卯月の歌会
夢で会う約束がある 傘立ての底にうまれた夜のみずうみ 久藤さえ × 西藤智
平成29年度 卯月の歌会『上弦の部』
詠草リスト
特選(2点)×1票 |
並選(1点)×3票 |
次選(0点)×∞票 |
互選(2点)×1票 |
葉桜は川面に枝を伸ばしつつ
出詠名
小泉夜雨
首席 / 16点 特×2 並×10 次×5 自×1
互選名 温鑑知己凛ロサ・ブラックティーえんどうけいこ村田一広衣未(みみ)きいいちかわあさひもーたろきつね404notF0816藤 かづえ宮嶋いつく荻森美帆管理人静ジャック悠自小泉夜雨
選評名
情景を細やかに描いた一句です。下の句で思い切り発想を飛ばしたら印象ががらりと変わりそうで、それもまたいいなあと思いました。
きい
★0
下の句の想像すると面白いなって思いました。
葉桜の青さと川面の青さとの対比がいいなと思った。
いちかわあさひ
★0
花が咲いてるときは川面に向かって、つまりは下方向に向かって枝を伸びていくというイメージもあるのですが、葉桜になるとあまり見ていないのもあってそうだったっけ?って思いました。が、そんなような気もするし、下の句も楽しみな上の句だと思いました。
きつね
★0
切り過ぎた前髪ゆらす若葉風
出詠名
きい
2席 / 15点 特×3 並×7 次×2 自×1
互選名 知己凛ロサ・ブラックティーえんどうけいこ村田一広みちくさ404notF0816藤 かづえ宮嶋いつく柳原カシス管理人静ジャック悠自きい
選評名
切り過ぎた前髪というモチーフに、なんとなく恋のはじまりのような雰囲気があって、初夏のさわやかな風とあいまって気持ちのいい上の句だと思いました。
えんどうけいこ
★0
ドラマの始まりにも、終わりにもできそうで、下の句を考えるのが楽しみです。
知己凛
★0
青春時代の感傷を思い出しました。前髪を切り過ぎたときのあの喪失感。。。すぐに伸びるのに、何度も鏡を見て髪の毛を引っ張ったりしました。
何か特別なわけがあって切り過ぎたのか、単に切り過ぎただけなのか、どちらにしても短くなった前髪をゆらす風は初夏を感じて気持ちがよさそうです。
藤 かづえ
★0
わたしはあまり哀感は受け取りませんでした。三句「若葉風」から流れて来る爽やかさに包まれて、「切り過ぎた前髪」も良い意味で若気の至り的というか、無邪気な自分を笑えているような。少々の失敗こそも青春の1コマとしていく肯定感が芯にある印象です。
管理人
★0
これまでの評にあるとおり「切り過ぎた前髪」はいろんな捉え方ができそうです。どんなドラマが展開していくのかとても楽しみな上の句です。
静ジャック
★0
「-- イメージチェンジのふりして笑う」わたしだったら(^▽^)
ロサ・ブラックティー
★0
大鍋に筍ひとつ眠らせて
出詠名
えんどうけいこ
3席 / 14点 特×2 並×8 次×3 自×1
互選名 知己凛ロサ・ブラックティー村田一広衣未(みみ)きいもーたろきつね404notF0816藤 かづえ坊斎管理人静ジャック悠自えんどうけいこ
選評名
タケノコは五月になると大分硬くなってきますが、私もタケノコ大好きなので、モウソウ竹を皮付きのまま、ドンッと入れて煮る風景が想像できまして(^^)なんだかタケノコに対する愛情まで見えるようでほのぼのしました。
ロサ・ブラックティー
★0
大鍋にどうして筍がひとつなのか。なぜ?誰かのため?この後の展開が気になる上の句です。しかし深く思えば思うほど下の句は難しい。
もーたろ
★0
眠らせてという表現が秀逸だと思いました。
404notF0816
★0
筍をゆがいたあと、糠の入った湯水に浸したまま冷ましている様子ととりました。「眠らせて」からいろいろな連想が生まれそうです。
藤 かづえ
★0
