連歌の花道『新月ノ歌会』

卯月の歌会

新月ノ歌会工事中

夢で会う約束がある 傘立ての底にうまれた夜のみずうみ 久藤さえ × 西藤智

平成31年度 卯月の歌会『下弦の部』

 上の句に付ける下の句を出詠ください

詠草リスト

[今回の投票式目]
特選(2点)×1票
並選(1点)×5票
次選(0点)×∞票
互選(2点)×1票

冠港としての午後の教室

出詠名 甘酢あんかけ
首席 / 29点 ×8 ×11 ×4 ×1

互選名 りん2つだみつぐ袴田朱夏NATURA古志野光さかなかな尾渡はちロサ・ブラックティー芍薬榊 康もーたろ千仗千紘蟻男常盤このはきつね衣未(みみ)きい404notF0816さち水無月水有静ジャック甘酢あんかけ

選評名 いま、午後の教室にいる二人、でも二人はすでに、永遠の航海にこぎ出している。この教室は航海の途中に立ち寄った港の一つ。これから無数の港に立ち寄りながら、僕たちはずっと一緒だ。
つだみつぐ
★0
思い合う二人が午後の授業中居眠りして、同じ夢を見る。目が覚めて戻ってきたのはいつもの気だるい教室。ここには必ず戻らないといけない、でも私たちを必ず受け止めてくれる、あたたかな、やさしい教室。

といったところでしょうか。居眠りのことを「舟を漕ぐ」なんて言いますし、港=教室の例えもとても巧みです。
袴田朱夏
★0
私は、クラスメートの恋人同士が、まだ眠くない午前中からお昼休みにかけてアツアツモードで飛ばしていたのだけれど、ランチ後のお昼からはいつものように眠くなり、一通りの愛のささやきも一段落して、二人とも幸せな気分で古文の授業なんか聞きながら、まどろんでいる感じを想像しました。いいお歌です。
NATURA
★0
若干説明的と感じましたが、それ以上に上手い歌だと思いました。
「午後の教室」と聞くと、「ふたり」ではないように感じてしまいそうなのも少し残念でした。
古志野光
★0
もしかしたら歴史の授業を受けているのかもしれないなーと思いながら読みました。歴史以外でも例えば言語や数学も先人が時間をかけて作り上げたものなので「時の舟」に当てはまるのかも。午後のゆるやかな教室の雰囲気が伝わる良いお歌ですね。
尾渡はち
★0
勝手な想像なのですが、大人になってから再会したふたりが懐かしの校舎の教室に立ち寄ったという場面を思い浮かべました。思い出の流れる中、あの頃へと舟は遡ってゆくように。
いろんな読み方があると思いますが、それだけ物語を想像させる一首になっていて素敵です。

★0
授業中に二人は居眠りをして同じ夢を見ているように思いました。
午後という時間の設定からおだやかさ、あたたかさを感じます。
きつね
★0
「午後の教室」という結句が巧みですね。人物とともに、柔らかな光が差し込んでくる様子が見えてきます。
さち
★0
水とは全く関係ない場所を舞台にしたことに「おおっ!」となりました。午後なのも初夏の静けさや舟という言葉との相性が良くていいと思います。
水無月水有
★0
お読みいただきありがとうございました。こんなに評を書いていただけてありがたい限りです!こんなにいろいろなストーリーをそれぞれの方が考えてくださり読むのが大変楽しかったです。私は、夏期講習が終わった後の静かな教室を思って詠いました。お花もありがとうございました。
甘酢あんかけ
★0

海と空とを切りわけてゆく

出詠名 西鎮
2 / 22 ×5 ×10 ×5 ×1

互選名 りん2知己凛NATURA甘酢あんかけ古志野光キールさかなかな尾渡はちロサ・ブラックティー榊 康もーたろ千仗千紘蟻男常盤このはきい藤 かづえ404notF0816さち静ジャック西鎮

