秋分の歌会
夢で会う約束がある 傘立ての底にうまれた夜のみずうみ 久藤さえ × 西藤智
二人一組で短歌一首を詠む歌会 『R-2ぐらんぷり』2013-秋
フォト:クニコ@つむぎごっこさん提供
題:
こちらの写真そのものをテーマとして、短歌一首を詠んでください
(c)クニコ@つむぎごっこさん
詠草リスト
特選(3点)×1票 |
並選(1点)×2票 |
次選(0点)×∞票 |
「おかえり」と 言いたい人を探してる あたしを画廊に売ったあの人
出詠名
都々逸保育園さくら組ゆかり × 小早川
首席 / 35点 特×8 並×11 次×6
互選名 双葉屋ほいるスタープラチナみなま文麿伊豆悠レマ黒檀猫はだし卯鷺遊糸かげん五月雨と憂鬱愛紗美迂回する案眠いよmai**ちゃんこフォンデュおちゃめ専門学校みっこりん♪月々紛ボバン聞こえにくい美鈴泳二
選評名
絵画に描かれた少女が、画家(もしくは元の持ち主)のもとに戻りたいと願っている場面でしょうか。少女はその人の帰宅をいつも額の中で待っていて、幸せで満ち足りた時間を過ごしていたのでしょう。けれど恐らくは叶わない願い。少女の絶望にも近い表情が余韻となって残る歌です。
遊糸
★0
写り込んでいるのは絵の中の女性だった。題の写真を巧みに捉えていると思います。描かれたものは、魂を宿す。
たた
★0
確かにこの女性は生身ではない雰囲気がある。絵画ととってさらにそれを主体に詠んだ点が上手い。独自の物語を作り出していて三十一文字でその物語を十分に感じさせている。
泳二
★0
あれっ、こちら三点入れたつもりですけど、投票ミスしたのか反映されていないようです。
たた
★0
たたさんご参加ありがとうございました!
確認すると、特選は10位さんに投票されて、並選がこちらと5位さんでした。
こちらと10位さんは投票画面でちょうど上下に並んでたので、もしかしたら
そこで手違いがあったのかも知れません。ただ後から数字の修正ができないのと、
幸い優勝結果に変動もないので、10位さんラッキーでどうにかお願いします。
管理人
★0
R-2ぐらんぷり初代優勝は「都々逸保育園さくら組」ゆかりさん&小早川さんでした!!
*゚ロ゚)*゚ロ゚)ノ 。.:*:・’゚★゚Congratulations゚☆。.:*:・’゚ヽ(゚ロ゚*(゚ロ゚*
管理人
★0
初参加にして優勝という結果をいただきびっくりしています(^^;
普段は都々逸を詠んでいる二人なので普段短歌を読んでいる皆様とは作風が違って、『これで大丈夫だったのかなぁ』と思っていたので、この結果は全く予想していなかったものでした。
二人で悩み、あーでもないこーでもないと意見を出し合いぶつけ合い、いいところを組み合わせて出来上がった渾身の一首。
最初に考えた通りだったのは『絵の中の女性』というてんだけで、当初の予定とは全く違う歌になりましたが、皆様に気に入っていただけたのならこんなにうれしいことはありません!!
評価してくださった皆様、管理人様、そして相方の小早川さん、本当にありがとうございました!!
