春分の歌会
夢で会う約束がある 傘立ての底にうまれた夜のみずうみ 久藤さえ × 西藤智
二人一組で短歌一首を詠む歌会 『R-2ぐらんぷり』2018-春
詠題『 揃 』
詠草リスト
特選(2点)×1票 |
並選(1点)×3票 |
次選(0点)×∞票 |
レシートに揃った7が連れてくる君をふっきれそうな予感を
出詠名
銀の海天田銀河 × 淡海わこ
首席 / 37点 特×11 並×15 次×12
互選名 さかさ小林菫子多田なの蕨佐須葉子小早川知己凛NATURAシナモンニッキ黒井真砂ひの夕雅鮎大河原皐月逢ハナゾウ寿々多実果鶴田よめYukonetics中牧正太村田一広キール404notF0816ロサ・ブラックティー根本博基泳二月骨御殿山みなみ街田青々拝田啓佑千原こはぎルナク中條茜きいたかはしりおこもーたろ須磨蛍かざなぎりん
選評名
よく読むと、上句の明るい感じに比べ、下句が切ないんですね。この転換がいいし、レシートの数字という暮らしの中の身近な素材を生かしていること、そのレシートに揃った7という数字をこんな切ない意味で幸運に感じてしまってる意外性というか程よい裏切られ感がとてもいいなと思いました。
ニッキ
★0
たまたま揃ったレシートの7。
7が揃うとラッキーなのですが、下の句は少しセンチメンタルですよね。
主体にとっては、こういう何かのきっかけが欲しかったのでしょう。
上下のギャップが面白いなと思いました。
知己凛
★0
ずっとふっきれなくて、でもふっきりたいと思っていて、それに必要なきっかけはほんの些細なことであるはずで……。「本当はもうふっきれているのに自分で気づいていない」と読んでもいいし、「そうやって自分に言い聞かせている今はまだ完全にはふっきれていないんだ」と読んでもいいですね。軽やかな一瞬を切り取った歌だと思います。
根本博基
★0
レシートでおつりの金額に同じ数字が並んでいると何かいいことがありそうでちょっと嬉しくなりますね。ましてそれが7だとなおさら。でもこの歌ではそんなにラッキーなことではなく「君をふっきれそうな予感」だという。しかも「そうな予感」という自信のなさ。とてもふっきれそうにはないですね。
「レシートに揃った7」はさりげなく上手い省略。「連れてくる」も憎い。
泳二
★0
断ち切れない未練を断ち切るきっかけを(あるいは新しい出会いの予感をも)、偶然のレシートの7並びに求める気持ちはわかる気がします。
佐須葉子
★0
揃った7が連れてくるはずの幸運を「君を吹っ切れそうな予感」と詠んだ視点はすごく面白いと思います。君に出会えそうな予感ではないのですね。引きずり続ける事を終わりに出来ただけでも幸運なのかもしれませんが(ToT)
大橋謙次
★0
7が揃った勢いで君に告白できそうみたいな流れがベタなんですが、ここではふっきれそうな予感と一回下がってからの前向きに進んでいこうっていう感じが、春になっていく中で自分の気持ちを整理していこうっていう決意のようなものが溢れてていいなと思いました◎
街田青々
★0
レシートを受け取ったこの人は、きっと笑っちゃったんだろうなあ。寂しくて悲しくてこの世のどん底だって思っていたのに、こんなささやかなことで笑っちゃうなんて、って苦笑してそう。何故かなんとなく、春らしいうただなって思いました。
さかさ
★0
圧倒的に上手いし好き。お手上げ。上の句のしあわせな雰囲気と一転、実は悲恋の歌。でも前向きで、爽やかに感じます。そしてとてもリアル。ほんのちょっと、レシートに7が揃ったくらいの、だからってなにがあるでもないほんの小さな「いいこと」が主体が前向きになるちょっとしたスイッチになったんですね。ああーーーめっちゃいいのに上手く言葉にできない!でもそれをする必要もないくらいかなと思います。
たかはしりおこ
★0
「君をふっきれそうな予感を」なんておもっているので、このひとはもうすでに君のことをふっきることができる状態まではきているとおもいます(ほんとうにふっきれないときってふっきれそうな予感はまずしないですし……)。ですが、さいごの一押しとなるきっかけが足りていなくて、そのきっかけを「君」以外のほかの異性(人間)ではなく偶然の産物である「レシートに揃った7」に任せているところに好感をもちました。きっとふっきれそうな予感を連れてくるきっかけはなんでもよかったのだとおもいますが、変にひねくれずラッキーセブンというベタなところに落としこんだのも共感のしやすさにつながっていて上手だなあとおもいました。
蕨
★0
切り取ったシーンは本当に興味深くて、それに添えられた心情もぴったりとマッチしている気がします。日常のちょっと嬉しい偶然と、恋の終わりを見事にリンクさせていると思いました。
気になったのは「連れてくる」
こんなにも落差のある喜と哀の切り取り、「連れてきた」の方が主体が「7」の並びにぐわっと持っていかれる勢いが出る気がしますがいかがでしょうか。
ともえ夕夏
★0
レシートより先に、お金を払うときにレジの画面を見たりすると思うのですが、普段はレシート捨てるタイプだけどぞろ目だったから取っておいたりしたんでしょうか。とはいえ主体はそんなに喜んでおらずドライに見えるような抑えた詠みぶり。ドライな自分をよそにちょっとラッキーなことが起こってなんか愉快になって、ふっきれる(どうでもいい)と思ったんでしょうかね。すごい無意識で微妙な心の動きを歌っていると思います。
拝田啓佑
★0
言葉に無駄がなくよいと思いました
かざなぎりん
★0
ひらりひらり先頭車両に駆け込めるスカートの丈みな揃いをり
出詠名
なつ、およぐ。なつお × 泳二
2席 / 36点 特×7 並×22 次×9