選評名 時と海と空と。壮大な世界観がいいなと思いました。
知己凛
★0
雲一つなく、海の色と空のいろが同じに見える瞬間が確かにあります。冬の雨の日の灰色のそれを知っています。でも、初夏の晴れわたる空ならば、ふたりの舟がゆれる海の色と同じかも。それを分かち進む舟は、やはり一艘。同じ舟に乗っている絵が描けました。
さかなかな
★0
水平線がわからない程、海と空の色が一つになった中を、ふたりの乗った舟の航跡が、そこで空間が二つに分かれていることを示すのでしょうか。「切り分けて」という言葉に、颯爽と、そして何か確固とした心持を感じます。
ロサ・ブラックティー
★0
ダイナミックなくっきりとした景色が目に浮かび、夏らしい空気を感じられました。
甘酢あんかけ
★0
詠者は空と海、そして水平線を「時」に見立てているのではないか。示されていない「今」としての水平線が浮かび上がってくる。ふたりは、その「今」で過去と未来に切り分けている。その景色と相まって美しく時の流れを表している。そう捉えました。
もーたろ
★0
雄大な景を勇ましくゆく姿が浮かびました。その雄々しさがいいな、と思います。
藤 かづえ
★0

同じ記憶の海原にいる

出詠名 千仗千紘
3 / 18 ×2 ×12 ×5 ×1

互選名 りん2知己凛NATURAキールさかなかな尾渡はちロサ・ブラックティー芍薬榊 康もーたろ蟻男常盤このはきつねきい藤 かづえ404notF0816静ジャック千仗千紘

選評名 追憶でしょうか。「同じ記憶」がいいなぁ~。感情にゆっくりと寄り添うように溶け込んでくる下の句です。海原とされたことで優しい時間の流れに、読者をいざなうように演出されているように思いました。
榊 康
★0
しみじみ良いなと思います。広大だけれどもきっと凪いでいて静かな海原なんでしょう。
尾渡はち
★0
「ゆれる」という心地よさと、一つの舟に乗り、同じ時間を共有している、という一体感に、心安らぐ感じがしました。
ロサ・ブラックティー
★0
なんとなくこのふたりはもうこの世にいない気がしました。天国へ行っても同じ思い出を抱いて過ごしている、そんな景が浮かびます。記憶は海馬が司るので「海原」という海のチョイスも素敵でうっとりしました。
芍薬
★0
ああ、そういう見方も素敵ですね(^^)一人の人の、一個の記憶の中には、いつもふたりが一緒で、というのも、思い出としては、客観的に切なく美しいです。
ロサ・ブラックティー
★0

ひかりのほうへ漕ぎ出してゆく

出詠名 寿々多実果
4 / 16 ×3 ×8 ×7 ×1

互選名 つだみつぐ西鎮甘酢あんかけ古志野光ロサ・ブラックティー榊 康ゆりこ千仗千紘常盤このはきつね衣未(みみ)きい藤 かづえ404notF0816水無月水有静ジャック寿々多実果

選評名 上の句の「はつなつ」と相まって、二人は、とても強い光、二人とも見たことがないほど強い光の中にいる。二人がともにそれを望んだのだ。もしかしたら光っているのは彼ら自身かもしれない。
つだみつぐ
★0
上の句で明るさを感じ、下の句で確かな光のほうに向かうところがうまくつながっていると思いました。上の句も下の句も抽象性が高く内省的。さわやかでまばゆい一首です。
甘酢あんかけ
★0
私も上評の方たちの様に、新鮮でまばゆい「ふたり」が見えるようでした(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
流れに身を任せるのではなく、自ら漕ぎ出すという積極的な姿勢が素晴らしいと思います。
ゆりこ
★0
二人が過ごしてきた時間を大切にしながら、今後とも添い遂げていく予感を思わせる下の句に惹かれました。
上の句の「舟」を受け、「漕ぎ出してゆく」と前向きに表した点も印象的で、とても素敵な歌です。
千仗千紘
★0

