長月の歌会
夢で会う約束がある 傘立ての底にうまれた夜のみずうみ 久藤さえ × 西藤智
平成25年度 長月の歌会『上弦の部』
詠草リスト
特選(3点)×1票 |
並選(1点)×2票 |
次選(0点)×∞票 |
互選(2点)×1票 |
カーテンの前でため息ヴァンパイア
出詠名
鏡が映すもの
首席 / 23点 特×5 並×6 次×3 自×1
互選名 ナイス害愛紗美眠いよ管理人迂回する案ちゃんこフォンデュはだし九官鳥と猫遊糸ヒトデマンmai**月々紛真匿名miyafi自鏡が映すもの
選評名
ヴァンパイア→ハロウィンの連想から、10月の季語としたと思います。
その評価は投票に委ねるとして、個人的にこの果敢なアイデアは好印象でした。
感情移入を促される内容で、下句にどんなため息の理由が並ぶのか楽しみです。
管理人
★0
まさかヴァンパイアが登場するとは! 素晴らしい句ですね。
眠いよ
★0
いいですねー。ヴァンパイアは怖い存在のはずなのに。
ため息ついているところのギャップがまたかわいいです。
mai**
★0
ヴァンパイアを比喩としてみてみるとかなり多様な意味を含んでいますね。カーテンの前でため息というのも、意外でありながら招待されないと家屋に入れないというヴァンパイアの設定に忠実ですから、なかなか絶妙です。
月々紛
★0
ヴァンパイア、ってなんとなく秋の匂いがしますね
好きです
はだし
★0
鏡が映すものさんが月の歌会初の女子優勝しましたー ★:゚*☆※>(゚ω゚)♪
管理人
★0
窓の外は稲光でしょうか
タメ息の理由を考えるのが楽しみです
ペペロンチーノの皿ガシャーン!
ナイス害
★0
指跡が沢山ついた桃のように
出詠名
ゆりぐも
2席 / 20点 特×5 並×3 次×5 自×1
互選名 恋をしている愛紗美管理人早苗ちゃんこフォンデュはだしヒトデマン五月雨と憂鬱mai**みそ味miyafiあかさかカラカン自ゆりぐも
選評名
素晴らしい一句と思います。「指跡が沢山ついた桃」に何を想うかは、
下句の解釈に期待したいので、ここで言及は避けます。ただ普通なら
見過ごされるだけのそれと向き合った時、確かに心を動かされる何か
あるはず。それに気付いて紡ぎ出す、これこそ詩と思う作品でした。
管理人
★0
三句の字余りは、変に言い回しを窮屈にするよりも
無難な選択に思え、さほど嫌な感じはありません。
管理人
★0
約束の場所にいるきみは長袖で
出詠名
mai**
3席 / 16点 特×2 並×8 次×3 自×1
互選名 恋をしている愛紗美眠いよ管理人早苗はだしヒトデマン五月雨と憂鬱月々紛真匿名みそ味miyafiあかさか自mai**
選評名
仰々しくも思える初句「約束の場所」から、三句は途端に生活感のある「長袖」へと。
落差まで感じる巧みなズームアップで、吸い込まれるように惹き付けられました。
壮大なドラマがすぐ身近で起こってるような、ときめきが湧き上がる上の句です。
管理人
★0
平易な表現でありながら幻想的なのか、日常的なのか、そのどちらにも取れる幅の広さがよい上の句だと思います。
月々紛
★0
「約束の場所」とは一体何処にあるのでしょうか。夢の中、遠い過去に誓った再会、オフ会、はたまた死後の世界?
