連歌の花道『新月ノ歌会』

春分の歌会

新月ノ歌会工事中

夢で会う約束がある 傘立ての底にうまれた夜のみずうみ 久藤さえ × 西藤智

二人一組で短歌一首を詠む歌会R-2ぐらんぷり 『R-2ぐらんぷり』2019-春

『  』

出詠は二人一組で参加ください
上句下句の分担なしで一首を相談共作して構いません
作中で題の詠み込みは必要ありません
出詠したコンビは互選(選歌と選評)に参加ください
選歌は特選並選次選の投票で行います(通常回と同ルール)
選評は(コンビ両名とも)一人一首以上に書いてください

詳しくはR-2ぐらんぷり案内ページR2GP

詠草リスト

[今回の投票式目]
特選(2点)×1票
並選(1点)×7票
次選(0点)×∞票

冠たどりついた場所で誰かを好きになるいまは静かに回る地球儀

出詠名 シジンズ中本速 × とうてつ
首席 / 59点 ×11 ×37 ×16

互選名 とがし ゆみこ棲絵妥ろか梅丘つばめ袴田朱夏尾崎飛鳥赤片亜美ガイトさんりん2山口綴りハナゾウ青山祐己深水きいろ外川菊絵宗谷燃甘酢あんかけ若紫音佳せしんミツル小俵 鱚太ロサ・ブラックティーハシリドコロ他人が見た夢の話真壁カナnu_ko涅槃girl砂狐ばらっち小川けいと@aokikenichi未補千仗千紘月骨秋山生糸天田銀河えんどうけいこ花房香枝西あおいあまの安達太良夏山栞塾カレー河嶌レイ街田青々海月ただようとよよん雨虎 俊寛神丘なぎさらさ月丘ナイルしらくま斎藤秀雄藍笹キミコtoron*きさら高野 蒔秋中弥典シナモン平出奔静ジャック鴨衣のの泳二

選評名 作中主体は旅人なのでしょうか。わかりませんが、歩き続けたゴールへの期待と、今はただ進み続けてゆく意思を感じました。向かう地は地球儀を回して止まったところへ決めるのかも知れません。大事なところを偶然に任せる大胆さが素敵だと思いました。
りん2
★0
旅人の歌とも読めますが、下の句をイメージと解釈すると引っ越しや転勤の歌にも読めるなと思いました。「仕事の都合で引っ越しを繰り返している。土地から土地へと移っていく最中、辿り着いた場所でいろんな人と出会い、好きになっていく。今は地球儀がゆるやかに回るみたいに異動も転勤もないけれど、この先はどこに行き着くのだろう。誰と過ごすのが、どこで暮らすのが最後となるのだろう」みたいな。いろんな解釈ができて、個人的に共感もできて素敵な歌だなと思いました。

★0
楽天的で前向きで良いですね。
転職や社内異動のようにも捉えられるけど、もっと若い、高校生か大学生を
イメージしました。いまは静かに回る地球儀という下の句が素敵です。
小俵 鱚太
★0
今は自分を見てくれる人がいない、好きな人がいない、のような歌にせず、きっと誰かを好きになるからと、未来への期待へ繋げているところが良いです。初句は、たどりつく、で五音に収める方がいいと思いました。
とよよん
★0
受容と決意のお歌と読みました。回る地球儀は運命の比喩のような趣です。「たどりついた場所」という言い方は、一歩一歩進んでいくのだということ、どこへ行くかはまだわかっていないことが内容として伝わり上手いと思います。主体はもしかしたら別れを経験したのかもしれません。主体のこの先に幸あれと祈りたくなるような読後感でした。
秋山生糸
★0
今はしずかだけれど、いずれ誰かと素敵な出会いの予感を期待している主体が前向きで、地球儀ということば選びも大きなスケールを感じさせます。予感に満ちた、わくわくする歌だと感じました
真壁カナ
★0
とても前向きでありつつも、さみしさも感じるなあと思いました。いつかどこかで、この地球の上で、また誰かを好きになるであろう。でも、いまは、地球はただ静かに回って、主体の周りは凪なんですよね。その沈黙が切なくて一票。
せしん
★0
すっごい完成形な歌にも思えるし、決定的な何かが足りない気もする。
「いま」を起点とするなら「今はしずかに」とした方がいい感じがするけど「いまは静かに」だから「いま」起点じゃなくて「静か」起点にしている趣旨かな。今現時点をまだ消化しきれてないけど「静か」なんだよね。

うーん、他の方のコメントを読んでもまだ分からない。でも分かりたい価値ある歌。参加者全員でこの一首について議論してみたい。
@aokikenichi
★0
上の句を主体の意思、下の句を主体の状況と捉えました。回る地球儀はいつか止まります。でも「今は」「回」っている。主体は地球儀を自ら止める気はなく、止まったところが止まるべき場所と考えているようです。「好き」という言葉に特化するなら、誰のことも好きになれない自分を「静かに」ただ肯定する歌と読みました。自分の状況を第三者的視点で思考するひとが好きなので、私はこのお歌が大好きです。感情を呼び起こさせる素敵な歌も多いですが、自分を的確にとらえた自分のための歌も好きなのです。
深水きいろ
★0
主体はどことなく消化しきれないむなしさを受け入れながら、たどり着けるべき場所を目指して歩きだそうとしているのではないかと読みました。
「静かに回る地球儀」に寂しさと前向きさが同居しているようにも思えます。
題の詠み込みがストレートであることも読むほどに惹かれました。
奥行きを感じられて大変好きな歌です。
千仗千紘
★0
諦念のような上の句が好きです。そして、分かる。
置かれた場所で丁寧に暮らしていく姿を俯瞰的にうたっていると思いました。
ばらっち
★0
地球儀が止まったところに出会いがあり、そこから物語は始まるんですね。地球儀がどこで止まるのか、自然に止まるのか、意識的に止めるのか、色々想像できる歌ですね。
安達太良
★0
『運命』というものをこの言葉を使わずに表現したのかなと思いました。説明しようといろいろ書いてみましたがうまく好きなところが説明できなかったです…すみません。とにかくとても良い歌だと思いました。
小川けいと
★0
既に挙げられていますが、生きていく上での諦念を見事に詠っている歌だと感じました。置かれた場所で誰かを好きになるだろう、でもまだそのタイミングは来ていないのでしょうね。
人生というものを感じさせてくれます。
なぎさらさ
★0
恋が始まるまでは、地球儀はただ静かに回り続けているのですね。
誰かに恋をしたら、平穏な日々は突然壊れて崩れて、地球儀は高速で回転を始める。
確かに恋とはそういうものと、わたしも思います。
月丘ナイル
★0
白紙の未来がひろがっている若者の解放感があります。旅が終わって振り返るまでは、たどっている道にどんな意味があるのかはわかりません。まだ見ぬ運命の人の存在を信じるように静かな日常をすごす主体から、淡い期待をこめて人生を俯瞰で捉えようとする明るさが伝わります。平仮名による「たどりついた」の字余りからも、思いがけず物語が動き出す瞬間の揺らぎを連想しました。
高野 蒔
★0
今は新天地へ向かう途中で、新しい場所でまた新しい出会いがあるだろうという歌かなと思いました。でも他の方の読みで、地球儀の止まった所が運命なのだというのを拝見し、素敵な解釈だと思いました。そういう意味が込められているのですね。素敵な歌だと思いました。
きさら
★0
今は新天地へ向かう途中で、新しい場所でまた新しい出会いがあるだろうという歌かなと思いました。でも他の方の読みで、地球儀の止まった所が運命なのだというのを拝見し、素敵な解釈だと思いました。そういう意味が込められているのですね。素敵な歌だと思いました。
きさら
★0
 作中主体が自分自身に言い聞かせるように紡ぐ言葉が、そのまま読者の心へも響いた歌だと思った。
 誰かを好きになってみたい、でも、いまはその誰かがいない。そのことをすこしく不安げに思いつつも、だけど、いまはこれでいい。ゆっくりと、その誰かに出会える場所をさがせばいい。初句七音も効き、そのおおらかさは説得力にもなる。
 とても大きな、穏やかな、希望に満ち溢れたこの歌を、一番に推したいと感じ票を入れた。
平出奔
★0
きっと誰かを好きになるけど今はまだなっていない。という予感というか確信があるようで、地球儀がいつ止まるのかは主体もわかっていない。という感じがいいなと思いました。
泳二
★0
イェーイ!手拍子ありがとう
そろそろ歌おぼえたよね?
俺がマイクをむけるからみんなで歌ってみてくれないか
たどりついたー!(たどりついたー!)……
シジンズのMC、ライブハウスの夜は更けてゆく
中本速
★0
速さんの隣で照れながらにこにこしているねこが私です。
ほんとうにありがとうございました!
とうてつ
★0

おれのこと気にしてないんだ青のりをお好み焼きにそんなにかけて

出詠名 総務部総務課小川けいと × 寿々多実果
2 / 55 ×7 ×41 ×20

互選名 とがし ゆみこ岩倉曰近江瞬夜凪柊知己凛梅丘つばめ袴田朱夏尾崎飛鳥赤片亜美笠原楓奏(ふーか)ニッキ山口綴りハナゾウモカブレンド青山祐己西鎮深水きいろ外川菊絵宗谷燃甘酢あんかけせしんミツル小俵 鱚太小池佑かつらいす霧島龍ロサ・ブラックティーハシリドコロ他人が見た夢の話砂狐ばらっちとうてつ千仗千紘月骨秋山生糸えんどうけいこ花房香枝西あおい千原こはぎ芍薬あまの大葉れい夏山栞塾カレー街田青々雨虎 俊寛404notF0816なぎさらさ月丘ナイル谷口泰星朝野陽々toron*きさら高野 蒔秋中弥典若枝あらうむとうゆか吉岡繁樹シナモンはね平出奔静ジャック葵の助鴨衣ののがね

選評名 一緒にお好み焼き食べに行く仲なのに恋愛対象には見られていない、そんな主体のがっかりした気持ちが素直に伝わってきます。かわいそうなのにちょっと笑えるところがいいと思いました。
岩倉曰
★0
青のりをお好み焼きにかけると、青のりが歯につく。それを気にしないということは自分に好意がないのか、というまわりくどい推測に、恋をして考えすぎる様子が出ていると思いました。
中本速
★0
奇をてらっていない表現、言葉の選び方が読んでいてとても心地よかったです。また、お題の「好」がお好み焼きだけでなく、言葉としてはでてきませんが作中主体の気持ちに滲んでいるところがいいなと思いました。切なさとユーモアの絶妙なバランスもいいですね。
シナモン
★0
前評の通り、このお歌は、シンプルな言葉使いながら、具体的な1シーンを捉えた一首全体でユーモアと程よい切なさが表現されていて、とても上手いなあと思いました。
ニッキ
★0
読んで思わずくすっとしてしまう、ユーモアのあるところがいいですね。
「おれ」「青のり」「お好み焼き」とア行の部分のリズムが気持ちいいです。歌意も取りやすく、共作された二人の息が合っている短歌だと思います。
かつらいす
★0
二句の字余りは、気にしてないのとすれば解消されると思いました。私は不器用なので、緊張するとおかしなことをします。相手も緊張して青のりの容器をいつもより多く振っただけかもしれないのですが、青のりが歯についてしまうことより、自分好みに美味しく食べる方が優先で、自分のことを気にしてないと思い込んでしまう主体はかわいいです。
とよよん
★0
「卑屈」または「いじけている」主体がありありとわかる具体性、勉強になりました。青のりをたくさんかけることは必ずしも相手のことを対象外にしていると限らないはずですが、そこで判断しちゃう主体は可愛いようで、ちょっと面倒くさいな、なんてくすりと笑ってしまいました。仲がいいこともわかる場面設定でよどみなく入ってくる素敵なお歌でした。
深水きいろ
★0
類例が多そう。字余りも効果を出してないように思えます。
@aokikenichi
★0
青のりをたくさんかけても平気なくらい相手は心を許しているので、二人の未来は暗くはないと思うのですが、好きだからこそ些細なことも気になってしまう心情はよくわかります。モチーフの選び方、場面の切り取り方がいいですね。
えんどうけいこ
★0
「好」のお題が「お好み焼き」と一首全体のテーマに二重に入っていて、巧みです。主体が「おれのこと気にしてないんだ」と思う理由が「青のり」というところにクスッときてしまうし、「そんなに」ってどれだけかけたんだろう、と思わず想像を巡らせてしまうような、面白く無駄なく上手な歌だと思いました。
千原こはぎ
★0
読み手次第で2つのケースに取られるところも面白いなと思いました。ポジ思考かネガ思考なら歌としてはネガ思考ですか。僕はもちろんポジ思考読み派でした。
雨虎 俊寛
★0
男性のヘタレな目線にふふっと笑ってしまいました。
内容も構造もシンプルな歌ですが、絶妙な持ち味があり惹かれました。
昔、シュークリームとミートソース(口の周りが汚れるもの)は初デートで食べてはいけない、というセリフが出てくる少女漫画を読んだのを思い出しました。
月丘ナイル
★0
読んで思わずクスっと笑ってしまいました。自分を気にされてないことに落ち込みつつも、青のりを沢山かけたお好み焼きを欲求に正直に美味しく食べようとするようなタイプだからこそまた愛おしいと思ってそうで微笑ましいです。
ハナゾウ
★0
おれのこと意識してくれてないのかなっていう寂しさわかります(笑) 論点を青のり一点にしぼって素直に詠まれてますね。他の方がお気づきのように、テーマがお好みと好きと両方かかってるのもポイント高かったです。
きさら
★0
前にもおっしゃっている方がいるように、ポジティブな意味での「気にしてない」、ネガティブな意味での「気にしてない」どちらにも捉えられておもしろい歌だなあ、と思いました。お「好」み焼きを挟んで見る「好」きな子。素敵な情景です。
むとうゆか
★0
主体のいじけたような、へたれたような気持ちが伝わってきて可愛らしい印象を受けました。
青のりがついていても構わないくらい気をおけない仲なのではないの、と励ましたくなります。感情移入してしまいました。
千仗千紘
★0
自分ならおそらく青のりを歯につけていることを描くと思うのですが、ここでは青のりをお好み焼きにかけている情景を切り取っています。これは本当に巧みというか切り取れそうで切り取れない情景だなあと思いました。またすべてが心の中でのつぶやきのようで、がっかりしてるようで少しホッとしている感じもほのかに伝わってきますね。やわらかな愛情とまたお好み焼きをチョイスしたコンビのセンスが光ってます。とてもとても素敵な歌でした◎
街田青々
★0
あと二句の字余りについては自分はとてもよいと思います。気にしてないんだと言うことで全体のバランスも取れているし、なにより絶妙なリズムを作っています。このリズム感覚は最高に巧みだと思いました◎
街田青々
★0
明日のお昼はお好み焼きにします!!
管理人
★0

寝転んで何の予定もない午後に好きな間取りを指差すごっこ

出詠名 アノマロカリスが見た夢の話他人が見た夢の話 × 藍笹キミコ
3 / 54 ×11 ×32 ×13

互選名 岩倉曰近江瞬梅丘つばめ袴田朱夏尾崎飛鳥赤片亜美ガイトさん笠原楓奏(ふーか)ニッキ山口綴りハナゾウ青山祐己深水きいろ外川菊絵宗谷燃甘酢あんかけ寿々多実果DEGwerかつらいす霧島龍ロサ・ブラックティーハシリドコロnu_koとうてつ小川けいと@aokikenichi未補雀來豆月骨秋山生糸えんどうけいこ花房香枝千原こはぎ芍薬大葉れい河嶌レイ街田青々海月ただようとよよん404notF0816なぎさらさ谷口泰星しらくま朝野陽々ルナクきさら秋中弥典若枝あらうむとうゆか中牧正太平出奔静ジャック泳二がね

選評名 何をするでもなくなんとなく近くにあった雑誌や、スマホのサイトを見ていたりした流れで住宅の間取り図に行き着くことはままある。それはどこか未来思考な作業で、理想の間取りなんかをそれが手に入るかどうかは関係なく、その何気ないなんともない時間を共有している感じが優しい。「語り合う」でなく「指差す」にしたのも上手くて、別に引越しを予定しているわけでも、たぶん引っ越すつもりもないことを柔らかく「ごっこ」で締めたのがコミカルでよかった。
近江瞬
★0
間取りを指差すことの楽しみですが、すでに間取りを見ることの楽しみは広く知られており、この短歌から新しい発見を受け取ることができませんでした。
中本速
★0
彼の賃貸アパートに彼女が転がり込んで始まった二人の暮らしの中で、ある日の午後、暇をもて余した二人は、雑誌とかチラシとかを見ながらお互いに自分の好きな間取りに指を差し合ってほほ笑んでいる、そんな情景がパッと思い浮かびました。日々の暮らしの中の何気ない風景を切り取り、二人がとっても仲良いこと、今の暮らしが幸せであること、そして、できれば将来より広い間取りの住まいへ引っ越してこれから先も仲良く一緒に暮らしてゆきたいと互いに思っているという将来への期待感、広がり感をも上手く表現しています。
「指差すごっこ」がいいですね。この決め言葉での体言止めも効果的です。
ニッキ
★0
ひとりでも楽しいんですけど、ふたりでやるともっと楽しいやつですね
nu_ko
★0
結句「ごっこ」が歌全体の軽やかさを表していて素敵です。だれが言い出したかは書いていないけれど「間取り」の単語だけでカップルを連想させられました。好きな人と好きな未来を想像する「予定のない」=「平和」で「当たり前」の午後。幸せな気持ちをありがとうございます。
深水きいろ
★0
いい、けど、「何の予定もない午後に」が少し残念かなー
@aokikenichi
★0
いろんな予定が入って気ぜわしく暮らしている日々の生活の中で、たまたま二人ともに「何の予定もない午後」があり、そのくつろいだひとときの中でどちらともなく始まる「指差すごっこ」だからこそ素敵なのではないでしょうか。
NATURA
★0
間取りの好みってその人が暮らしの何に重きを置くかによって違ってきますよね。綺麗好きな人は水周りの配置にこだわるし。まだ結婚までは考えていないのであろう恋人同士がそうやってお互いの価値観を探り合っていることを「ごっこ」と表現することでかろやかに昇華させていて素敵です。好き合っている相手の好きな間取りを知ろうとしている、春ですねぇ。
芍薬
★0
現在はワンルームに住んでいるが、結婚を控えて引っ越しを考えているカップルをイメージしました。具体的な新居を考えているとも取れますが、個人的には、住めるはずもない憧れの家を二人で語り合っている情景が浮かびます。短歌にならなければ見逃してしまうであろう幸せな瞬間を見事に切り取った良い歌だと思います。好きです!
谷口泰星
★0
何の予定もない午後に一緒に寝ころべる相手とは、落ち着いた間柄なのでしょう。その相手と間取りを考えるというのはいずれ所帯を持つという事かも知れません。元々間取りという言葉に未来の生活を思わせ、大切な人の存在も暗示させる気がするのですが、ごっこがそれを後押ししているようです。好きを直接的な感情として使わず好きな間取りとしながらも、未来をすんなり想像させる使い方をしているのが、とても巧みだと思いました。
きさら
★0
結句はフルコースでいえばデザートのようなもので、読む人の最後にどう残るかというのは大事なことだと思う。間取りを楽しむということ自体はありふれたことだからこそ、それをどう表現するかで見ないとこの歌の評をする意味がない。上の句のなんとも締まりのない情景とは裏腹に、下の句の特にごっこでふざけて遊ぶ楽しさと、なんとなくの将来と、一人であったとしても二人であったとしても、どこか照れを含んだごっこで締めることによって、詰め込みすぎず、奇を衒わず、じんわりと味が出てくるようで上下のバランスがいい歌だ。何より、実際に口に出してみたときに、上の句はな行ま行の音が多くてぬるま湯のようだが、下の句はさ行か行が多くてカラッとしている。音の割り振りやバランスもこの歌の愛唱性を支えている要素だと思う。
秋中弥典
★0
ほのぼのした二人の関係が上手く描かれた歌だと思います。「何の予定もない」が午後のことでもあり、これからの二人のことにも重なり、「ごっこ」に切ない味をつけているようです。特選と迷った歌です。
泳二
★0

鍵盤を昨夜の指が駆け抜ける好戦的な獣のように

出詠名 有楽町チョコミンツ天田銀河 × 芍薬
4 / 49 ×14 ×21 ×19

互選名 とがし ゆみこ棲絵妥ろか夜凪柊知己凛梅丘つばめ袴田朱夏尾崎飛鳥赤片亜美ニッキ山口綴り西鎮深水きいろ外川菊絵甘酢あんかけミツル小俵 鱚太ともえ夕夏ロサ・ブラックティー真壁カナnu_ko涅槃girlばらっち@aokikenichi未補千仗千紘月骨えんどうけいこ千原こはぎ夏山栞街田青々海月ただようとよよん雨虎 俊寛404notF0816神丘なぎさらさ谷口泰星しらくま朝野陽々斎藤秀雄藍笹キミコルナクtoron*きさら高野 蒔秋中弥典若枝あらうシナモン静ジャック葵の助のの水無月水有がね