はつ恋をなほくりかえしをり

出詠名 袴田朱夏
5 / 15 ×2 ×9 ×6 ×1

互選名 つだみつぐ西鎮知己凛NATURA古志野光尾渡はちロサ・ブラックティー榊 康もーたろゆりこ寿々多実果きつね衣未(みみ)きい404notF0816静ジャック袴田朱夏

選評名 タイム・ループでしょうか?
人生のいちばんすてきな一日を繰り返し追体験している、それほど二人は深く愛し合っている。
4句は「なほはつ恋を」の方がリズムがいいと思います。
つだみつぐ
★0
上の方がおっしゃっていますが、私は4句目はそのままでいいと思いました。「なほ」が繰り返している様を強調していると思ったからです。
音読したとしてもこのままの語順が私は読みやすかったです。
好みがあるので上の方のお考えを否定するわけではありません。
知己凛
★0
票&評、お読みくださりありがとうございました、うれしいです!語順は悩みましたが、上の句と下の句の頭韻を優先しました。もっと致命的なミスは、
【誤】くりかえし
【正】くりかへし
です。精進します。
袴田朱夏
★0

編まれし海をほどきつすすむ

出詠名 もーたろ
6 / 14 ×2 ×8 ×2 ×1

互選名 西鎮知己凛さかなかなロサ・ブラックティー芍薬榊 康千仗千紘常盤このはきつね404notF0816さちもーたろ

選評名 海の波がまるで美しい模様のよう、そんな情景が見えました(^^)時間を紡がれた海の様なものとするならば、ほどきながら進むのは、心が打ち解けていくさまを詠っているように感じます。
ロサ・ブラックティー
★0
海というとただ青く広がるだけの平面を思い浮かべがちですが実際には波あり渦ありで入り組んだ三次元の世界なのですよね。それを「編まれし」という言葉にしたところが秀逸でした。すこしややこしい関係のふたりなのでしょうか。分かり合おうとお互いをほどいているさまが浮かびます。
芍薬
★0
「編まれし海」に強く惹かれました。広大な海の無数の波紋やうねりを巧みに表現するとともに、「ふたり」の心が打ち解けてゆく様へ繋げ、翻って上の句で詠まれている景を更に大きく深めているようで。素晴らしいと思いました。
新学期に出会った二人が、少しずつ言葉の海を編み、ほどき、打ち解けてゆく様子に感じました。
西鎮
★0
「編まれし海」自分もいいなと思いました。
きつね
★0

語るべきことみな失ひき

出詠名 つだみつぐ
7 / 14 ×1 ×10 ×5 ×1

互選名 西鎮NATURAキールさかなかなロサ・ブラックティー芍薬榊 康もーたろ千仗千紘きつねきい藤 かづえ404notF0816つだみつぐ

選評名 もう互いにそばにいるだけで、言葉はいらなくなってしまった。そう思えてくる時空を築けたふたりから、言葉では語りきれない(言葉以上の)ものが伝わり胸に迫ります。失ひ「き」と記憶想起の助動詞で締めくくることで上の句とも響き合い、余韻が残るように思います。
榊 康
★0
どれだけ長い時間をともにすごしてきた二人なのでしょう。もう何も言葉にしなくとも心で通じ合える、そんな関係をわたしも築いてみたいです。
芍薬
★0
結句の「失ひき」につよく惹かれました。なんだろう、ふんわりとした上の句にこのきっぱりした下の句が印象的でした。歌意としてはふたりの良い関係にも悪い関係にも取れると思うんですが、そういうところも含めてとても気になるお歌でした。
きい
★0