互選名 諏訪灯小林菫子蕨甘酢あんかけ佐須葉子知己凛シナモン黒井真砂あおきぼたん天国ななおなぎさらさ淡海わこひの夕雅鮎野中美亨みゅうみゅうハナゾウ寿々多実果鶴田よめ中牧正太キール404notF0816ロサ・ブラックティー根本博基井筒ふみ小池佑月骨雀來豆御殿山みなみ街田青々拝田啓佑中條茜きいたかはしりおこ田中翠香薄荷。須磨蛍静ジャック
選評名
新入生のきらきらした群れの様子がスカート丈で表現されていてとても面白いです。先頭車両というところにも、春らしいまぶしさを感じます。
丁寧な文体で書かれた、この季節によく似合うお歌です。
なぎさらさ
★0
情景の切り取り方がとても素直で素敵なお歌だと思いました。通学風景か、はたまた就職活動かと考え、しかしながら皆が皆、先頭車両へというところから通学風景と読みました。
服装規定の厳しい学校では、膝下何センチ‥‥ではなく床から裾線まで何センチという決まりのあるところあって、この結句「揃いをり」のきちんとした感じがそれを思わせます。初句の「ひらりひらり」が春風または蝶を思わせ、女性(女子)の美しい軽やかさを想起させるいいリードになっているなぁと思いました。
ともえ夕夏
★0
これは私だったらの話なので歌の欠点とかでは全くないんですが、初句の字余りがなければもっと「丈の長さが揃ってるスカート」の感じが出るかなって思いました。でも「ひらりひらり」とはみ出すことでスカートを履いている女性の若々しさや春っぽさがあらわせるのかな。ふっと見た光景の切り取り方と感性が素晴らしいと思いました。
ハナゾウ
★0
ひらりひらりと駆け込んできた新入生たちの制服のスカートが「みな揃いをり」で電車の中に入って静かになるという一連の動きの流れがいいなと思いました。春とか新入生という言葉は一切ないのに春らしさを感じさせるところもすごいです。
鮎
★0
軽やかで爽やか。春らしい歌に仕上げたところも巧み。
月骨
★0
旧仮名にするなら「揃ひをり」ではないでしょうか。とても良い歌だと思うだけに表記の誤りがいかにも残念です。
中牧正太
★0
情景がとても春らしくキラキラしてて良いですね。スカートの丈が揃うという表現もうまいですが、僕は特に先頭車両が効いていると思いました。先頭車両にあわてて乗ってきた新入生たちがきゃっきゃしてるのをちょっと遠目で眺めてる感がよくわかります。素敵な歌をありがとうございました◎
街田青々
★0
ひらりひらり、の動的な動きが揃う静的な景にうつる技巧と新学期らしいたのしさがほんとうに良い歌ですね。指摘のある通り、仮名遣いの混在は気になります。
御殿山みなみ
★0
ひらりひらりの初句がとても効果的だと思います。制服のプリーツスカートをイメージさせて、青春ぽいきらきらした感じがします。そして、春の景色の描写がないのに春っぽい。不思議です。
もっと深く考えるとこの初句が別の単語だったら……例えばもっと堅かったり重かったりしたら、就職活動の風景っぽさが強まると思うんです。それで、みんな同じ格好をしてることに疑問を感じているっていう社会詠の側面が強くなると思うんです。すごくないですか?初句がひらりひらりなために爽やかに「新入生のスカート丈がみんな揃っている」っていう初々しい新学期の風景に読めるんです。そこがすごいなってことに気付きました。すごい。
たかはしりおこ
★0
「ひらりひらり」の軽やかな感じが、新入生・新社会人の初々しさをイメージさせます。爽やかな朝の空気を詠んだ素敵なお歌だと思います。
薄荷。
★0
情景の切り取りかたが上手だなあとおもいました。また、学生ということばは出さずに「スカートの丈みな揃いをり」で制服を着た女子学生を想起させたり、「先頭車両に駆け込める」で期待感・希望感・爽やかさを演出していたり、適切なことばが適切な箇所にあてられているところも巧みだと感じました。読みかたにゆとりがあるのも魅力的で、学校に入学したばかりの新入生ともとれますし、修学旅行で女子学生が楽しげに移動しているともとれるところがいいなとおもいました。(前のかたの指摘を読むまで旧かな・新かな表記の揺れに気づいていませんでした……。「揃ひをり」と「揃いおり」だと情景に射す光の種類や加減が変わってくるとおもうので、どちらの表記のつもりで提出されたのか気になります)
蕨
★0
あ 悲恋なのかなこれは蒲公英が揃いも揃いこっちを見ない
出詠名
王子とこたつ姫ともえ夕夏 × 中牧正太
3席 / 35点 特×11 並×13 次×12
互選名 さかさ小林菫子多田なの甘酢あんかけ佐須葉子小早川知己凛シナモンニッキ黒井真砂宮本背水あおきぼたん天国ななおなぎさらさ淡海わこ鮎大河原皐月逢ハナゾウYukonetics村田一広キールロサ・ブラックティー井筒ふみ小池佑月骨御殿山みなみ街田青々拝田啓佑千原こはぎきいたかはしりおこ秋山生糸薄荷。もーたろ静ジャック
選評名
下句が切ないです。蒲公英も陽の当たりやすい方へ咲いたりするのでしょうか。そして好きな人もきっと別の誰かを見ていて、自分の方を見ていないのかも知れない。花を見て花に振られたような気持になっただけではなく、恋の歌として読んで好きだなと思いました。
小林菫子
★0
蒲公英にそっぽを向かれて初めて自分の悲恋に気付く視点がすごいと思いました。それまで悲しいと感じていなかったということですもんね。
淡海わこ
★0
上の句が良いだけに、下の句をお題に沿おうとして作った感じが出ていてもったいないなと思いました。
大河原皐月
★0
これ、蒲公英じゃなくてもいいですよね。
たいていの花は明るいほうをむいて咲きますから。
でも蒲公英がいい。
下の句はひらがなにひらいた方が好みだけど。
井筒ふみ
★0
詠いだしかた、収めかたが巧み。揃いも揃い、にちょっと違和感。字余りでも、揃いも揃って、の方が良かったのではと思う。
月骨
★0