選評名 鍵盤を駆け抜けるピアニストの指を、「好戦的な獣」と表現するだけでも魅力的な上に、「昨夜の」という一語が入ることにより上質なエロティシズムが香りたち、歌の世界を重層的にしています。完成度の高い一首だと思いました。
とがし ゆみこ
★0
昨夜あなたを感じたあの指が、今は目の前でピアノを奏でている。強弱、テンポ、何もかも完璧な演奏を想像させます。おそらくはショパンの幻想即興曲のような、うねるような激しい夜だったのでしょう。好戦的、の字面だけでなく、背後に「好」の気持ちを含めることに成功した巧みな歌だと感心します。
袴田朱夏
★0
「昨夜の指」がピアノをまた違った形で駆け抜けている短歌だと思いました。好戦的な獣と「昨夜」にギャップがあまりありません。
中本速
★0
品のよさとアグレッシブな官能が上手に両立していると感じました。
山口綴り
★0
お題の「好」がきれいにはいっていて、ことばのつなげかたも違和感がありませんでした。
「昨夜の指」がどんな様子だったのか分からないので、ピアノを弾くさま(と読みました)をみて、「昨夜」との違いを感じて「好戦的な獣のよう」としたのか、「好戦的な獣のよう」だった「昨夜」を思い出しているのかわかりませんでした。
鴨衣
★0
好戦的な獣、がとても効いていると思いました。昨夜の指、ということは、今は弾かれている状況ではなく、昨夜のことを思い出しているのかな、と考えました。アグレッシブな演奏をされるかただったのかな。「好」というお題でこれを思い付かれる感性が素敵です。
棲絵妥ろか
★0
上の句がとてもいいと思います。お題を「好戦的」と使うところもすごくいいと思いました。ただ個人的に、昨夜の方が好戦的であってほしかったなとちょっと残念でした。
とよよん
★0
うわー出来る方の出来る歌、これぜったい「どうやったらこんな素敵な歌が出来るんですか」と聞いたら
「いえ、別に普通ですけど」
って返してくるやつや
意味がいらない、センスが31音駆け抜ける歌や
@aokikenichi
★0
昨夜とピアノを奏でる指の対比を想像させる歌です。好戦的な獣ということは超絶技巧と呼ばれるような激しい曲を奏でているのでしょう。私は昨夜の指は必ずしもエロティックな接触があったとは限らず、例えば髪や肩などただやさしく撫でていた指かもしれないと思いました。なので、指を見ている主体は鍵盤のごとく自分にも好戦的に触れてほしいとの思いを抱いているのではないか、と思いました。
エノモトユミ
★0
巧みな題の詠み込み方だと思いました。一読して「好戦的な獣」に惹かれます。「昨夜」も「鍵盤」上でも「好戦的」なのだろうと読んだのですが、(他の方も仰っていますが)何度か読むと、昨夜も好戦的であったようには読めない。寧ろ、昨夜とは違った一面としての弾き手に触れた際の心情ともとれ、その方がより官能的なのかもしれないと思いました。詠題と共に「鍵」「作」「駆」「獣」と、か行の音が多用されることで、鍵盤の硬質なイメージと奏者の技術が、より伝わって来るように感じました。
西鎮
★0
昨晩から現在までの時間の経過と二人の関係性が巧みに読みこまれていて、「好戦的な獣」というワードが効いていて、一読して非常に素敵だと思いました。おそらく昨晩は「好戦的」ではなかったのでしょうね。ピアニストの彼は、恋人と同じくらいか、もしかすると音楽の方をより深く愛しているのかもしれません。「駆け抜ける指」で何の曲を弾いているのか、リストの超絶技巧あたりでしょうか。そんな想像も膨らませてくれる魅力的な歌でした。
えんどうけいこ
★0
鍵盤を、そのままピアノの鍵盤ととるか、昨夜の響きから例えととるかで、大きく景色が変わることに、そして好戦的、という言葉の選択に唸りました。
鍵盤をそのままピアノ鍵盤ととらえたとき、昨夜のライバルの演奏を思い出し今日の練習に向かう絵が浮かび、どれだけピアノが、音楽が好きなんだよ、そうとったら、歌意にも好がはいってるよ、とまた唸りました。
ばらっち
★0
とにかく上手いなーという印象です。
お題の処理も自然ですし「好戦的な獣」という比喩が好きです。
404notF0816
★0
美しい。お題が上手くいきていると思いました。
今鍵盤を駆け抜けている指から昨夜の指を思い出し、さらに今と昨夜を「好戦的な獣」という言葉で比較しています。どんな夜だったのか、何の曲を弾いているのか、想像が広がる歌です。
夜凪柊
★0
この《指》が、性交の相手のものか、「私」のものかは分からないけれど、《昨夜》のそれは《好戦的な獣のよう》なものだったのではないか(「昨夜の性交は物足りなかった」と仮定すると、《昨夜の指が駆け抜ける》がしっくりとこないように思う)。ピアノを弾いているのが朝なのか昼なのか夕方なのか、によってこの歌のニュアンスは変わってくるように思うのだけれど、なんとなく朝のように感じるのは、この演奏が後戯としてなされている感触があるからだと思う。ベッドの上での、きちんとした(?)後戯は済んでいて、精神的な満足も得たあとで。友人(女性)に聞いた話では、日暮里だったかどこだったか、ピアノが設置してあるラブホテルがあって、射精するとすぐにモーツァルトを弾き始める男がいたそうで、それが不満だったらしい。性交したら後戯をし、精神的な満足を共有し、しかるべき時間が経過してからピアノを弾くべきだ、という教訓。
斎藤秀雄
★0
昨夜の指というドキッとさせられるワードに、二人の間柄や時間が凝縮されていますね。好戦的な獣がダイナミックな演奏も、野生味溢れる一面も増幅させていて、存在感のある個性的な一首だと思いました。素晴らしいです。
きさら
★0
ガッチリ定型におさめながらも、その中に主体とその指の関係性(誰か主体以外の人の指だと私は読みました)、昨夜から今までの時間経過、その場に流れているであろう音など多くの要素が詰め込まれており、まるでひとつの物語を読んでいるようでした。
若枝あらう
★0
断トツで好きでした。「好」の自然で説得力に満ちたつかい方がうつくしく、心地好い疾走感があります。「好戦的な獣のよう」なのは「昨夜の指」ではなくあくまでも「鍵盤」に向かう超絶技巧である点も、上品だと思いました。語られない「昨夜の指」はうんと優しかったのかもしれません。指にフェティシズムを感じる人は多いので、華麗な演奏をする指の夜のすがたを自分だけが知っている、というひそかな優越感もあるように思います。また、「鍵盤」に向かう情熱を推測すれば、人間のなかでは一番傍にいられても、楽器とそのひとの運命的な関係には到底叶わない、そしておそらくはそういうところも含めてそのひとを好きになってしまった主体の複雑な気持ちが同居しているようにも読めます。
高野 蒔
★0
二人の関係性がどのようなものか想像を広げられる歌だと感じました。
「好戦的な獣」の上品でいながら官能的な表現がとても素敵でした。
千仗千紘
★0
難易度の高い曲を弾いているときの様子を、うまく表現されているなと思いました。クラシックって穏やかそうなイメージがあるけど、好戦的に表現しないといけない曲は多いですし。音楽家の激情っぽいところも併せて詠まれてるのかなー。
ピアニストの指は、昨夜はまた様子が違ったのでしょうね。匂わせエロティック!
表現も詠まれている内容も、すきな歌でした。
ミツル
★0

アイドントライクいつものスプリングハズカムざらめみたいな夜風

出詠名 関西センチメンタルず街田青々 × 小池佑
5 / 39 ×4 ×31 ×11

互選名 岩倉曰棲絵妥ろか近江瞬袴田朱夏りん2笠原楓奏(ふーか)山口綴りハナゾウモカブレンド青山祐己西鎮深水きいろ宗谷燃若紫音佳せしん小俵 鱚太かつらいすともえ夕夏ロサ・ブラックティー他人が見た夢の話近藤竹nu_koとうてつ@aokikenichi未補千仗千紘秋山生糸天田銀河えんどうけいこ千原こはぎ安達太良夏山栞塾カレーとよよん神丘朝野陽々斎藤秀雄toron*きさら高野 蒔秋中弥典若枝あらう静ジャック葵の助泳二

選評名 スプリングハズカム、は現在完了の「春が来た」ですね。ざらめみたいな甘さ(べたべた感?)のある春が好きでなく、それをカタカナでたどたどしく言ったのかもしれません。
中本速
★0
句またがりの連続が、読むときに心地よいリズムになっています。
山口綴り
★0
毎年春は出会いと別れの季節で、そういう「いつものスプリング」が嫌なんだけど、やっぱり来ちゃう。カタカナとひらがなのバランスが良いと思いました。ざらめみたいな春風、も、当たるとちょっと痛いような、それでいて甘いような、春風を形容するにふさわしいモチーフを選ばれたなぁと思いました。
棲絵妥ろか
★0
リズムと韻律がとにかく気持ち良いです。それでいて、意味もちゃんと通っていて。最後の「ざらめ」と「夜風」の韻が特に好きですね。
他人が見た夢の話
★0
ダサかっこいい、という形容が浮かびました。リズムよく読め何度も口ずさんでしまいそう。アイドントライクと言っておきながらあんまり嫌がっている感じもせず軽やかです。
秋山生糸
★0
リズムの良さにまず惹かれました。
カタカナの多用が楽しいです。
近藤竹
★0
ビューティフルソング アイライク
@aokikenichi
★0
最もリズムがよかった歌でした。リズム感のせいか、春を疎んじていながらどこかあっさりとした諦念も感じられる趣が素敵です。
カタカナの多用も視覚的に心地よく、「夜風」のみが漢字なのも効いていると思いました。
千仗千紘
★0
カタカナの多用が少し挑戦的だなと思いましたが、歌意も句跨りのリズムも面白い一首です。何より「ざらめみたいな夜風」が好きです。
千原こはぎ
★0
メロディーをつけて歌いたくなるような魅力があります。音読すると楽しいですね。
序盤のちょっとふざけた感じから一転して「ざらめみたいな夜風」という詩性を持ち込んだところにこのペアの本当の実力が見えます。
芍薬
★0
読んだ時に心地よくて声に出して何度も読みたくなります。短歌はリズムが大事で魅力なんだと改めて感じさせられました。カタカナの英語は日本語よりもしっくりと日本語になりきっていて、懐かしく少しダサく耳にさらりと流れるJ-POPの歌詞みたいです。ざらめみたいな夜風も良いですね。好き、春、ざらめと並べることで甘い懐かしいような風を読み手の私も思い出すことが出来ました。気持ちいい歌で大好きです。
ハナゾウ
★0
なぜ《アイドントライク》かというと、たぶん《いつもの》だからで、ときおりなら、もしかしたら好ましいのだと思う。あるいはそんなに嫌とも思っていなくて、それゆえのカタカナ英語なのかもしれない。《ざらめ》と《スプリング》(春)は即き過ぎではあるのだけれど、《ざらめみたい》なのは《夜風》で、たしかに、いいんだか悪いんだか分からない、という感じがする。この歌は「アイドントライクいつものざらめみたいな夜風」という文に「スプリングハズカム」が切れ字のような、合いの手のような効果をもつものとして挿入されている歌ではないか、と読んだ。切れ字・合いの手としても、意味が強烈に(歌の主題となるように)差し込まれるので、一首全体が良い調子に「春の夜」の感じになっていると思う。おどけたような、とぼけたようなカタカナ英語と、《ドントライク》という否定+《ざらめ》のざらつきが、いい感じで調和していると思いました。
斎藤秀雄
★0
「好」を「アイドントライク」で詠み込んだアイディアも秀逸だと思いましたし、「スプリングハズカム」まで流れが非常に良く、耳に残る愛唱性があると感じました。「ざらめみたいな夜風」と云うのは春の甘ったるい空気感のことをも指しているのでしょうか。主体の心情と云うのは「アイドントライク」(春と云う季節に憂鬱を覚えている)と云うことしか描かれていないにも関わらず、ストーリーに奥行きを感じました。ポップでとても好きな短歌です。
toron*
★0
口ずさみたくなるようなリズムの良さから、沢山の歌のなかでもすぐに忘れられなくなりました。「もう春が来たのだな」と思うあの一瞬と、心のなかのざらつきを「ざらめみたいな夜風」の一言で余すところなく表現してしまう言葉選びも秀逸です。冬の澄んだ空気から、春の土や草木の匂いの混じったあまい風に変わった生温かい夜の景色がひろがります。「夜風」から、たのしい時間を過ごしたあとの別れ際にふと呟いてしまったような印象を受けました。春は別れの季節でもあるので、もしかしたら主体は毎年春ごとに誰かを見送るのかもしれません。
高野 蒔
★0
英語で来たのですね。リズムがとてもいいですね。カタカナの間の日本語が心地よく、ちょっとラップみたいに思えました。ざらめみたいな夜風も響きが良かったです。とても面白かったです。
きさら
★0
語感とリズムの良さに惹かれる歌ですが、それ以上のところに読み届きませんでした。
泳二
★0

ガリガリ君の当たりの棒をわたされて夏の告白なのかと思う

出詠名 奥歯ガタガタガールズ秋中弥典 × ハナゾウ
6 / 39 ×1 ×37 ×19

互選名 棲絵妥ろか近江瞬梅丘つばめ尾崎飛鳥赤片亜美りん2ニッキ山口綴りモカブレンド青山祐己甘酢あんかけ若紫音佳寿々多実果ミツル小池佑ともえ夕夏霧島龍ロサ・ブラックティー近藤竹nu_ko涅槃girl砂狐ばらっち@aokikenichi未補雀來豆月骨秋山生糸天田銀河花房香枝西あおい千原こはぎあまの大葉れい夏山栞街田青々海月ただようとよよん雨虎 俊寛404notF0816なぎさらさ谷口泰星しらくま朝野陽々藍笹キミコtoron*きさら高野 蒔吉岡繁樹シナモンはね平出奔静ジャック泳二がね

選評名 ガリガリ君は安いアイスキャンデーで、その安いものであっても「あたり」は特別なもの。渡されたなら、きっと告白だったのでしょう。
中本速
★0
「〜と思う」をわざわざ書く意味を読みきれませんでした。〜夏の告白 で切って結句7音でまだ描写できたかなあと思います。
笠原楓奏(ふーか)
★0
好きです。「夏の告白」っていいな……。ガリガリ君の鮮やかな水色や爽やかな冷たさと相まって、青春って感じだ……。
わたしはこれ「思う」でいいと思います。そして、主体が思ってるだけ、どきっとしただけで、普通に深読みだと思う。っていうか、主体自身も「どきっとしちゃったじゃん!」みたいな、コミカルに「告白かと思ったじゃん!」ってニュアンスを出しているのかと思った。それが本当に告白かはさておき。まあそういうの、本人が「勘違いするじゃん~!」ってなってて「本当に告白なんだけど?」って返されるのが青春じゃない?ヒュー!
ガリガリ君ってチョイスとか、さらに当たりの棒の特別感とかがとっても適度で、読みやすいし、意味もわかるし、制服姿の二人組がぱっと浮かぶし、夏のじりじりした暑さも感じるし、ときめいちゃうし、いいなと思います。
たかはしりおこ
★0
情景が思い浮かびます。ちょっと初々しくて、夏という季節も相まって、青春を感じます。自意識過剰な感じとか。笑
モチーフの選び方もシンプルで難しくなく、かつポエジーもあって、良いなと思いました。
棲絵妥ろか
★0
「夏の告白なのか」に違和感がありました。夏なのは疑いの余地はないわけなので。情景としては爽やかですごく好きです。
秋山生糸
★0
ガリガリ君の当たりの棒というモチーフがいいですね。夏の告白という、季節感やドキドキ感がいっぱいの言葉で受けるのも素敵です。せっかく短歌にしているので、なのかと思う、というのはやめて、断定してほしいです。間違ってるか合ってるかは短歌の世界では問われない気がします。結句はだったのでしょうくらいでいいのでは。
とよよん
★0
うーん、今回はコメントに違和感(ディスるのではなくて、はーこんな違う見方があるのかという純粋な驚き)。
「夏の告白なのかと思う」がこの歌のキーでそこに「ガリガリ君」がきっちりハマっていると思います。
夏の告白をされたという事実の歌ではなくて、ガリガリ君ってことは「夏の」え、「告白」、「なのか」ー
って漢字のえっ新たな季語発生!みたいな驚きの歌ですよね。そうだ!
@aokikenichi
★0
アイスの当たり棒を渡されることを告白に結びつけるところが面白いです。「なのかと思う」はわたしは必要だと思います。告白ではなかったのに主体がそう思ってしまった(思いたかった)ということですよね。自意識過剰な青臭さ、「ガリガリ君」のチープさ、「夏の告白」の言葉選び、すべてに青春感が漂っていて、爽やかで好きです。
千原こはぎ
★0
ガリガリ君と言う日常的なものも、当たり棒となるとそのプレミアム感たるや。若い夏の日の出来事であれば、間違いなく告白だと思ってしまうし、ググって、確認してしまいます。いや、若くなくても、きっとググってしまう。そして、ガリガリ君はソーダ味であってほしい。
ばらっち
★0
ときめきました。個人的には季節外れの内容の場合わずかに減点してしまうのですが、それでもなおいい歌だと思います。
大葉れい
★0
子供や学生さんという景でももちろん良いのですが、青年や壮年の男性や女性が何気なく「当たったよ」と手渡す景が浮かびました。好きな歌です。
雨虎 俊寛
★0
ガリガリ君の当たりの棒を告白と捉える、その心の動きにきゅんきゅんしました。景が浮かびます。きれいにまとまっていていい歌だと思いました。
なぎさらさ
★0
当たりの棒を渡されて、どういう事?と思いつつもそれはうれしい事だったのでしょう。勿論告白ではないと思いますが、当たりという言葉単体の持つ意味を考えてしまう頭の柔らかさが目を引きます。「夏の告白」という言い回しも素敵ですね。
きさら
★0
とぼけた感じが好感が持てる歌でした。「夏の告白」という何気ないひねりが効いていると思います。「好」のお題の処理としては、恋さえ読めば何でもありになってしまうのでこの歌では弱いと思いました。
泳二
★0

忘却が好きなあなたと追憶が好きなわたしで作る箱庭

出詠名 そよ風とそよ風山口綴り × 安達太良
7 / 38 ×3 ×32 ×18

互選名 棲絵妥ろか近江瞬知己凛梅丘つばめ袴田朱夏尾崎飛鳥中本速ニッキハナゾウモカブレンド青山祐己西鎮外川菊絵甘酢あんかけ寿々多実果せしんミツル小俵 鱚太DEGwer小池佑かつらいすともえ夕夏ロサ・ブラックティー他人が見た夢の話近藤竹真壁カナnu_ko砂狐とうてつ@aokikenichi未補天田銀河えんどうけいこ花房香枝芍薬あまの夏山栞街田青々雨虎 俊寛月丘ナイル谷口泰星しらくま朝野陽々愁愁ルナクきさら高野 蒔秋中弥典シナモン静ジャック葵の助泳二水無月水有

選評名 この歌を読んで箱庭療法を思い出しました。
歳を重ねてもお互いを思いやれるような関係なのだろう、と思い浮かべてなんとも優しい気持ちになりました。
知己凛
★0
忘却が好きであるということと追憶が好きであることは真逆のように思えて、その両者が「箱庭」でつながることに自然さを感じました。
中本速
★0
「忘却」「追憶」ふたつの言葉は相反するようでいて、「記憶を追いやる」という移動のさせかたで見れば、つなげることが可能です。その繋がった先に箱庭はある。忘却を好む「あなた」は、二人の思い出のたくさんおかれた箱庭にあるアイテムを無化することによって箱庭を作るとも言えますし、自分の記憶を箱庭へと忘却することによって箱庭を作るとも言えます。追憶を好む「わたし」は記憶をとどめようと箱庭を作るのかもしれませんし、あるいはいつか思い出すために箱庭に記憶を追いやるのかもしれません。ここでふたりが作る記憶の箱庭というものは、アルバム的なものかもしれませんが、タイムカプセル的なものなのかもしれません。その確定できなさが読んでいて不思議な心地にさせてくれる歌で、ただひとつ言えることは、忘却と追憶に共通点はあれど違う意味の言葉で、ふたりの箱庭への態度はやはり異なるということです。そして何より、それを肯定的にとらえるような語り口は、箱庭のちぐはぐさを完璧に救っていると思います。
御殿山みなみ
★0
「忘却」「追憶」「箱庭」という、堅い熟語をちりばめていて、まずはカッコいい。そして、歌意もなんだか好きです。忘れる⇔思い出すの、向きが逆のベクトルを持ったふたりが、そうはいっても結局は小さな世界に収まっている。そんな風に読みました。
他人が見た夢の話
★0
どんどん忘れていってしまうあなたの傍にずっと居続けられるのは、あなたとの思い出を大切に愛しているからでしょう。そんな二人がささやかに暮らしている世界が箱庭。その中には辛い現実も詰まっているのだけれどそこまで見えません。切ないけれど優しい世界だと思いました。
砂狐
★0
きれいな対比と最初は思ったのですが、「追憶」は個人の意志で出来ますが、「忘却」は個人の意志で出来るのかな。「忘却が好き」って絶対ありえないとまでは思いませんが、この歌の対比の良さをやや残っているかと思います。
@aokikenichi
★0
対比構造がまず美しい。二文字の漢字とひらがなの配置も美しい。
もしかすると病棟での1シーンを詠んだ歌かなと思いました。
「忘却が好き」というのは認知症的ななにかの病で、覚えていたくても忘れていってしまうのではないか。
「追憶が好き」は裏を返せばいつまでもウジウジと昔のことを穿り返してはペシミスティックな世界に浸っているのでしょう。そんな二人が箱庭療法を一緒に受けたらどんな景色が完成するのだろう?と想像力をかき立てられます。
箱庭を作るこの二人もまたどこかの箱(病院、建物、密室)に閉じ込められている人形なのだろうなという読者の視点を誘導するテクニックがお見事でした。
芍薬
★0
片方は忘れることで、片方は覚えている、思い出すことで、よい関係を築けている恋人同士の歌と読みました。
相手を思いやっていさえすれば、忘れても忘れなくても関係は育めるということを、対比と比喩で描いているのですね。
言葉選びに世界観があり、よいと思います。
月丘ナイル
★0
はっきりした意味はわからなくても一読してグッときました
谷口泰星
★0
記憶を積み重ねていく主体と、上書きしていくあなたと。箱庭が比喩なのか治療の一環なのかはわからないのですが、捉え方の違う二人で一つの世界を築いているのを俯瞰の視点で見ているように思いました。
きさら
★0
「忘却」は認知症などの病を指すのでしょうか、あるいは単に「わたし」とは正反対であるという関係を示すのでしょうか。題の詠みこみである「忘却が好き」「追憶が好き」という二人の性質以上に、それを包みこむほど「あなた」が「好き」だという気持ちに満ちた優しい歌だと思いました。箱庭療法は、自由な表現によって無意識下にあった作り手の心が表れるのだそうですね。親子か夫婦か、近くにいる互いのことが分からないなりに、なんとか寄り添って支えあいながら生きようとしているのだろうということが、淡々とした口調をより切なく感じさせます。
高野 蒔
★0
忘却、追憶という言葉の選択は私はこの歌のトーンとしてはあまり良いとは思いませんでした。
泳二
★0