しずかに待てりまもなくの恋

出詠名 キール
8 / 11 ×1 ×7 ×7 ×1

互選名 知己凛袴田朱夏NATURA尾渡はちロサ・ブラックティー榊 康もーたろゆりこ蟻男きい404notF0816水無月水有キール

選評名 まもなくの恋が良いですね。静かでかすかな予感。
尾渡はち
★0
「しずかに待てり」に時の流れに委ね、自然に結ばれてゆくふたりの関係が見えてきそうです。そしてたがいが優しく見守る感じも伝わってきました。「静かに」と漢字でしたら、手を尽くしあとは結果待ち、みたいな感じになっていたように個人的に思います。「まもなくの恋」も約束されたように確信を持っているというよりは、心の内では「もうそろそろ(^_^;)」と互いの切なる願いのように響いて来ました。
榊 康
★0
まだ “恋”ではないのですねー。
ふたり共に 静かに待っている。
ふたり共に そうなる事を望んでいる。
そんな感じが こそばゆく、好きな歌でした。
蟻男
★0

<kana>故<:>ゆえ</kana>に時間は“流れる”と言う

出詠名 蟻男
9 / 10 ×3 ×2 ×4 ×1

互選名 りん2西鎮古志野光ロサ・ブラックティー榊 康寿々多実果さち蟻男

選評名 たった14音で、歌全体を哲学的な文言にしてしまう力に驚きました。普段何気なく使っている「時間は流れる」という、時間を水の流れに重ねているという比喩を落とし込むことで、ロマンティックな雰囲気になりすぎないことが可能となっているのでしょう。冒頭「はつなつ」から最後まで読み進めていくことで、時間が流れ、季節が移ってゆくことと共にふたりの物語はどう変化してゆくのか気になりました。
りん2
★0
説明口調でありながら、ちゃんと詩になっていますね。なぜだろうと考えてみたのですが、恐らくは「時の舟」という比喩が上の句を詠まれた方が「時間の流れ」という言い方をする事から発想されたものだからだと思い立ちました。この発想がよくある物かどうかはともかく「時間は“流れる”と言う」の方が明らかに先にあるのに、語順と「故に」で因果をひっくり返っているる。これによって何気なく使っている表現が実は詩的なものだったんだという気付きをもたらしてくれています。
さち
★0

とおくへ遠くへ夜を旅する

出詠名 404notF0816
10 / 9 ×1 ×5 ×5 ×1

互選名 甘酢あんかけキールロサ・ブラックティー榊 康寿々多実果千仗千紘蟻男藤 かづえ水無月水有静ジャック404notF0816

選評名 上の句で開放感がある景色が見え、下の句でさらに広がりが増し、夜という果てが見えないイメージが加わることで、永遠の時の流れを感じられました。
甘酢あんかけ
★0
「とおく」の音を重ねることでうたのスピードが遅くなり、舟のゆったり進む雰囲気が出ていて良いと思いました。上の句のテンションというかトーンに、一番違和感なく続けている下の句だと思います。ただ上の句も下の句も同じ程度にふわっとしている印象なので、もう少しフォーカスをかけてみたり(「夜」をもっと一瞬の時間にするとか)、逆に更に何も言わずにふんわりを極める(とおくへ遠くへ遠のいてゆく、とか)などしてみても、また面白いかもと思いました。

★0

流れるようなさみどりの街

出詠名 きつね
11 / 9 ×0 ×7 ×7 ×1

互選名 西鎮甘酢あんかけさかなかな尾渡はちロサ・ブラックティー榊 康ゆりこ常盤このは衣未(みみ)きい藤 かづえ静ジャックきつね

選評名 ふたりから街へと景色が広がってゆくのが、一枚の絵を見るような感覚で好きでした。流れていくのは日常とは少し違うさみどりの街。ふたりだけの時間が濃く反映されているように思います。

★0
ゆったりとした時の流れが、さみどりの街という初夏を思わせる空間を満たしていることが、まぶしく感じられる一首になったと思いました。
甘酢あんかけ
★0
時の舟から見る街が、さみどりに流れるように見えるのがいいなあと思いました。周りの景色が美しくさみどりに映え、この二人はきっと今幸せなんだろうという気がして、ほっこりしました。
きい
★0

