連歌の花道『新月ノ歌会』

皐月の歌会

新月ノ歌会工事中

夢で会う約束がある 傘立ての底にうまれた夜のみずうみ 久藤さえ × 西藤智

平成30年度 皐月の歌会『下弦の部』

 上の句に付ける下の句を出詠ください

詠草リスト

[今回の投票式目]
特選(2点)×1票
並選(1点)×3票
次選(0点)×∞票
互選(2点)×1票

冠なにも知らない紫陽花が咲く

出詠名 もーたろ
首席 / 14点 ×3 ×6 ×3 ×1

互選名 かくとだに甘酢あんかけ知己凛苔井 茅静ジャックきつねさち蟻男藤 かづえCIPHER宮嶋いつくもーたろ

選評名 なにも知らない、がとても効果的だと思いました。上の句と下の句の景がうまくつながっていくように思いました。
甘酢あんかけ
★0
自分も「なにも知らない」がいいと思いました。
きつね
★0
停留所で待つ複数人の人々も、それぞれのことは知らない。「なにもしらない」傍らのあじさいがその心象を浮き彫りにしているように思います。
宮嶋いつく
★0

かすかな波の音を聞きつつ

出詠名 藤 かづえ
2 / 14 ×2 ×8 ×4 ×1

互選名 ロサ・ブラックティーNATURA村田一広もーたろ甘酢あんかけキール古志野光苔井 茅静ジャックきつねCIPHERえさい藤 かづえ

選評名 BGMのように聞こえてくるかすかな波の音が、それぞれの想いや空想を掻き立てる感じが好きです。
NATURA
★0
近くに海がある停留所なのですね。かすかな音が聞こえる事から静けさが伝わってきます。きっと車通りが少ないのでしょう。曇った空と安らぐ波の音という組み合わせからも、静かな印象を受けます。
それぞれ梅雨空に思う事がありつつも、みな同じ波の音を聞いている。と読み、どちらからともなく笑いあってしまうような穏やかな面白さを覚えました。

★0

今、アフリカでゾウが転んだ

出詠名 古志野光
3 / 12 ×4 ×2 ×4 ×1

互選名 ロサ・ブラックティー村田一広甘酢あんかけキールさち藤 かづえCIPHER宮嶋いつくえさい古志野光

選評名 発想のギャップは面白いです(^^)しかしアフリカゾウが転ぶなんてただ事じゃない!
ロサ・ブラックティー
★0
ひと言で言うと「くせになる下の句」です!行ったり来たりしながら、何度も読ませていただきました。この突き抜けた発想、好きです。
キール
★0
憂鬱な梅雨空、バスは来ない…でも!たった今アフリカでゾウが転んでいるかもしれない!と思いを馳せると、なんだかちょっとドキドキして、梅雨の乗り切り方が変わる気がしました!楽しいお歌です!
甘酢あんかけ
★0
この唐突な転換が現代短歌らしさだなと思いました。
宮嶋いつく
★0

旅はこれからまだ泣き出すな

出詠名 きつね
4 / 12 ×2 ×6 ×4 ×1

互選名 ロサ・ブラックティー村田一広甘酢あんかけ知己凛衣未(みみ)寿々多実果古志野光静ジャックさち藤 かづえCIPHER宮嶋いつくきつね

選評名 旅の空でのバス停・・・という事は、リアルの日常だけでなく、「人生のバス停」をも思わせて、句の奥行きを感じました(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
これきつねさんでしょうか。それなら、最近テーマは「旅」?じゃないですか。
ロサ・ブラックティー
★0
「停留所」や「梅雨空」が生んでいる寂しさを
「旅」が受け止めている綺麗な歌だと思います。
上の句と下の句がグラデーションしている気持ちよさは好きですが
上の句の「それぞれ」という各々の視点を一人に限定してしまったのは
残念かなと思いました。
古志野光
★0

皆で小さき子の唄を聴く

出詠名 甘酢あんかけ
5 / 12 ×2 ×6 ×3 ×1

互選名 ロサ・ブラックティーNATURAキール知己凛衣未(みみ)寿々多実果静ジャックきいきつねえさい甘酢あんかけ

選評名 小さな子が近くにカタツムリをみつけて「でんでんむしむしむし~♪」などと歌い出す様子を思い浮かべました。お母さんもきっと側にいるでしょう。ほかの周りの大人がイライラせずに、微笑ましい光景としてほのぼのとした気持ちで聴いていてくれたらいいですね。
寿々多実果
★0
複数の人がいる停留所に響く幼い子の声。上の句はそれぞれの方向に視点があるのに、下の句では一つのことに集中している。視点の移動や対比が見事だなと思いました。
知己凛
★0