おもいでは無色透明春の朝なにがあんなに好きだったっけ

出詠名 ぬんnu_ko × ねん
8 / 31 ×3 ×25 ×13

互選名 とがし ゆみこ棲絵妥ろか袴田朱夏ガイトさん中本速堂那灼風ニッキ山口綴り深水きいろ外川菊絵甘酢あんかけせしんDEGwer小池佑ともえ夕夏霧島龍ロサ・ブラックティー真壁カナ砂狐えんどうけいこ花房香枝西あおい千原こはぎ河嶌レイ街田青々神丘月丘ナイルしらくま斎藤秀雄藍笹キミコきさら秋中弥典むとうゆかシナモン平出奔静ジャック鴨衣ののあさのまやがね

選評名 春の朝に思い出すと、なにがあんなに好きだったっけと疑問に思う。
ここでは「無色透明」という表現もあってか、本気で謎に思っているというより、その恋から解き放たれたのかもしれないと思いました。
中本速
★0
過去を思い出すには春が最も無色透明に近いのかもしれません。情熱とか哀惜とか余計な色が加わりにくい季節に思えます。新生活の季節でもあり、昔の自分との隔たりを思うにも適しているかも。四文字熟語を含む漢字の連続がやや硬いです。
堂那灼風
★0
暑くもなければ寒くもない、ある意味では曖昧な季節とも言える春の感覚は、たしかにすぐに忘れてしまうものな気がします。しかし忘れてしまってもまた春は来るのだから深刻に考えなくてもいい、という軽い感じが、下の句でよく表現されていると思います。
DEGwer
★0
「無色透明」なら「おもいで」としても認識できず、比喩的なのかなと。
なら逆に「思い出はむしょくとうめい」、思い出はあるのだが「むしょくとうめい」的に薄いんだよーということなのかなと。
僕の単なる漢字かなの好き嫌いだけかな。
@aokikenichi
★0
「おもいでは無色透明」ってとても素敵だなと思います。無色透明だからこそどうしてそこまで好きだったのかもう思いせないんですよね。ぼんやりとした記憶になってしまっていることがよくわかるし、春の朝の空気感にもマッチしていて、全体的に淡い色合いのやさしく切ない一首に仕上がっていると思います。個人的には漢字の連続は少し気になります。
千原こはぎ
★0
「失恋から立ち直った朝」の歌なのかなと思いました。
ぐるぐるぐちゃぐちゃしていた思いが、霧が晴れてゆくように消えて無色透明になる。
無色透明っていう言葉がとてもぴったりはまっていますね。
二句と三句のあとに切れがあるので、リズムはややぶつ切りになっている感じを受けました。
月丘ナイル
★0
好きな人に染まった自分もやがて元々の自分へと戻っていきます。その元の自分の色という無色と、おもいでへの感慨がなくなった無色と、春なのに春ではない無色と。色んなものがかかっているような気がします。恋の魔法が解けたあとは下の句のような気持になりますね。
きさら
★0
「無色透明春の朝」ってすてき。声に出して読みたくなります。
花房香枝
★0
「おもいで」とひらがなにひらくことで「無色透明」が際立っています。なにがあんなに好きだったっけ、私ももう覚えていません。なにがあんなに好きだったんだろうね。いい歌です。
神丘
★0

はつなつの夜空に満ちる散文詩きみは火星が好きだつたよね

出詠名 天地逆転塾カレー × 棲絵妥ろか
9 / 30 ×5 ×20 ×21

互選名 夜凪柊梅丘つばめガイトさん笠原楓奏(ふーか)堂那灼風ニッキ山口綴りモカブレンド外川菊絵甘酢あんかけ若紫音佳寿々多実果せしんミツル小俵 鱚太かつらいすロサ・ブラックティー他人が見た夢の話真壁カナnu_ko涅槃girlばらっち@aokikenichi雀來豆月骨秋山生糸天田銀河えんどうけいこ花房香枝西あおい夏山栞街田青々なぎさらさ谷口泰星しらくま朝野陽々きさら秋中弥典吉岡繁樹中牧正太はね静ジャック鴨衣水無月水有あさのまや

選評名 夜空に満ちているのは何でしょうか。星でしょうか。仮に星だとすると、散文詩はあまり星空の感じがしません。散文詩とは普通の文章のようなかたちをした詩のことですので、字がしっかりと並んでいてランダムさに乏しいからです。多数さを散文詩にたとえるということかもしれませんが、実際そんなふうに感じることはできず、散文詩という言葉の詩的さに頼っている気がします。また、火星は低い位置に見える星なので、全体の陶酔的な感じと似合わない気がしました。
中本速
★0
2句3句のポイントが高いです。
全体は詩的な雰囲気の強い言葉だけで構成されていると言っても良いでしょう。突き抜けた統一感は出ておりそこが潔いと思います。反面、具体性や本当らしさのようなものは薄れて雰囲気で作ったような感じも出てしまう。「はつなつ」「散文詩」「火星」といった言葉の含意が広すぎて読み筋を絞るのは難しいです。
上句、初夏の空に見える星や星座を「散文詩」と言い表したものと読みました。本当に詩が満ちている可能性はありますが、下句で火星の話をするからには星の比喩だろうと解釈します。
満天の星空そのものは定型詩のようなかっちりした反復ではなく、明暗むらのあるもの。夜空という紙面に星という文字で所狭しと散文詩を書いている、という捉え方は腑に落ちます。また、必ずしも散文詩ではないものの、星や星座にまつわるいわれや物語は数多く、夜空を見上げることは詩を見上げることにも近かろうと思います。
堂那灼風
★0
言い方アレですが、わけの分からなさが良かったです。「なぜ、はつなつ?」「なぜ、火星?」「だつた、とするのであれば、満ちるは満つるなのでは?」等々、?が多く浮かび、それが楽しかったです。
他人が見た夢の話
★0
ごめんなさい。文語/旧仮名周り分からないのですが、「だつた」とするなら「満つる」としたほうが効果的ではないのかな。
@aokikenichi
★0
夜空に散文詩があるとしたらそれは星座にまつわる神話のことでしょうか。「好きだつた」ということはもう恋人ではないのですね。ひとりで見上げる夜空も「はつなつ」「満ちる」「火星」というなんとなく明るい単語を配置することで寂しさが薄らいでポジティブな印象が残ります。主体は失恋をすでに乗り越えて上を向いているのだろうと思わされました。
芍薬
★0
読み手の自由度が高いです。はつなつの夜空に満ちるまでは描写ですが、散文詩がかなりの飛躍だったと思います。散文詩と火星が限定してくる割に意味を図りかねてしまい、テーマである好きがもう一つ伝わって来ませんでした。すみません。
きさら
★0

「いいね」する指ふと止まる 好きだった好きだったひとの町の桜に

出詠名 spicesニッキ × シナモン
10 / 29 ×4 ×21 ×19

互選名 近江瞬夜凪柊袴田朱夏赤片亜美ガイトさんりん2中本速ハナゾウモカブレンド西鎮甘酢あんかけ寿々多実果せしん小俵 鱚太小池佑ともえ夕夏ロサ・ブラックティーハシリドコロnu_ko砂狐ばらっち秋山生糸天田銀河えんどうけいこ花房香枝芍薬安達太良夏山栞街田青々海月ただようとよよん雨虎 俊寛しらくま斎藤秀雄藍笹キミコtoron*きさら高野 蒔秋中弥典若枝あらうむとうゆか鴨衣がね

選評名 見たこともないはずのどこかの町の桜のはずなのに、そこに好きだったひとが潜んでいる感じが恋だなぁって感じがします。
悲しいのかな、うれしいのかなって想像するのもまた、自分の恋を思い出しそうでいい歌ですね。
ガイトさん
★0
好きだったを二回繰り返すくらいで、まだ好きの気持ちは消え去っていないのでしょう。きれいな桜ともなれば「いいね」したくなりますが、頭が「好きだったひとの町」を心に伝えて、指をひきとめました。
中本速
★0
気持ちがにじみ出ていて、素直に心が痛みました・・・。桜の美しさに反射的にいいねをしようと指が動いた時に、はっと気づいて止まったその一瞬の時間に、どれだけの好きだった人の思い出があふれだしてきたのか…。ヒリヒリする感情を、一瞬の指の動きで表現できている素敵な歌だと思いました。
甘酢あんかけ
★0
町と街
今調べたら
町 city, town 都会、行政区画
街 street 商店などが立ち並ぶ通り、場所
とありました。
誤解かもしれないですが、
無個性な行政的な場合 町
人間関係を重視した場合 街
と認識しています。ので「街」なのかなーと。
@aokikenichi
★0
ひとつめの「好きだった」がどこにかかるのか理解しにくいかもしれません。
単純に「ひと」のことを好きで仕方ないから二度繰り返しただけなのか、
「好きったひと」が好んで見ていた「町の桜」にかかっているのか…。
思い切って「好きだった」をひとつ省いてほかの要素を描けたらさらに良い歌になったのではないかなあと思います。
「町」は「街」のほうが桜並木の雰囲気が出そうです。
芍薬
★0
SNSに好きだったひとの町の桜の写真が、その好きだった人がアップしているわけではなく、誰か他の、もしかしたら全く知らない人によってアップされているのを主体は見たのではないでしょうか。桜は好きなのでいいねしようとしたら、その桜が好きだった人の住む町の桜だと気付いて、すぐにいいねができなかった。まだ想いが残っているのかもしれませんね。
私は昔の彼からもらったものやその人との思い出のものは、そのときの好き嫌いの感情とは別に、今そのものが好きか嫌いかを決められるほどですけれどもね。しかしこの主体は好きだった人にまだ気持ちがあるので、桜もその人と重なって好き嫌いが左右されてしまうような、不器用な切なさがあると思いました。
とよよん
★0
もう訪れることの難しい場所への憧憬を素敵に上手に表されたなぁと。好きな人が居た町って愛着を覚えてしまいますし、いつしか自分の町にもなります。「好きだった」のリフレインが適度に強くて実感的で胸に迫ります。躊躇いもとても効果的。個人的な秀歌帳に記しておきたい大好きな一首です。
雨虎 俊寛
★0
好きだった人の町の桜は一緒に見た桜でしょうか。思い出の桜にその当時の事が蘇るのでしょうね。SNSなどでいいねするシーンでハッとする、その瞬間で完結していて、それ以上のティテールは必要なかったのかなと思いました。
きさら
★0
二つの《好きだった》の使い方が上手いと思いました。一つ目は「好きだった(町の)桜」とかかり、二つ目は「好きだったひと」とかかる。文法的にはそうなっているのだけれど、表記上《好きだった好きだった》と畳み掛けられていることで、その思いがどういうものかが分かる。その思いを補強しているのが初句・二句。この主体が「いいね」しようか迷ってしまった投稿が、《好きだったひと》の投稿かどうかは分からないのだけれど、たぶん違うのではないか……六割ぐらいの確率で……。もし《好きだったひと》の投稿だったら、迷わず、いいね「しない」ことを選択するのではないか……たぶん。まったく別の人の投稿であるにもかかわらず、《好きだったひとの町の桜》だったから、迷ってしまう、のだろうと思う。そこになにか、かんたんには説明できない、複雑な心理のうごめきがあり、この複雑さをシンプルに詠んでいる点が、優れていると思いました。
斎藤秀雄
★0
分にもそんな体験があったかのように心にくっきり跡がついてしまう歌でした。日課のように何気なく「いいね」していく写真のなかに、「好きだったひとの町」を見つけてしまう。個人的な感覚ですが、「町」は「街」よりも小さな都市に感じます。桜の季節ともなればあちこちで写真を見かけて当然というような桜の名所ではなく、ささやかな誰かの生活のなかに、偶然、主体だけは一目見たらそれと分かってしまう桜の木を見つけたのかなと思いました。一緒に見たのかもしれない桜も、「好きだったひと」のこともまだ好きなのに、きっともう自分の目で見ることはないのでしょう。「好きだった」の繰り返しから、ふいにSNS上で見かけてしまった瞬間の動揺が痛いほど伝わります。
高野 蒔
★0
連なって流れていくSNSのタイムラインと、流れていった過去がかさなっているように感じました。いいね する指がふと止まったように、「好きだったひと」のためにたちどまる時間があったのかな、と。
「好きだった好きだった」がならぶので、本当に好きだったことと、それが過去だということが強調されていると思いました。そのひとも、町も、桜も好きだったということなのかなと読みました。
鴨衣
★0

紺色の極まる夜にぼくたちは好きとも云わず制服を脱ぐ

出詠名 toromytoron* × 近江瞬
11 / 29 ×3 ×23 ×21

互選名 とがし ゆみこ岩倉曰夜凪柊尾崎飛鳥赤片亜美笠原楓奏(ふーか)ニッキ山口綴りモカブレンド青山祐己深水きいろ小俵 鱚太DEGwerロサ・ブラックティー真壁カナnu_ko涅槃girl@aokikenichi雀來豆月骨天田銀河えんどうけいこ花房香枝西あおい千原こはぎ大葉れい河嶌レイ街田青々404notF0816神丘谷口泰星斎藤秀雄藍笹キミコ愁愁ルナクきさら高野 蒔秋中弥典むとうゆか吉岡繁樹シナモン中牧正太はね平出奔葵の助ののがね

選評名 紺色の極まって暗くなった夜に、制服を脱ぐ……何をする気なのでしょう。
紺色というのが空の表現であるとともに、制服にも通じているのだろうと思いました。
中本速
★0
黒、暗、闇などではなくて、紺色が極まるというところに、社会人ではなくて学生かなと思いました。夜に着るなら、部活の終わった後にユニフォームなどから着替えるのでしょうが、この歌では脱ぐ、しかも好きともいわずに脱ぐので、青春の危うさやリアルさがあると思いました。
とよよん
★0
恋人の歌か、単に卒業?前者かなと思いますが、
「紺色」が「極ま」ってるならそりゃ「好き」なんか必要ないわな。
「紺色の極まる夜」という言葉に共感するか驚異を感じるか、、、
どっちつかずかなーかな
@aokikenichi
★0
「紺色の極まる空」で黄昏時を想像しました。
「好きとも云わず」で好き同士、「制服を脱ぐ」で卒業と同時に性行為に及んだ恋人同士と読みました。
まず初句二句の表現が秀逸で好感を持ちました。題の処理も自然でエロティックな好きな歌です。
404notF0816
★0
「色の極まる」と「夜に」とが重なるように思いました。ぼくたちということで、二人とも制服の学生なのでしょう。制服の近を脱ぎ捨てて夜の紺に溶け込む、無垢ではなくなる瞬間ですね。
きさら
★0
お互い相手を意識している/意識されていると感じながらも、その気持ちをきちんと言葉にしないまま卒業の日を迎えた、そしてその夜が明けたら、それぞれの道を歩き出すんだという、そんな恋と卒業の歌と取りました。
二句目までの表現がとてもきれいだと思いました。
天田銀河
★0

きみの言う好きはぼくとは違っててうなじにキスをしながらしてる

出詠名 4の4のの × 404notF0816
12 / 28 ×1 ×26 ×9

互選名 知己凛袴田朱夏赤片亜美堂那灼風モカブレンド青山祐己西鎮深水きいろ小俵 鱚太ともえ夕夏霧島龍ロサ・ブラックティー真壁カナばらっちとうてつ@aokikenichi未補千仗千紘えんどうけいこ花房香枝千原こはぎ芍薬大葉れい夏山栞街田青々海月ただようなぎさらさ斎藤秀雄藍笹キミコtoron*きさら高野 蒔秋中弥典シナモン平出奔葵の助

選評名 うなじにキスをしながらしてるってことは……ええと……。でも、そんな関係でも「きみの言う好きはぼくとは違ってて」なのですね。
中本速
★0
内心いろいろ噛み合わないところはあるけど、外形的な行為としては噛み合ってしまっている不思議さがあります。倒錯というほどのものでもなく下句の解釈が難しいですが、なにかすっきりしない思いがあるのは感じます。
堂那灼風
★0
ぼくとは違うけどそれでも「好き」って言葉はくれるんだなあ。友達として好き、ってやつかな。ぼくの「好き」は、恋愛感情のもの。
これ最後の「してる」はほぼ確実に性行為だと思うんですけど、それぞれ意味の違う「好き」からしても、二人の関係は恋人同士ではなく、だからってただセフレの一言で片付けるのにも無理があると思いました。一言で言えばセフレかなと思うけど、短歌の読みとしてはもっといろいろ考えたい。ぼくはきみが恋愛として好き。でも、それを「きみ」が知っているかどうかでもだいぶ変わりますよね。それを知っていて「きみ」が言ってくる友達としての「好き」と、知らないで言ってくる「好き」はだいぶ違う。
あ、あと、「きみの言う好き」が友達として「ぼく」のことが、ということでもなく、「性行為が好き」ってのもありえるんだよなあ。ぼくくんとするえっち好きだよ~っていうパターン。
いろいろ読めるけど、具体的にどういう意味の「好き」なのかがわからないからこそ深読みできていいタイプの歌だと思います。
あと、うなじにキスをしてるってことは体位的にはバックかと。つまりお互いに顔の見えない体位。特に、うーんと、後ろにいる側からは姿は見えるけれど、もう一方は相手の姿すら見えない。そのへんから片思い感も感じます。(ということでぼくがきみのうなじにキスをしているんだろうと読みました)
ちょっと詠草のなかでどきっとする歌ですしふれにくい歌かとも思いますが、好きな人は好きでしょこの歌は……ということでわたしは好きです。
たかはしりおこ
★0
いわゆる肉体的な関係をもつ「きみ」と「ぼく」で、どちらかが片思いをしているのかなと思いました。なにを、だれが「うなじにキスをしながら」「してる」のか、キス以外の性的な行為なのか、そうでなくてもいいと思いました。うなじにキスをした姿勢でなにができるのかは、想像力が足りませんでしたが……二人の関係とようすがぼかされているのは、理性の外のことだからかな、とも考えられました。
鴨衣
★0
幾通りもの「好き」を推測させられてドキドキしますね。口にキスをしないさせない人というのを思い起こすと、ぼくの好きの形がやけに切なく見えてきます。後背位での行為の最中というのはほぼ間違いないかと。
きみが口へのキスを拒んでいるのか、もしくはぼくの方に何か理由があるのか。JーPOP調の歌詞のようにライトで、多くを語らない感触が好きです。
謎めく二人の関係性がはっきりするのを求められるかもしれませんが、このくらいの方が情景としては面白味がありますし、どのように読んでも矛盾がないので、その明解さはいいと思います。
ともえ夕夏
★0
きみとぼくの好きには温度差があると読みました。最初からそうなのか、長くつきあっているうちにそうなってしまったのかはわかりませんが、きみにとってぼくの好きは重い、あるいは鬱陶しいものなのではないでしょうか。だから正面から愛し合えず、ぼくは君を背後から抱いているのだと思いました。ぼくのことを思うと切ないですが、歌自体は重くなく、最後の「してる」もさらりと詠まれていていいなと思いました。
シナモン
★0
類例がありそうだけど、素晴らしい歌と思います。
漢字ひらがなカタカナのバランスも素晴らしい。
@aokikenichi
★0
両者の好意の深度に差異がありながら、肉体的接触はあるというのがどのような背景でそこに至ったのか想像を膨らませられる歌だと思いました。
「しながらしてる」の結句にも惹かれました。
千仗千紘
★0
やはり結句に惹かれます。互いの好きの意味が違うからうなじにしかキスをしない、と読みました。肉体関係が主体の彼女に、本気で思いを寄せる男性の状況を、最低限の具体で巧みに詠まれていると思いました。
西鎮
★0
きみの言う好きは体の関係ありきなのでしょう。ぼくはその人本人が好きで、温度差を感じます。「きみの言う好きは」で始まったので「キスをしながらの好き」としてもよかったのですが「違ってて」で一旦切って、進行形の結句にしたことで、生々しさが増しました。「違ってて」の一言が、種類の違う愛を同じ土俵に載せたい意思を感じさせます。
きさら
★0