筍まるごとを下ごしらえから調理することが(わたし自身の体験としても)現代の都市家庭で多くはないはずですが、不思議と日本人の原風景のように郷愁へ誘われる。鍋と筍だけの装飾もない描写なのに、そのあるがままに詩的な風情が流れている。真夏の丸桶に浸されたスイカとも通じるものがありますね。
管理人
★0
目を細め猫と見上げる鯉のぼり
出詠名
衣未(みみ)
4席 / 13点 特×1 並×9 次×6 自×1
互選名 温鑑ロサ・ブラックティーえんどうけいこ村田一広きいいちかわあさひもーたろきつね404notF0816藤 かづえ宮嶋いつく柳原カシス荻森美帆管理人静ジャック悠自衣未(みみ)
選評名
それぞれが違う思いで鯉のぼりを見つめている姿がこっけいでとてもかわいく感じました。
温鑑
★0
これだけで俳句として完成していると思いました。完成度が高いだけに下の句つけるのが難しそう。
知己凛
★0
景の面白さがあっていいが、こいのぼりなので、見上げると言わなくてもわかるところがもったいないなぁって思った。
いちかわあさひ
★0
猫といっしょなのがほのぼのとしてかわいいです。
藤 かづえ
★0
葉桜は人の気配を思い出す
出詠名
もーたろ
5席 / 11点 特×3 並×3 次×6 自×1
互選名 知己凛ロサ・ブラックティー村田一広きいきつね404notF0816藤 かづえ小泉夜雨坊斎荻森美帆管理人静ジャック自もーたろ
選評名
桜の木が賑やかだった花見のころを偲ぶのか、葉桜を見ると誰かを思い出すのか、どちらでも作れそうで、しみじみとした情感の景が見えるようで、これを選びました。
ロサ・ブラックティー
★0
花が散ったあとの葉桜、好きです。葉に反射した光の中で懐かしい人のことを思い出しているのでしょうか。心情が伝わってきます。
藤 かづえ
★0
言い切りがとても良い。今まで自分では意識できないまま心の中だけにあった空気感を言葉にしてもらえたようで、この一句を読んだ途端に「うんうん」と思いました。
管理人
★0
「-- 匂い袋をしのばせて君」・・と思わず言葉が出てしまった。
ロサ・ブラックティー
★0
ベランダの月夜を泳ぐ鯉のぼり
出詠名
きつね
6席 / 11点 特×2 並×5 次×5 自×1
互選名 温鑑ロサ・ブラックティーえんどうけいこ村田一広きいいちかわあさひ404notF0816藤 かづえ宮嶋いつく柳原カシス管理人静ジャック自きつね
選評名
鯉のぼりのテーマ多かったですね(^^)ベランダの高さが、月と鯉を同じ目線に並べられたのかなと、これが一番、情景として想像できましたので、気に入ってしまいました。
ロサ・ブラックティー
★0
月夜に、鯉のぼりの小ささとベランダから見える月の大きさとの対比がいい。
いちかわあさひ
★0
きれいな情景です。鯉のぼりは青空を泳いでいるイメージでしたが、月夜というのが素敵ですね。
えんどうけいこ
★0
夜間の鯉のぼりは割りと類想の少ないモチーフで面白いと思います。オカルティックにも感じる妙な雰囲気がありますよね。近代住宅と伝統文化とが織りなす現代日本の景観が魅力的に描き出されています。
管理人
★0
夜風に吹かれて泳ぐ鯉のぼり。ベランダに置けるということは、ミニチュア版でしょうか。「泳ぐ」という言葉により、鯉のぼりが静かにゆったりと風に乗る情景を想像できます。
悠
★0
鯖の目が輝いている朝の市
出詠名
宮嶋いつく
7席 / 9点 特×2 並×3 次×4 自×1
互選名 ロサ・ブラックティーきいいちかわあさひもーたろきつね小泉夜雨荻森美帆管理人静ジャック自宮嶋いつく
選評名
五月は旬の魚が多くて、素材として、私も悩みました(^^)サバの新鮮さが、五月の爽やかさと重なって、生き生きとした季節感を感じました。
ロサ・ブラックティー
★0
目が輝いているのは新鮮な証拠!「朝の市」と場所や時間の情報があるところもいいと思いました。月の歌会ではちょっとめずらしい題材なので下の句が楽しめそうです。