雲ひとつない空をわけあう

出詠名 きい
12 / 8 ×1 ×4 ×9 ×1

互選名 西鎮袴田朱夏ロサ・ブラックティー榊 康寿々多実果千仗千紘蟻男藤 かづえ404notF0816さち水無月水有静ジャックきい

選評名 文句ないさわやかな初夏の歌。
袴田朱夏
★0
「わけあう」というやさしさに魅かれました(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
追、映像的に(^^)広い水の真ん中に浮かんだ、小舟という小さな空間に、ふたり寝転んで、空だけ見ている・・情景が見えました。
ロサ・ブラックティー
★0

叶わぬ恋の岸辺によどむ

出詠名 NATURA
13 / 8 ×1 ×4 ×8 ×1

互選名 西鎮袴田朱夏キール尾渡はちロサ・ブラックティー榊 康もーたろゆりこ寿々多実果千仗千紘藤 かづえ404notF0816静ジャックNATURA

選評名 はつなつのふたりは何か事情があって叶うことのない恋をしているのですね。本当なら時の舟を前にすすめ、この恋を深めていきたいところなのでしょうけれど、進むことができない、許されない。それを「よどむ」とされたところが秀逸だと思いました。はつなつのあとには恋の季節「夏」が来るというのに。上の句からの流れも自然ですし、美しく切ない恋のお歌に仕上がっていると思いました。
キール
★0

 みずをすくえば若葉の光

出詠名
14 / 8 ×1 ×4 ×5 ×1

互選名 西鎮袴田朱夏甘酢あんかけ古志野光尾渡はち榊 康衣未(みみ)きい藤 かづえ静ジャック

選評名 こちらも初夏のきれいな歌。きれいな水の色ですね。
袴田朱夏
★0
綺麗だなあと思いました。
衣未(みみ)
★0

あした銀河に着水予定

出詠名 藤 かづえ
15 / 8 ×0 ×6 ×8 ×1

互選名 りん2袴田朱夏NATURAキール尾渡はちロサ・ブラックティー芍薬榊 康寿々多実果千仗千紘404notF0816さち水無月水有静ジャック藤 かづえ

選評名 他界した二人でしょうか。最高の船旅なのかもしれません。
袴田朱夏
★0
銀河に「到着」ではなく「着水」としたところが好きです。
芍薬
★0
着水が面白いですね。着水なので天の川銀河でしょうか。明日から遠距離恋愛になる予定なのかな。ちょっと心配(^_^;)。
榊 康
★0

いつしかたどり着いたらスピカ

出詠名 知己凛
16 / 8 ×0 ×6 ×4 ×1

互選名 つだみつぐ西鎮袴田朱夏尾渡はち榊 康千仗千紘藤 かづえ404notF0816さち知己凛

選評名 歌意を読み解くのに結句が体言止めでしたので、スピカに注目させて頂きました。スピカは春の大三角形の一端を担う乙女座の一等星ですね。ここを足掛かりに紐解いてみました(^_^) 上の句のふたりのうちの一人であるスピカの前に、思いがけず第三の気になる男性が現れ、この後のふたりの心のゆれも気になってくるところです。下の句に物語性を感じまた同時に、詠み人が短歌をとても楽しんでおられることを語りかけてくるような感覚を覚え、読ませて頂いていて楽しかったです。
榊 康
★0

 出逢い直そうあの教室で

出詠名 しまりす
17 / 7 ×0 ×7 ×2 ×0

互選名 西鎮知己凛ロサ・ブラックティー榊 康もーたろ常盤このはさち静ジャック

選評名 一読してドラマ「プロポーズ大作戦」がよみがえり、主役のケンゾー(山下智久さん)がもし短歌を詠んだら、上の句も含めこの一首のように詠みそう。そのような感じで読ませて頂きました。一字開けに、ふたりが辿ってきた物語(歴史)みたいなものを垣間見たようです。
榊 康
★0
暗い感じはしないので、時間をさかのぼって、教室で初めて会った、その時の新鮮な気持ちを思い出そう、と言っている様に思いました。爽やかで甘酸っぱい感じがします(^^)
ロサ・ブラックティー
★0