まだきみの顔も知らないけれどもうきみを好きだと思う 胎動

出詠名 ペアガラス近藤竹 × ともえ夕夏
13 / 27 ×1 ×25 ×19

互選名 とがし ゆみこ棲絵妥ろか知己凛梅丘つばめ尾崎飛鳥赤片亜美ガイトさん笠原楓奏(ふーか)ニッキ西鎮深水きいろ外川菊絵若紫音佳寿々多実果せしん小池佑ロサ・ブラックティーハシリドコロ他人が見た夢の話真壁カナnu_ko砂狐ばらっち千原こはぎ大葉れい安達太良街田青々とよよん雨虎 俊寛月丘ナイル谷口泰星藍笹キミコ愁愁toron*きさら高野 蒔秋中弥典むとうゆか静ジャック葵の助鴨衣泳二がね

選評名 「胎動」がその前の部分の「答」になっていて、けれど意外性がないと思いました。
中本速
★0
最後まで謎があって、その謎が種明しされたとき、温かな気持ちになるいい歌だと思いました。
とがし ゆみこ
★0
結句に種明かしがあって、とてもインパクトがありますね。生まれてくる命への期待感が一首全体に溢れていて素敵です。ただ、この「好き」の当たり前感(自分の子供を嫌いな親なんていないだろうという意味です)が少し気になりました。でも、実の親による子への虐待事件が多い今の時代こそ、この当たり前なことがとても大切なんだよということも伝えようとしておられるのかもしれません。
ニッキ
★0
最初、SNS上の恋愛のように思えて、それにしたら単純すぎる歌だなあ面白味がないなあなんて思いながら読みすすめてみたら……!なるほど、それは確かに、顔も知らないけれど好きだと思うやつですね……!その構成は上手いと思います。
ただ、「きみ」っていうのは2箇所ともなくて伝わるのではと思いました。そのぶんどんな胎動かとか……?別の描写などを入れたらもっと深く愛を感じられる歌になった気がします。愛情を感じるわりに最後「胎動」がかたすぎる印象というか~~~ただ、妊娠出産は生物の神秘だなあと考えたら、これくらいかたく真面目に語ってもいい気もします。あとは好みの問題ですかね
たかはしりおこ
★0
他の方のコメントにもありますが、最後に答えパターンにしては意外性なく。

男なので子をお腹に宿したことはないですが、胎動から好きになるのではないかな。顔じゃなくて。なので、胎動を知らず顔から好きになるというような(養子)的なことのほうが歌になるのかと。
@aokikenichi
★0
結句で種明かしされる形は良いのですが、この歌の場合はやや唐突というか、無造作に投げ出されているような印象をもちました。たとえばどんな胎動なのかとか、そのあたりにもうすこし文字数を使っても良かったかもしれません。
えんどうけいこ
★0
胎動を感じて好きと思った事がなかったので個人差でしょうか。胎動は不思議でしかなかったです。生きている何かが体の中に居るんだとだけ思ってました。産んでも当分は愛情は湧かなかったので私は愛情が足りないのでしょう。胎動でそこまで思えて羨ましい歌です。
西あおい
★0
結句「 胎動」の意外性について、私は意外ととらえました。我が子であれば顔を知らずとも好き(というか「好き」では本来親子の関係としてやや軽い表現に思えますよね)で当然と感じるわけですが、このお腹の子を、望まれなかった命と仮定すれば、全体としてしっくりはまるのかな、と思いました。大いに悩みながら産むことを決め、胎齢5ヶ月程となり、初めて胎動を認識し、産むことを改めて肯定する「好き」なのかな、と思いました。そういった意味での結句(というか全体として)の意外性を考えました。考え過ぎでしたらすみません。
西鎮
★0
「まだ」と「もう」に合わせて「きみ」を二回登場させることがこの歌意にとって効果的かどうかで評価が分かれます。私は最初の「きみ」は無いほうが主体が「きみ」と本当の意味で対面することを待ち焦がれていること(=出産)が伝わると思いました。省いた「きみ」の二文字分でもうすこし情景を膨らませる何かが描けたらもっと良い歌になるのではないでしょうか。
胎動の前の一字あけについては、おなかの動きを表現する良い間合いの取り方ですね。お母さんが「好きだと思う」と心で思った数秒後に赤ちゃんも「好きだよ」と蹴ったのかな。愛らしいです。
芍薬
★0
一字あけの効果もあり、最後の「胎動」で、ああ、と思わされました。うん、それは会う前から好きだ、と。今のその気持ちと、この先を思う気持ちとが伝わりました。
ばらっち
★0
素直でいい歌だと思いました。
最初の「きみ」は取れるのと、「好きだと思う」は「好き」にできると思いました。
胎動が種明かしのようになっていて、構成はおもしろいです。ただ、一字空けで胎動とくると、異質なもの感が出てしまうような気がしました。はじめての胎動だと、驚きが先にきて好きだという気持ちはすぐにでないと思うので、二人目のお子さんか、もう何度も胎動があって、もうすぐ会えるという思いや、愛らしいという気持ちが増している状況なのかと思うので、字数ができる分も使い、
まだ顔も知らないけれどもうきみを好き胎動にそっと手を当て
くらいにしても、歌としてなめらかになるし、母親のしっとり感が出ていいかなと思いました。
のように
とよよん
★0
結句の納めかた次第では2票を入れていたかもと思える余地はあります。好きな歌です。良いですね!
雨虎 俊寛
★0
私は短歌では必要のない無くてもいいだろう一字空けや記号はあまり好まないのですが、この歌は一字空けで胎動ってあることで「あっ、動いた」って感覚をこちらも味わえるような気がしてあったほうが断然いいなと思いました。そこまでは簡単で平らな言葉や流れなのに、胎動で一気に固く緊張感が出てきて引き締まるの効果的だなと思います。私はこの結句好きです。
ハナゾウ
★0
妊娠の歌とも、まだ会わない誰かへの恋心の歌とも読めますね。
一字開けが休符の役割をしていて、ドクン、という音、感覚まで伝わってくるようです。
一字開けの定番の使い方と思いますが、この歌はこれで上手くいっていると思います。
月丘ナイル
★0
「顔も知らない」相手は未来の恋人として読みました。
生まれる前から赤い糸で繋がっている、という言い回しがあるように、自身と「きみ」はお互いに胎児だったころから既に結ばれているのかもしれないと、将来会うことになる恋人との縁に思いを馳せている主体を想像しました。
結句ですが、想像のなかの「胎動」と、出会う日を待つ現在の心臓の鼓動が重なりあうような、 ふしぎな効果があるように感じます。
愁愁
★0
改めて命を実感するのが胎動でしょう。元々愛しい我が子がいよいよ意思表示してきたのですから、うれし瞬間です。とても自然な愛の歌だと思いました。
きさら
★0
胎動の前の字空けは私はとてももったいなく感じます。「思う胎動」と「思う 胎動」では歌意もかなり変わってくると思いますが、私は前者の方が断然好きです。
泳二
★0

くちびるはインターフェイス 触れるたび捨てたい恋がまた起動する

出詠名 河原コハイ河嶌レイ × 千原こはぎ
14 / 25 ×3 ×19 ×14

互選名 夜凪柊尾崎飛鳥ガイトさん堂那灼風西鎮深水きいろ宗谷燃小俵 鱚太霧島龍ロサ・ブラックティーハシリドコロ他人が見た夢の話nu_koばらっち千仗千紘えんどうけいこあまの大葉れい夏山栞街田青々海月ただようとよよん雨虎 俊寛404notF0816月丘ナイル谷口泰星藍笹キミコ愁愁toron*きさら秋中弥典若枝あらう吉岡繁樹はねがね

選評名 くちびるが機械のインターフェースのように作動して思い出を引き起こす短歌ですが、Interface(face:顔)の面白さが一首をなめらかに楽しむのを邪魔しています。思いの確かさを疑わしくしていると思いました。
中本速
★0
ある入力に対しある出力を返す機械的な動きが人間らしいままならなさそのものになっており面白かったです。唇って噛むなめる触れるくらいしかできないような気がして、しかも触れる頻度は意外と高いかもしれない。トリガーとして適切だと思います。
堂那灼風
★0
二句切れの第二句までで、心を持ってかれました。言わば、唇同士を“インターフェイス”に、恋を“規格”として見立てていて、終わらせようとする度、キスという“接続”がそうさせまいとする。そのように読みました。
他人が見た夢の話
★0
不勉強につき「インターフェイス」を調べて、感嘆したお歌です。下の句だけで全てが表現されているところ、一、二句でリアルさを上乗せした感じがあります。「捨てたい恋」なのにキスをする関係性を続けている主体。主体の意向は「捨てたい」にしか表現されていませんが、「触れるたび」の言葉が繰り返してしまっている虚しさ、やりきれなさを感じました。こういう方法もあるのですね。目を引くお歌で、勉強になりました。
深水きいろ
★0
自分の意志を他者(人、機械)に伝える道具と認識しています。ただこの歌の場合、自分の意志は「捨てたい恋」というものがあり、外部から自分の「インターフェイス」を通して何らかの「意志」が入ってきて、自分の「意志」が変わるという。他の方のコメントに言葉が出ていますが、この歌の場合は「インターフェイス」ではなく「トリガー」かと。あるいは
あんたは捨てたいと思っている恋だけどインターフェイスを使ってまた起動させてやる
ってことじゃないと成立しないのじゃないでしょうか。
@aokikenichi
★0
くちびるをインターフェイスとする比喩が上手いなあと思いました。
「もう関係を終わらせようとしている」とも読めるし、「もう二度と恋なんてしないと思っているのに新しい恋を始めてしまう」とも読めましたが、個人的には後者で読みました。
夏山栞
★0
どうしようもない恋だったりを上手に詠まれたなと思いました。
雨虎 俊寛
★0
思い出されるのは口づけでしょうか。
記憶の引き金になるものがそんな身近なところにあったらその恋を捨てるのはさぞ大変であることでしょう。
一、二句と四、五句の世界観がすごく揃っていてカッコいいなと思いましたが、それに比べると三句の「触れるたび」はやや安易な言葉選びに感じました。
でも好きな歌です。カッコいい。
月丘ナイル
★0
くちびるをインターフェイスと捉えたそのアイデアに一票です。
谷口泰星
★0
「くちびるはインターフェイス」にもっていかれました。
「起動する」に帰結する機械的な単語の中に人間の情感が込められており、表現と意味の釣り合いが巧みだと感じました。
千仗千紘
★0
インターフェイスの文言で種類の異なる物がつながれるのだとわかり、くちびるでそれが人間同士だとわかります。それがどう異なるのかによって趣旨が変わりますが、この場合の主体は捨てたい恋だと思ってるようで、元々は普通に交際していたものと思われます。再燃よりかは異質な者同士の恋がスタートする方が、インターフェイスという言葉は活きるのかなという気がしました。生意気をいってすみません。
きさら
★0
くちびるは確かにインターフェイスであり、その気づきを詠んだところは嫌いではないのですが、「上手いこと言った」に寄りかかり過ぎては肝心の恋の感動が薄れてしまうと思うのです。あと細かいことを言えば「インターフェイス」と「起動」はコンピュータ用語であるという繋がりだけで上手さという点でももう一つこだわりが欲しかったようにも思います。(上手いこと言って欲しいのか欲しくないのか矛盾するようですが)
泳二
★0

女偏みたいなきみの寝姿のとなりに眠る また好きになる

出詠名 チーム川月丘ナイル × 秋山生糸
15 / 24 ×2 ×20 ×20

互選名 知己凛袴田朱夏尾崎飛鳥赤片亜美中本速堂那灼風ニッキ西鎮深水きいろ外川菊絵甘酢あんかけ寿々多実果小俵 鱚太ともえ夕夏霧島龍ロサ・ブラックティー他人が見た夢の話近藤竹ばらっち小川けいとえんどうけいこ千原こはぎあまの大葉れい河嶌レイ街田青々海月ただよう雨虎 俊寛なぎさらさ谷口泰星しらくま藍笹キミコ愁愁きさら高野 蒔秋中弥典平出奔静ジャック葵の助ののがね

選評名 女偏、「女」を細くしたようなかたちですが、寝相がいい悪いと言うより自然な程度の崩れ方があるように思います。それを言い表した短歌だと思いました。一方、それだけで十分面白いので「また好きになる」が取ってつけたような感じはします。
中本速
★0
隣り合って眠るふたりが「好」の字になり、同時に新鮮な好意も自覚するという重ね合わせの結句。「また」と言ってはいるけど好意が失われていた感じはなく、関係は安定しているように見えます。
堂那灼風
★0
女偏の寝姿は、やや膝を抱え丸まり気味の姿勢と思われました。作中主体はおそらく女性で、男性が胎児のような呆気なさで眠る様子を、またその「女」のような寝姿を、「また」「好きになる」のかな、と捉えました。
西鎮
★0
なるほど、そう言われればイメージが沸くような優しい寝姿。こんなにストレートに、好き、を歌に入れるなは勇気がいります。結句は単純そうに見えてとても大胆な成功を収めていると思います。
外川菊絵
★0
日常を詠んでいるのかなと思いました。相手が女偏のような寝姿、そして、自分は旁である「子」の字のような寝姿。それが夜が来る度繰り返されて「今日も変わらず」二人で「好」の字を作る、そんな日常。それを客観視したときに、そういうのが「好き」といえる自分がいたりする、二つの意味の重なりがとても好ましく温かいと感じます。
ともえ夕夏
★0
一字空けは無くても良いようです。眠りまた好きになるとすれば、必要ないです。それはさておき、初句から四句までが、初句の比喩といい、お題のこなしかたといい、非常に良いですよね。ですので最後に種明かししなくても、分かる人には分かるので、さりげなく終わらせても雰囲気がいいのかなと思いました。
とよよん
★0
「女偏みたいなきみの寝姿の」までがめっさ素敵なフレーズなので、後半が残念。その愛おしい感情を歌にしてほしかったです。
@aokikenichi
★0
女偏みたいな寝姿って表現がおもしろかったです。
あまの
★0
発想がユニークで素敵なので結句の工夫次第でもっともっと飛躍できる歌だと思います。「また好きになる」の場合は一字あけないほうが主体の好きの濃度を高めるのではないかと感じましたがこのあたりは個人の好みでしょうか。
芍薬
★0
何となく曲線で足下が少し開いて少し油断して寝ているのが、普段のきちんとしているきみとのギャップを感じてまた好きになる、プラス漢字の好きにもなるということだと思います。面白いなと思いました。
きさら
★0

この海はこいびとの海 朝焼けがこの世の終わりみたいで好きだ

出詠名 肺の花屋未補 × 斎藤秀雄
16 / 24 ×1 ×22 ×17

互選名 とがし ゆみこ棲絵妥ろか梅丘つばめ尾崎飛鳥赤片亜美中本速山口綴り青山祐己深水きいろ甘酢あんかけせしん霧島龍ロサ・ブラックティーハシリドコロnu_ko涅槃girl小川けいと秋山生糸天田銀河花房香枝千原こはぎ塾カレー街田青々海月ただよう404notF0816なぎさらさしらくま朝野陽々藍笹キミコルナクきさら高野 蒔秋中弥典はね平出奔のの泳二がね

選評名 「こいびとの海」というのはどういうことか。こいびとが船乗りだったりして、その船出する海があるのかもしれません。こいびとの海でありながら「この世の終わりみたいで好きだ」というのが、危うさが好感度を超える感じがして、短歌を面白くしています。
中本速
★0
この世の終わりみたい、ということはこの世の終わりではないわけで、こいびとは海で亡くなってはいないのだろうとほっとしました。朝焼けが好きなことと、こいびとを思う気持ちとの距離感が生じてしまっているようです。一字開けがそれを表しているのかな。私としてはこいびとに寄り添ってほしいのですが、主体はそれよりも朝焼けの美しさに興味が移ってしまっているようです。
とよよん
★0
「恋人」でなくて「こいびと」としているので、具体的な恋人じゃないのかな。
具体的な恋人のテリトリーである海
こいびとたちが集う海
前者だと恋人が亡くなってしまったとかそういうこと?
後者だと単に美しい海ということか?
朝焼けって美しいので、それには負けてしまっているかと思います。
@aokikenichi
★0
画面スクロールするたび気になって、読むたびだんだんと好きになってきたお歌です。綺麗な朝焼けを海辺でふたり見ているのだろうと思います。早朝の海辺の静けさ、朝焼けの圧倒的な美しさから、世界に自分たちしかいないような気持ちになる感覚。「この海はこいびとの海〜この世の」と続くリズムも打ち寄せる波のようで説得力を増しています。結句「好きだ」が賛否わかれそうですが、このお歌は最終的には海辺の朝焼けの美しさ、孤独感から恋人への「好き」に収束していくのでお題ということを置いてもアリだと自分は思いました。
秋山生糸
★0
「夕焼け」に対して「この世の終わり」ならば至極当然の発想と言えるのだが、「朝焼け」に「この世の終わり」をぶつけるのは出来そうでなかなか出来ないところだと思う。朝焼けは「始まり」を思わせるが、作中主体はそこに不穏なものを(そして、おそらくはぞっとするほどの美しさも)感じているのだろう。「この海はこいびとの海」という上の句はやや捉えづらい表現と思うけれども、「こいびと」の底知れなさを感じさせる。鮮烈なイメージを喚起する一首と思う。
塾カレー
★0
「母なる海」という言葉があります。この歌では「こいびとの海」とあり、こいびとがもう会えない人なのかもしれないな、と思いました。そして、夕焼けではなく、朝焼けがこの世の終わり、というのが希望がなくていいなと感じ、もう会えないこいびととの、あたらしい生活(朝焼け)を詠んだものだと、読みました。
藍笹キミコ
★0
この世の終わりというワードは寂しいですが、それを好きだと受けている所に救いを感じます。この世の終わりなのはこいびとが去ったからでしょうか。この海はこいびとを最後に見送った海でしょうか。
きさら
★0
この世の終わりみたいな朝焼け、私も見てみたいです。明け方の海の情景が頭に浮かびます。
花房香枝
★0
三句以降がイメージとしてはベタなのですが、「好きだ」と言い切る良さがあると思いました。私には初二句がいま一つそのイメージにはまらなかったように思います。
泳二
★0

好奇心まみれの両手 消えるのはバイキンだけでありますように

出詠名 ほしのなまえ谷口泰星 × せしん
17 / 24 ×0 ×24 ×14

互選名 棲絵妥ろか夜凪柊知己凛袴田朱夏ニッキ山口綴りハナゾウ青山祐己西鎮外川菊絵甘酢あんかけ小池佑霧島龍ロサ・ブラックティーハシリドコロ他人が見た夢の話nu_koとうてつえんどうけいこ花房香枝塾カレー街田青々とよよん雨虎 俊寛404notF0816神丘なぎさらさ月丘ナイルルナクきさら秋中弥典若枝あらう中牧正太鴨衣のの泳二がね

選評名 泡で「消毒」される好奇心が、洗われても残っているようにとの願いとよみました。
ただ、前半と後半に飛躍があるので、「好奇心」が「泡のたとえ」にも見えて、思いを受け取りにくいです。
中本速
★0
泥遊びをしたり、草花を摘んだり、虫をつかまえたり、幼いこどもの手はいろいろなものをさわります。それは好奇心ゆえのこと。その好奇心を失わないでどんどんいろんなことを知り、成長していってほしいという親の愛を感じます。手を洗っているということが直接書かれているわけではないですが、バイキンが消えるという表現で手を洗っていることがわかります。
石鹸や泡、手を洗うという直接的な表現がないぶんもしかすると伝わりにくいのかなあとも考えましたが、これで十分伝わると思います。
キレイキレイのCMとかが浮かびますよね~。
たかはしりおこ
★0
優しい歌だなあとまず思いました。
お題の処理も自然で好感の持てる歌です。
404notF0816
★0
石鹸や手を洗うという表現がないのにきちんと情景が伝わってきて凄いと思います。
小池佑
★0
好きな人と握手したら手を洗いたくないとはよく言いますが、無垢な好奇心そのものが両手に溢れんばかりにあるとしたら、汚れやバイキンと一緒に落ちて欲しくないですね。
霧島龍
★0
親が子供をという視点なのかな。
子供だったら「好奇心」なんて自覚してないし。

大人で自分自身という場合は、、、好奇心の対象は、恋?、趣味?、
手を握って洗いたくないというのはあるけど「好奇心まみれ」ではないよね

他のコメントのように、子供が泥遊び的なことかな。日常の親だと「バイキン」だけじゃなく泥、汚れも落として欲しいよね。「バイキンだけ」というのは少し違う気がします。
@aokikenichi
★0
良いですね!泥だらけも好(よ)き思い出!バイ菌だけシャットできたらねぇ(笑) 好きな歌です。
雨虎 俊寛
★0
わかりやすくて優しい歌ですね。自分で手を洗えるようになった年頃の子供が泡を懸命に指に広げつついつまでも丁寧に洗ってる姿が浮かびました。ハンドソープの泡が楽しくて手洗いまで好奇心の対象になってしまう真剣な目つきとか可愛いですよね。それを見守る大人の姿勢が優しくてホッとするような素敵な歌です。
ハナゾウ
★0
幼い子が興味を持ったものを何でもつかもうとするのは、微笑ましく思いつつも親としてはヒヤヒヤすることもあると思います。
しかしその好奇心は手に残したままバイキンだけを洗い落としてほしいという(おそらくは)母親の目線にあたたかさを感じます。
シンプルな内容ながら好奇心が手に宿っているという見立ても面白く、いい歌だなと感じました。
月丘ナイル
★0
経験、知識、感動、そういう大切なことをその泥だらけの手につかんで、育んでいってほしい親心かなと思いました。素敵な歌でした。
きさら
★0