きい
★0
鯖って腐りやすいからこそ新鮮なものが朝の市に並んでいるというのが
わかる。
そのあとの展開もいろいろ想像できていい。
いちかわあさひ
★0
もう生きてはいないのに、とてもいきいきしているなと思いました笑
目がきらきら光っている様子が想像しやすく、いいなと思います
小泉夜雨
★0
音速の影をターフで思い出す
出詠名
いちかわあさひ
8席 / 8点 特×2 並×2 次×3 自×1
互選名 温鑑えんどうけいこ404notF0816宮嶋いつく坊斎荻森美帆静ジャック自いちかわあさひ
選評名
レースの無い日の競馬場でしょうか。馬はいなくて、人もいなくて、芝だけがそよいでいる。時々雲の影が通り過ぎたりして。静かなのに、熱気と狂騒と、駆け抜けていく馬の残滓が感じられる、良い句です。
坊斎
★0
かつてターフを駆け抜けていた名馬の姿を思い出しているのでしょう。心に沁みます。下の句をぜひつけてみたいです。
静ジャック
★0
草笛がとおくひびけばはつなつは
出詠名
404notF0816
9席 / 7点 特×1 並×3 次×6 自×1
互選名 ロサ・ブラックティーえんどうけいこ村田一広もーたろみちくさ小泉夜雨柳原カシス坊斎静ジャック悠自404notF0816
選評名
草笛がとおくひびく……なんとなくノスタルジーを感じますね。まず音から入る所がいいなと思いました。はつなつの思い出が胸の中に醸し出されるような下の句を見たいです。
きい
★0
「ーー まためぐり来る 人も想いも」(連休も・・・「かえってこ~いよ」^^)
ロサ・ブラックティー
★0
うすべにの虞美人草を髪に挿し
出詠名
藤 かづえ
10席 / 6点 特×1 並×2 次×5 自×1
互選名 ロサ・ブラックティーえんどうけいこ村田一広衣未(みみ)もーたろ小泉夜雨静ジャック悠自藤 かづえ
選評名
虞美人草の花言葉は「乙女らしさ」だったと記憶しています 初夏の風に吹かれて彼女はどこにいくのだろう、と想像がふくらんでくるお歌でした
小泉夜雨
★0
薄く広い花びらを円状に大きく開く花。それを髪に挿す人は、丸い性格をして、おおらかなのだろうなあ、と思います。うすべに(薄紅)ということで、愛らしさも加わるようです。
ある人が既に花を挿した状態でそこにいるのか、あるいは別の誰か(もしくは主点)が他の人に花を挿しているのか、この時点では光景を何通りか想像を膨らませる事ができます。下句でどう展開するでしょうか。面白そうです。
悠
★0
遅ればせながら、虞美人草は「三国志」でしたっけ?に出てくる美人を思い出すので、自分のイメージの中では、はかない感じの女性ですね(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
新緑の陰で寝息をたてるひと
出詠名
悠
11席 / 6点 特×0 並×4 次×9 自×1
互選名 温鑑知己凛ロサ・ブラックティーえんどうけいこ村田一広もーたろみちくさ404notF0816宮嶋いつく小泉夜雨柳原カシス荻森美帆静ジャック自悠
選評名
明るい陽射しの中でみんなが活発に動き回っているわけじゃない!木陰でお昼寝している人もいるんですね。寝息がとっても気持ち良さそうです(笑)下の句でいろいろ変化が付けられそうですよ。
きい
★0
新緑の木陰で昼寝をするのは本当に気持ちがよいものです。
宮嶋いつく
★0
日を浴びて「いのち」満ちゆく初夏(はつなつ)の
出詠名
ロサ・ブラックティー
12席 / 5点 特×1 並×1 次×4 自×1
互選名 村田一広きいみちくさ藤 かづえ宮嶋いつく静ジャック自ロサ・ブラックティー
選評名
初夏は一気に光の量が増えて、動物や植物がいきいきと感じられる季節だと思います。「いのち」満ちゆくと言う言葉が素敵ですね!