ゆかり
★0
まさかの首位をいただき、嬉しいやら驚くやらで動悸が止まりません。
僕たちは写真を見て、まず「なんて難しいお題なんだろう・・・」と頭を抱えました(笑)。どのように創作をしたかを思い出してみると、普段は都々逸を詠んでいる二人ですので、自然と情景ではなく感情を詠む方向になっていったように思います。
そのあと、写真の女性は「絵の中の女」なのでは、きっとそうだそれでいこうという話に。
向かいの店を監視しているのか、街行く人々を傍観しているのか、誰かを待っているのか探しているのか。当初、絵の中の女性はもっと未練がましく怖い感情を持っている予定でした。しかし短歌の形に整えていくと不思議としんみりと静かな女性に。
色々と考えましたが、気付けば「自分を売った主人を探す女」になっていました。都々逸と短歌の違いでしょうか。本当に面白いものです。
とても深く、試されているようなお題であったと思います。悩みはしましたが、今となっては素敵な写真に感謝している次第です。
たくさん投票いただいてありがとうございます。
小早川
★0
斜向かい 一人が来ない 待ち合わせ 冷めてくコーヒー 何もできない
出詠名
ちゃんこりん♪ちゃんこフォンデュ × みっこりん♪
2席 / 28点 特×7 並×7 次×5
互選名 のーりーずんスタープラチナゆりぐもはだし久太ゆかり小早川遊糸miyafiみそ味五月雨と憂鬱愛紗美温かい図鑑スカイハイ萌々クニコヒトデマン九官鳥と猫お困りですか
選評名
力の入ったレトリカルな歌が並ぶなか
比較的平易な言葉で綴られたこの歌はいい意味で目立っていたと思います。
他と比べて特に詩情が劣るわけでもなく
歌の前後にドラマが見えるし
周りの景色を見せたあとの結句「何もできない」は
ストレートだからこそドーンと焦燥感を食らわせてくれました。
miyafi
★0
「冷めてくコーヒー 何もできない」の表す情感に心臓をつかまれました。
小早川
★0
淡々とした絶望感にぐっときました。
状況を読み上げているのですが、全角空いていることで一句一句がより引き立ちつつ淡々としたトーンに仕上がっていて、モノクロ写真のクールさとすごくマッチしています。写真をなぞりすぎるか、遠くなりすぎて伝わらないかに陥りがちですが、この作品は写真との距離感が絶妙です。写真とあわせてお互いがより引き立っている、写真をお題にした理想の作品だと思いました。誰が読んでも理解できる単語で印象に残すというのが一番高度だと思っているので、その点も個人的に◎でした。
クニコ
★0
窓のそと栗を売るこえ灰色の猫が乙女となりました
出詠名
500マイルみなま × 文麿
3席 / 22点 特×6 並×4 次×6
互選名 悠なにわ黒檀猫卯鷺rayちぐさナイス害スカイハイ眠いよクニコ真匿名きょむお困りですか管理人鏡が映すものぷるぷらがい
選評名
猫が乙女の筋書きは定番的メルヘンのようですが、栗売りの存在が意外性あり違和感なく、
作中にパラレルワールドのような不思議な魅力が漂っています。
結句5音は、その「完結」を強調して伝えて、それ以上は要らないハッピーエンドを
意味しているように思います。29音に圧縮された一文からは却って多くのシーンが
浮かんできて、こういう見せ方もあるのだと勉強になりました。
管理人
★0
写真とあわせて見たときに、私もこの街に紛れてこの物語を生きてみたいと思いました。
クニコ
★0
猫が乙女になる。乙女になった灰色の猫は誰なのだろう。詠み手なのか。私なのか。どこかの誰かなのか。
★0
街の主もっと湿度を上げなさい ラブソングまで 逆に流れる
出詠名
エキゾチック草原ヒトデマン × おはな
4席 / 21点 特×4 並×9 次×7
互選名 ゆりぐも恋をしているななかげんみそ味ナイス害たける愛紗美迂回する案スカイハイ眠いよmai**ruokaクニコみっこりん♪お困りですかボバン管理人鏡が映すもの泳二
選評名
作中主体は、その口調からも絵の女性自身だと捉えました。「街の主」は、