上の句の見せ方がいいですね。揃いも揃いって表現もおもしろくてやられたなって感じです。全体的にまとまって良いなあと思いました◎
街田青々
★0
発句の「あ」と スペースが唐突過ぎて以下内容が少し入り難かったです。
もしかして 投稿ミスをしてしまったのかな?とも思いました。
要素がとても多くまた悲恋から蒲公英の流れもとても難しかったです。
鶴田よめ
★0
悲恋の予感を花に見出すうまさを感じました。予感を示しつつ、蒲公英とつなげることで花占いのような、予感を花に託すようなつながりが生まれます。それが下の句で「こっちを見ない」とくるので予感がより受動的になります。花占い的なものの前段階からだめじゃないか、という想いが「揃いも揃い」にあって、とても好きな歌でした。個人的には、最初の一字あけで拍を作っておられるので、「これは」のあともあけたほうが拍として好きです。
御殿山みなみ
★0
そこはかとない恋愛についての不安。それはきっと何を見ても感じてしまうものなのかもしれない。それがタンポポを対象にうまく表されているように思う。
もーたろ
★0
蒲公英に囲まれた中、ふと気づいた花の向きから悲しい展開を察してしまう。主体の思い過ごしかもしれないけれど、ほんの偶然ですら恋の行く末を暗示しているように感じてしまうくらい恋をしていることが伝わる。
多田なの
★0
下句は実景と捉えるべきなのでしょうか。人間と蒲公英ほど身長差があると、蒲公英は近似してほぼ全て真上を向いていると思います。少し実感が薄いような気がして、実景を想起させる字空けとは相性があまり良くないように思いました。なのでこれは完全に、今までの主体とその相手とのさまざまな出来事一つ一つをたんぽぽとしたかわいい比喩なのかなと読みました。
拝田啓佑
★0
初句の一拍空け、これは絶対要るなと私は思いました。「あ」の後の一拍で天啓的に悲恋を悟った主体の世界が、一拍の前と後とで小さくでも決定的に変わってしまったと感じるからです。
揃いも揃いということは結構な数の蒲公英が咲いているところに主体はいるのでしょう。そのすべてがそっぽを向いている光景が、静かに寂しくて好きです。
黒井真砂
★0
天国を筆記で落ちるぼくたちの生理周期が揃いはじめる
出詠名
細字マッキー黒井真砂 × 秋山生糸
4席 / 26点 特×4 並×18 次×8
互選名 さかさ小林菫子多田なの蕨甘酢あんかけさゆニッキシリカ宮本背水天国ななおなぎさらさ大河原皐月逢ハナゾウ寿々多実果村田一広天田銀河ロサ・ブラックティー泳二井筒ふみ小池佑月骨雀來豆大橋謙次御殿山みなみ拝田啓佑中條茜もーたろ須磨蛍静ジャック
選評名
天国を筆記で落ちる、という表現が好きです。周期がそろい始め、何か次のステージを感じさせます。ドラマチックな動きのあるところに惹かれました。
さゆ
★0
正直言って意味がよくわかんないんです。
が天国って筆記試験あるの? とか 生理周期そろうの?とか それからそれからどうなるの?とか、強引に引っ張られていく感じがすごく好き。
井筒ふみ
★0
「筆記で落ちる」というのが面白く感じました。行いより言葉や思想で落ちてしまうということでしょうか。生理周期が揃うというのを調べてみたら、「ドミトリー効果」という語に行き着きました。長く一緒に居ることで周期が重なっていくとか。「ぼくたち」が天国より自分達の近く親しい仲を大事にしているように思えて、素敵だなと思いまし
小林菫子
★0
理にかなった歌が多かった中で、こちらの歌は理屈はさっぱりわからない、その力で読ませる歌だと思いました。上句、下句ともに力があり、それが組み合わさって不穏な明るさを持っています。うまく言えないけどパワーパフガールズみたいな雰囲気。
泳二
★0
「天国を筆記で落ちる」も「ぼくたちの生理周期」もどちらも強いワードなのですが、ことばのバランスがとれていて、この歌ならではの世界観をつくりだしているところがすごいなあとおもいます。筆記落ちちゃったけどこれからどうしようか……と途方にくれている雰囲気や物悲しさも感じられてすきです。わたしは「ぼくたち」はボクッ娘ではなく男性一人称の複数形だと捉えました。男性には生理はないですし、ない生理が揃うわけもありません。ですが、もしかしたら死後天国に行く前の段階では性別は曖昧でどうでもいいものになっていて、天国行き落第生の「ぼくたち」は生物としてのいろいろな枠組みを取り除かれたひとつひとつの魂として存在し、そして運命共同体になっていくきっかけがたまたま生理周期が揃うことだったのだと読みました。「ぼくたち」の魂同士の共鳴にとても惹かれました。
蕨
★0
女性同士のペアのことを歌っているのでしょうか。一人称が「ぼくたち」なので心の性は女性とは限りません。「天国を筆記で落ちる」のも、主体が神(世間の大きな意識)にゆるされていないと感じているところから来る発想でしょう(いまはそうではない認識が世界で進んでいますが)。そういった重い背景が匂いますが、それぞれかなりオブラートに包まれていて、全体のカロリーを抑えて歌うことに成功していると思います。
拝田啓佑
★0
くしゃくしゃに子は乱し終えかがみ見る母が揃えた黒き前髪
出詠名
落ちてるつぼみ甘酢あんかけ × さゆ
5席 / 18点 特×5 並×8 次×12
互選名 佐須葉子知己凛NATURAシナモンニッキ黒井真砂宮本背水天国ななおなぎさらさ淡海わこ野中美亨みゅうみゅうハナゾウ寿々多実果Yukonetics中牧正太村田一広キール404notF0816ロサ・ブラックティーことり中條茜たかはしりおこ田中翠香静ジャック
選評名
このお子さんの気持ちよくわかります。お母さんに切られたパッツン前髪がいやなんですよね。短すぎたのかもしれないし。読んでいて、ほっこりしました。
シナモン
★0