きい
★0
新緑から常磐に変化していく木々を見ていると、まさに命が満ちていくという表現がぴったりです。五月という季節をよく描き出しています。
宮嶋いつく
★0
新緑の真下でそよぐ鯉と恋
出詠名
温鑑
13席 / 3点 特×0 並×1 次×3 自×1
互選名 ロサ・ブラックティーえんどうけいこきい静ジャック自温鑑
選評名
一瞬鯉のぼりを想像しましたが、新緑の真下とあるので本物の池の鯉なのかもしれません。そよいでるように鯉は泳ぎ恋はたゆなう。新緑の葉擦れの音も聞こえるようですね。
きい
★0
「鯉と恋」は三句を飾る洒落としては弱いかなあ
管理人
★0
蚕豆が茹で上がるまでタイマーを
出詠名
坊斎
14席 / 3点 特×0 並×1 次×3 自×1
互選名 温鑑ロサ・ブラックティーきい静ジャック自坊斎
選評名
ほんの2、3分だと思うのですが、タイマーでしっかり測るのは間違いが起こらず良い習慣だと思います!その間に……何が起こるのか?
きい
★0
いっせいに翔ぶ一旒の鯉のぼり
出詠名
宮本背水
15席 / 2点 特×1 並×0 次×6 自×0
互選名 ロサ・ブラックティーえんどうけいこ村田一広衣未(みみ)きい柳原カシス静ジャック
選評名
この季節を待っていましたとばかりに、勢いよく風にたなびく一旒の鯉のぼり。見上げている方も、まさに待ってました、なのでしょう。翔ぶ、という言葉が明るくて瑞々しい感じです。
衣未(みみ)
★0
ゴールデンウィークにとかす琵琶湖風
出詠名
さはらや
16席 / 2点 特×0 並×2 次×2 自×0
互選名 ロサ・ブラックティー小泉夜雨坊斎静ジャック
選評名
「風」を「とかす」という表現は、意味は取り辛いですが、面白いですね。琵琶湖の風には色々な呼び名があるそうで、特別な一週間を、移り変わっていくその風を感じながら過ごしているのかな、と想像しました。
坊斎
★0
妄想で<kana>黄金週間<:>ゴールデンウィーク</kana>予定入れ
出詠名
たかたか
16席 / 2点 特×0 並×2 次×2 自×0
互選名 ロサ・ブラックティー村田一広もーたろ静ジャック
選評名
この妄想にどのようなオチが付くのか考えると面白い。
もーたろ
★0
「妄想」というのが面白いです。この後の展開が楽しみです。
静ジャック
★0
縁側で豌豆の筋をとる祖母に
出詠名
知己凛
17席 / 2点 特×0 並×0 次×5 自×1
互選名 ロサ・ブラックティー藤 かづえ小泉夜雨荻森美帆静ジャック自知己凛
選評名
純和風の情景。おばあさまはきっと手際よく筋を取っていかれるのでしょうね。
静ジャック
★0
快適か?高層ビルのこいのぼり
出詠名
静ジャック
18席 / 2点 特×0 並×0 次×1 自×1
互選名 ロサ・ブラックティー自静ジャック
選評名
現代詩の中で「?」はそう珍しくないものの、もともと日本語に不要な表現でもあり、ここでは無いほうが(または空白に置き換えるほうが)整った印象を持てると思います。一文を通して皮肉めいた小言のようで(ごめんなさい)詩的な魅力はあまり感じられませんでした。
管理人
★0
母の日に文庫へ そっと忍ばせた
出詠名
蟻男
19席 / 0点 特×0 並×0 次×8 自×0
互選名 ロサ・ブラックティーきいみちくさ404notF0816宮嶋いつく小泉夜雨坊斎静ジャック
選評名
きっと母の日の贈り物ですね!読書好きなお母さんなのでしょうか。ここから心温まる下の句が見たいなあ。
きい
★0
月POINT
順位 | 筆名 | 首席 | 投句 | 選句 | 特選 | 偏差 | EX | 合計 |
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EX内訳
最優+3:小泉夜雨
最黄+2:小泉夜雨
最緑+2:悠
初回+1:もーたろ温鑑
欠票-1:宮本背水さはらやたかたか蟻男
欠評-1:宮本背水さはらやたかたか蟻男
六連+3:小泉夜雨たかたか知己凛
のの+1:もーたろ
開催後記
小泉夜雨さんが初の上弦首席でした
通算60回出席: 村田一広
通算50回出席: 宮嶋いつく
ありがとうございました