文月の歌会
夢で会う約束がある 傘立ての底にうまれた夜のみずうみ 久藤さえ × 西藤智
平成29年度 文月の歌会『上弦の部』
詠草リスト
特選(2点)×1票 |
並選(1点)×3票 |
次選(0点)×∞票 |
互選(2点)×1票 |
儚さをかなかなかなと測る声
出詠名
常盤このは
欠席 / 14点 特×1 並×12 次×4 自×0
互選名 ロサ・ブラックティーえんどうけいこもーたろうた猫寿々多実果鮎村田一広知己凛きい悠衣未(みみ)蟻男天田銀河小泉夜雨静ジャック藤 かづえ宮嶋いつく
選評名
短い命の蝉は、儚さの代表みたいなものですが、ヒグラシはさらに蝉の中でも遅く泣き出すので、終わりゆく夏を感じさせます。「測る」という言い回しが、私には目新しかったです。
ロサ・ブラックティー
★0
「は」「か」「な」とア段でたたみかける韻律がとてもいいですね。
えんどうけいこ
★0
儚さをも思い起こさせるひぐらしの鳴き声を一種の物差しとして、儚さを客観的に見ようとする視点が新鮮です。
主点が夏の夕暮れに儚さを感じているところに、声が聞こえたのでしょうか。優しくもどこかもの寂しい情景だと思いました。
悠
★0
ああ・・残念
ロサ・ブラックティー
★0
「-- はかなくもがなカナカナ悲し」
ロサ・ブラックティー
★0
打ち明ける前に見上げた夏の星
出詠名
きい
首席 / 13点 特×5 並×1 次×4 自×1
互選名 ロサ・ブラックティーえんどうけいこもーたろ404notF0816知己凛きつね悠CIPHER小泉夜雨静ジャック自きい
選評名
何を打ち明けるのかはわからないのですが、やはり恋愛で読みたいところですね。今から自分の気持ちを打ち明けようとしている主体のドキドキ感が伝わってきます。おそらく隣にいるだろう相手と主体に、夏の星はどのように見えているのでしょうか。
えんどうけいこ
★0
打ち明けるものが何なのかとても気になります。
星か、その打ち明けたかったものにフォーカスを当てるかどちらにするかは下の句次第ですね♪
知己凛
★0
自分も恋愛で読みました。気持ちを落ち着けるためにこういうことしそうですよね。
きつね
★0
打ち明ける前のドキドキと波打つ鼓動。ふと見上げた夜空に美しい星。詠者に星は何を語ったのでしょうか。その想像が膨らみます。発句の「打ち明ける」が花火を「打ち上げる」と重なって思いの勢いを感じてしまいました。心理描写は圧巻です。
もーたろ
★0
蜩の合図でさようならにする
出詠名
悠
3席 / 13点 特×3 並×5 次×5 自×1
互選名 ロサ・ブラックティーえんどうけいこうた猫寿々多実果404notF0816きいきつね衣未(みみ)蟻男天田銀河静ジャック藤 かづえ宮嶋いつく自悠
選評名
ヒグラシがなく時刻は、夕方とはいえ、まだ明るさが残っている頃ですから、すごく健全といいますか(^^)子供たちなのでしょうか。後を引かない爽やかさは、今日を満足し、明日を楽しみにしている感じがしました。
ロサ・ブラックティー
★0
ヒグラシには夏の終わりに鳴くイメージがあり(実際にはもっと早くから鳴くようですが)、この夏で恋人関係を終わりにしようとしているのだと思いました。さようならを切り出すのに何かの(ここでは蜩の)合図を必要としていることに、まだ未練があることがうかがえました。
一つめの評のような読み方もできるので、みんながどんな下の句を付けるのか楽しみです。
きつね
★0
ヒグラシの鳴く合図でさようならをするという情景がとても綺麗だなぁと感じました。子どもたちなのか、恋人たちなのか、どんな下の句が付くか楽しみです。
うた猫
★0
句またがりの“さようなら”と
改まっての “〜にする”に、長い別れを感じました。
虫のなかでも長生きなのに、蝉は切なさの表号ですね。
蟻男
★0
なかなか思い切れない人との縁、夏の終わりが来たら蜩の声が聞こえたら、終わりにする、と主体が自身に言い聞かせているように思いました。蜩の声は切ない響きです。
藤 かづえ
★0