藤村の「まだあげ初めし前髪の~」の詩を思い出しました。あの作品を現代におきかえて視点を変えるとこういう感じなのかもしれません。母親の愛情と、子の自尊心と、その垣間見られるドラマ性が楽しい歌です。
宮本背水
★0
情景が目に浮かんでくる良い歌だと思います。かつて自分は髪をくしゃくしゃにする少女だったし、いつか自分は前髪を丁寧に切り揃える母親だったかもしれない。懐かしさを読み手に感じさせ解りやすい歌ですね。ちょっとなにか歌全体が忙しく慌ただしい気がするのは動詞が多いからでしょうか?ひとつほど減らせると歌の光景の美しさが際立つ感じがします。
ハナゾウ
★0
詠まれている場面がとてもいいなと思いました。前髪を切られた子が、言葉で無くて態度で感情をぶつけているところが、なんかわかるなって感じがします。
「母」の立場からの歌と読みたいところでしたが、「子」「母」とあるので父や祖母など第三者目線かな?とも感じました。
前の方が書かれているとおり、少し言葉を整理すると、すごくよい歌になる気がします。
天田銀河
★0
前評のとおり良い情景を歌われたと思いますが、言葉の選択と語順はもう少し推敲の余地があるように思いました。「乱し終え」は違和感があります。「かがみ」は仮名で良かったのでしょうか(「屈み」とも読めます)。「黒き前髪」が倒置で結句に置かれることで体言止めとなり強く印象づけられますが、この歌で作者が最も強調したかったのはここだったのでしょうか。
泳二
★0
つま先を揃えて座る春の日にあなたが触れる膝の花びら
出詠名
シャツとブラウス天国ななお × 千原こはぎ
6席 / 17点 特×2 並×13 次×11
互選名 さかさ蕨佐須葉子小早川シリカなぎさらさ淡海わこひの夕雅鮎大河原皐月鶴田よめ中牧正太キール404notF0816ロサ・ブラックティー根本博基ルナク中條茜きいたかはしりおこ田中翠香秋山生糸もーたろ須磨蛍静ジャックかざなぎりん
選評名
きれいにまとまってはいるのですが、そこが物足りなく感じさせますね。何かひとつ引っかかる言葉があればよかったなと思います。
野中美亨
★0
私は「膝の花びら」がこのお歌の「引っかかる言葉」なのだと思って読みました。春の日なので、きっと膝の上に舞い落ちてきた桜のひとひらなのでしょう。つま先を揃えて座っている私の膝の上の花びらにあなたが触れた瞬間、私は自分の膝を優しく触れられたような気がして嬉しいような恥ずかしいような。。。キュンキュンしますね!
NATURA
★0
花びらはスカートの柄ではないかと思いました。本物の花びらが膝に落ちてくるというのはちょっと出来すぎているような気がして…。つま先を揃えて座っているのは〈私〉で、「あなた」が不意にスカートの柄の花びらをつまもうとした。そんなシーンを思い浮かべました。性的なニュアンスではなく、無垢な接触のような気がしました。
中牧正太
★0
先の評では「物足りなさ」とあって、その気持ちもわかるのですが、わたしはその「おおげさじゃない」感じが逆にこの歌のリアルなところでどきどきするところでめちゃくちゃいいなと思います。
付き合ってはいると思うんですけど、付き合って間もないカップル。たぶん初めての「接触」だったんじゃないか思うんです。だから主体はすごいどきどきしちゃって。初々しさが全体の雰囲気からすごく感じられて、春の日の気持ちの良い雰囲気も合わさって、すごーーーくときめきます。
ちなみにわたしも花びらそのものが膝の上に落ちてきたと読んだのですが、スカートの柄っていう読みもとっても素敵だと思いました。そっちのほうがどきどきしますね。変な意味じゃなく、ただ柄が気になった「あなた」もかわいい。
たかはしりおこ
★0
主体の膝に落ちてきた花びらを「あなた」が拾いあげようとして膝に触れた、うつくしい情景です。ただ、考えればわかる程度ではあるのですが、「つま先を揃えて座る春の日」(春の日が"座る"の主語ともとれる)や、「膝の花びら」など全体的に少し語と語の関係がわかりづらく、読みづらく感じました。
秋山生糸
★0
まず、ことばとことばの流れが綺麗で惹かれました。「つま先を揃えて座」っているので、おそらくこのひとと「あなた」はいま一緒にはいるけれど気楽な関係(状況)ではなくて、会話も途切れがちなのだろうなと想像しました。「あなた」を好きで一緒にいるだけで緊張してしまう状態、「あなた」に好きだと告げたあとの沈黙、「あなた」と恋人どうしになったばかりのぎくしゃくした戸惑い、「あなた」との別れを決めた気まずさ、佳い・悪いにかかわらず「あなた」から大事な報告を受けるのを待っている時間……など、いろいろなパターンがあるとおもいます。ですが、どのパターンをとっても、「あなたが触れる膝の花びら」を見ているこのひとにとって「あなた」が大切で重要な存在であることに変わりはありませんし、この「春の日」の些細なできごとはこのひとのなかで思い出となってずっと記憶されつづけるのだろうなと読みました。小説のワンシーンみたいなカットで素敵です。
蕨
★0
情景が美しいと思いました
かざなぎりん
★0
揃わない下着で眠る友人に見せたい光る石のいくつか
出詠名
夢みる石ころズ根本博基 × 小林菫子
7席 / 16点 特×3 並×10 次×12
互選名 蕨甘酢あんかけさゆ小早川黒井真砂天国ななおなぎさらさひの夕雅鮎大河原皐月Yukonetics中牧正太ロサ・ブラックティー小池佑月骨雀來豆大橋謙次街田青々なつお中條茜たかはしりおこ秋山生糸薄荷。もーたろ静ジャック
選評名
友達の女の子が遊びにきて下着姿で寝てるけど上下が揃ってない。恋とか経験とかすると、その辺も気にするようになるのよ、と少し先輩顔して思ってる、って読みました、いいですね。キラキラした感じはあるけれど「光る石」はもう少し合った言葉があったかも。
天国ななお
★0