写真の外にいる架空の存在か。その姿や関係性が想像されて、寓話的舞台の
広がりが楽しめます。下句からは、ガラス下に映った女性を透した恋物語が
見えてくるよう。その暗転を予感させる隠喩表現もおしゃれで好みでした。
詩文も整っていて、画に留まらない世界感を味わえる良作と思います。
管理人
★0
上から目線(笑)なんだか私も街の住人として叱られたような気になりました。なんかとても好きです。右脳が好きっていってます。写真ともあってるな~。いいな~。
(みなさん選評が知的すぎて困ります。はずかしいw)
クニコ
★0
とても好きです。湿度を上げるっていうことが
具体的にどういうことか、ラブソングとの関係も
どういうことなのか、明らかにされていませんが、
感覚に訴えかけられるように、印象的でした。
とても好き。
mai**
★0
「ラブソングまで逆に流れる」このお題からこのフレーズはやられたと思った。字空けにあまり必要性が感じられない点と初句の調子がちょっと残念。
泳二
★0
鍵をなくしそこねてふたりゆく ここは光を飛ばすほどの町だよ
出詠名
地下鳩むつき × ちせ
5席 / 20点 特×5 並×5 次×4
互選名 恋をしているななはだしももんがみそ味ちぐさおはな愛紗美迂回する案ちゃんこフォンデュ真匿名おちゃめ専門学校管理人たた
選評名
「光を飛ばすほどの町」のフレーズが、写真イメージを更新する力を持つ。
ふたり、とは、詠み手は写真の中に誰の姿を見ているのだろう。写真の奥に広がる町の光景や匂いを感じようとしているように思った
ももんが
★0
写真の物哀しい雰囲気が明るく反転するような、気持ちいい驚きを受けました。
鍵をなくし「そこね」の、幸不幸を引っ繰り返すレトリックがとても面白かったです。
ドラマチックになりそうでならない二人のドラマを楽しく伝えるような、
一見灰色な情景からも多くの喜びを歌い出す全肯定的な印象で
清々しい読後感に包まれました。「だよ」もすごく好き、だよ。
管理人
★0
「鍵をなくしそこねる」「光を飛ばす」。魅力的なフレーズだと思います。ただし観念(イメージ)だけに留まったことで、作者が題の写真に迫れていなかったのかなと感じました。作者が写真から感じ取った物語を知りたい。そういう理由で次点にしました。
たた
★0
「鍵をなくしそこねて」は自由への渇望と少しの絶望みたいなものが表現されているのでしょうか。そして後半の「光を飛ばすほどの町だよ」には強い希望を感じます。今回「町」という言葉を採用した歌が多い中で、前半のちょっとした絶望感とそれを越えるような後半の希望の強さが見事に混ざり合ったこの歌が最も写真の情景を表していると思いました。本当に素晴らしいと思います。
恋をしている
★0
いやなひときらいすきなひときらいキラキラ寝癖のままじゃ逢えない
出詠名
before the spoon恋をしている × 遊糸
6席 / 19点 特×4 並×7 次×4
互選名 ちせはだしももんがみそ味おはなナイス害愛紗美温かい図鑑迂回する案いけ眠いよクニコおちゃめ専門学校管理人美鈴
選評名
前半の韻文がまず面白いです、結局どっちもきらいな。その稚拙な日本語が、
この絵に「もののけ」のような不思議な命を吹き込んでいます。それでいて
複雑さも感じる性格や、「キラキラ」から結びまでに女性らしさを覗かせて
親近感まで抱けるキャラクターに。前半と後半の仮名と漢字の使い分けは、
キラキラがきかっけで曖昧な存在に人格が固まる様を描いた演出のようにも。
独特な詩世界ながら内容が伝わってくる、とても楽しい一首でした。
管理人
★0
すごくいいと思いました。
解釈は人の数だけあると人は言いますが、
その通りだと思いますのでコメントが大変です。
キラキラ寝癖の対象者がキラキラというワードに
よって10代後半を匂わせるかと思いきや、でも
実はこれは恋に目覚めた遅咲き30代が一番似合う
のではないかと感じました。