好奇心旺盛少女ㅤ靴底の春を歩いて拡散してる

出詠名 夜の凪、花色の朝夜凪柊 × 花房香枝
18 / 23 ×5 ×13 ×17

互選名 棲絵妥ろかガイトさんりん2山口綴り青山祐己西鎮深水きいろ寿々多実果せしんDEGwerロサ・ブラックティーハシリドコロ他人が見た夢の話nu_koばらっち@aokikenichi未補雀來豆月骨えんどうけいこ芍薬あまの河嶌レイ街田青々とよよん404notF0816しらくま朝野陽々斎藤秀雄きさら秋中弥典吉岡繁樹水無月水有あさのまやがね

選評名 春を歩いて拡散するのが素敵です。
「好奇心旺盛少女」は、それを補強すると言うよりも「似通ったこと」を言っている感じがしました。
中本速
★0
二句までが、インパクトとお題の消化と両面でいいと思いました。「歩いて」はなくてもいいかなと思いました。「を歩いて」は「はあちこち」くらいでいいかなと。一字空けもなくてもわかりそうです。
とよよん
★0
他のコメントに賛同。「歩いて」はもったいないかなと。
@aokikenichi
★0
「好奇心旺盛少女」という言葉が、アニメのキャラクターを想像させておもしろいと思いました。拡散のイメージとも通じ合う感じです。ただ、「靴底の春」がよくわかりませんでした。土や泥なのでしょうか。
えんどうけいこ
★0
靴底の春を歩く、という捉え方がとても好きです。
月骨
★0
「好奇心旺盛少女」の文字面と口にした時の気持ちよさが良かったです。
あまの
★0
好奇心旺盛少女、と一気に言う勢いとその響き、インパクトがありました。そのインパクトをもって、春を拡散するのであれば、それは明るく楽しい春であろうと感じました。
ばらっち
★0
「靴底の春を歩いて拡散してる」という表現が新しく、また春らしいうきうきした新鮮な感情をうまく表していると思いました。「好奇心旺盛少女」はどこか幼いイメージ。「となりのトトロ』のメイちゃんのような女の子でしょうか。
河嶌レイ
★0
桜の花びらを蹴散らし進む幼い子をイメージしました。春独特ののんびりした雰囲気や、いろいろなことが始まっていくこと、少女の未来を感じました。その少女を見ている人は少女も、少女が育っていく世界も好きなのではないかと思いました。
しらくま
★0
好奇心旺盛の後の助詞の「な」が省かれていますが、リズムが良く勢いがあります。靴底に踏まれた春は、蝶が花粉を撒くように好奇心旺盛少女の行動力によって縦横無尽に広がりそうです。
きさら
★0
地面に積もった桜の花びらを靴で蹴散らしているところを想像しました。
「拡散してる」が今どきの子どもらしくてユーモアの溢れた歌ですね。
水無月水有
★0

朝顔を庭で育てる人なんか好きにならないそう決めている

出詠名 裏のある占い師えんどうけいこ × 吉岡繁樹
19 / 20 ×1 ×18 ×17

互選名 岩倉曰棲絵妥ろか夜凪柊中本速ハナゾウ深水きいろ甘酢あんかけ寿々多実果小俵 鱚太かつらいすともえ夕夏霧島龍ロサ・ブラックティー真壁カナnu_ko砂狐とうてつ小川けいと@aokikenichi千仗千紘花房香枝芍薬街田青々海月ただよう月丘ナイル谷口泰星しらくま斎藤秀雄藍笹キミコきさら高野 蒔秋中弥典シナモンのの泳二がね

選評名 そんなこと決めずに、好きになってもよいのではないでしょうか。どうしてなのでしょう。もしかしたらすでに好きになりかけの人が朝顔を育てていて、それを好きにならないぞ、と思っているとか。
中本速
★0
主張内容は文句なく独自のものだと思いますが、真意を読み取りにくくはあります。
気になっている人は朝顔を育てていて、でも好きにはならないぞという意地を張っている。もしくは、過去に好きだった人は朝顔を育てていたので似た人を好きにはなるまいと思っている。などなど解釈の筋はいくつか考えられます。特定の人から属性を抜き出して一般化して語る、みたいな型の抱えがちな欠点かと思います。
堂那灼風
★0
朝顔に限らず、植物を庭で育てるような人というのは、とりあえずマメな人なんだろうなという想像がつきます。プランターじゃなくて庭ですから、結構本格的に、グリーンカーテン作る勢いで育てちゃうタイプの人なのでしょう。そういうマメな人って、とかく誰にでも親切だろうな‥‥いや、きっと作中主体がそういう人を過去に好きになって痛い思いをしたんだろうな、と。優しい人を好きにならないと意地を張っている作中主体が可愛らしくも見え、言い切った主張がわりとシンプルな文言であることも相俟って、この主体の今後も気になるところです。物語として面白いです。
ともえ夕夏
★0
「朝顔を庭で育てる人」がどんな人か、想像は広がるのですがイメージが固まりづらいです。その理由はたぶん朝顔という花の選択にあって、一年草ですし植木鉢やプランターなどでも比較的簡単に育てられる植物をあえて庭で育てるようなタイプの人と読めば良いのか(でもそれは単に庭の有無による気もします)、単に植物を愛でるようなタイプの人と読めば良いのか、あるいは「庭で」にはこだわりはなく、家庭で育てる植物の中ではちょっと儚い風情のある「朝顔」に焦点が当たっているのか、読み取り方を悩みました。「朝顔を庭で育てている人を」として特定の誰かが気になっているようなお歌にしたらもっとすっと入ってきたかもしれません。
秋山生糸
★0
主体は女性で、すこしだけ天邪鬼な方なひとなのだろうなと想像しました。朝顔を庭で育てるような、風流な(?)ていねいな暮らしをしているようなやつ、絶対好きになるもんか!というひねくれた感情がつたわってきます。ただし、もうすでにこの主体はとっくにこの朝顔の君のことを好きになっているんでしょうね…。
真壁カナ
★0
この歌は第一印象でとても好みだったのですが、読めば読むほどつかめなくなってしまいました。「朝顔を庭で育てる人」は下の句を読んだ限りでは特定の人物を指しているようです。もしくは、言葉ままの習性。言葉のまま受け取ってしまうと理由があまりにわからないので、前者かと思います。その場合、「庭」のある家に住んでいるのがダメなのか、「朝顔」がダメなのか、「好きにならない」と決めてしまうほどのある種の恨みを持ってしまったのはどこなんでしょうか。あえて深読みをすると、「庭付き住戸に住む人」で危険な恋にブレーキを掛ける主体が浮かびますがそこまでは書いていない。朝顔を嫌いだと言ったのに育てるのをやめてくれなかった人とつきあったことがある主体、も浮かびますがそれも考えすぎかなと。上の句がもうしこし明瞭であれば主体の意思が迷わずくみ取れて読んでも読んでもかみしめたい歌になったかな、と思います。すみません、主観ですが感想です!
深水きいろ
★0
朝顔、好きにならない、歌を受け取った時この二つの文で、わからないようでわかるような感触を貰いました。理屈じゃなくて、納得できる感じがします。
とうてつ
★0
断定系好きです。意味なんか無いですもんね、直感。個人の趣味なら自由ですが、歌としては、そんな些細なことか、そんな大胆なことか、とかちょっと驚きが足りないかなと思いました。
@aokikenichi
★0
本当は好きなのに好きだと認めたくない主体が無茶苦茶な理屈で自分を納得させていると読みました。
その一方で、朝にしか咲かない花を育てている=早起きの人はイヤなのかな、とも思ったり。
朝顔という飛躍めいたチョイスがなぜか説得力あるのが良いなと思いました。
海月ただよう
★0
最初よく解らなかったのですが、朝顔を庭で育てているひと、恐らくは家庭持ちのそれなりの年齢の男性に、片思いをしている作中主体の思いととらえました。比較的容易に育つ朝顔、それを庭に植えている状況も、主体からみたその男性の家庭の印象と重なり、その上で、好きになってはダメだ、という自戒のように思えました。好きな歌です。
西鎮
★0
一読して「わかる!」と共感しました。私もそんな人の事は好きにはなりたくないです。けど、好きにならないと決めなくてはいけないほどの危うさがあるって事は…ですよね。朝顔を育ててるんだから朝ちゃんと起きて庭に水を撒いて咲いた花の数を数えたり朝食を食べながら家族にその報告をしているのかもしれない。その圧倒的に正しいその人の佇まいや振る舞いや暮らしぶり。一緒にその朝顔を眺めることは出来ない関係なのかもしれませんね。そうじゃなくてただ朝顔を育ててる人になんとない引け目や後ろめたさみたいなものを勝手に感じてしまう捻れた人の歌だとしてもやっぱり共感です。ひやっとした情念っぽいものを感じる大人の歌だなと思いました。
ハナゾウ
★0
好きになりそうな、でも好きになってはいけない人が、庭で朝顔を育てているのですね。
庭で朝顔を育てるというその、ややノスタルジックとも言える行為に好感を持ちつつも、いやいや、庭で朝顔よ?!と自分にブレーキをかけようとする様子がいじらしいです。
月丘ナイル
★0
好きにならないと決めている対象が妙に具体的で面白い。逆に主体はそういう人を好きになってしまっているんだろうなとさえ感じ取れます。上手い歌だと思います。
谷口泰星
★0
この歌の、恋愛のドラマが、いまどの時点なのかは分からない。《朝顔を庭で育てる人》に惹かれそうになっていて、これからこのドラマが始まるのか、かつての苦い思い出を回想しているのか。とはいえ、後者の場合でも、《朝顔》という特定のアイテムがフックになっており、これからなにかが「始まる」という感触を与えているように思う(「昼顔」なら「不倫かな?」となるし、「夕顔」なら「終わったんだな」となる)。この「始まり」の感触を強めているのが下句で、四句だけでも「ああ、そう言っているということは、好きになってしまうんだろうな、きっと」と思わせるのに、結句でさらにダメ押しされているため、「実はもう、主体が気づいていないだけで、好きになってしまっているのではないか」という印象がある。《朝顔》をうまく活かした歌だと思いました。
斎藤秀雄
★0
過去にいた特定の誰かの事を指しているのでしょうかね。それを拡大解釈した結果が朝顔を育ててる人なのでしょうか。決めている時はたいていそう決めないと逆の方向に流れていくからで、この場合も好きになってしまっているのかも知れませんね。
きさら
★0
断言しているのがかえって決めたはずなのに好きになっているのでは、と余白を想像させられる歌だと読みました。
朝顔は夏の花ですから、朝から水やりをしているような几帳面なかたなのではないでしょうか。「人なんか」に主体が自分との差異を強調している感触もあり、奥行きも感じます。
千仗千紘
★0
「好きにならない」という短歌はあまたありますが、当然ながらそれはもう好きになりかけているわけで、この歌では「そう決めている」と自分に言い聞かせているのでこれはもう完全に好きになっていると思います。
短歌としては交換可能な「朝顔を庭で育てる人」がキマっているか、という点について、私はもう一息、バシッとキマって欲しかったなと思いました。
泳二
★0

ざぶん、ざり、スカートの裾裁つごとに気づけ気づけと うずしおのなか

出詠名 怪盗14そうめん霧島龍 × 鴨衣
20 / 18 ×2 ×14 ×10

互選名 中本速ニッキ外川菊絵甘酢あんかけ小俵 鱚太DEGwer小池佑かつらいすロサ・ブラックティーハシリドコロnu_ko涅槃girlばらっちとうてつ月骨えんどうけいこ河嶌レイ街田青々海月ただよう雨虎 俊寛しらくまきさら高野 蒔若枝あらう中牧正太葵の助

選評名 スカートの裾を裁つというのは短くしているのでしょうか。そのことを好きな相手に気づいてほしいという話かなと思いました。ざぶんという裁ちばさみの擬音から渦潮につながています。うずしおは好きな相手を飲み込んでしまいたいという気持ちか、それとも自分が飲み込まれている好きの気持ちか。
中本速
★0
一読して何が言いたいのか分かったようで分からない。でも、色んな風に想像できて、色んな解釈ができそうなところが、このお歌の良さなんだろうなと思いました。
ニッキ
★0
擬音語からの連想で、布を裁つ音と波の音という別々のものが繋がったところがおもしろいな、と思いました。イメージが勝手に走ってしまったのですが、スカートをはいて、くるくる回るところを上から見ると、渦潮の中にいるようにも見えます。
かつらいす
★0
思い切りのよいオノマトペが、実際の裁ちばさみの動きと重なってリアリティを感じます。うずしおは唐突にも感じますが、裁縫のように無心になって作業に打ち込む経験がある方ならではの深みと思い共感します。
外川菊絵
★0
ざぶんは波、うずしおの音。ざりはハサミの音。と読みました。広い布地を裁ちながら裁った布地が絡みついて自分がその中に埋もれていくような。主体は抜け出せない何かの中にいるのでしょうか。
寿々多実果
★0
スカートの裾を切るオノマトペとしてざぶんは難しいと思いましたが、ざりはありかなと感じました。ざぶん、ざり、気づけ気づけとの二箇所がリフレインのように仕上がっていて、読んでいて楽しい作品です。空白が必要ないのではと思いました。お題の「好」は、片思いの「好き」なのかなと、ほのぼのしました。
とよよん
★0
学校の制服のプリーツスカートを床に広げて裾を切っている光景を想像しました。スカートの裾をぐるぐる切っていく様子を上から見ると渦を巻いていて、切られた裾には波のように折り目が入っています。片思いしながらすこしでも見た目を良くしようと努力をする女子高生についての歌なんだろうなと考えました。擬音の「ざぶん」は波の音、「ざり」は布を裁つ音で、「ざ」という音を共通させながら静かな現実世界と波や渦潮などの海の情景との対応を感覚的に作り出していて良いと思いました。個人的な考えとしては制服のスカート丈が短くなったところで人からの評価がそう高くなることはないだろうと思うのですが、それも込みにして、恋して必死に悩むあまりスカートの裾を何度も何度も切って脱出できないスパイラルに飲み込まれてしまっている様子はなかなか心打つもので、表現と意味の両方で好きな歌です。
ハシリドコロ
★0
ざぶん、ざり、 が美しくそれだけに意味が伝わりにくい後半が損かなぁと。
こういう方がいいのかなぁ、わからない。
@aokikenichi
★0
裁ちばさみが見えました。さくさく、ではなく、鈍い音の中に、見えない傷口が現れるような…思わず振り向いてしまう歌です。
とうてつ
★0
制服のスカートの裾上げを想起するのですが、プリーツスカートの裾を切ってあげるのってけっこう大変ですよね。。。誰かを好きになったとして、そのエネルギーがスカートの裾上げに繋がるというところに自分はあまり説得力を感じませんでした(中高生ならウェストで折ったりとかして、切らないんじゃないかなと)。ただ、お歌としての完成度はとても高くて、冒頭オノマトペから広げたスカートの様子、裁ち鋏の立てる音、想念、うずしおへのイメージの展開は素晴らしいなと思いました。
秋山生糸
★0
初句の「ざぶん、ざり、」から惹きつけられました。
裁断が大きな渦潮ににつながる。断ち切る、スカートの丈を変える、という事が大きな決断である事が伝わります。
ばらっち
★0
スカートの裾上げを自分でするだろうか、というところに引っかかりを感じました。初句のオノマトペからは実際に裁つ手応えを感じるだけに、ちょっと無理に飛びすぎている部分があるのではないでしょうか。もしスカートの裾上げをご自身でされる方でしたらすみません。
気づけ気づけという強い想いが渦潮のように渦巻いている、その感じのつくり方は初句のオノマトペも効いていていいと思います。
なぎさらさ
★0
ざり、でスカートのすそを切ってる感触が伝わりますね。ざぶんはスカートの波かも知れないし、うずしおと相まって洗濯機のイメージもあります。気づけ気づけとリフレインしていますが、誰に対するどういうメッセージでしょうか。スカート丈を短くすることから、好きな人へのアピールでしょうか。思春期の心の葛藤の中にいて心がひりついてるような切実さを受けますが、伝えたい思いは明言はされてない印象です。
きさら
★0
たぶん片想いの好きな人を想って、初めて大胆になる乙女の内側が立ち上ってくるような歌でした。
少しでも脚をきれいに見せたくてスカート丈を上げる場合、ウエストで折り返すといつでも戻せて手軽ですが、巻いた布地の分ウエストが太く見えます。本来は裾にくるべき場所が持ち上がるので、スカートのラインもあまり美しく見えません。
海が溢れるような動悸に急かされながら、「もうどうにでもなれ」とでもいうようにスカートの裾を裁つことで恋の覚悟を決めるさまが、青春の苦しさをよく表していると感じました。はさみの音がやけに大きく聞こえるような「ざぶん、ざり」という表現と「うずしお」との対応も好きです。
高野 蒔
★0

私たち無視界飛行から戻りポテトチップス分けあっている

出詠名 愛の世代の前にばらっち × 雨虎 俊寛
21 / 16 ×2 ×12 ×9

互選名 ガイトさんニッキかつらいすロサ・ブラックティーハシリドコロnu_ko未補雀來豆月骨えんどうけいこ千原こはぎ街田青々月丘ナイル朝野陽々斎藤秀雄藍笹キミコ愁愁きさら秋中弥典若枝あらうむとうゆか吉岡繁樹のの

選評名 ポテトチップスを分け合うのもそうですが、無視界飛行(見慣れない言葉ですが、視界がないような危険な飛行状況でしょうか)も二人きりの感じが強位と思いました。
「好」はどこにあるかな、と思いました。
中本速
★0
危険で非日常的な場面から日常に戻って、とても平凡で平和なことをしている部分にリアリティがあるように感じました。非日常も日常も共有できる相手との関係性が好きなのだと解釈しました。
かつらいす
★0
エロいな~と思いました
ハシリドコロ
★0
「無視界飛行」が分からないので検索したら、そのとおり視界が悪くて見えないままの飛行?とすると「ポテトチップス」が分からず。
おそらく、電灯を消して恋人が楽しんだあと、ということだと思いますが、そこまで比喩したなら「ポテトチップス分けあっている」は弱いかなと。
恋人ならポテトチップス分けあうでしょうし。
他の解釈があるのかな。
@aokikenichi
★0
情事を楽しんだあとの恋人たちが、菓子を分けあっている様子と捉えました。「飛行」のような激しい関係から、ほのぼのとした日常への変化の対比が美しいと思いました。
西鎮
★0
一読して情事のあとの歌だと読んだので、前評を読んでヒエッとなっています…違うのかな…
無視界飛行という硬い言葉が「普通ではない」ことを、「ポテトチップス」が「日常」を上手く表現していると思いました。
月丘ナイル
★0
《から戻り》ということは、いまは目視できる状況ということになるかもしれない(いまも飛行中なのか、着陸したのかは分からない)。《私たち》を「私とあなた」と読んで、たんじゅんに「暗闇で性交→後戯・余韻」と読むのがストレートなのだとは思うけれど(互いに相手の体の反応が、操縦の手がかりになる=計器飛行)、《無視界飛行》はにんげんの「生活」全般のことのようにも感じる。社会で・人間関係で・世の中で、そこそこ・それなりに「うまくやっていく」とき、目に見えたり耳に聞こえたりする(知覚できる)あらゆるものは、「本質」や「ほんとうのこと」ではなくて、相対的に「確からしい」パラメーターでしかないわけで、生きていくということは《無視界飛行》なのだと思う。たとえば青信号のときに進んでよいと判断するのは、道路交通法だとか周囲の行動とか、これ自体どこにその根拠があるのか定かではない相対的なものに照らし合わせてそうしているのだし、他者とのコミュニケーションも、表情とか声色とかに関して経験的に蓄積された不文法・慣習法のマニュアルと照らし合わせて「こなしている」のだから、ぼくらには密室のコクピットに示された数値しか、生きていく上での手がかりはないのだと思う。で、ここから(「生活」から)《戻る》とき、そこはどこなのかというと、そこもまた一応「生活」ではあるけど、カギカッコのとれた〈生活〉で、括弧が取れたってやっぱり確実な何かではなくて「確からしさ」しか手がかりがないじゃないか、と言えばそうなのだけど、でも《ポテトチップス》を誰かと(もしかしたら「あなた」と)分けあうことはできる。《無視界飛行》のあいだでも、誰かと(同僚や友人と)ポテトチップスを分けあうことはできるけれど、そしてそれらのひとの体臭をかいだりつばを飛ばしあって議論することもできるけれど、《私たち》の分けあう《ポテトチップス》の確からしさ(強度)は、別次元のことで、パラメーターは振り切れていて、そうすると、戻ってきた《私たち》がいまいるのは、《無視界飛行》よりももっと何も見えない、というか、目視確認に頼ることのない、暗闇よりももっと深い闇なのかもしれない。あるいは闇(とか光とか)という概念がまったく該当しないような世界の存立の仕方。《私たち》は、孤独なひとたちみんな、とも読めるし、「私とあなた」とも読めるけれど、いずれにしても《無視界飛行》の世界(「生活」)からこちら側へ持ち込まれた《ポテトチップス》は、「生活」の場にあった「ポテトチップス」とは別の、ぎゅっと圧縮された特異点になっていると思う。
斎藤秀雄
★0
無視界飛行がちょっとわかりにくかったです。他の方の評を見て、なるほどと思いました。
きさら
★0
無視界飛行はたぶん、視界ゼロの中を飛行する、ということだと思います。真っ暗なのかもしれないし、真っ白なのかもしれない。視界すべてが同じ色になって、地面と空の境がわからなくなる。
もちろん、本当に飛行機を操縦しているわけではなくて、これは比喩なのだろうけれど。
一読したときのイメージそのままで読めば、照明のない暗い部屋でセックスをした景が浮かぶ。
けれど、なんとなく「私たち」という言葉に引っかかるものがある。「私たち」とはふたりなのだろうか。ふたり、もしくは三人、それ以上でも「私たち」と呼ぶ。「ポテトチップス」が、大勢で分けやすいお菓子なせいもある。(恋人同士が分け合うのなら、普段分けないお菓子のような、もっと別に相応しいものがあったと思う)
そう読んでいくと、かならずしも無視界飛行がセックスを指すとは限らないと思えてきました。
じゃあ、どんなこと?と言われると、はっきりとこれだという読みまで踏み込めなかったのですが…。
無視界飛行という、緊張や不安や恐怖を伴う行為から戻り、ポテトチップスを分けあう。
「分けあう」という行為は、 一人ではない、ということを確認できて、安心感があります。
直接、感情を示す言葉がないにもかかわらず、一首の中でさまざまな感情を想起させる歌だと思いました。
まだ読めない部分もあり、とても気になる歌です。
未補
★0
無視界飛行→盲目の恋
ポテトチップス分けあっている→日常
と読みました…ちょっと他の皆さんとの読み方が違ったので、こんな人もいたよということで残しておきます…。
若枝あらう
★0
「私たち」の関係がよくわからなかったので、無視界飛行とポテトチップスを分けあうことがなにを意味しているのか分かりませんでした。ポテトチップスをわけあうのは、仲のよい、まったりした時間を共有できるということなのかなと思いましたが、無視界飛行は、なにかの例えなのかそうでないのかつかめませんでした。信頼関係があるということなのでしょうか。お題の「好」は「私たち」の関係、相手への想い、ポテトチップスをわけあう時間へ向けられているのかなと思いました。
鴨衣
★0
票と評ありがとうございました!
パートナーのばらっちさんに感謝です♪(*´ー`*)
雨虎 俊寛
★0