「-- 明日もここで 指切りげんまん」子供たちならこ~んな感じでしょうか(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
まどろみにヒグラシを聞く六畳間
出詠名
天田銀河
4席 / 9点 特×2 並×3 次×7 自×1
互選名 ロサ・ブラックティーえんどうけいこもーたろうた猫鮎みちくさきいきつね衣未(みみ)蟻男静ジャック藤 かづえ自天田銀河
選評名
この人はずっとヒマで昼寝をしているのか、今まですごく忙しくて今ふととまどろんでしまったのかと考えると下の句で景が広がる気がしました。夏だなあ、と。
きい
★0
優しくのんびりした夏らしさがいいと思います。下の句によってうんと変わりそうで楽しみです。
衣未(みみ)
★0
昼寝をしているときにヒグラシの声が聞こえたら、わたしだったらそれが現実のことなのか、夢の中のことなのか、わからなくなり、その夢うつつの境界線を漂うという至福を貪りそうです。
藤 かづえ
★0
燈籠の滲む光を数えれば
出詠名
えんどうけいこ
5席 / 9点 特×2 並×3 次×4 自×1
互選名 ロサ・ブラックティーもーたろ村田一広悠衣未(みみ)天田銀河CIPHER小泉夜雨静ジャック自えんどうけいこ
選評名
大切などなたかの初盆なのでしょうか。お参りの参道に並ぶ燈籠なのか、それとも燈籠流しなのでしょうか。闇の中に仄かに光る弱々しい光は大切な人のことを思い出させます。胸にあった思いが目頭を熱くしてその弱い光をも滲ませてしまう。しみじみとした情景です。
もーたろ
★0
夏の終わりの寂しくもしっとりとした情景が感じられました。「滲む」にどんな心情を重ねるのかイメージが膨らみます
天田銀河
★0
砂つぶの感触まざる天の河
出詠名
鮎
6席 / 9点 特×1 並×5 次×4 自×1
互選名 ロサ・ブラックティーえんどうけいこ村田一広404notF0816みちくさきつね小泉夜雨静ジャック藤 かづえ宮嶋いつく自鮎
選評名
砂つぶというのがいいなあと思います。さらさらした感触が天の河にあって流れていく様をイメージしました。
404notF0816
★0
天の川の流れに手を入れたとき、あるいは掬ったときに、砂つぶの感触が手にあった。そんな様子が浮かびました。天の川にも砂つぶをイメージしたのがとてもいいなと思います。それから固い印象を避けるためだと思うのですが、砂つぶのつぶをひらがなにひらいたところもいいと思いました。
きつね
★0
[「-- 指の隙間をすりぬける星」(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
思い出を指ではじいて流れ星
出詠名
きつね
7席 / 7点 特×1 並×3 次×5 自×1
互選名 ロサ・ブラックティーえんどうけいこ鮎村田一広404notF0816悠蟻男静ジャック宮嶋いつく自きつね
選評名
景がきれいだなあと思いました。おはじきのような思い出は何色でしょうか。
404notF0816
★0
自らの指で思い出をはじいてしまうという発想に面白さを感じました
流れ星になってしまった思い出の行方も、想像すると多岐にわたりそうで素敵だなと思います
小泉夜雨
★0
少し切ない思い出をイメージしました。「指ではじいて」と表現されたことで、流れ星からまるで音がするように感じられます。
えんどうけいこ
★0
情景の美しさと面白さに惹かれました。
宮嶋いつく
★0
風鈴の音涼しげな夕暮れに
出詠名
うた猫
8席 / 7点 特×0 並×5 次×5 自×1
互選名 ロサ・ブラックティー寿々多実果鮎きい天田銀河CIPHER小泉夜雨静ジャック藤 かづえ宮嶋いつく自うた猫
選評名
夏の夕暮れはまだ暑くても、風鈴の音色を聞くとふっと力が抜けて涼しくなるような気がします。音から入る上の句がいい感じです。
きい
★0
「-- ひと休みして置く心の荷」などと(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
星月夜一等青いその星へ