片意地はって生きてき初めて知った本物の恋。
「何あの子たちの会話は」から仕入れた情報を、
一生懸命実行していて朝になってしまった。
こんな解釈をしてみました。好きな世界観なので
て
温かい図鑑
★0
寝癖がある自分に自信のない状態で誰にも会いたくない!今はみんなきらい!というふうに捉えました。前半が平仮名であることで、この「嫌い」は子供じみた感情であって本当にきらいなわけではないのを表してるのかなと。すごく共感できるし短歌としてとても好きな作品です。ただ今回の写真がお題と捉えると写真とのテンションのズレを感じてしまうかな。。
クニコ
★0
嫌が嫌いになりきらい・きらいがキラキラになっていく言葉遊びと、下の句になって一気に駆け上がるスピード感好きです。
視線への意識のかんじ、キラキラの反射してるかんじも写真と合ってると思います。
ちせ
★0
イヤホンをはずせば秋だ 数千の視線からなる銀行街だ
出詠名
砂上の塔ちぐさ × よしだや
7席 / 18点 特×4 並×6 次×5
互選名 スタープラチナ恋をしているちせ伊豆はだし卯鷺miyafiかげんおはなむつき迂回する案ちゃんこフォンデュ九官鳥と猫管理人たた
選評名
女性像に対して男性的な「だ」の脚韻が印象的で、詩が画に飲み込まれない存在感を
放っているようです。今回写真という強い媒体に「乗せる」アプローチが当然多い中、
こちらからは並び立ち映える力強さを感じました。秋の移ろいを大胆なスピードで
詠み切った上句は特に好きです。修辞を要所に、一つ間違えるといやらしくも
なりそうですが、巧みなバランスで人を惹く工夫を散りばめた一首だと思いました。
管理人
★0
「銀行街」っていう物語っぽさと現実っぽさのあいだくらいの選択がずるいです。
主体の聴覚から視覚に行って、視覚は主体のものから他者たちのものになって、それが街だというのも鮮やかでした。
ちせ
★0
イヤホンをはずした時の音楽から急に現実に向かい合う感じが非常によく出た歌かと思いました。特に「数千の視線」と言われて、なぜか星空の画がまっさきに浮かび、「こちらの大きな世界に戻ってきた」という気づきのきっかけとして非常に有効に機能していたように感じました。
恋をしている
★0
宛名のない封筒透かし息止める風に招待されたこの街
出詠名
友達が公務員温かい図鑑 × みそ味
8席 / 17点 特×3 並×8 次×15
互選名 のーりーずんゆりぐも文麿恋をしている悠はだし卯鷺小早川遊糸miyafiかげんむつき迂回する案いけ眠いよmai**ヒトデマンみっこりん♪ボバンバイン聞こえにくい管理人美鈴鏡が映すものたた泳二
選評名
ガラスに映った世界を
封筒が透けていると表現されたところが
とても素敵で斬新だと思いました。
確かに写真には風も吹いていそうで
世界観が上手に反映されていますね。
mai**
★0
窓や女性を詠みこまず、街を「風に招待された」という詩的な言葉で表した。上句もお題と直接の接点はなさそうだが、不思議な説得力がある。短歌として完成度が高いと思います。
泳二
★0
「封筒透かし息止める」はかなり圧縮されており(封筒を光に透かし、それからわたしは肩を落として息を止める、などの省略)窮屈に感じました。全体的に風のイメージがあるので、短歌の中に「風」の文字を出さない方が効果的かなと思いました。
たた
★0
先天性また君だらけ症候群かんざし一つ渡せもしない
出詠名
スーパーマリオブラザーズ(*^茄子^*)ナイス害 × 迂回する案
9席 / 17点 特×3 並×8 次×6
互選名 恋をしているちせみそ味おはなたける愛紗美温かい図鑑ruokaクニコおちゃめ専門学校お困りですか月々紛バイン美鈴鏡が映すものたた泳二
選評名
「君だらけ症候群」はキャッチーで慕情も伝わる造語。しかも先天性。
悪戯っぽい表現ながら、運命めいた恋物語まで含ませていると思います。
突拍子な「かんざし」は外国風な舞台とのコントラストで物語の濃さを