下着が上下揃っていない事を気にしない友人に、自分が持っている光る石、ジュエリー的なものを見せたい、という気持ちになっている、と読みました。自分の前で下着を見せて眠ってしまうくらい心を許してくれる友人なら、変に自慢だと思われることもなく気を遣わずに見せられる、という歌とも読めましたし、下着などにこだわらず自由に生きている友人(そういった事にこだわらなくても愛されていたり、愛されることを必要としてなかったりするんだと思う)に対しての嫉妬のようなものから、「光る石」というモノで対抗したくなってしまったのかなあとも読みました。そう読んだ時に「石」と言ってしまってるのが、自分の負けを認めてしまっている感じがしていいなと思いました。
小池佑
★0
下の句のなにかもどかしい感じ、好きです。
雀來豆
★0
「光る石」が何を指しているのかな、と思いました。単純に宝石ととっていいのか、なにか比喩なのか。一応、わたしは比喩ととりました。
わたしは今までの評と違って、友人は下着姿ではなくパジャマとかで寝てて、その下の下着が揃ってないことを主体が知っているってだけかなと思いました。主体はその友人とすごく仲が良くて(下着姿も知ってるくらいだし)その友人のことがすごく好きなんだと思います。だからお泊まり会とかでそこで寝てる友人に対して、いい夢見てほしいな、とかそんなふうに考えている歌だと読みました。
でもよく読むと光る石の「いくつか」なんですよね。全部じゃないのか、と思って……やっぱちょっとそこらへんはよくわからなかったです。
たかはしりおこ
★0
友人のことが好きなのだなあと思いました。友人のありようは主体自身のそれとは違っていて、それが羨ましくもあり、一方で友人はまだ知らない魅力的なものごとを主体は知っていて、かすかな優越感とともに相手が愛しく思えるのだろうと思います。青春ですね。「いくつか」については、いくつもあるうちの一部、ではなくて、あれとこれと…と具体的に思い浮かべながら数え上げていく感じに読み、特に違和感はなかったです。
秋山生糸
★0
「揃わない下着」で眠るという状態に、いい意味での緊張感のなさを感じて、部屋着の感覚である友がとても愛おしい存在に見えます。そこで「光る石」がなんたるか、です。光る石≒原石と読みました。部屋着のままではいられなくなる相手、あるいはかつてまだ光らないままであった先人(主体も含む)が揃いの下着を身につけるきっかけになった出来事諸々だとか。部屋着感覚のままの友にもいずれ、そういう人が現れるんだよ‥‥という老婆心っぽさがクスリとさせます。それが「見せたい」という一言に集約されている気がしました。
ともえ夕夏
★0
下着が上下揃っていないことを知っているような親しい間柄の「友人」に対しての、既存の言葉では言い表せないような微妙な親愛や好意、の象徴が「光る石」なのかな、という風に読みました。
「友人」は下着が揃っていないようなリラックスした状態で目の前で眠っている。その友人に「光る石」を見せたい、でも「いくつか」であってすべてを詳らかにする訳ではない、という相手と自分の好意のあり方の絶妙に微かな差異を感じ取った歌なのかなと思います。
黒井真砂
★0
品揃えだけはなかなか良い過去でプレミア付きの別れあり〼
出詠名
関西センチメンタルず街田青々 × 小池佑
8席 / 15点 特×2 並×11 次×12
互選名 諏訪灯さかさ小林菫子甘酢あんかけ小早川シナモン黒井真砂宮本背水天国ななおひの夕雅鶴田よめYukonetics中牧正太ロサ・ブラックティー根本博基大橋謙次御殿山みなみ拝田啓佑千原こはぎなつお中條茜たかはしりおこ秋山生糸もーたろ須磨蛍
選評名
最初、終わりの〼がわざとらしいかと思ったけど、飲み屋さんのお酒の品揃えから「プレミアムモルツあり〼」みたいなメニューが貼ってある連想なのかと読んだら、急によい歌だと思いました。「品揃えだけが良い過去」っていいですね。「なかなか」はこの場合有効だと思います。
天国ななお
★0
語り口調、表記の工夫、定型
が内容ととても良く合っていて表現として素晴らしいと思います。
居酒屋のお品書き、 プレミアムフライデー、プレミアムモルツ
なども無理なく連想されて良いお唄だと思います。
鶴田よめ
★0
品揃え「だけは」いい過去、ということは、いろいろ経験したのだけれど、いい思い出に恵まれないのでしょうか。それをユーモアにして茶化してしまえる強さを感じます。それにしても、プレミアが付くほどの別れって、どんなものなんだろう……。
根本博基
★0
「品揃えだけはなかなか良い過去」という言い回し、少し自嘲も込められているようで好きです。それだけいろいろな経験をしてきた主体が、特に価値アリとする「プレミア付きの別れ」、どんなものだったのかいろいろと想像を膨らませてしまいます。
千原こはぎ
★0
「品揃えだけは良い過去」で結婚式の時読み上げる『経歴』を思い出しちゃったのは・・・自分だけか(^^;)
ロサ・ブラックティー
★0
不揃いな過去を抱えて今朝僕は日の出町へと引っ越してきた
出詠名
水甕放送局Yukonetics × 鶴田よめ
9席 / 14点 特×2 並×10 次×13
互選名 多田なの甘酢あんかけ知己凛宮本背水なぎさらさ淡海わこひの夕雅寿々多実果中牧正太村田一広天田銀河ロサ・ブラックティーことり泳二井筒ふみ月骨雀來豆大橋謙次千原こはぎたかはしりおこ薄荷。もーたろ須磨蛍静ジャックかざなぎりん
選評名
日の出町と聞いて、多摩の「日の出町」と横浜の「日ノ出町」のふたつが頭に浮かびました。どちらを想像するかで歌のイメージがだいぶ変わりますが、どちらのイメージもおもしろいですね。「不揃いな過去」という言い回しから「日の出町」のあたたかな語感へのひかりに向かうさまがきれいです。