好きだってそのまま詠むと良い歌じゃないなら歌じゃなくていい 好き

出詠名 あおりイカ夏山栞 × 若枝あらう
22 / 16 ×1 ×14 ×18

互選名 棲絵妥ろか梅丘つばめ袴田朱夏尾崎飛鳥赤片亜美モカブレンド西鎮若紫音佳小池佑ロサ・ブラックティーハシリドコロnu_koばらっちとうてつ小川けいと@aokikenichi花房香枝千原こはぎ大葉れい安達太良塾カレー河嶌レイ街田青々しらくま朝野陽々藍笹キミコきさら秋中弥典むとうゆかはね平出奔葵の助

選評名 定石(定跡)を逆手に取っていて面白く読みました。この一首にしかできない主張、表現だと思います。
袴田朱夏
★0
短歌についてのメタ短歌ですが、失敗していると思いました。
なぜならば、いい歌じゃなくていい、好き、ということを短歌で言うくらいなら、ぺたんとひっついたほうがいいからです。表現のあやを追うよりもストレートに、という意志を短歌にしていますが、言葉が思いに追いつかず、むしろテクニカルさが印象に残ってしまいます。
中本速
★0
歌じゃなくていいと言い切っているものの「良い歌」じゃなくなっただけで「拙い歌」として鑑賞できてしまうので、メタをするなら字足らずにするくらいメタに徹した方が効果的だったかなあと思いました。「好きをそのまま詠んだ歌は良い歌ではない」というような歌意の歌を歌会に出すのであればもっと覚悟を持っていただきたかったです。
笠原楓奏(ふーか)
★0
そのまま詠むと良い歌じゃないって歌を出す意外性がすきです。でも結局は最後に、ストレートに「好き」って言っちゃうところ、かわいい。
若紫音佳
★0
好きだってそのまま詠んでも良い歌が作れると思います。それはさておいて、好きだってそのまま詠まず、好き、で止めたところが姑息だし矛盾だなあ。良い歌になろうとしちゃってるのかなあ。この作り方だったら、好きだまで詠んでほしかったな。
とよよん
★0
好きだってそのまま言うと良い評じゃないなら評じゃなくていい 好き
@aokikenichi
★0
とてもすきです。それでも私は歌がすき。
花房香枝
★0
詩歌の表現方法を逆手に取ったのですね。参りましたと言いたくなりました(笑)
きさら
★0
まったく同じ着想の歌を知っているため残念ながら良い評価をできませんでした。
泳二
★0

片想いばかりだったなライバル視してたあいつはおれを知らない

出詠名 偏西風西鎮 × 神丘 風
23 / 15 ×1 ×13 ×14

互選名 夜凪柊尾崎飛鳥中本速ニッキモカブレンド青山祐己甘酢あんかけ寿々多実果ともえ夕夏ロサ・ブラックティー砂狐ばらっち千仗千紘えんどうけいこ花房香枝西あおい千原こはぎ河嶌レイ街田青々404notF0816藍笹キミコきさら高野 蒔秋中弥典若枝あらうむとうゆかあさのまやがね

選評名 ライバル=好敵手、で題を処理しています。片想いというのが恋愛の片想いだけでなく、たとえば勉強や面白さなどでライバル視する相手にも言えるということを短歌にしています。それを書こうとしたことに価値があり、そして片想いというロマンチックな表現を用いたこともいいと思います。
中本速
★0
青春男子にありがちな勘違いをいかにも堂々と詠んだところが好きです。
砂狐
★0
歌の趣旨としては「あいつ」と「おれ」は同じレイヤーにいない、ってことだと思うので、漢字と仮名で書き分けるとかしたほうがより効果が出たのではないでしょうか。自我が強そうだから「あいつは俺を知らない」かなー
@aokikenichi
★0
負たくないという思いはその相手を意識している証拠であり、お互いが切磋琢磨出来る相手なら良きライバルで良き友人になりえますが、この場合あいつはおれを気にも留めてないようで、おれの片思いとなるようです。何度も闘ってきたのに知られないままで終わるのは残念ですね。
きさら
★0
男子あるある!老いも若きも男子あるある、という前向きさ、それも後悔してるようで、実はしてないだろうな、という感じがまた良いです。
ばらっち
★0
「好」を「ライバル」、「好敵手」と詠みこんだところが上手いと感じましたし、男子学生のように取れる主体の視点も面白いと思いました。
千仗千紘
★0

夕暮れはチャイの色合いあなたから絡める指に香るスパイス

出詠名 ハイドロシャイニーアイズ外川菊絵 × なぎさらさ
24 / 14 ×2 ×10 ×11

互選名 梅丘つばめ袴田朱夏中本速西鎮宗谷燃甘酢あんかけ寿々多実果霧島龍ロサ・ブラックティーハシリドコロ千仗千紘えんどうけいこ夏山栞とよよん404notF0816しらくま斎藤秀雄藍笹キミコルナクきさら高野 蒔静ジャック水無月水有

選評名 チャイは香辛料が入っています。ここで絡められた指は、しばらく見ていた夕暮れの色に染まって、スパイスが香る気がしたのでしょう。
中本速
★0
二人でスパイシーなインド料理を楽しんだ後のワンシーンでしょうか? 夕暮れの色をチャイの色合いと重ねてみるところも素敵ですが、ロマンティックな場面でスパイスの香りが漂うところは、この恋がまだなんとなく不安定な感じがあることをにおわせてもいるように思いました。お上手!
ニッキ
★0
チャイの色の甘く美しくも辛み(緊張と惹き付けられる魅力のようなものでしょうか)のある夕映えを想起しました。指にスパイスの香りを感じる「あなた」との関係も、作中主体が小さな不安を抱えつつ強い魅力に惹かれていく様子かと思いました。それぞれの言葉、それらの重なり、歌意、どれも綺麗です。
西鎮
★0
「したたる雨」の句と迷ったのですが、こちらは視覚と嗅覚の混ざり合いで、やや食欲方向に傾きました(^^;)
ロサ・ブラックティー
★0
追・スパイスはシナモンの香りかなと思いまして、上品でもの静かな「好き」に感じました。
ロサ・ブラックティー
★0
絵が綺麗なのですが感情が伝わってきませんでした。
@aokikenichi
★0
色、ではなく色合い、という言葉のせいか、チャイの色という夕暮れの色が優しいものに感じました。そのあとの、絡める指に香るスパイスと言う響きが強調されているとも。
香るスパイスは、二人の関係性そのものの香りと刺激なのでしょうか。
ばらっち
★0
夕暮れをチャイの色合いという、すこしくすんだような色になぞらえたところと、あなたから絡めるということで、動きがあるところがいいなと思いました。また、チャイのイメージは相手から香ってきたスパイスからだとすると、夕暮れの時間や空間をふたりで作っているようで素敵です。

普通に手を握るのではなく、指を絡めてくるということは少し親密な間柄なのではと思いました。また、一緒にカレーを食べた後だとすると、自分からもスパイスが香っているはずなので、あなたが指を絡めてきたことで香りが立ったということは、相手がスパイスをつまんで入れるようなやり方で夕食にカレーを作って、味が馴染むまで散歩か何かにふたりで出かけたときの様子なのかなと幸せな光景を想像しました。
とよよん
★0
指を絡められたドキドキ感がシナモンのように利いていて、チャイの色合いの夕空に包まれる優しい印象の歌だと思いました。
きさら
★0

好角家ひいき力士の背の白さ熱く語りし花道の脇

出詠名 まっしろしろすけあひるだんさー × しらくま
25 / 14 ×2 ×10 ×10

互選名 岩倉曰近江瞬袴田朱夏中本速堂那灼風ニッキ小俵 鱚太DEGwerロサ・ブラックティー雀來豆月骨秋山生糸天田銀河西あおい大葉れい街田青々なぎさらさきさら秋中弥典シナモン静ジャック泳二

選評名 「背の白さ」を語ることの面白みがあります。
好角家であることの言わなくてもわかる感じ、「熱く」の決まり文句、最後に「花道の脇」という場所で終わること。これらがマイナスに働いていると思いました。背の白さ、は、もっと引き立てられるはず。
中本速
★0
上句はとても魅力的ですが、下句で失速したと思います。多分かなりマニアックな切り口で熱弁してたんだろうなあ……。「花道の脇」で締めると綺麗にはまとまりますが、場所にまつわる回想として語るには惜しい内容では。語順によっても印象は変わるはずです。
堂那灼風
★0
お題のこなし方が抜群ですね。結句は、実際のことだったと思うのですが、その場所の時期や日程などが分かるような時間的な表現にした方が、読者の共感を得られやすいのではないかと思います。
とよよん
★0
他の方のコメントにもありますが、前半素晴らしい視点なのに後半が、、、
ただ情景説明だけになってしまっているのが残念です。
@aokikenichi
★0
さらりと詠んでいて、しかも愉しい。題詠としても巧みだと思う。
雀來豆
★0
推しポイントそこなの!?というツッコミが聞こえてきそう。「花道の脇」という場所設定があるのは臨場感があってわたしは好きです。「熱く語れり」とか四句切れにすれば好角家に焦点が当たったままになったかも。「熱く語る」は定型句のような気もするので検討の余地があるかもしれません。
秋山生糸
★0
「好き好き」と言うベタベタの歌ばかりだろうと思っていた中で相撲を持ってきたのが面白かったです。せっかくの歌会なので個性をだしてほしいですよね。その点では似た発想を外しながらきちんと絵も見えて好きです。
西あおい
★0
お題の処理が意外で目を引きました。結句はサイト名「連歌の花道」から引かれているのかなと思い、そこにも好感を持ちました。
大葉れい
★0
好角家という切り取り方は目を引きましたが、好角家はそうなんだろうなと後押しする内容に終始したため、少しこじんまりした印象になりましたが、きれいにまとまっていたと思います。
きさら
★0
素直に題を詠みこんだ歌が多かった中、題の使い方に挑戦的で個性を感じました。名詞で切れているところが多い分、単語が並んだような、途切れるような印象があったので、もう少し滑らかにつながっていてもよかったのではないかと感じました。
天田銀河
★0
背の白さを語るという絶妙の通っぽさが活きている歌だと思いました。初句の「好角家」は歌全体の説明になってしまっているので要素としては不要だと思いますが、お題の処理としては必要だったので悩ましいです。
泳二
★0

タンポポを咲かせて歩く私たち好きが溢れて止められなくて

出詠名 わくわくらげ岩倉曰 × 海月ただよう
26 / 14 ×1 ×12 ×13

互選名 ガイトさん山口綴り深水きいろ若紫音佳せしんミツル小俵 鱚太DEGwerロサ・ブラックティー真壁カナnu_ko小川けいと秋山生糸花房香枝千原こはぎ街田青々雨虎 俊寛404notF0816しらくまtoron*きさら秋中弥典中牧正太のの泳二

選評名 私達が歩くごとにあふれた「好き」がたんぽぽを咲かせているという空想と読みました。好感度は高い短歌ですが、その空想に説得されるだけの独自の見方を見つけることができませんでした。
中本速
★0
タンポポが抜群にいいと思います。
地を這うように咲いていってしまう
黄色い小さなタンポポを想起させられました。
結句が「止められなくて」というのもポイントが高いです。
404notF0816
★0
タンポポ、いいですね。ささやかでありふれていても明るくて、恋をする喜びに溢れたイメージが伝わってきます。「好き」という言葉以上の「好き」が表現されていると思います。下句は若干上句の繰り返し感がありますが、あっさりしていて読みやすく、好印象でした。
秋山生糸
★0
かわいらしいですね。わたしは、まだ若い女の子たちを想像しましたが、この二人の好き同士でも、お互いに相手がいてもとにかくそれがうれしくてたのしくて堪らない。恋のたのしさを感じさせてくれるさわやかな歌ですね〜
真壁カナ
★0
タンポポの形から、漫画の一コマのように花をぷかぷか咲かせて浮かれるふたりを想像しました。「止められなくて」の結句は下の句の勢いそのまま走っていて雰囲気がよく表現されていると思います。気になるとすれば、「たんぽぽ」にした理由がわからなかったこと(花言葉は『愛の信託』『別離』)、「好き」が「溢れる」「止められ」ないは直結しやすい言葉なのでもうひとひねりあると面白かったな、の2点でしょうか。うら若い、弾むようなお歌でした。
深水きいろ
★0
溢れて止められなくて な気持ちを別の言葉や比喩などで表したほうがよいと思います。
@aokikenichi
★0
ふたりで歩けば道々に次々とたんぽぽが咲いていく。恋の只中にいるふたりを余すところなく表していて春らしく素敵だなと思いました。下句は少し常套句のように見えてしまって勿体無いかなと思いました。
千原こはぎ
★0
この歌の描く可愛い場面が絵本のように頭に投影されます。ストレートに好きという感情を表現されていて素敵だなと思いました。
小川けいと
★0
お熱い二人ですね。咲かせて歩くには勢いを感じます。若さと勢いが溢れていますね。
きさら
★0
足元にタンポポが咲く公園かどこかを歩く二人のウキウキ感が抜群に良く表されている良い歌だと思います。「好」というお題を真正面から詠むことの難しさを思い知らされた今回の歌会ですが、この歌はど直球のストライクで三振を取られた感じです。
泳二
★0

「你好」と話しかければ王さんは「ハルガキタカ?」と空を指差す

出詠名 さんずい泳二 × 水無月水有
27 / 14 ×1 ×12 ×8

互選名 とがし ゆみこ岩倉曰ニッキ山口綴り霧島龍ロサ・ブラックティー近藤竹真壁カナ天田銀河西あおいあまの街田青々なぎさらさ斎藤秀雄きさら秋中弥典シナモン中牧正太静ジャック葵の助あさのまや

選評名  互いに相手の言葉で話しかけている様子をうたった短歌です。「ハルガキタカ」で空を指差すのは、中国語の「春が来た」が「春天来了」で「天」を含んでいて、王さんにはその意識があったのでしょうか、と、これはちょっと私が考えすぎかもしれません。
中本速
★0
「你好」の日本語風の発音に、春が来るような意味の似た言葉の発音が似ているのかなと想像しましたが、はっきりとわからず歯がゆいです。好、が、春に聞こえたのかもしれませんね。中国語がわからず、周りに中国人の知り合いがいない読み手が情景をとらえやすい表現にすれば、もっとよくなりそうです。
とよよん
★0
前評者お二人の読解がどちらも素敵です。ニイハオ、言われてみれば「ねえ、春」に似ているような気もします…?ただ、自分一人ではそこまで読みとれなかったので、もう少しヒントがほしいと思いました。
秋山生糸
★0
なぜ「空を指差す」のかなと。桜の花びら?ニーハオから???
他のコメントのように天を意味するから?

わかりませんでした。
@aokikenichi
★0
雰囲気はとても好きなのですが、「你好」と「ハルガキタカ?」の間のつながりをうまく見い出せませんでした。そこのつながりを見出すヒントがあれば、もっといい歌になると思います。
なぎさらさ
★0
你好に対して、こんにちはではなく、ハルガキタカ?と返す。主体の待ち望んだ春に気づいてあげたいという王さんの気持ちかなと思いましたが、他の方の評で音が似てるのかもという解釈を見て、それも素敵な読みだなと思いました。
きさら
★0
「你好」という挨拶には、春ですねというニュアンスがないにもかかわらず、王さんは、春の到来にすでに心が浮ついており、思わず「ハルガキタカ?」と返したのか。あるいは、主体の「你好」にはどこか喜びにみちたニュアンスがあり、王さんは思わず「そんなにウキウキして、春でもきたのですか?」と返したのか。おそらく両方だと思う。この歌の登場人物たちには春の気分が満ちていて、それならば「春ですね」「春ですよ」でももちろん構わないのだけれど、この歌の巧みなところは、いっけん噛み合っていないかのように見える会話をしてみせることで春気分を強調し、さらに王さんの誘導によって視線をパンさせ、空の春らしさ、空の大きさが、読後にじんわりと残るところだと思う。互いに異邦人であるふたりが相手の言語で話す、という場面設定も、「伝わるのか伝わらないのか」「噛み合うのか噛み合わないのか」という日常的な危うさを強調していて、良いと思う。意味内容が伝わっていなくとも(伝わっていると証明することが不可能でも)、噛み合っていれば相互行為は成立する(あるいは逆に、相互行為が成立したことをもって「噛み合っている」と我々は表現する)という普遍的な真実について歌った歌でもあると思う。
斎藤秀雄
★0

何枚も書き直されたラブレター好きっていう字むずかしくない?