引き立て、またその「ズレ」から交われない異世界の哀感が滲むよう。
感傷的でもある詩情を、面白さに拘って詠んだ意欲作だと思いました。
管理人
★0
先天性ということは輪廻の世界観で、前世は江戸時代あたりの日本男性ということでしょうか。約束していたかんざしを「君」に渡せない、何故なら生まれ変わった地は異国だったから。そんなふうに読みました。切なさと面白さが同居した作品ですね。
遊糸
★0
もんもんとした恋情が単語のユニークさで深刻になりすぎず表現されていて小粋で御洒落ですね。
ただその小粋さはこのモノクロ写真とあわせて見たときに少しテンションのズレを感じます。
これがカラーであればこの短歌の小粋さともっとマッチするのでは思いました。
クニコ
★0
「また」と「だらけ」中心に上句好きです。
おもしろい造語の力を下句でうまく流してるのかなと思いつつも、かんざしを渡せないのは安易に思えました。
ちせ
★0
「先天性また君だらけ症候群」は最高に面白い!…だけに「かんざし」は必要なかったと思います。上の句が決まったときは、下の句の収め方が難しいところです。
たた
★0
映りこむ景色か気怠いまなざしか どちらがまこと 裏返る街
出詠名
魔女の館黒檀猫 × 白梟
10席 / 14点 特×4 並×2 次×1
互選名 のーりーずん楓ようこ双葉屋ほいるゆりぐもなにわはだしたた
選評名
「映り込む景色」を写真の画と捉えたのですが
そうすると「気怠いまなざし」とどこかイメージが重なってしまって
四句が活きてこず、そこをうまく解釈するために
少し深く読む必要のある難しい歌になっている印象でした
miyafi
★0
ガラス窓越しの油絵に
ガラスに映った反転の街が重なる
二重構造をそのまま詠んで
二重構造の真意を問いかけた歌でした
黒檀猫
★0
目を閉じて世界の色を消したくて眩暈の底の闇を求めた
出詠名
天の川で僕らはおちゃめ専門学校 × のーりーずん
11席 / 12点 特×1 並×9 次×9
互選名 楓ようこスタープラチナゆりぐも文麿白梟はだしray遊糸迂回する案いけ眠いよruoka月々紛聞こえにくい管理人猫亭屑屋たた泳二ぷるぷらがい
選評名
見たくない現実に出くわしたとき、
もしくは見てはいけない景色に触れたとき。
目を閉じるけれど、瞼の奥には残像が浮かぶのでしょう。闇を求めても、まだ光と色が有る皮肉。
卯鷺
★0
上の方が仰るように目を閉じるだけで足らず、さらに闇を求めた「眩暈の底」は
深い共感を呼べる詩的表現と思います。世界を混濁させたような絶望感。
ただその黒色には何とも言えない美しさも。写真が見せる哀感と真っ直ぐ
向き合い吐き出した、心の澱が訴えるような歌に胸が打たれました。
管理人
★0
「目を閉じて」「消したくて」「求めた」修辞的に危うい表現ですが、主体の焦燥感を際立たせる書き方としては成功していると思います。 お題からもあえて距離をとったと思いますが、これは賛否あるかも知れません。私は「なしではない」 と思いました。
泳二
★0
窓際に残ったままのコーヒーに影を重ねている五番街
出詠名
えいたた泳二 × たた
12席 / 11点 特×2 並×5 次×10
互選名 のーりーずん双葉屋ほいるゆりぐも恋をしている伊豆白梟悠レマはだし小早川miyafiかげんむつきたける愛紗美迂回する案眠いよ
選評名
重ねているのは店の中にいる女性自身の影か、それとも道行く人の影か。コーヒー、五番街という言葉で情景を具体的に表しながら、「影を重ねる」で想像の余地を残す。言葉の選び方が秀逸だと感じました。
小早川
★0
街角を 抱く乙女の 柳髪の 物憂げに見る 世界の向こう
出詠名
くりたま☆きゅん双葉屋ほいる × 猫亭屑屋
13席 / 10点 特×3 並×1 次×7
互選名 ゆりぐもみなま文麿なな悠miyafiみそ味五月雨と憂鬱眠いよmai**猫亭屑屋
選評名
お題の写真を綺麗に57577で表せていると思いました!