出詠名
坊斎
9席 / 6点 特×2 並×2 次×6 自×0
互選名 ロサ・ブラックティーえんどうけいこ鮎404notF0816みちくさきつね悠蟻男天田銀河静ジャック
選評名
もしかしたらこれは地球以外の場所から夜空を見ていて、この一等青い星は地球なのかな?と思いました。
きつね
★0
このような上の句を詠みたくて、でも私にはできなかったので尊敬のまなざしです。青い星を上の方の評のように地球ととるか他の星ととるかは読む人または下の句次第と思いますが、それゆえに想像がふくらんで下の句が楽しみです。
鮎
★0
「ーー 舞い降りようよスターダストで」星くずに当たったことのある人は何人に一人でしたっけ?意外と多かったはず(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
夕立の前の静けさ匂いたち
出詠名
404notF0816
10席 / 6点 特×2 並×0 次×7 自×1
互選名 ロサ・ブラックティーえんどうけいこ村田一広みちくさきい悠天田銀河小泉夜雨静ジャック自404notF0816
選評名
あー!わかるー!夕立の前の静けさ、匂い、わかる!と思ったのですが、これだと静けさが匂い立っているように読めます。下の句でカバーすることもできますが、どちらかに焦点を絞った方がいいのかなと思います。
きつね
★0
「-- 洗い髪かき上げて待つ風」・・風が吹いて・雨雲が来て・夕立が来たら・・きっと涼しくなる(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
夏深し花と子の背が伸びてゆく
出詠名
衣未(みみ)
11席 / 6点 特×1 並×2 次×5 自×1
互選名 ロサ・ブラックティーえんどうけいこ404notF0816知己凛きい悠静ジャック宮嶋いつく自衣未(みみ)
選評名
長い夏の間に花は伸びるし、子供もぐんと成長しますね。視点が面白いなあと思いました。下の句を考えるのが楽しそうです。
きい
★0
スターマイン夜空に燃えて燃え落ちて
出詠名
宮嶋いつく
12席 / 6点 特×1 並×2 次×4 自×1
互選名 ロサ・ブラックティーえんどうけいこ寿々多実果村田一広天田銀河CIPHER静ジャック自宮嶋いつく
選評名
瞬間の輝きを愛でるのは、やっぱり日本人の詩情だと思います。ベタですが、言葉も好きです。
ロサ・ブラックティー
★0
「-- やさしき闇に余韻を残す」・・なんか光の残像が見える気がします(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
手に持った線香花火の散るまえに
出詠名
小泉夜雨
13席 / 6点 特×0 並×4 次×7 自×1
互選名 ロサ・ブラックティーえんどうけいこ鮎村田一広404notF0816みちくさ知己凛天田銀河CIPHER静ジャック藤 かづえ自小泉夜雨
選評名
火を付けてしまったらほんのわずかな時間で終わってしまう線香花火。息をひそめて見つめる時間。その間になにができるでしょうか。
みちくさ
★0
線香花火は「散る」よりも「落ちる」ものだと思って違和感があったのですが、花火を花に例えているのかなと思いました。
下の句が似通っちゃいそうなところですが、それをどうに回避するか気になります。
きつね
★0
絵日記に今朝も一輪朝顔を
出詠名
みちくさ
14席 / 6点 特×0 並×4 次×4 自×1
互選名 ロサ・ブラックティーもーたろ寿々多実果村田一広衣未(みみ)蟻男CIPHER静ジャック自みちくさ
選評名
蔓を伸ばし壁をおおうほどの朝顔なのでしょうか。毎朝、それを見るたびに朝顔が咲いている位置が違う。そんな不思議を楽しみにしている子どもの輝く夏の朝の表情が見えるような句です。
もーたろ
★0
「-- 毎日違う笑顔の図鑑」・・一つとして同じ顔がないと(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
こぼれ落つ君の笑顔と星月夜