それぞれの今日が動き始める

出詠名 キール
6 / 9 ×1 ×5 ×8 ×1

互選名 ロサ・ブラックティーかくとだに村田一広もーたろ甘酢あんかけ知己凛寿々多実果古志野光静ジャック蟻男藤 かづえCIPHER宮嶋いつくえさいキール

選評名 何気ない日常の風景ながら、朝のバス停に焦点を絞っている所が、すごくしっくりきました(^^)b
ロサ・ブラックティー
★0
「待つ」から「動き始める」への展開がいいですね。さらに「それぞれ」の反復の作った流れがとても自然で上の句を活かす下の句になっていると思います。
静ジャック
★0

かすかに<kana>震<:>ふる</kana>うメール着信

出詠名 苔井 茅
7 / 9 ×1 ×5 ×2 ×1

互選名 ロサ・ブラックティー甘酢あんかけ古志野光静ジャックきいさち藤 かづええさい苔井 茅

選評名 「それぞれの今日ー」とどちらか悩んだんですが、せっかくなので言葉が重複しないほうを選びました。静寂の中に、突然誰かの携帯のバイブレーションが(^^)皆きっとハッとして、静止した空間が動き出す瞬間、というのが、日常ある事ながら、ドラマティックに感じました。
ロサ・ブラックティー
★0
携帯をバイブだけにしている人というのは、えてして周囲に気を使っている人が多いので、想像が、梅雨空のどんよりとした風景と相まって、会社からの呼び出し、しいては、お医者さんなんかが、受け持ち患者の容体が悪くなった・・などというものだったり(^^;)・・人間ドラマですねぇ・・。
ロサ・ブラックティー
★0
どんよりとした梅雨空に、携帯のバイブの微かな音がよく合っている気がしました。ちょっとカエルの声に似てたりしますね。メールを着信したことでこれから動きだす人の心にも繋がっていきそうです。
きい
★0

虹を描いていくかたつむり

出詠名 宮嶋いつく
8 / 8 ×1 ×4 ×5 ×1

互選名 NATURA衣未(みみ)静ジャックきいきつねさち蟻男CIPHERえさい宮嶋いつく

選評名 カタツムリが可愛いです。
衣未(みみ)
★0
かたつむりが「虹を描いていく」というのが好きです。それぞれの思いを抱いて停留所にいる人達から、小さなかたつむりの動きに焦点がぴたりとあうことでメリハリがついたのかなと思います。一首全体がより鮮やかになった印象を受けました。

★0
すみません、かたつむり、ひらがなでした。
かたつむりが、可愛いです。
衣未(みみ)
★0

 行き先つげるバスが来るまで

出詠名 NATURA
9 / 7 ×1 ×3 ×5 ×1

互選名 ロサ・ブラックティー村田一広もーたろキール知己凛寿々多実果苔井 茅CIPHERえさいNATURA

選評名 バスが来るまでのつかの間に、各々考えていることは違っていても、同じ梅雨空を共有しているのでしょうね(^^)
ロサ・ブラックティー
★0

 十分遅れの表示がともる

出詠名 静ジャック
9 / 7 ×1 ×3 ×5 ×1

互選名 ロサ・ブラックティーNATURAかくとだに村田一広もーたろ衣未(みみ)さちCIPHER静ジャック

選評名 この上の句の「それぞれの」は難しい。悩ましい。これを下の句でどのように咀嚼して吐き出すかということだろう。上の句の主体はそれぞれが様々な思いを持って何の繋がりもなくバス停に集う「人々」。この何の繋がりもない人々をこの下の句は一気に同じところに視点を向けさせるという劇的な効果を発揮する。上の句と下の句の一字あけも効果的だ。一片の心理劇に仕立てられている。よく練られたのか、それとも天才のひらめきか、いずれにしても最高の下の句だと私は思う。
もーたろ
★0

ツバメの子らは巣立ちを告げる

出詠名 知己凛
9 / 7 ×1 ×3 ×5 ×1

互選名 村田一広もーたろ甘酢あんかけ静ジャックきい蟻男CIPHERえさい知己凛

選評名 長雨の間すくすくと育つツバメの雛たちもいつか巣立ってゆくのでしょう。屋根のある古い停留所を思い浮かべました。待っているのは人なのかツバメなのか。いい景だなあと思いました。
きい
★0
7月2日。こんなところをウロウロしてます。今見ると、ツバメの子供たちが、巣立ちで、それぞれの梅雨空に向かって、飛び立っていくのかな、などと、今さらながら鑑賞してみたりしてます。
ロサ・ブラックティー
★0
梅雨空は人間にとって不安な感じも抱きますが、ツバメにとっては、虫が低いところに集まるので、絶好のエサ場環境になるのかも(^^)
ロサ・ブラックティー
★0