ただ、綺麗なだけに素直すぎる印象もあって
どんな街で、何を憂い、どんな世界を見ていたのか等を匂わせるような
もうひと踏込みがあれば厚みも出て
本当にお手本みたいな、良い歌になりそうだと思いました。
miyafi
★0
匂いだけさせて落ちない雨の五時虹の少女は忘却されて
出詠名
おとめりぼんmiyafi × 悠
14席 / 10点 特×2 並×4 次×7
互選名 双葉屋ほいる恋をしているももんがかげんみそ味五月雨と憂鬱愛紗美温かい図鑑迂回する案クニコバインたた泳二
選評名
降り出しそうな雨の匂いを詠った前半、五感が刺激されて作品舞台が広がる
巧みな導入だと思います。下句「虹の少女」はきっとこの絵のタイトル。
雨上がりの象徴に明るく描かれてたはずが、忙しない世の中に見向きされず
物憂げな表情でしょうか。だとすれば「虹の少女」には詩文中でもカギ括弧
を用いた方が、より印象を強調してスムーズに伝えられたように思います。
結句の「忘却」は、音読みが硬く気取って浮いているように感じました。
全体的には、写真のイメージがきれいに収拾されていて好印象です。
管理人
★0
五感で感じれる素敵な情景なのですが、~五時虹~のところで読んでいて詰まってしまい、意識が途切れたのが残念でした。1マス空けるか上の方がおっしゃるように「」でくくるといいかもしれません。最初にすんなりリズム良く読めるかを個人的に大事にしているので、この点がすごく引っかかってしまいました。
クニコ
★0
上句がとても魅力的。写真の女性をそれにつなげ て「虹の少女」としたところも恨めしげな表情と合っています。「忘却されて」は前評と同じく堅苦しく再考の余地あり。「忘れ去られて」とか。
泳二
★0
雨の降る前の匂いがしました。「虹の少女」「忘却」は余分だったのでは。色彩も、これ以上強い語句も不要であったと思います。
たた
★0
ガラス越し透かして見える世界には翼削がれた堕天使がいて
出詠名
IKERAYいけ × ray
15席 / 9点 特×3 並×0 次×8
互選名 楓ようこゆりぐもみなまはだし愛紗美温かい図鑑眠いよmai**みっこりん♪猫亭屑屋ぷるぷらがい
選評名
翼削がれた堕天使はおそらく
画面下に写ってる子供さんかなと思います。
真ん中の女性に焦点があつまるなか、
そちらを詠み込まれたことが新鮮でした。
翼削がれた堕天使ってなんかいいですね
mai**
★0
待ってるの彼が来るまで永遠に 想いは映る硬いガラスに
出詠名
紅葉の頃に逢いましょう眠いよ × スカイハイ
16席 / 8点 特×1 並×5 次×3
互選名 みなま文麿黒檀猫はだしゆかり卯鷺ruoka真匿名たた
選評名
写真の第一印象が、直接的になぞられているように思います。
このままキャプションとして使えそうな、それはややもすると
説明文的にも感じます。その作品イメージを土台に、ここから
独自の形容表現なりへと仕上げた詩文、さらには物語の前後や
外側まで見せる世界感を組み上げて欲しかったです。
管理人
★0
なぜキミはクリアな世界に現れて 雨にうたれし吸い殻睨む?
出詠名
沿わせて!甲殻類かけっこはだし × バイン
17席 / 7点 特×2 並×1 次×5
互選名 小早川miyafiみそ味スカイハイ眠いよヒトデマンちゃんこフォンデュボバン
選評名
確かに彼女は吸い殻を睨んでいる!まるで他人事のようにガラスの向こうから。きっと怒っているんだろうな。と、頷いてしまいました。写真の情景に詠み手の力で色付けてくれたような一首ですね。
小早川
★0
映りこむ人や女は声もなくただ存在を主張するだけ
出詠名
インタビュアたける × 愛紗美
18席 / 5点 特×0 並×5 次×4
互選名 久太raymiyafi五月雨と憂鬱眠いよ萌々ヒトデマンちゃんこフォンデュみっこりん♪
選評名
すごくまとまっている印象を受けました。
お題から離しすぎず、かつ単純になぞっただけではない
いい塩梅の距離感だと思います。
「声もなく」で聴覚を遮断され、白黒の写真によって視覚が制限されることで
他人の個性が認められないという
遁世的な世界観がより引き立てられているように感じました。
miyafi
★0
ショーウィンドウ激しく打って雨のごとわたしを濡らして涙じゃなくて
出詠名
マジカル雪りんごmai** × 鏡が映すもの
19席 / 4点 特×0 並×4 次×4
互選名 のーりーずん白梟はだしゆかり愛紗美眠いよruokaバイン
選評名
三句の「ごと」は漢字に直して「毎」という意味で読みました
間違ってたらごめんなさい!