宮本背水
★0
地元にも『日の出町』があります。
どこの日の出町なのか、というより『日の出』というこれから明るくなる名前の町に引っ越してきたことで、不揃いな過去も過去として前に向かえるようなそんなイメージを受けました。
淡海わこ
★0
『日の出町』という固有名詞の力を最大限に活かした歌ですね。実在過ぎず架空過ぎず、意味を持たせ過ぎず無意味過ぎず、名前の絶妙さに拍手。しかし固有名詞に寄りかかりすぎといえるのかもしれない。引越しが「今朝」というのは少し引っかかりましたが、そこは「日の出町」のイメージと重なっているのでしょうか。
泳二
★0
さらりと詠んだ三句以降の措辞がとてもこころに響きました。
雀來豆
★0
「不揃いな過去」という表現が好きです。過去って確かにきっちり揃っていたりしないし、きっとでこぼこしていてとても抱えにくい。けれどそんなものをしっかりと抱えて「日の出町」に越してきた主体の前向きさが、明るいこれからを予感させるようで気持ちいいです。
千原こはぎ
★0
不揃いな過去という表現がよいと思いました
かざなぎりん
★0
お揃いのマフラーなんかいらねーよ赤い糸なら巻いてあげるよ
出詠名
マリP井筒ふみ × ハナゾウ
10席 / 12点 特×2 並×8 次×10
互選名 諏訪灯佐須葉子小早川シナモンあおきぼたんなぎさらさ淡海わこ逢村田一広404notF0816天田銀河ロサ・ブラックティーことり月骨街田青々千原こはぎルナク中條茜静ジャックかざなぎりん
選評名
こういう歌大好きなんです。ツンデレってやつですね。
いらねーよ、からの巻いてあげるよ。あえてなのかもしれないけど、最後もツンで終わらせて欲しかった…(個人の趣味です)
淡海わこ
★0
程よいツンデレと口語の「いらねーよ」にヤラレました。いらねえよじゃなくていらねーよ、いいですね。
404notF0816
★0
私も上評のように「いらねーよ」気になりましたね(^^)「いらねぇよ」だとホントにいらないって言ってる感じがしますけど、「いらねーよ」だと軽く聞こえて、むしろ照れてる雰囲気もあって、かわいいと思いました(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
前評のようにツンデレの素直じゃないかわいさがストレートに歌われている点が良いと思いますが、上句と下句のつながりがやや理に落ち過ぎていてるように思えました。
泳二
★0
上の句と下の句のテンションの違いがおもしろいと思いました
かざなぎりん
★0
完璧に揃えておいて朝までにひかりのような名で咲く花を
出詠名
逆さまの蕨さかさ × 蕨
11席 / 12点 特×2 並×8 次×8
互選名 諏訪灯小早川知己凛シリカ黒井真砂あおきぼたんなぎさらさ野中美亨中牧正太村田一広天田銀河ロサ・ブラックティー根本博基ことり月骨大橋謙次街田青々薄荷。
選評名
「朝までに」の前で切るか、あとで切るかで印象が変わりますね。あとで切って読むほうが開花への期待感が増すように感じました。
諏訪灯
★0
ひかりのような名で咲く花ってなんだろう。それも朝までに完璧に揃えてって?って、もう最初から最後までが謎だらけで、一語ずつに「え?」って立ち止まって考えてしまうんですけど、不思議とそれが心地いいい感じでした。
自分を満たしてくれるものは、一つも欠けることが許されなくて、それを完璧に揃えることができるのは「揃えておいて」って頼んでいる相手しかいない、という感じでいいなと思いました。
天田銀河
★0
ひかりのような名で咲く花ってなんだろう?揃えておいてって揃えるとどうなるんだろう?そのあたりのことがよくわからなくてわたしにはよくわからない歌、でした。朝までに揃える、と読んだのですがだとすると夜の間に揃えておかなきゃいけないってことですよね。観てないんですけどメアリと魔女の花に出てくる夜間飛行って花を思い出しました。
たかはしりおこ
★0
この歌はすべてが明瞭な具象ではないところが良いと思いました。
「朝までに」ということは花を完璧に揃えるという行為は夜の間に行われるということで、「揃えておいて」という依頼の形をとるからには主体のほかに少なくとも一人は他者がいるわけですよね。複数人で夜間に花を揃える。しかもその花は「ひかりのような名で咲く花」という曖昧で繊細そうなものである。
秘儀めいていて素敵です。魔法学校で行われる特別講習みたいです。朝のつよい光に当たる前に特別な処理を施さないと枯れてしまう花なのかもしれない……などと想像してしまいます。
黒井真砂
★0
「せーの」って言うのに揃わない「好き」が僕ららしいね ひだまりを抱く
出詠名
確かに恋だった逢 × たかはしりおこ
12席 / 12点 特×1 並×10 次×7
互選名 小林菫子多田なの甘酢あんかけNATURAシリカ黒井真砂宮本背水あおきぼたん淡海わこ鮎404notF0816天田銀河ロサ・ブラックティーことり御殿山みなみ街田青々千原こはぎきい
選評名
二句三句の句跨りが効果的に働いていると思いました。恋のかなわないせつなさをひだまりを抱くとしたところも好みです。
404notF0816
★0
素直で、純朴で、飾らない自分たちらしさを大切にしている、そんな気持ちが、何といいますか、いい感じでした。
ロサ・ブラックティー
★0
字空け+ちょっと飛躍した結句、というのはとても使い勝手が良い表現(どんな言葉を置いてもそれなりに良く見える)なので、よほど上手く決まらないと評価しづらいです。そういう意味で「ひだまりを抱く」は私にはやや安易な印象がぬぐい切れませんでした。
泳二
★0
僕ららしいね までが微笑ましくてすごく好きなんですけど、結句がひっかかってしまいました。前の方が言われているように上手くはまってないような気がしました。