いまふたたびの帆の膨らみぬ

出詠名 さかなかな
18 / 7 ×0 ×5 ×5 ×1

互選名 西鎮甘酢あんかけキール尾渡はちロサ・ブラックティー榊 康寿々多実果きい藤 かづえ404notF0816さかなかな

選評名 帆が膨らむという表現がポジティブで明るくさわやかで、若い二人のこれからの青春を想像しました。開放感がここちよいです。
甘酢あんかけ
★0
時の舟に揺れるふたりに今、いい風が吹いてきたような気がしました。ふたりの関係性にもなにか変化が起こるような、わくわくした気持ちになりました。
きい
★0

地図は持たずにまどろみを追う

出詠名 尾渡はち
19 / 6 ×0 ×4 ×7 ×1

互選名 西鎮NATURA甘酢あんかけキールロサ・ブラックティー榊 康寿々多実果蟻男衣未(みみ)さち静ジャック尾渡はち

選評名 人生という旅の地図(人生設計図)を持ち出し、歩み続けていると時々息切れを起こし疲れ切ってしまう瞬間がありました。流されてみよう。そう思える時代もありました。そんなことを思い出しつつ読ませて頂きました。
榊 康
★0

夢の終わりを待たずにねむる

出詠名 芍薬
20 / 6 ×0 ×4 ×5 ×1

互選名 知己凛NATURA甘酢あんかけロサ・ブラックティー榊 康ゆりこ常盤このはさち芍薬

選評名 今こうしているだけでも夢のような時間で、そのまま眠りにつきたい。「終わり」を気に掛けてるところに、初々しいふたりのぎこちなさ・心の揺らぎみたいなものが暗に示されているようで、素直な気持ちが歌われているように思いました。
榊 康
★0
舟は、或いは「ふたり」はどこへ向かっていくんだろうという事ばかり考えていたので、この着地にはハッとさせられました。
さち
★0

 見て、ほととぎす。泉のほとり

出詠名
21 / 6 ×0 ×4 ×2 ×1

互選名 つだみつぐ榊 康きい藤 かづえ

選評名 海を想像させる歌にあって泉を詠われていて、昔読んだ一文に「山に泉を求める人が(人を求めるなら)いい」みたいなことが書かれていたのを思い出します。その章で「愛は熟練の鍛冶屋が打つ名刀のようなもので、相手を変えていったり、いたずらに時を重ね作れるものではない」と語られていたのも印象的でした。すみません。脱線しましたm(_ _)m このふたりの様な時間の過ごし方に憧憬の念を抱きます。三句あとのスペースそれに句読点に、突然目の前にほととぎすが姿を現した様子が伝わり、臨場感を持たせているように思いました。
榊 康
★0
会話をそのまま下の句にしたように感じました。自然体で面白いな、と思いました。
藤 かづえ
★0

小さき鳥らと会釈をかわす

出詠名 水無月水有
22 / 5 ×0 ×3 ×5 ×1

互選名 つだみつぐNATURAロサ・ブラックティー芍薬榊 康きいさち静ジャック水無月水有

選評名 月の光が水面にまばゆくたゆたう中、舟のへりに静かに舞い降りた二羽の小鳥。コルリのような青い鳥かな(^_^) ふたりの方を見ながら美しく会話のように囀りかける小鳥たち。会釈のように耳を傾けるふたりに、時間は優しく流れ・・・。そのような光景を引き出してくれる歌です。詠み人の可愛らしさが「会釈をかわす」ににじみ出ていますね。
榊 康
★0