出詠名 みなとまちガイトさん × 若紫音佳
28 / 14 ×0 ×14 ×13

互選名 棲絵妥ろか山口綴り青山祐己せしん小俵 鱚太小池佑ロサ・ブラックティーハシリドコロ他人が見た夢の話nu_ko砂狐えんどうけいこ安達太良街田青々海月ただよう月丘ナイル斎藤秀雄藍笹キミコきさら秋中弥典若枝あらうむとうゆか吉岡繁樹はね平出奔静ジャック

選評名 ラブレターだと字を書き直してしまいますね。
「好きっていう字むずかしくない?」というからには語り手はラブレターの書き手ですが、「書き直されたラブレター」の受動態と一貫しない感じを受けました。
中本速
★0
上の評でも挙げられているように、下の句から主体がラブレターを何度も書き直したのだと思うので、「書き直された」に違和感を感じます。ラブレター自体は書き直されているんですけど、ラブレターがメインなのか主体の発言(下の句)がメインなのかぶれていて、結局この歌の主張が「好きっていう字むずかしくない?」になってしまっているからっていうことだと思うんですけど……。上の句と下の句の内容を逆にすれば、歌のメインが「ラブレターを何回も書き直したこと」に集約していくので、「何回も書き直されたラブレター」でより詩情が生まれる形になっていいと思うのですが……。すいません説明が難しいんですけど……。
たかはしりおこ
★0
目の前に何枚も失敗した便箋が散らばっていて、いつも簡単に書いている好きという字がなんでこんなに書けない???え、むずかしくない???となってしまっている感じに「好き」が溢れていると思います。「一旦寝な??」と言ってあげたいです。
小池佑
★0
他の方のコメントにありますが、ラブレターが主なのか書き手が主なのかぼやけている印象を受けました。
@aokikenichi
★0
おそらく主体がラブレターを書こうとして「好き」とちゃんと書けない状況を詠まれたのだと思います。着眼点がストレートのようでユニークなだけに、視点のズレがとても惜しい一首でした。
海月ただよう
★0
何回も書いているうちに正解がわからなくなってどんどん書き直しが増えそうで心配になりました。好きって字は大事な部分だけにいろんな意味で書くの難しそうです。
何回も書き直されたとあるのは、私は主体がたくさんの無駄にした便箋を眺めながらふっと客観的に冷静になって「ああこんなに書き損じてしまった、なかなかキメられないなぁ」と軽く自嘲気味に嘆いてる場面を現しているのではないかなって思いました。シンプルな場面をシンプルに歌っていて情報量が少ないけれど最後の?の呼びかけで読み手が「そうだね難しいね」とか「いやそんなに難しくないよ」とかつい返事してしまいそこでこの短歌がまた完成する参加型短歌だなーとか思いました。友達に話しかけられたみたいな楽しさですね。ラブレターちゃんと書けますように。
ハナゾウ
★0
まわりに上手く書けなかったラブレターが散らばっているのですね。
好きという字、確かにバランスが難しいです。
それにこの字が上手く書けていないと、相手を好きな自分の気持ちまでなんだかダメみたいで、この字はやっぱりきれいに書きたいですよね。
最後の「?」からは、ため息が伝わってくるようです。
月丘ナイル
★0
むずかしくない?と問いかけていることから、書いたのは主体本人だと思われるので、書き直されたではなく書き直したかな、というのがやはり気になりました。好きのゲシュタルト崩壊ですね(笑)
きさら
★0

<kana>夜想曲<:>ノクターン</kana> ベビーカステラ分け合えば春宵ふわり腕を絡める

出詠名 ユミと鱚太の大人のおでんエノモトユミ × 小俵鱚太
29 / 13 ×2 ×9 ×12

互選名 近江瞬袴田朱夏りん2ニッキ山口綴り外川菊絵甘酢あんかけかつらいすロサ・ブラックティーnu_ko雀來豆秋山生糸えんどうけいこ街田青々雨虎 俊寛谷口泰星藍笹キミコきさら秋中弥典静ジャック鴨衣水無月水有がね

選評名 ノクターンの「夜」と「春宵」の重複はマイナスに働いていると思いました。ベビーカステラも「ふわり腕を絡める」もふわりとしていて、優しい感じがしました。
中本速
★0
焼きそばでも唐揚げでも団子でもなく、ベビーカステラというアイテムがいいですね。夜桜と屋台をイメージしました。ベビーカステラのふんわりとした甘さが二人の関係を表しているようです。
かつらいす
★0
これはもしかして初句で損をしているのでは。二句以降、ベビーカステラのほの甘さ、ぬくもり、素朴さは春宵とよくマッチしているし、ふわり、のオノマトペによって春の夜風のイメージが恋人同士が腕を絡めあうイメージに重なる部分はとても美しく見事だと思います。しかしそれだけに夜想曲をノクターンとよませる初句が格好をつけすぎている感じがあり浮いてしまっていると思います。ここを少しあっさりした語句にしたらとても良いのではないでしょうか。
秋山生糸
★0
「夜想曲」って漢字の見た目も、音の響きとしても、意味としてもきれいなのですが、強すぎて。後半が負けてしまっているように感じました。
@aokikenichi
★0
ベビーカステラ、というのがいつでも食べることができるところが、よく夜の散歩をする2人想起させ、絵が浮かび好きです。
藍笹キミコ
★0
夜想曲もベビーカステラも春の宵も、いずれも優しく甘美なイメージのものなので、印象としては悪くないとしては思います。春宵ふわりの所が少し窮屈なので、ふんやり腕を絡める春の宵、ぐらいゆったりした調べにされた方が、春らしくて良いかなと(大幅に字余りになりますが)。
きさら
★0

きみの背のなだらかでなさが好き 錆びた釘にふれては渡る鉄橋

出詠名 羽と空港はね × 平出奔
30 / 12 ×1 ×10 ×13

互選名 岩倉曰棲絵妥ろか梅丘つばめ尾崎飛鳥青山祐己深水きいろ甘酢あんかけ小俵 鱚太霧島龍ロサ・ブラックティーnu_ko未補雀來豆月骨秋山生糸天田銀河街田青々雨虎 俊寛しらくま斎藤秀雄藍笹キミコ愁愁きさら秋中弥典

選評名 読みにくい、とまず思いました。
582674、という感じで、おおむね三十一音に近いけれどもこれを短歌のリズムで読むのは無理やりだなと思ってやめました。
そこがなだらかでなさに合っているという言い方を私はしたくありません。普通に三十一音にあてはまっていてもなだらかでなさはなだらかでなさです。
さて短歌自体ですが、後半はあくまで比喩で、前半を補強していると読みました。「ふれては」は実景と取るとよくわかりませんが、何度も「なだらかでなさ」を味わいながら背中を味わう様子と思えばわかります
中本速
★0
「なだらかでなさ」って似た音が続いてなだらかであるとも言えるし、発音しにくい=なだらかでないとも言えますね。面白い音です。しかもわざわざ否定形で語られたせいで、背はなだらかなものだと思い込んでいることに気付けました。楽しい!
ほぼ定型ですが、3句目で割れて一字空けというのは音を分断され読みにくいです。なだらかでない背を撫でる描写だと解釈しましたが、「ては」は条件や繰り返しに多く使われる印象で(寄せては返すとか)、「ふれながら渡る」ような同時性・継続性を表すには不適切ではないかと思います。
堂那灼風
★0
何度も読むうちに自分の中で景が出来てきて好きになってきました。背のごつごつとした感じを、錆びた手すりの出っ張った部分に触れる感じに重ねているのですね。自分も思わず触ってしまうほうなので頷けます。そうした古びた鉄のような雰囲気を持つ恋人が愛しく思う感じも伝わりました。そしてその良さはリズムを滑らかにしていても失われるものではなかったと思います。とっつきにくさが出てしまって勿体なく感じました。あと、鉄橋は「鉄でできた橋」をの意味で書かれたと思いますが「鉄道橋」の意味のほうが一般的な気もします。それだとイメージがわかなくなってしまうので(電車に乗って渡るから釘に触れられない)、検討されても良いかと思います。
秋山生糸
★0
きみの背の/なだらかでなさが/好き 錆びた/釘にふれては/渡る鉄橋
と読みました。「なだらかでなさ」を、字余りや一字開けで表現していると感じ取りましたが、日本語としての滑らかさがないですし、造語としてはぎこちないようです。“きみの背のなだらかでないとこが好き錆び釘に触れ渡る鉄橋”とできるのではないかと思いました。
とよよん
★0
前半は破調が生きて なだらかでなさ がうまく出ていると思うのですが、空白を置いて後半も破調 ただ後半は意味も感じもゴツゴツ感で、前半の揺れる感情が消し去られてしまっていると思います。
@aokikenichi
★0
他の方のご意見と重複しますが、リズムや細かな言葉選びで、もう少し推敲の余地はあったのではと思います。
でも、評を入れる候補の歌がいくつかあた中で、この歌を選んだのは、その中で比喩がとてもいいなあと感じたからです。鉄橋の錆びた釘ということですから、新しい橋ではなくて、それなりに年月を重ねる中で、酷暑や風雨を何度も経験し、錆びついてゴツゴツした(見た目にはあまり美しくない姿)になりつつも、なお誰かのために支えとなっている釘に、背骨を見立てているところから、その背の主がどのような人物か、その背骨に触れる主体が何を感じているかが十分に想像できて、そこがとても魅力的だと感じました。その部分でのポイントが高かったです。
天田銀河
★0
この感じとてもわかる!体感として個人的にはとても共感できる歌でした。
雨虎 俊寛
★0
錆びた鉄橋ではなく錆びた釘にふれてという細かい描写は、鉄橋になぞらえたきみの背中のなでらかでなさを意味するのでしょう。背中に傷跡があるのかも知れません。目に見える傷跡の内側には心の傷跡もあるでしょう。それすらも含めて一人の人を愛しているのだと思います。鉄橋を歩いて渡る不安定さは、手探りで深い孤独を理解しようとしている主体の胸の内のように思えました。
きさら
★0
いま《きみ》と一緒に《鉄橋》を渡っているのか、《きみの背》を思いながら渡っているのかは分からないけれど、たぶん、いまは一緒でないのだろうと思う。その意味で一字空けは必然性があると思う。ただ、「鉄橋の錆びた釘」と「なだらかでなさ」をイメージの上で重ね合わせていることは明らかで、いい意味での予定調和の枠内にすっきりと収まっている感じもするし、逆にあまりに冗長的で狂気じみている感じもする。この狂気じみている、という読みから展開すると、先の「いまは一緒でない」という想像も覆るかもしれない。「予定調和の枠内」の読み(これがストレートな読み方なのだろうけど)を、一字空けが拒絶しているような感触もあり(しかも腰句の中での、切れ)……《きみ》がひとでない可能性もあり(《鉄橋》に《きみ》と呼びかけているのか……それとも地球か……)……いずれにしても《なだらかでなさ》を愛することは、よいことだ、と思う。《釘》は「ボルト」、字余りを回避するなら「螺子」のほうがいいかもしれないなあと思いました。
斎藤秀雄
★0

春の雨に紛れるように好きよってつぶやいてみる 匂い立つきみ

出詠名 梅おにぎり梅丘つばめ × あまの太郎
31 / 11 ×1 ×9 ×11

互選名 赤片亜美ガイトさんりん2中本速ニッキモカブレンド深水きいろ寿々多実果せしんミツルともえ夕夏ロサ・ブラックティー近藤竹花房香枝河嶌レイ街田青々月丘ナイル藍笹キミコきさら秋中弥典はね

選評名 春の雨に紛れるようにつぶやく、つまり「隠そうとしている」ことと「匂い立つ」が対比になっていて、それほど強く「きみ」の存在感を受け取っているのだと思いました。
中本速
★0
初句6音の必然性が分かりませんでした。
雨に紛れるように好き は類例多く平板かと思います。
@aokikenichi
★0
初句が六音なのは食べ物のはるさめと混同されないためなのかなと思いました。無難にまとまっていますが無難過ぎて引っかかりも少ないように思いました。
404notF0816
★0
わたしは初句六音は特に気になりませんでした。
むしろ、「きみ」がどんな人か、「きみ」との間にどんなエピソードがあったのかが表現されていないため、「夏の雨に」でも「秋の雨に」でも歌えちゃうなあとは思いましたが…
繰り返しになりますが、「きみ」についての描写がもっとあると歌の魅力が増すのではないかと感じました。
月丘ナイル
★0
つぶやいて「みる」だと主体がつぶやいているようにも取れて、匂い立つきみは別にいるようにも取れるので、つぶやいて「いる」で良かったような気がします。
きさら
★0

立ちこめる桜流しの予感もう好きと言えなくなって花殻

出詠名 肉玉そばW堂那灼風 × 知己凛
32 / 9 ×2 ×5 ×16

互選名 棲絵妥ろか梅丘つばめ尾崎飛鳥赤片亜美ガイトさん宗谷燃寿々多実果せしん霧島龍ロサ・ブラックティー千仗千紘えんどうけいこ花房香枝安達太良街田青々雨虎 俊寛神丘斎藤秀雄藍笹キミコきさら高野 蒔秋中弥典がね

選評名 春の長雨が降りだしそうな鉛色の空を想起させる上の句は、主体がかなしみの中にいることを示していると思われます。結句にある花殻によって、もう捨てるしかなくなってしまった花と行き場がなくなった「好き」が重ねられます。すごく好きな歌です。
梅丘つばめ
★0
春の、言えない恋のことをうたっていると思いました。
立ち込めるのは桜流しや予感ではなく「曲」という可能性も捨てきれないと思いました。
中本速
★0
不穏な空気感ながら春の美しい風景も浮かび上がり、その美しさがより一層歌の雰囲気を妖しくしていると思いました。すごく好きなお歌でした。
宗谷燃
★0
「立ちこめる」とあるので、細かな雨に煙っている様な雰囲気が感じられて、この長雨で花は散ってしまうだろうと詠んでいるのでしょうか、エヴァの『桜流し』を重ねているのなら、単に、恋人だけでなく、肉親とか、もういなくなった人に対して「好き」と言えなかった、その悔恨が、美しくも(この赤い)切ない花柄(花の抜け殻とわざと表記してあるようですが)として残っているのでしょうか・・・奥が深いです。
ロサ・ブラックティー
★0
好きと言う前に散っちゃった
ということでよいのかな。他のコメントにありますが「桜流し」はエヴァを意識しているのでしょうか。
@aokikenichi
★0
言葉ひとつひとつがきれい。好きな人を思いながら桜を見たくなる作品です。
花房香枝
★0
桜流しで散って花殻になってしまった、それが好きと言えないで終わりそうな恋と重ねられているのですね。予感がうまく使われてると思います。予感が花殻と結び付いてる所が切ないですね。
きさら
★0
自身の『エヴァ』への思い入れで偏っている気もしますが(^^;)うたたさんの「桜流し」は亡きお母さんへの思いや、震災を意識している様なので、この句を鑑賞すると、どうしてもそういう事が思いやられてしまう(、、)
ロサ・ブラックティー
★0

雨が好き したたる春の水となりうなじを撫でるこのささやきが

出詠名 バターになって、ぶどうぱん。愁愁 × 高野 蒔
33 / 9 ×2 ×5 ×13

互選名 棲絵妥ろか梅丘つばめ堂那灼風ニッキ西鎮霧島龍ロサ・ブラックティー近藤竹涅槃girl千仗千紘花房香枝夏山栞街田青々海月ただようなぎさらさ斎藤秀雄藍笹キミコきさら秋中弥典

選評名 うなじを撫でるささやきというものがエロティックな感じがしました。雨自体エロティックな感じがして、それがさらに春なので、とにかくエロティックで、それが「好き」なんだなと。
中本速
★0
雨は水に変わった春であるようなので、雨水にもなんとなく暖かさを感じていそう。春の空気の中で雨にうなじを撫でられており、同時に降り続ける静かな雨音もささやきとして感じ取っている。触覚・聴覚と全身で春の雨に向いていることがわかるので、初句のストレートな言い方に力が生まれたと思います。
堂那灼風
★0
雨に濡れそぼって髪からうなじに水が流れる、あるいは、雨宿りの軒先から出ようとして雫がうなじにかかる、というシチュエーションだと思いました。耳の近くであるうなじに落ちることで「ささやき」とした比喩は美しいです。ただ、私はあまりこういう状況になったことがないと考えたところ、ショートカットの人や、髪をアップした人でないとこのようになりにくいし、好きだからとすすんで濡れそぼるのは不自然だし、うなじに雫が落ちること自体珍しいと気づいたので、お題の消化、好きの必然性への共感は難しかったです。また、二句は「滴る」と漢字にすれば空白がなくても成り立ちそうです。
とよよん
★0
いやもう、エロティックと言うのが悔しい(^^;)気がする程なのですが、触覚と聴覚が混ざり合っているところが、官能的(同義語ハハ)なんでしょうね。空から始まって下へ、うなじのほうへ映像がスローモーションで移って行くのが見えるようでした。「したたる」のひらがなのほうが流動的な感じがして漢字表記より好きです(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
美しい情景ですが 「雨が」「水となり」が?「春の水」で何か特別の意味があるのかな。季語であるみたいだけどそのままの意味ですね。この歌だと
したたる春の水 → ささやき
という流れですが
雨 → ささやき → したたる春の水
ではないですかね。
春雨がうなじを撫でて、その後したたる春の水になるのではないでしょうか。
うーむ句のながれと時間の流れはちがうのか。
@aokikenichi
★0
聴覚と触覚の描写から、全体として男女の睦みへと情景が開ける感じが素敵だと思いました。
西鎮
★0
初句切れの断言からの触覚から聴覚への流れが大変巧みな歌だと思います。
うなじを撫でるのが「ささやき」というのが艶っぽいですね。
傘をささずに雨を一身に浴びてたたずむ主体の様子が浮かび上がりました。
海月ただよう
★0
したたる春の水、うなじを撫でる、色香が漂う言葉が連なりますね。主体は雨音を耳にしながら、少し斜め後ろからこの少女を見つめているのでしょう。雨によって誘惑されているかのような諸々の感情も含めて少女を好きなのだと思います。
きさら
★0
しっとりとした感じが良くあらわれていて、素敵です。
近藤竹
★0

好きですと春風の裏に書きのこし傘をひらいて旅の支度を

出詠名 ゆみとよだよとがし ゆみこ × とよよん
34 / 9 ×0 ×9 ×10

互選名 岩倉曰棲絵妥ろか知己凛中本速山口綴り深水きいろ甘酢あんかけロサ・ブラックティー近藤竹未補花房香枝街田青々雨虎 俊寛なぎさらさルナクきさら秋中弥典むとうゆか

選評名 春風の「裏」という言い回しに惹かれました。傘をひらく時点では旅の支度はできていて、もう歩き出すところではないかと疑問に思いました。
中本速
★0
「春風の裏に」で字余りをしながら「旅の支度を」で動詞を省略している構造になった時点で言葉を詰めすぎているのではないでしょうか。同様の理由で機能的な字余りには感じられませんでした。
笠原楓奏(ふーか)
★0
他のコメントとほぼ同じです。
「傘をひらいて」の時点で「支度」は済んでいるのでは。
「旅の支度を」の動詞の省略は私はよいと思いますが2句目の字余りが有効に思えませんでした。
@aokikenichi
★0
空(くう)に閉じた傘で「好きです」と書いたのでしょうね。その書いた傘を開いてそのまま風に乗って旅たつようです。好きな歌です。
雨虎 俊寛
★0
他の選評と一部重なるのですが、結句はもう少し整理してすっきりさせられそうです。まとまってはいると思うので難しいのですが。
「春風の裏に書きのこし」という表現と、風と傘で旅支度というメリー・ポピンズ的な雰囲気に惹かれました。
なぎさらさ
★0
私も傘で書いた説に同感です。春風の中に好きですと書いて、春風に乗って旅に出たのだと思います。
きさら
★0

きみの声にぼくはあわてて起きあがる瞼にはまだ群青の海

出詠名 空に浮かぶ子供 雀來豆 ×  月骨
35 / 9 ×0 ×9 ×8

互選名 棲絵妥ろかニッキ外川菊絵宗谷燃甘酢あんかけロサ・ブラックティーnu_ko小川けいと未補大葉れい街田青々藍笹キミコ愁愁きさら秋中弥典水無月水有がね

選評名 起き上がる前の状態で群青の海があったはずですが、どういうことなのかわかりませんでした。空を海と表現しているのかな、とこれは想像にすぎません。
また、「好」の題がどこへ行ったかわかりませんでした。
中本速
★0
お題の「好」のこなしかたがわかりにくかったです。関連づけるとすれば、きみが好きなのか、海が好きなのかというところでしょうか。目覚める直前まで海の夢を見ていて、まだ寝ぼけている感じ。海がモチーフとしてわかりやすすぎる気がするので、海の生き物とか、違うものを入れた方が個性的になって良いのではないかと思います。
とよよん
★0
群青の海が見えていたことが単に夢の中で海にいたのか、心象なのか
わかりませんでした。
@aokikenichi
★0
海の夢を見ていて夢から起こされたのかなと思いました。きみの声にとあるので、意図的に起こされた訳ではなく、声が聞こえたので慌てて起き上がったのかと。きみの方は主体が寝ていた事も知らないくらいの間柄かも知れません。主体の片思いかと思いますが、それがうまく伝わなかったです。
きさら
★0

你好を知らぬパンダが砂漠へとムーンウォークで沈む図書室

出詠名 座り念仏罰ライスハシリドコロ × DEGwer
36 / 8 ×0 ×8 ×14

互選名 岩倉曰棲絵妥ろか笠原楓奏(ふーか)山口綴り甘酢あんかけロサ・ブラックティーnu_ko未補雀來豆塾カレー街田青々なぎさらさ谷口泰星藍笹キミコきさら秋中弥典若枝あらうむとうゆか中牧正太静ジャックあさのまや

選評名 まず、要素が多くて疲れるな、と思いました。
おそらく特定の「思い」が核にあるような短歌ではなく、全体のイメージが変容する流れを愉しめばいいのかなと思いました。
中本速
★0
意味不系は意味の飛躍が共感出来ないと辛いですね。
@aokikenichi
★0
不条理なイメージの繋がりを楽しむタイプのお歌と思いますが、だからこそ読者に極力情景を浮かばせるような「不条理だけど目に浮かぶ」「なさそうだけどありそう」というような感覚が欲しかったと思います。

以下は勝手な感覚ですが、たとえば「你好を知らぬパンダ」では普通のパンダと違いがわからないのですが「你好と言いたいパンダ」なら何か言いたそうなパンダが目に浮かぶような気がしませんか…?背景も、砂漠、月面、図書室と並列でたくさん出すよりも、一つをデコったほうがイメージしやすくなる気がします(本が散らばる月の砂漠とか)。一つ一つの言葉は魅力的なだけに、いろいろと料理のしがいがありそうなお歌と感じました。
秋山生糸
★0
「你好を知らぬパンダ」というのは繁殖後に人間の事情で中国からどこかのほかの国へ連れて行かれたパンダのことですよね。そこは共感性が高くてユニークな視点なので、「砂漠」「ムーンウォーク」「図書室」と立て続けにインパクトのある言葉だけを並べてしまったのが勿体無いです。何かひとつの景に絞ってパンダの哀愁を表現できたらもっと良い歌になると思います。
芍薬
★0
你好を知らぬパンダですが、本場のパンダも知らないとは思うけれど、日本のパンダの事かなと。それが砂漠を目指して後ろ歩きで絵本に戻るのかなと、童話のように読みました。
きさら
★0