淡海わこ
★0
この半角4つ分のスペースは二字空けなのでしょうか一字空けなのでしょうか……(最近は一字空け以上も流行っているので)。
拝田啓佑
★0
「ひだまりを抱く」は私は好きですね(^^)熱すぎず、寒すぎず、ぬくぬくして丁度いいって言ってるようで。なんか「情熱と冷静の間」というどこぞの言葉を思い出します(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
重力に逆らうように齧る実の蒼い香りが片胸をつく
出詠名
13席 / 9点 特×3 並×3 次×7
互選名 さかさ甘酢あんかけさゆひの夕雅みゅうみゅう寿々多実果Yukonetics村田一広ロサ・ブラックティー月骨雀來豆須磨蛍静ジャック
選評名
鮮度の高い空気を感じる描写で、強さと勢いが心地よいです。結句が全体を締めていて、大変印象的でした。
甘酢あんかけ
★0
お題の「揃」がどこにあるのか判らなかったのですが、もしかして実が「さくらんぼ」でお揃いなのでしょうか? 枝付きを持って下から齧るってことかな? だとすると蒼い香りは合わない気がするし。実はもっとエッチな歌だったらどうしよう^^
天国ななお
★0
私もお題の「揃」が見つけられなかったです。なるほどさくらんぼ…。
淡海わこ
★0
前評の方がおっしゃるように仮に実がさくらんぼだとしてもそこから「揃」を読むのは難しいし、さくらんぼと読ませるのはちょっと難しいと思います。
泳二
★0
性愛を詠んでいるのだと思います。
重力に逆らうように下からその実を頬張る時に、もう一つの実が自分の胸に触れる。
綺麗に巧みに場面を切り取っていると思うのですが、果たして「揃」という字の読み込みは、しなくても良かったのでしょうか?
Yukonetics
★0
たくさん考えたのですが、やっぱり意味がよくわかりませんでした。「揃」との関係もよくわからなくて……。実ってなんだろう?蒼いという漢字を選んでいるのにもきっと理由があると思うのですが〜〜〜。
重力に逆らうように齧るっていうのが、上から齧っているのか下から齧っているのかも考えれば考えるほどわけわからなくなっちゃって……。
たかはしりおこ
★0
あと一つ揃えば終わってしまうからシャツのポケット隠したピース
出詠名
ちことりんことり × 知己凛
14席 / 9点 特×2 並×5 次×9
互選名 さかさ小林菫子甘酢あんかけさゆNATURA寿々多実果鶴田よめ中牧正太村田一広キールロサ・ブラックティー千原こはぎなつおルナク中條茜薄荷。
選評名
恋人といつまでもパズルを一緒にしていたい、という気持ちを簡潔に表現していますね。下句は「シャツのポッケに」としてもよかったかもしれません。
NATURA
★0
「ピース」は言葉のことかなと読みました。「これを言ってしまったらきっと終わりになるから」という感じなのかな。シャツのポケットだから多分胸ポケットかなと思うのですが、心に近いところに、そっと潜めている感じを受けました
前の方が書かれているように、「に」がない分、少し下の句の調子か軽やかすぎる印象を受けました。
天田銀河
★0
「ピース」は言葉だったり何らかの条件だったり、あと一つ揃ってしまうと二人の関係が終わってしまうもの、と読みました。本当はその「あと一つ」を持っているのに隠してしまう主体の感情と、ギリギリのところまで来てしまっている二人の関係が悲しくて切ない。
千原こはぎ
★0
エノコログサの花が咲くまで前足をそろえてじっと待ちつづけます
出詠名
空に浮かぶ子供雀來豆 × 月骨
15席 / 9点 特×0 並×9 次×11
互選名 諏訪灯小林菫子佐須葉子黒井真砂宮本背水あおきぼたん鮎寿々多実果中牧正太村田一広ロサ・ブラックティーことり泳二御殿山みなみ千原こはぎルナクきい秋山生糸薄荷。静ジャック
選評名
エノコロの花というマクロな視点が、まるで小動物のような可愛さ、いたいけなあどけなさを感じさせて、個人的に、すごく好きです(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
エノコログサはいわゆる猫じゃらし。この歌の主体である猫はエノコログサの花が咲くまでじっと我慢して待ちつづけるそうです。とりあえずかわいい。
エノコログサの花が咲く、というのはあの房が実る(?)状態を言うのでしょうか。
泳二
★0
エノコログサって猫じゃらしなんですか。わー、そう知ったら途端にいとおしい歌になりました。無知だと歌の良さが読み取れないですね…。
淡海わこ
★0
前足をちょこんと揃えてねこじゃらしの花が咲くのを待っている主体(猫)の姿が浮かんできます。かわいい。とにかく情景がかわいい。
千原こはぎ
★0
教室に辞書の揃ひて新学期ライ麦畑ゆ春を告げをり
出詠名
子禁兄弟御殿山みなみ × 宮本背水
16席 / 6点 特×2 並×2 次×7
互選名 黒井真砂ひの夕雅中牧正太404notF0816ロサ・ブラックティーことり泳二雀來豆拝田啓佑たかはしりおこ須磨蛍
選評名
「ライ麦畑で捕まえて」を意識してるんでしょか(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
新学期、教材にサリンジャーが載っている英語の授業のシーンでしょうか。単語としての「ライ麦畑」が生徒たちが一斉に俯いて熱心に辞書を引く姿とオーバーラップし、あたかも教室全体を春を告げる麦畑に変えているようです。
泳二
★0
春の教室の、独特の空気やざわめきが目に浮かぶのがいいです。
新学期、新しいクラス、新しい辞書。
ことり
★0
お揃いのオレンジ色のペンケース眺めてきみは新学期待つ
出詠名
ミントの葉っぱはっかりーぬ。(薄荷。) × 佐須葉子