晴れてむかえる三元号目

出詠名 さち
22 / 5 ×0 ×3 ×5 ×1

互選名 袴田朱夏ロサ・ブラックティー榊 康寿々多実果千仗千紘蟻男きい静ジャックさち

選評名 昭和・平成・令和と添い遂げて(現在も継続中)きたのなら、・・・少なくとも94年目!!
ロサ・ブラックティー
★0
昭和から長い時間を共に過ごしてきたふたりが「はつなつ」五月に改元を迎える。これまでいろんなことを乗り越えてきた「時の舟」もこの先はゆったりと進むのではないでしょうか。
寿々多実果
★0
はつなつ の“初”の響きからか、若い“ふたり”の歌が多かった中、
なんて素敵なカップル像でしょう!
時を体現するような 穏やかなお顔が見えるようです。
蟻男
★0
皆様、ご鑑賞ありがとうございました。上の句と同じく、どうしても新元号「令和」から離れられなくて、このような句ができました。
さち
★0

心に水脈(みお)をひきて航らむ

出詠名 榊 康
23 / 5 ×0 ×3 ×3 ×1

互選名 西鎮袴田朱夏NATURAロサ・ブラックティー常盤このは衣未(みみ)榊 康

選評名 時の舟、という抽象的な表現に負けず、水脈を持ち出した点にじわりと感じるものがありました。
袴田朱夏
★0
袴田朱夏さま
評に票までありがとうございます<(_ _)> 五月から万葉集より引用されし新元号ということで、和歌のテイストで詠ってみました。心の水脈を感じて頂きありがとうございました(^o^)/ 私事ですが令和元年から洋楽のレパートリーを毎年一曲ずつ増やそうかと目標みたいなものを立て、さしあたりフランク・シナトラの<夜のストレンジャー>かポール・アンカの<マイハートシングス>かで悩んでおります(^_^) それでは令和元年の新月の歌会で!失礼しま~す(^o^)/~
榊 康
★0
皆様へ
票ありがとうございました!素敵な下の句ばかりで、同じ上の句からこんなに素敵な歌が多く生まれるのだと感慨深く、幸せな時間を過ごさせてもらいました。感謝申し上げます。ありがとうございました<(_ _)>
甘酢あんかけ様首席おめでとうございます\(^o^)/。
榊 康
★0

焼ける日差しで目を覚ますだろう

出詠名
24 / 4 ×0 ×2 ×3 ×1

互選名 りん2袴田朱夏ロサ・ブラックティー榊 康千仗千紘

選評名 「焼ける日差し」に青春を感じました。<青春とは突然恋に目覚める(恋してしまう)時代>そう語っているように、下の句から感じさせてもらいました。
榊 康
★0

詠い漂ふ『言(こと)』の波の間

出詠名 ロサ・ブラックティー
25 / 4 ×0 ×2 ×3 ×1

互選名 西鎮NATURA榊 康もーたろ常盤このはロサ・ブラックティー

選評名 互いに詠み合う。そんな光景もこの下の句のように紡がれているのを読ませて頂くと、短歌を詠んでたらこのような詩性に出逢えるんだと幸せになります。「漂う」は「ゆれ」と響き合い、「言」も「」で括ったことで印象に残ります。「波間に」としてしまいそうですが、「波の間」と体言止めにされたことで、軽く流れてしまわず余韻が残ります。
榊 康
★0
評ありがとうございますm(__)m 本当は「波間に」にして茫洋感を出そうかなと思ったのですが、上の句に敬意を表しまして、今まさに波の真っただ中に居る『ふたり』に焦点を・・・(^^;)
ロサ・ブラックティー
★0
う~ん確かに人への敬意は大切。人にもよりますが僕に関しては、敬意より詠み人さんに<短歌って楽しい>と思えるような下の句を付けてもらいたいし、そう思ってもらえるような上の句が詠えたらと思ってます(^^)。私も連歌の花道でロサさんへの下の句は本当に自由に楽しく詠わせて頂いてます。最後に・・・どう読まれるのかを心配して説明的な作歌をするのではなく、詠いたいように詠えるのは、ロサさんをはじめここの歌会の方々はしっかり読んで頂けるという信頼があるからで、ここは詠むだけでなく読むレベルも高い歌会だと思います。しっかりと読む、そのことでロサさんは私たちに十分に敬意を払われると思いますよ(^_^)。
榊 康
★0
いつのまにか御返事が(^^)
ぎりぎりながら、次の月の句を書き直しにきたのですが、書き直せるか(^^;)
ロサ・ブラックティー
★0
書き直して来ました。huhuhu(^^)
ロサ・ブラックティー
★0