下の句で多様な世界に連れて行ってもらえると思うとわくわくします。
遊糸
★0
自分が半袖だから、意味のない嫉妬をしてしまう
先に行かないでと
ナイス害
★0
もったいない程の評をいただきうれしく存じます。
本当にありがとうございます。
季節の変わり目の身近な変化がうれしくて^^
約束の場所を探しにもっと勉強します。
ありがとうございました。
mai**
★0
柿が落ちました、せんぱい像のうえ
出詠名
はだし
4席 / 12点 特×3 並×1 次×1 自×1
互選名 恋をしているナイス害迂回する案みそ味カラカン自はだし
選評名
それまで何を話してたのかなとか、2人ちょっと見上げるとことか、風景・ストーリーとも好きです。
下の句でなにか起こってもなにも起こらなくてもいい。
迂回する案
★0
チーム茄子、ともに3点です
つまり大好きです
ナイス害
★0
柚握り香に濡れし手をまた握り
出詠名
月々紛
5席 / 10点 特×2 並×2 次×4 自×1
互選名 ゆりぐもナイス害愛紗美迂回する案ヒトデマン五月雨と憂鬱みそ味miyafi自月々紛
選評名
色々読み方はあると思いますが、自分は登場人物が二人いて
「濡れし手」と三句でそれを握った手は
別人のものだと解釈しました。
誰かが誰かの手を包んで、冷えた手を人肌で温めるような暖かみのある画。
柚の香りがそれを更に詩的なシーンにまで強めていて
言葉に無駄がない句だと感じました。
miyafi
★0
「握る」「濡れる」「握る」と動詞が3つで
ボリュームのある上の句だと感じました。
前評者さんのコメントからそこがポイントだったのかな、
とおもいましたが、下の句次第でまた表情も
変わってくるように思います。
mai**
★0
誰がために亜麻色の子や薬掘る
出詠名
悠
6席 / 9点 特×2 並×1 次×2 自×1
互選名 ナイス害迂回する案遊糸miyafiあかさか自悠
選評名
「掘る」からイメージされる土色と、亜麻色、
カラフルかもしれない薬の色。
薬は掘るものですか?はい、掘るものです。
何かが起こっていると思わせるワンシーン。
こんなん好きです。
迂回する案
★0
「薬掘る」とは薬草の根を掘り取ることですよね。夏目漱石の俳句「薬掘昔不老の願あり」を思い出しました。病に伏している人、長生きして欲しい人がいるのでしょう。病とはただの風邪かもしれませんが、子どもにとって重大な事件なのだと思います。薬を買うお金はないけど、野山で必死になって薬草を探し、土にまみれて掘り起こす子どもの健気な思いが伝わり、じんとします。
遊糸
★0
初恋は金木犀の香とともに
出詠名
遊糸
7席 / 9点 特×1 並×4 次×0 自×1
互選名 愛紗美眠いよ早苗月々紛あかさか自遊糸
選評名
極限まで派手さを抑えた綺麗な句ですね。
眠いよ
★0
下の句の展開がいろんな芳香に広がりやすい句です。金木犀のイメージが下の句によってどう変化していくかが非常に楽しみです!
月々紛
★0
団栗でままごとしてたあの公園
出詠名
ヒトデマン
8席 / 8点 特×1 並×3 次×2 自×1
互選名 ゆりぐも愛紗美眠いよ鏡が映すもの五月雨と憂鬱カラカン自ヒトデマン
選評名
誰もが共感できそうなわかりやすい句で
木々が色づき始めた公園の画を思い浮かべると
秋の少し乾いた空気がパッと辺りに広がったような、そんな気さえしてきます。
付句もしやすそうでまとまった句だと思うのですが
少し「ありそうな場面」を読みすぎていて
並びの中では埋もれ気味に見えました。
miyafi
★0
今回の歌会で一番好きです。
昔のことを思い出しつつ、秋の感じをうまくだした句だと思いました。
はーーーー。秋。
鏡が映すもの
★0
朝寒を町にとどける新聞屋
出詠名
miyafi
9席 / 7点 特×0 並×5 次×4 自×1
互選名 ゆりぐも眠いよ管理人九官鳥と猫遊糸ヒトデマン鏡が映すもの五月雨と憂鬱mai**自miyafi
選評名
これぞ秋!という感じがして染みました。
眠いよ
★0
とてもストレートに秋を歌った句だと感じました。
ストレートゆえにどうなるか。
鏡が映すもの
★0
朝寒の音読みが朝刊とも掛かっている言葉遊びが面白い一句です。
洒落だけで留まらず、季節の移ろいが情緒ある表現で詠まれていて、
よくまとめられた作品だと思いました。
管理人
★0
帰り道オレンジの雲ひとかじり
出詠名
五月雨と憂鬱
10席 / 6点 特×1 並×1 次×4 自×1
互選名 ゆりぐも悠管理人ちゃんこフォンデュ真匿名みそ味自五月雨と憂鬱
選評名
季語は「オレンジの雲」ですかね、秋っぽくていいと思います。
毎日を楽しそうに生きるパワフルさに溢れた句ですね。
ただ、先月の上弦の部で選ばれた句に「迷い道」という言葉が使われていて
「帰り道」と道道で被っている印象を受けてしまったために
少し票を投じにくかったです(>_<)
miyafi
★0
可愛らしい一句です。ただ全体的にやや無難というか、どことなく既視感
も覚えます。好印象なベースは大きく変えないでも、比喩をもう一段
攻めて欲しいと感じました。一層魅力ある作品となるように思います。
管理人
★0
「オパール」と名付けた猫に会いたくて
出詠名
ナイス害
11席 / 5点 特×0 並×3 次×7 自×1
互選名 ゆりぐも愛紗美悠眠いよ管理人早苗はだしmai**miyafiカラカン自ナイス害
選評名
小説のタイトルにありそう!