17席 / 6点 特×1 並×4 次×8
互選名 諏訪灯あおきぼたん天国ななお野中美亨みゅうみゅう村田一広ロサ・ブラックティー泳二大橋謙次なつおたかはしりおこ田中翠香静ジャック
選評名
何と、誰と、お揃いなんだろうと思うけれど、新学期を待つ子供の気持ちを親がやさしく見ている感じがよいと最初に思いました。実はもしかして、彼氏と彼女がお揃いのペンケースを春休みに内緒で買って、新しい学年を待つということかとも思えますね。その方がグッとくるけど、主体の男の子はオレンジ色じゃないかも。
天国ななお
★0
ペンケースを眺めて新学期を待つという景はとても春らしく、かわいらしく良いと思います。しかし、やはり誰とお揃いなのかの手がかりは欲しいと思いました。
泳二
★0
誰とお揃いなのかがわからないからこそいろいろ考えられて楽しいなあと思いました。親が小学生の息子や娘を見ていても微笑ましい気持ちになるし、高校生の女の子や男の子が付き合っている相手とお揃いにしてどきどきしててもかわいい!オレンジって色が男女どっちでもありだなあと思うのでなおさらいろいろ想像してにやにやします。
たかはしりおこ
★0
今回はかなり悩んだのですが、新学期への期待を爽やかに切り取りつつ、友情とその強さをさらりと詠んだこの歌を首席にしました。結句に想像の余地とその広がりがある点がよかったです。
田中翠香
★0
品揃え悪い書店のようでいてどんぴしゃで有るきみへの好意
出詠名
僕だけなくす拝田啓佑 × 多田なの
18席 / 5点 特×0 並×5 次×11
互選名 さかさ小林菫子佐須葉子あおきぼたん淡海わこ中牧正太天田銀河ロサ・ブラックティー井筒ふみ小池佑雀來豆街田青々千原こはぎ田中翠香もーたろ静ジャック
選評名
「品揃えの良い過去」の句を先に見てしまったせいもあるかも知れませんが、純粋さを感じて好感を持ちました。
ロサ・ブラックティー
★0
品揃えの悪い書店というと欲しいものが置いてないんですよね。あんまり必要がない(役に立たない)本ばかり置いてある。けれどその狭いラインナップの中に、どんぴしゃできみへの好意は存在する。ニッチな需要と供給が一致するように、そんなにモテるわけではないきみに、それでも恋をすることの奇跡みたいなものを感じました。
千原こはぎ
★0
「君となら苦労も楽しそう」と言うあなたと揃えるふくろう守り
出詠名
spicesニッキ × シナモン
19席 / 3点 特×0 並×3 次×7
互選名 諏訪灯甘酢あんかけ佐須葉子シリカあおきぼたん逢キールロサ・ブラックティーたかはしりおこ秋山生糸
選評名
わかりやすくていい歌だと思います。ふくろう守りを揃えるということは、場所はおそらく神社なわけで、そうすると、付け合っている恋人同士かな、それとも長年連れ添った夫婦かな、と想像が広がります。「苦労も楽しそう」なんて関係、憧れちゃいますね。「ふくろう守り」というアイテムがキーになっていていい歌だなと思いました。
逢
★0
このお歌のふくろうは、不苦労に掛けてあると読みました。「君となら苦労も楽しそう=君とする苦労ならいとわない」と言ってくれる人だからこそ苦労させたくなく、そのためにふくろう(不苦労)守りを揃えるのかなと思いました。素敵です。
キール
★0
わかりやすくて、内容もしあわせで可愛くて、好きな歌です。題の使い方も無理がなくてスマート。無駄なく綺麗に、でも決して無難とか物足りないなんてこともなく、ちょうどよくまとまりの良い歌だと思います◎
たかはしりおこ
★0
前髪を揃えて切った春の朝清々しくって昨日を捨てる
出詠名
奈良漬けじゃ酔えない404notF0816 × なぎさらさ
20席 / 2点 特×0 並×2 次×8
互選名 諏訪灯さかさ甘酢あんかけシナモン中牧正太ロサ・ブラックティーことり中條茜たかはしりおこ静ジャック
選評名
これまで前髪を、後ろ髪にまとめたり横に流していたりしていたけれど、バサッと切って揃った前髪を作った、心機一転の瞬間なのだろうとよみました。春は自発的にリセットしたくなる季節、前髪を切ると言う行為をきっかけに、心の内側まで生まれ変われることに共感します。春の朝という設定に、大変みずみずしさを感じました。夜にすると、全然雰囲気が変わって違う歌に感じることに気づき、「朝」がとても効いている、潔さが気持ちのよいお歌だなと思いました。
甘酢あんかけ
★0
朝、学校に行く前に、半分くらい衝動的に前髪を短くしたような印象を受けました。休みの日って読み方もできるんだろうけど、わたしは登校前って読んじゃった。朝そんなに時間もないのに、でも結句の「昨日を捨てる」の潔さもあって、衝動的に切ったイメージ。
勢いがあっていい歌だと思います。
たかはしりおこ
★0
いつまでも手持ちのカードは揃わないならば狙おう最弱王を
出詠名
おやこどん諏訪灯 × シリカ
21席 / 1点 特×0 並×1 次×4
互選名 シナモン中牧正太ロサ・ブラックティーきい静ジャック
選評名
最弱王という表現はおもしろいし印象はあるけれど、何かもっと違う言葉だったらもっとよかったのに、と思いました。
天国ななお
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「最弱王」はテレビ番組『VS嵐』のババ抜きのコーナーで使われる言葉ですよね。この歌もババ抜きの場面を詠んでいるのか、或いはもう少し含みのある意味なのかもしれませんね。
中牧正太
★0
cancel
出詠名
大橋謙次と野中美亨大橋謙次 × 野中美亨
22席 / 0点 特×0 並×0 次×0
互選名 Don't Mind...
選評名
cancel
出詠名
海月大河原皐月 × 髙橋希望
22席 / 0点 特×0 並×0 次×0
互選名 Don't Mind...
選評名