涙を否定するメッセージと、雨に濡れたいという
どこかやぶれかぶれな願望が対照的で
強がりの中に弱さが見える、人間味を生々しく感じる歌でした。
miyafi
★0
↑を書いた後に読みなおしたのですが
「ごと」はもしや「如」ですか。
そう読むとまるで印象が変わって
すごく情熱的な求愛の歌に読めてきました。
どちらにしても生々しい!
解釈がぶらついていてすいません…
miyafi
★0
くしゃくしゃの 1ドル札を 握り締め 大人の期待 溝に流して
出詠名
ヘパリーゼボバン × スタープラチナ
20席 / 3点 特×0 並×3 次×6
互選名 ゆりぐもかげんナイス害クニコヒトデマンみっこりん♪九官鳥と猫バイン美鈴
選評名
「大人の期待」ということは主体は期待される側の子供でしょうかね。
「くしゃくしゃの1ドル札」という言葉が大人っぽい苦みばしった言葉で
それが大人と子供の狭間で揺れる、不安定な青年期のイメージをぶわっと広げてくれました。
miyafi
★0
「くしゃくしゃの1ドル札」が、ちっぽけだけどでも本人にとってはとっても大切な子供ならではの純粋なプライドなのかなと思いました。大人がいろいろ言ってくるけれど納得がいかねーよ!とそのプライドを握りしめて翔けている。そんな少年の葛藤が見えました。自転車の子に焦点を当てたこの捉え方がほかになく、視点がすごく素敵です。
クニコ
★0
霧雨に君が忘れた窓の外 やけに目が合う笑った諭吉
出詠名
KAGEROU五月雨と憂鬱 × 九官鳥と猫
21席 / 3点 特×0 並×3 次×4
互選名 伊豆なにわ小早川おはな愛紗美迂回する案萌々
選評名
断片的な言葉で想像の余地を残したと思えば、「笑った諭吉」のインパクトたるや。それだけで女性の怒りや世知辛さを感じ取りました。秀作だと思います。
小早川
★0
身を隠す髪の千すじの虹のこと曇り空には内緒よ きっと
出詠名
こしあんruoka × 伊豆
22席 / 2点 特×0 並×2 次×5
互選名 双葉屋ほいるはだしmiyafiちぐさ愛紗美クニコバイン
選評名
「虹」というワードは他の作品でも出てきましたが、モノクロのこの空気感=曇り空に「内緒」にしているという部分で、見えていないカラフルな世界が潜んでいるとイメージさせてくれ、広がりを感じていいなと思いました。
クニコ
★0
美しい黒髪は「烏の濡れ羽色」にも例えられて、
つや艶と虹色の輝きを秘めているの。黒髪を虹のように輝かせる太陽に、
曇り空がヤキモチ焼かないように、(内緒の)約束しましょ!・・・
先の方の一言に続き、色の広がりが感じられていいなと思います。
卯鷺
★0
デモの後残された袋に息を吹き込む 静かに落ちる 、 鈍く跳ねる
出詠名
なるほどね真匿名 × 聞こえにくい
23席 / 2点 特×0 並×2 次×0
互選名 ボバンバイン
選評名
言葉が詰まった前半部と
それとは対照的にスペース、読点を用いた後半部の
緩急に味のある歌だと思いました。
ただこのような破調は賛否あり
「短歌」として万人から評価されるのか、評価していいのかはわかりません。
miyafi
★0
ちょっとつっけんどんな言い方になってました、すいません!
判断が難しいと言ったほうが適当でした(><)
miyafi
★0
秋の風 窓辺に移る 黒髪に 過ぎし季節を 数え旅立つ
出詠名
楓と卯鷺楓ようこ × 卯鷺
24席 / 1点 特×0 並×1 次×3
互選名 レマ久太miyafi泳二
選評名
綺麗な言葉で全体的に整った印象でした。
けれど整えすぎが無個性にも見えて
意外性のある言葉や展開、ひっかかり等がもう少しあっても
面白かったかなーと思いました
miyafi
★0