夏へ向かうのはどこ行きですか

出詠名 CIPHER
10 / 7 ×1 ×3 ×2 ×1

互選名 かくとだにキール蟻男藤 かづええさいCIPHER

選評名 梅雨が明ければ夏。そこへ向かうバスを待っている、というのが上の句をうまく受けていると思います。
藤 かづえ
★0

 幼いきみと蝸牛たち

出詠名 衣未(みみ)
11 / 6 ×2 ×0 ×4 ×1

互選名 甘酢あんかけ苔井 茅静ジャックさち蟻男CIPHER衣未(みみ)

選評名 作者と幼いきみと蝸牛。
こころの中は三者三様でありつつ、梅雨空の下で同じ停留所にたたずんでいる時間が表現されていて、すてきなお歌だと思います。
苔井 茅
★0
もしかしたら、幼稚園のバスを待つ“うちの停留所”なのかな?
何匹か集まっているカタツムリを覗き込んでいるけど、
もうすぐ友達をいっぱい乗せたバスが来るよ。
そんな風に読ませて頂きました。
蟻男
★0

猫はカツオが降る夢を見る

出詠名
12 / 6 ×1 ×2 ×7 ×1

互選名 ロサ・ブラックティー村田一広甘酢あんかけ寿々多実果静ジャックきいさちCIPHER宮嶋いつくえさい

選評名 バス停に人間だけでなく、猫も待っているのかしらと、ほのぼのしますね(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
猫も雨の日は出歩いたりせず、雨の当たらないところで丸くなって寝ていることでしょう。カツオが降る夢を見ているとは面白いですね。にゃごにゃご嬉しそうに寝言で鳴いていたのでしょうか。
きい
★0

発車オーライ『明日』行きのバス

出詠名 ロサ・ブラックティー
13 / 5 ×0 ×3 ×5 ×1

互選名 かくとだに甘酢あんかけキール寿々多実果静ジャックきい藤 かづえCIPHERロサ・ブラックティー

選評名 発車オーライは人それぞれの『明日』に向けての言葉なのだなと思いました。今はどんよりした梅雨空を見ている人にも『明日』行きのバスがちゃんと来るところがいいですね。
きい
★0

 猛スピードでねこバスが来る

出詠名 きい
13 / 5 ×0 ×3 ×5 ×1

互選名 ロサ・ブラックティーかくとだに村田一広甘酢あんかけ寿々多実果さちCIPHERえさいきい

選評名 某アニメの一場面かなとか思いましたが、残念ながら見ていないので(^^;)どこか田舎の停留所かなぁとか思いますが・・・。どうでしょう。
ロサ・ブラックティー
★0

色とりどりの紫陽花もよう

出詠名 寿々多実果
14 / 5 ×0 ×3 ×4 ×1

互選名 NATURA静ジャックさち藤 かづえCIPHER宮嶋いつく寿々多実果

選評名 「それぞれ」を受けて「とりどり」としたのがいいな、と思います。紫陽花の色は本当に「とりどり」ですね。
藤 かづえ
★0

 雨滴の波紋が響いては消ゆ

出詠名
15 / 4 ×0 ×2 ×2 ×1

互選名 ロサ・ブラックティー甘酢あんかけ知己凛宮嶋いつく

選評名 すでに降り出している空なんですね(^^)雨の音がかえって、無言の中の静寂を、さらに際立たせている感じがします。
ロサ・ブラックティー
★0

結ぶ私のバスの<kana>快晴色<:>そらいろ</kana>

出詠名 蟻男
16 / 3 ×0 ×1 ×2 ×1

互選名 ロサ・ブラックティーCIPHER蟻男

選評名 視点はこれがいちばん独特で面白いと思いました(^^)
CIPHER
★0
想像です(^^)リアルの停留所じゃなく、人生のひとコマとしての場面で。待っているのは、友達同士で。その友達同士をつないでいる自分の中で。明日はきっと快晴だから・・・という句かなぁと。
ロサ・ブラックティー
★0

 あちこち咲いたみんなの朝顔

出詠名 かくとだに
16 / 3 ×0 ×1 ×2 ×1

互選名 村田一広静ジャックCIPHERかくとだに

選評名 ふと、思うに。これは花のアサガオじゃなくて「みんなの朝の顔」なのかな(^^)
ロサ・ブラックティー
★0


Tポイントカード月POINTについて sing-for.month.jp/classic/tpoint.html
三ヶ月Data皐月の歌会下弦の部H30.05.20 up
順位筆名首席投句選句特選偏差EX合計

EX内訳

最優+3もーたろ

最黄+2藤 かづえ

最緑+2キール

上下+1きいキール寿々多実果静ジャック藤 かづえ知己凛宮嶋いつくかくとだにNATURA甘酢あんかけ蟻男きつねロサ・ブラックティーもーたろ衣未(みみ)古志野光村田一広

初回+1苔井 茅

欠評-1かくとだに

のの+1全員(管理人欠席のため)

月開催後記


もーたろさんが初の下弦首席でした


ありがとうございました 花

皐月の歌会下弦の部