出詠名
知己凛
15席 / 5点 特×0 並×3 次×3 自×1
互選名 ロサ・ブラックティーうた猫村田一広404notF0816小泉夜雨静ジャック自知己凛
選評名
こぼれる笑み、こぼれる程の満天の星、どちらも煌めくような眩しさを感じる言葉で美しかったです。
ロサ・ブラックティー
★0
「-- この福音を手のひらに受け」・・ああ幸せ者(^▽^)
ロサ・ブラックティー
★0
青空に忘れ物して法師蝉
出詠名
藤 かづえ
16席 / 4点 特×0 並×2 次×6 自×1
互選名 ロサ・ブラックティーえんどうけいこもーたろきい悠蟻男天田銀河静ジャック自藤 かづえ
選評名
夏の終わりに法師蝉の長引く鳴き声を聞いていると、なんだか引き止められてれているような気がします。「青空に忘れ物して」というのが夏の名残りを感じていいなあと思いました。
きい
★0
迷い子を導くように流れ星
出詠名
静ジャック
17席 / 4点 特×0 並×2 次×5 自×1
互選名 ロサ・ブラックティーえんどうけいこ村田一広404notF0816きい衣未(みみ)CIPHER自静ジャック
選評名
迷い子は詠者ご本人だと読みました。悩み歩いている夏の夜空に一筋の光、それはすべてを解決してくれるような美しさなのかもしれませんね。
もーたろ
★0
広原に瑠璃散りばめて露草の
出詠名
ロサ・ブラックティー
18席 / 4点 特×0 並×2 次×3 自×1
互選名 もーたろ404notF0816天田銀河小泉夜雨静ジャック自ロサ・ブラックティー
選評名
露草の青はまさに瑠璃ですね。言葉選びがすてきです。
404notF0816
★0
告白を宿題にした夏休み
出詠名
蟻男
19席 / 3点 特×0 並×1 次×5 自×1
互選名 ロサ・ブラックティー寿々多実果衣未(みみ)CIPHER静ジャック藤 かづえ自蟻男
選評名
告白を夏休み前にしようとしていてできなかったのか、夏休み中にしようとしてできなかったのか、いずれにしてもこのあとどうなっていくのでしょう。下の句が楽しみです。
静ジャック
★0
その宿題はやっぱり8月31日までできないんでしょうか、、、ドキドキする夏休みですね。
えんどうけいこ
★0
恋ごころ洗い流した天の川
出詠名
もーたろ
20席 / 3点 特×0 並×1 次×3 自×1
互選名 ロサ・ブラックティー村田一広静ジャック宮嶋いつく自もーたろ
選評名
ひょっとすると作中主体は織姫か彦星?新たな恋の予感。デネブあたりが登場かも。
静ジャック
★0
「-- 痛みの欠片が星屑となり」・・ああ・・キラキラしてる
ロサ・ブラックティー
★0
八月や句会大量印刷す
出詠名
えさい
21席 / 1点 特×0 並×1 次×8 自×0
互選名 ロサ・ブラックティーえんどうけいこみちくさきい悠衣未(みみ)静ジャック藤 かづえ宮嶋いつく
選評名
素材が変わっていて面白いですね!大きな句会に向けて準備を整えているのでしょう。案内状とも詠草集とも考えられますね。下の句を見てみたいなあと思いました。
きい
★0
盆過ぎてツクツクボウシ鳴く夕べ
出詠名
幸香
22席 / 0点 特×0 並×0 次×1 自×0
互選名 静ジャック
選評名
「夏が終わる」そんな空気感を見事に切り取っていると思います。
もーたろ
★0
月POINT
順位 | 筆名 | 首席 | 投句 | 選句 | 特選 | 偏差 | EX | 合計 |
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EX内訳
最優+3:きい
最黄+2:常盤このは
最緑+2:えさい
欠票-1:常盤このは坊斎えさい幸香
欠評-1:常盤このは坊斎えさい幸香
六連+3:うた猫小泉夜雨知己凛幸香
のの+1:全員(管理人欠席のため)
開催後記
きいさんが通算2回目の上弦首席でした
常盤このはさんは選句欠席で残念賞でした... (ノ_・。)
通算10回出席: 常盤このは 衣未(みみ)
連続10回出席: 衣未(みみ)
ありがとうございました