ツァイツェンを聞き損なってニーハオのハオはひとりで思い出す 帰路

出詠名 ヤバめカンタービレ千仗千紘 × 笠原楓奏(ふーか)
37 / 8 ×0 ×8 ×10

互選名 岩倉曰棲絵妥ろか山口綴り西鎮深水きいろ宗谷燃ロサ・ブラックティーnu_koとうてつ塾カレー街田青々神丘藍笹キミコきさら秋中弥典若枝あらうむとうゆか鴨衣

選評名 再見(またね)を聞き損なってうまく返せなかったのかもしれません。ハオの字が「好」という字で、それを思い出すのは別れてから。
中本速
★0
ツァイツェンを聞き損なったとしたら、ツァイツェンと言われたとわかっていないと思うので、聞き損なったとも気づかないはずだろうと思います。一字空けの意味が分からなかったです。
とよよん
★0
聞き損なう ってことは大切なことだと思うのだけど 帰路 だから別れてはいるんだよね。なら永久の別れか、また明日的なことは分からないけど後者なら 再見 は普通の言葉で聞き損なうものではなく、前者を意図したいなら上の句だけでは伝わらないかなと。
@aokikenichi
★0
お別れの言葉は聞かないで、ニーハオの好だけを思い出している恋心かなと思いました。
きさら
★0

いいねってハートのかたち 晴れやかに笑うあなたの背をそっと押す

出詠名 二刀開眼大葉れい × 逢
38 / 6 ×0 ×6 ×9

互選名 ガイトさん中本速堂那灼風西鎮深水きいろロサ・ブラックティー砂狐ばらっち街田青々雨虎 俊寛toron*きさら秋中弥典若枝あらう

選評名 背をそっと押すの「そっと」は、もしかしたら「あなた」にも気付かれないように後押ししているのかもしれません。
中本速
★0
いいねをつけることを「ハートを贈る」などと言ったりもします。二句目までの当たり前の叙述が当たり前以上の効果を発揮しているようにはあまり思えないのですが、ハートを介してささやかなエールのやりとりを感じているのがわかり、そのささやかさはボタンを押す指とも重なり合って「そっと」に表れます。背を押す気持ちを込めることもあり、しかし大抵はそこまで強い力にはならない。ふぁぼの分をよくわきまえている書き方だと思います。
堂那灼風
★0
二句までが「好」のお題をふまえていて滑り出しいいねと思いました。もしかしたらSNSで、卒業などの晴れ姿の写真があり、そこにいいねしたのかもしれません。一字開けなくても大丈夫そうなのと、「晴れやかに笑う」よりもその写真の姿の具体的な描写の方が、短歌らしい表現になるのではと思います。
とよよん
★0
私だけかな。
空白で区切れているので 57 577 最後の「背をそっと押す」が字余りに一瞬感じて。575に錯覚して。
あえてなのかな、「そっと押す」の強調であえて?
@aokikenichi
★0
SNS上での片想い景と読みました。あなたの背中しか写っていない写真。コメントを残す勇気はなくて、そっといいねだけを押す。そこに込めた好きの深さは相手にはおそらく伝わらないままでしょう。季節感、SNSのイマドキ感はうまく詠み込まれているのですが読者をガツンと感動させる決定的な何かがいまひとつ足りないように思います。
芍薬
★0
私も、SNS上の片想いのお歌として読みました。直接想いを伝えることはなかったけれど、その人の幸せを願って背中を押すつもりでいいねを送る。奥ゆかしくてちょっと切ない感じがして好きです。

★0
あなたの報告を後押しするようにいいねをしたのでしょう。ハートのかたちと七文字分音数を割いたのは、自分の想いごと届けたかったからでしょうか。何らかの晴れの日らしいと予想されますが、具体的なことが書かれてないのでその何かを入れられたらもっと良かったのかなと思いました。
きさら
★0

ざぶん、ざり、スカートの裾裁つごとに気づけ気づけと うずしおのなか

出詠名
39 / 6 ×0 ×6 ×5

互選名 寿々多実果ハシリドコロ河嶌レイとよよん斎藤秀雄きさら秋中弥典若枝あらう葵の助あさのまやがね

選評名 《ざぶん》と《うずしお》が共鳴していて、その《なか》に、《ざり》と《スカートの裾裁つ》主体がいる。現実的には、スカートをはいたまま裾を裁っているのではないにしても、うずしおの輪のなかにスカートが円を描くようにひろがって、その中央に主体がいる、というイメージも浮かぶ。水のイメージから連想すると、「エロい深読み」ではなくて、《気づけ》と相手を思う主体は(おそらく女性だと思う)、性器を濡らしているのだろうと思う。「誘惑」をしかけることは、受動的なアプローチではあるし、好きな人を思って性器が濡れてしまうことも主体にとっては受動的な体験ではある。因果関係としては、〈欲望の対象(欲望の原因)〉→〈膣液の分泌〉→(主体)→〈誘惑することへ動機づけられる〉→〈対象への誘惑行為〉、という系列があり、主体はあくまでもこの系列のなかで「主体化」される、受動的な通過ポイントでしかない、ということになる。《うずしお》はこの怒涛のような流れの喩でもある(その《なか》にいるのだから)。それでも「自分の肌をたくさん見せる」(誘惑)という行為にはどこかパワフルな能動性を感じるし、書かれていないけれどもおそらくそこにある「ハサミ」というアイテムは、こうした一連の受動的な「流れ」に切断線を導入するニュアンスがあって、そこに一瞬の意志の煌めきのようなものがあると思う。かっこいい歌です。
斎藤秀雄
★0

好きだったあのメロディをくちずさむ 不協和音じゃないじゃんか、ばか

出詠名 きくらげむかなむとうゆか × 真壁カナ
40 / 4 ×0 ×4 ×20

互選名 ガイトさん山口綴り西鎮深水きいろ小俵 鱚太ともえ夕夏霧島龍ロサ・ブラックティーnu_ko砂狐花房香枝大葉れい街田青々雨虎 俊寛谷口泰星朝野陽々斎藤秀雄きさら秋中弥典平出奔静ジャック葵の助あさのまやがね

選評名 不協和音じゃないじゃんか、というのがどんな不満か、だれ(ばか)に言っているのかよくわかりませんが、プラスの感情の短歌だと思いました。不協和音じゃない、ということは心地いい協和音であるわけで、それを「ばか」に間違いを指摘しながらも楽しんでいる口ぶりです。
中本速
★0
口ずさんだ単旋律のメロディは音楽的には「不協和音」にはなり得ません。
ということを踏まえて読むと、かつて口ずさんだメロディを音楽に詳しくない誰かから「不協和音だ」と言われ、それを思い出しながら反論している構図と読みましたが、音程が悪かったりしただけでそもそも「不協和音」ではないのでやっぱり引っかかるものがあります。不協和音という形容が間違ってるよ、という意味なのか、音程があってるよ、という意味なのかで読みきれないところでしょうか。
かつて二人で口ずさんで不協和音になったものを一人で口ずさんだら不協和音じゃない、という意味で読むのが妥当かなという結論に落ち着いたのですが、そもそも和音じゃないんですよね…ううむ…
笠原楓奏(ふーか)
★0
他の方のコメントにありますが、くちずさんだものは直接不協和音にならず、過去の記憶の何かでしょうか。みんなで旋律をくちずさんだ?

分からず。
@aokikenichi
★0
好きだったあのメロディとは、主体の好きだったメロディでその当時の幸せが蘇るという事なのか、お相手の好きだったメロディで今聴くだけでも胸がツーンとなるのか。いずれにせよ二人は別れるべきではなかったという後悔を下の句があらわしているのかなと思いました。
きさら
★0

三月の真中にきみが差し出した白のくつした親指よっつ

出詠名 いろとりどり深水きいろ × にわとり
41 / 4 ×0 ×4 ×8

互選名 りん2笠原楓奏(ふーか)ロサ・ブラックティーハシリドコロ未補雀來豆芍薬街田青々愁愁きさら秋中弥典がね

選評名 くつしたを編んでくれたんだけどもう暖かい季節になってしまっていてしかも編むのが下手で親指のように太い指先になっていてそれでいて四つしかない、ということでしょうか。断定はできません。
中本速
★0
わたしも「きみ」が編んでくれたくつしたが、編み物の下手さゆえにどの指も親指サイズくらい太い、みたいな歌かなと思いました。
ただ、なぜ「三月」なのかとか「よっつ」なのかとか「白」なのかとかはわからなかったので、「くつした」「親指」も含めて、ただ言葉を組み合わせて作ったような、実験作のような印象も受けます。
それかなぞなぞなのか。
意味がわからなすぎること、また、わからないなりに雰囲気が良くファンタジーみたいなので、気になる歌ではあります。
たかはしりおこ
★0
わからない、、、
@aokikenichi
★0
三月と白で、くつしたでこしらえた編みぐるみのウサギを連想しました。が、そこまで読めませんしちがうと思います。 お題の「好」も、わたしにはうまく読みとれませんでした。
えんどうけいこ
★0
手編みの五本指靴下でしょうか。親指サイズならどこか二本でも入りそうですね。三月の真中ということで、お見送りの際にプレゼントされたのでしょうか。主体がそれをどう受け取っているのかわからず、好きにはうまくつなげられなかったです。
きさら
★0
「親指よっつ」が気になりすぎて他の部分がどうでもよくなります、面白いです。「好」のお題に対してこの歌を出してきたのですから、もちろん主体は「きみ」に好意を抱いているのでしょう。きみの方も主体をにくからず思っていてくつしたを差し出してくれる。それにしても親指よっつとは……。リアル歌会で議論したらさまざまな解釈が出てきて盛り上がりそうな歌です。
芍薬
★0

真夜中のサジタリウスと港の灯泡と涙と人魚の訳は

出詠名 病理所見甘酢あんかけ × aokikenichi
42 / 4 ×0 ×4 ×7

互選名 梅丘つばめロサ・ブラックティーハシリドコロ涅槃girl雀來豆月骨安達太良街田青々きさら秋中弥典水無月水有

選評名 人魚と泡からは童話を思い出しますが、童話では泡と涙と人魚は同時に存在していない気もするので、こだわらずに読もうと思いました。しかしこの短歌をつらぬくテーマを読み取れませんでした。
中本速
★0
失恋の歌かなと思いました。好きな人と一緒になれなかった人魚は泡になって消えてしまいましたし、射手座のサジタリウスが出てきたところも、意中の人を射止められなかった、という象徴だったのでしょうか。
ロサ・ブラックティー
★0
下の句の単語から調べて、人魚姫がモチーフなのだとわかりました。泡とあるので人魚姫の恋は悲恋に終わったのでしょう。悲恋に終わったのは、自分の思いを優先させずに王子の幸せを願ったからでしょうか。ここから上の句へ戻ると、真夜中の港の灯は、海の男達の帰る場所のように思えます。サジタリウスは主体で、矢を射るのを思いとどまったという意味かなと思いました。
きさら
★0
例えば下句が「人魚の泡と涙の訳は」であればなんとなく意味は通る(歌意はわからないにしても)わけですが、あえてパズルのよう再構築されているイメージです。そこにもう少し上句とのつながりがあれば面白かったかも知れないと思いました。
泳二
★0
ありがとうございました!お読みいただき大感謝!評が死ぬほど嬉しかったです!
甘酢あんかけ
★0

図書室で綴り続ける詩のかけら空に放てば初恋の虹

出詠名 せつなみゅーじっく砂狐 × 涅槃girl
43 / 3 ×0 ×3 ×13

互選名 棲絵妥ろか梅丘つばめガイトさんニッキ甘酢あんかけ若紫音佳ロサ・ブラックティーnu_ko月骨街田青々谷口泰星朝野陽々きさら秋中弥典静ジャック

選評名 詩のかけらで虹になるということは、詩のひとつひとつは大きな形を得ておらず、しずくのような小さな存在だったのかもしれません。短歌としては、詩と初恋と虹の結びつきに強い思いを感じませんでした。
中本速
★0
学校での初恋 ということは分かりますが主人公(主体とか言うのか?)の感情が伝わってきませんでした。
@aokikenichi
★0
図書室で詩のかけらを「啜り続ける」という表現が面白かったです。生きるのに必要なものを摂取するかのように詩歌を読んでしまうこと、ありますよね。ただ「空に放てば」は何を意味するのかわかりませんでした。自分なりの創作、昇華でしょうか。だとするとその結果として初恋の虹か現れる、という因果も不思議です。ありきたりになりすぎるかもしれませんが、初恋の戸惑い→図書室で詩を読む→何らかのアクション、という流れのほうが読みやすかったように思います。
秋山生糸
★0
一緒に勉強をしているとか手紙を書いているというのではなく、詩のかけらという事なので、恋に恋する片思いの状態かなと思われます。それが虹になる。かけらが一編の詩になったのでしょうか。それともこんなに人を好きになれて良かったと感慨に耽っているのでしょうか。全てがイメージの言葉なのも、具体的な行動に移せない初恋と重なる部分を感じました。
きさら
★0

叩きつけられたベースが山となり好事家の祖母「世継ぎはおまえ」

出詠名 春のジャパニーズプアジョーカーズミツル × 袴田朱夏
44 / 3 ×0 ×3 ×6

互選名 ロサ・ブラックティーとうてつ雀來豆月骨えんどうけいこ街田青々とよよんきさら秋中弥典

選評名 ベースとは楽器のベースでしょうか。そんな乱暴な人を世継ぎとみなすから好事家なのかもしれません。
中本速
★0
ベースが、楽器のベースなのか、野球のベースなのか、なにかのメタファーなのか、叩きつけられたという形容詞だけでははっきりしないと思いました。さらに、叩きつけられたのだから、叩きつけた主体と、叩きつけられた相手がいるのですが、それもはっきりしない。下の句は楽しいと思いました。好事家は、風流を好む人という意味なのですね。韻律はいいです。
とよよん
★0
楽器のベースと思います。
叩きつけたことを理由として「世継ぎ」なのか元々「世継ぎ」と決まっていて、そろそろ音楽やめななのか。
「好事家」としているとうことは前者かなと思いますが、歌として共感できるところがないかなと。
@aokikenichi
★0
好事家、世継ぎ、という言葉でなんとなく昭和の雰囲気を感じてしまうのはわたしだけでしょうか。そんな、最近では使用頻度が少なくなっている言葉と、ベース(楽器と読みました)との取り合わせが面白いですね。ハイカラなおばあさまをイメージしました。
えんどうけいこ
★0
ぱっと字面を見たときに、世継ぎとして育てられ本来やりたいベースをあきらめた歌かなと思いましたが、山となるなら演奏上のパフォーマンスかなと。さらに好事家の祖母が言い渡すとなると、破天荒さに資質を見出だして世継ぎを勧めたことになります。このお祖母様も破天荒ですね。
きさら
★0
最下位ではありましたが、いろいろな解釈、評をくださりありがとうございました!今後の参考にさせていただきます。
(歌意はおよそきさら様のお書きのとおりです。)
袴田朱夏
★0

誤登録

出詠名 アノマロカリスが見た夢の話他人の見た夢の話 × 藍笹キミコ
45 / 0 ×0 ×0 ×0

互選名  Don't Mind... 

選評名

cancel

出詠名 小麦粉生まれ中野屋育ち寺村たこ × 朔日るこみ
45 / 0 ×0 ×0 ×0

互選名  Don't Mind... 

選評名

cancel

出詠名 青春ノイズ三海詩野 × 藍野瑞希
45 / 0 ×0 ×0 ×0

互選名  Don't Mind... 

選評名


参加者一覧

エントリーコンビ
シジンズ中本速 × とうてつ
頑張ることを頑張ります
総務部総務課小川けいと × 寿々多実果
宛名のない領収書は認めません
アノマロカリスが見た夢の話他人が見た夢の話 × 藍笹キミコ
アノマロカリスは他人が見た夢をみるか?
有楽町チョコミンツ天田銀河 × 芍薬
アイスを買って日比谷公園まで歩こうよ
関西センチメンタルず街田青々 × 小池佑
気まぐれロマンティックなので
奥歯ガタガタガールズ秋中弥典 × ハナゾウ
いてまえやてまえ
そよ風とそよ風山口綴り × 安達太良
つよい風は送れません
ぬんnu_ko × ねん
恋バナが大好物!
天地逆転塾カレー × 棲絵妥ろか
前途多難
spicesニッキ × シナモン
八ツ橋はだんぜん生派
toromytoron* × 近江瞬
互いに罵倒し合いながら最終的に仲良くなるオードリー&のだめカンタービレスタイルで臨みます!
4の4のの × 404notF0816
ポンコツポエジー(遅刻厳禁)
ペアガラス近藤竹 × ともえ夕夏
二重窓にして挑みます!
河原コハイ河嶌レイ × 千原こはぎ
久々タッグで参戦ー!楽しむぞー!✧*。٩(ˊωˋ*)و✧*。
チーム川月丘ナイル × 秋山生糸
ナイル川と揚子江は川の長さ世界一位と三位です
肺の花屋未補 × 斎藤秀雄
ミルクの膜に傷をつけるじかん
ほしのなまえ谷口泰星 × せしん
一番星に、おれはなる!
夜の凪、花色の朝夜凪柊 × 花房香枝
日々を生きてる
裏のある占い師えんどうけいこ × 吉岡繁樹
屈託ある二人の結託
怪盗14そうめん霧島龍 × 鴨衣
ヤクルトは全部剥がす派な深淵の迫害者
愛の世代の前にばらっち × 雨虎 俊寛
薔薇に雨降りそそぐ(何事もゼロからはじまるのです)
あおりイカ夏山栞 × 若枝あらう
「酒をあおる」のほうです。
偏西風西鎮 × 神丘 風
いつでも吹いてます
ハイドロシャイニーアイズ外川菊絵 × なぎさらさ
めぢから!
まっしろしろすけあひるだんさー × しらくま
ぽん!
わくわくらげ岩倉曰 × 海月ただよう
おいしい岩塩でたくましく育ちます。
さんずい泳二 × 水無月水有
水無き水を泳ぐ月二つ有り
みなとまちガイトさん × 若紫音佳
一生懸命頑張ります!応援よろしくお願いします!きおつけ!礼!お願いしまーす!
ユミと鱚太の大人のおでんエノモトユミ × 小俵鱚太
味の染みた大根役者&その筋の牛スジ
羽と空港はね × 平出奔
羽田の発音でお願いします………!
梅おにぎり梅丘つばめ × あまの太郎
若者とおじさんの化学反応に期待
肉玉そばW堂那灼風 × 知己凛
お好み焼き界の鉄人
バターになって、ぶどうぱん。愁愁 × 高野 蒔
しうまいとはるまき
ゆみとよだよとがし ゆみこ × とよよん
『楽詩』から誕生した迷コンビ!ゆみこ&とよよんだよ
空に浮かぶ子供 雀來豆 ×  月骨
豆と月
座り念仏罰ライスハシリドコロ × DEGwer
論文になったことがありません Link 家
ヤバめカンタービレ千仗千紘 × 笠原楓奏(ふーか)
その案件、わりとヤバめカンタービレじゃない?
二刀開眼大葉れい × 逢
極への道のりは長い
きくらげむかなむとうゆか × 真壁カナ
ゆるふわきくらげ(腹八分目)
いろとりどり深水きいろ × にわとり
黄色い鳥がにゃおと鳴く
病理所見甘酢あんかけ × aokikenichi
主題歌はどうせ中嶋美嘉だろう
せつなみゅーじっく砂狐 × 涅槃girl
時はきた!!!!!
それだけだ!!!!!
春のジャパニーズプアジョーカーズミツル × 袴田朱夏
お前らみんな大好きだ
アノマロカリスが見た夢の話他人の見た夢の話 × 藍笹キミコ
アノマロカリスは他人の見た夢を見るか?
小麦粉生まれ中野屋育ち寺村たこ × 朔日るこみ
中野屋は龍安寺駅近くのうどん屋です
青春ノイズ三海詩野 × 藍野瑞希
青春とは嘘であり、悪であり、ノイズである

47組 

とがし ゆみこ[*]岩倉曰[*]棲絵妥ろか[*]近江瞬[*]夜凪柊[*]知己凛[*]梅丘つばめ[*]袴田朱夏[*]尾崎飛鳥[*]赤片亜美[*]ガイトさん[*]りん2[*]中本速[*]笠原楓奏(ふーか)[*]堂那灼風[*]ニッキ[*]山口綴り[*]ハナゾウ[*]モカブレンド[*]青山祐己[*]西鎮[*]深水きいろ[*]外川菊絵[*]宗谷燃[*]甘酢あんかけ[*]若紫音佳[*]寿々多実果[*][*]せしん[*]ミツル[*]小俵 鱚太[*]DEGwer[*]小池佑[*]かつらいす[*]ともえ夕夏[*]霧島龍[*]ロサ・ブラックティー[*]ハシリドコロ[*]他人が見た夢の話[*]近藤竹[*]真壁カナ[*]nu_ko[*]涅槃girl[*]砂狐[*]ばらっち[*]とうてつ[*][*]小川けいと[*]@aokikenichi[*]未補[*]千仗千紘[*]雀來豆[*]月骨[*]秋山生糸[*]天田銀河[*]えんどうけいこ[*]花房香枝[*]西あおい[*]千原こはぎ[*]芍薬[*]あまの[*]大葉れい[*]安達太良[*]夏山栞[*]塾カレー[*]河嶌レイ[*]街田青々[*]海月ただよう[*]とよよん[*]雨虎 俊寛[*]404notF0816[*]神丘[*]なぎさらさ[*]月丘ナイル[*]谷口泰星[*]しらくま[*]朝野陽々[*]斎藤秀雄[*]藍笹キミコ[*]愁愁[*]ルナク[*]toron*[*]きさら[*]高野 蒔[*]秋中弥典[*]若枝あらう[*]むとうゆか[*]吉岡繁樹[*]シナモン[*]中牧正太[*]はね[*]平出奔[*]静ジャック[*]葵の助[*]鴨衣[*]のの[*]泳二[*]水無月水有[*]あさのまや[*]がね

100名 


春分の歌会R-2ぐらんぷり