下弦の部で付句される上の句をお題というのなら
とてもお題らしいお題になると思います。
季語をそのモノとして捉えず、捻った使い方をすると
季節感が消えてしまうこともあると思うのですが
この句は全体のイメージで10月っぽさを醸し出せているように読めました。
miyafi
★0
誕生石を季語にするアイデアは、月の歌会にありそうでないコロンブスの卵でした。
さらにそれを猫の名前にする一工夫もあって、きっと妖しく光る目をして
いたのだろうなど、短文詩に物語が上手く組み込まれているよう。
別れ話が秋らしさも暗示して、きれいにまとめられた一句と思いました。
管理人
★0
未練なきべったら市で逢いましょう
出詠名
恋をしている
12席 / 5点 特×0 並×3 次×6 自×1
互選名 ナイス害愛紗美悠ちゃんこフォンデュはだし遊糸鏡が映すものmai**みそ味自恋をしている
選評名
月の歌会では各地のお祭りが楽しめていいですね。
遊糸
★0
音とリズム感がとても好きてす
mai**
★0
江戸に未練は似合いませんもの
ナイス害
★0
昨日よりわずかに高い秋の空
出詠名
セツナ
13席 / 4点 特×1 並×1 次×6 自×0
互選名 ゆりぐも愛紗美悠眠いよ管理人はだし九官鳥と猫みそ味
選評名
秋が深まるごと高く遠くに見えるその空の風情が簡潔に詠まれて好印象でした。
さらに、主体がおそらく昨日今日で何か乗り越えたのかも知れないと思える
高揚感も読み取れて、付句での展開を上手く期待させる上句だと思いました。
管理人
★0
とても美しい仕上がりですね
音的にも綺麗です
ただ「天高く馬肥ゆる秋」という言葉もあるぐらい
秋の空は高いという認知はひろがっているように思います
これしスパイス的な感じでオリジナリティが加わると
さらに心に響くお歌の仕上がりになったのではと感じました
mai**
★0
銀杏の香り漂う下駄箱に
出詠名
眠いよ
14席 / 4点 特×0 並×2 次×4 自×1
互選名 悠ちゃんこフォンデュ九官鳥と猫遊糸鏡が映すものあかさか自眠いよ
選評名
わが窓辺林檎をふたつ寄り添わせ
出詠名
みそ味
14席 / 4点 特×0 並×2 次×4 自×1
互選名 ゆりぐも愛紗美悠はだし九官鳥と猫鏡が映すもの自みそ味
選評名
「林檎をふたつ寄り添わせ」が好きです。
どういう意図で二つ並んでいるのか、下の句で明らかになる部分だとは思いますが、気になります。
鏡が映すもの
★0
向う岸 神無し岩に根付く葦
出詠名
迂回する案
15席 / 3点 特×0 並×1 次×3 自×1
互選名 悠眠いよmiyafiカラカン自迂回する案
選評名
「向こう岸」という距離感が近くて遠い
自分に関係がありそうで関係のない絶妙なバランス感を持った言葉で
神無し岩に思いを馳せた主体がじわじわと
徐々に感情移入していく様子がうまく演出できているように見えました。
miyafi
★0
「し」の音をラップのように繰り返す韻文が面白いです。詩情は和風で、
神様と人間が曖昧でいるような、古と今が交差するようなかっこいい世界感。
ただ、凝った表現がクセのある味のように取っ付きにくい印象も。
評を書きながら改めてねぶって、やっと自分の中に馴染んできた感じでした。
管理人
★0
秋雨やしばらく君と会えぬまま
出詠名
愛紗美
16席 / 2点 特×0 並×0 次×3 自×1
互選名 悠眠いよ遊糸自愛紗美
選評名
きれいに整った句と思います。ただそれがどこか既成品的でもあって、
並んだ作品の中から心に引っ掛かる印象は弱く感じます。
会えない淋しさが「こんなだよ」と吐露まで上句の内に込められると、
ぐっと感情に訴えかけられるのではと思いました。
管理人
★0
月POINT
順位 | 筆名 | 首席 | 投句 | 選句 | 特選 | 偏差 | EX | 合計 |
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EX内訳
最優+3:鏡が映すもの
最黄+2:mai**
最緑+2:ナイス害
初回+1:月々紛セツナ愛紗美
のの+1:ゆりぐも
開催後記
鏡が映すものさんが初の上弦首席でした
ナイス害さんが次選の最多得票新記録(7票)でした
出詠者さん全員が投票欠席なしでした
この回はTwitterトラブルのため投票が任意参加でした
通算10回出席: はだし
連続10回出席: はだし
ありがとうございました