想的に詠まれていて一首通したバランスも好みでした。
吉川みほ
★0
ああ、そういうことだったんですね。よく覚えていらしゃいますね。
みちくさ
★0

花びらを巻き込みペダルを踏み込んで春の星座をひとつもらいに

出詠名 古志野光 × 藤 かづえ
7 / 6049 ×1 ×2

互選名 古志野光みちくさ404notF0816

選評名 動詞が五つ入っていて動き過ぎなところがあるのですが、それがキズとしても大好きなお歌です。
404notF0816
★0

初夢が敷き詰められてきた道にほろほろたねをこぼして歩く

出詠名 雀來豆 × 藤 かづえ
8 / 4032 ×0 ×2

互選名 雀來豆蟻男

選評名 下句「ほろほろたねをこぼして歩く」ですね。
人によってそれぞれの初夢を想像でき、「夢を敷き詰めつる」という夢々しさを下の句で育もうという支えが感じられて、新年にふさわしい歌だと思いました。
吉川みほ
★0
考えたら「ほろほろ」という擬音は、涙をこぼす時によく使われていますよね。もしやこのたねは(^^)
ロサ・ブラックティー
★0

三叉路を右にたどれば蕗の薹 土やわらかく起こされて居り

出詠名 雀來豆 × ロサ・ブラックティー
9 / 2016 ×0 ×1

互選名 雀來豆

選評名 下句のやさしい表現が、とても印象的です。上句を生かしていると思います。
雀來豆
★0

サボテンのサボテンらしい恋心 わたしの夏がいま始まった

出詠名 きつね × 404notF0816
9 / 2016 ×0 ×1

互選名 木蓮

選評名


参加者一覧

詠草をいただいた方々
睦月月三叉路を右にたどれば蕗の薹 土やわらかく起こされて居り
雀來豆 × ロサ・ブラックティー
如月月さよならが五階の窓を去ってゆくそれから春が満ちる教室
つん × きつね
弥生月花びらを巻き込みペダルを踏み込んで春の星座をひとつもらいに
古志野光 × 藤 かづえ
卯月月新緑も振り返らずにダービー馬ちぎり絵のなか走りつづける
静ジャック × 塾カレー
皐月月自動ドアすり抜けてゆく夏の蝶つかまえられず空がひろがる
吉川みほ × えんどうけいこ
水無月月サボテンのサボテンらしい恋心 わたしの夏がいま始まった
きつね × 404notF0816
文月月またひとり踊りの輪から消えてゆくかがり火越しに影を伸ばして 名を遠雷に呼ばれたように
宮嶋いつく × 古志野光 きい
葉月月名月にあと十センチ届かない 悔しくて咲く夜の朝顔
静ジャック × 雀來豆
長月月また一つ忘れてしまう木の実落つフィルムケースに閉じこめてみる
吉川みほ × 蟻男
神無月月ロケットの中にこっそり冬の月君は満ちたり欠けたりしない
木蓮 × みちくさ
霜月月きらきらとあるかなきかの初氷北極星を閉じ込めてゐる
藤 かづえ × 宮嶋いつく
師走月初夢が敷き詰められてきた道にほろほろたねをこぼして歩く
雀來豆 × 藤 かづえ

12組 

木蓮[*]古志野光[*]きつね[*]吉川みほ[*]ロサ・ブラックティー[*]雪間さとこ[*]みちくさ[*]塾カレー[*]404notF0816[*]雀來豆[*]いちかわあさひ[*]宮嶋いつく[*]静ジャック[*]宮本背水[*]きい[*]蟻男

16名 


聖夜の歌会Champions Renga