鼻唄うたい路地裏をゆく

出詠名 りん2
26 / 4 ×0 ×2 ×2 ×1

互選名 西鎮榊 康さち静ジャックりん2

選評名 舟が路地裏をゆくという発想が奇抜で、あるいは回想をしているところなのでしょうか。
静ジャック
★0
大正浪漫の風を感じます。高瀬川を降りたふたりの姿は、祗園の裏小路へと・・・。鼻<唄>とされた所も祗園小唄と重なり、高瀬川の流れを引き継いで唄が流れているようで、とても風流に感じます。すみませんm(_ _)m チコちゃんに叱られそうなほどボーっとしていて、もっと早く歌意を読めていたらと思いました。本当に素敵な歌です!
榊 康
★0

五分間だけ未来を覗く

出詠名 静ジャック
27 / 3 ×0 ×1 ×5 ×1

互選名 西鎮NATURAロサ・ブラックティー榊 康404notF0816さち静ジャック

選評名 五分でいいの?(^_^) お相手がう~ん優柔不断な方ですと、恋愛の運命はかなり先の未来まで行かないと判断しかねそうです。ふたりでかなり先まで行ってはみたが、そこでも煮え切らない態度を取っていたら、舟で待っている光景は?いや!未来で見た光景では、とっくに彼女さんの方が見切りを付けていたかも。想像が楽しくなる下の句です(^_^)。
榊 康
★0

宝の地図を描きつつゆく

出詠名 常盤このは
27 / 3 ×0 ×1 ×5 ×1

互選名 NATURA甘酢あんかけ尾渡はちロサ・ブラックティー榊 康静ジャック常盤このは

選評名 舟と地図の取り合わせがいいですね。今はまだ未来予想図でも時を重ね、気が付けば宝の地図に仕上がっていた。そんな想像を楽しませてくれる下の句です。
榊 康
★0
描きつつゆくという、まだ未完成であることが、これから広がる未来を思わせます。宝を試行錯誤で探していくであろう初々しい二人をイメージできました。
甘酢あんかけ
★0

ほくろの位置を確かめ合った

出詠名 古志野光
27 / 3 ×0 ×1 ×5 ×1

互選名 袴田朱夏NATURAロサ・ブラックティー榊 康さち古志野光

選評名 あっ!そこから始まる恋 何だかわかる気がします。瞳を重ね合わせる所から入るのって少し敷居が高いよね。ほくろの位置は人にとって唯一無二のものだから、その人そのものを知ることに通じるものがありますね。
榊 康
★0

浜辺で拾う薄い貝殻

出詠名 衣未(みみ)
28 / 2 ×0 ×0 ×6 ×1

互選名 ロサ・ブラックティー榊 康常盤このは藤 かづえ404notF0816静ジャック衣未(みみ)

選評名 薄い貝殻が桜貝のような小さな貝を連想させて甘い感じがしてよかったです。
404notF0816
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‪ヘルメス照らす光となりぬ‬

出詠名 ゆりこ
29 / 2 ×0 ×0 ×5 ×1

互選名 甘酢あんかけロサ・ブラックティー榊 康常盤このはさちゆりこ

選評名 ヘルメス検索しました(^_^) オリンポス十二神の一人で旅人の守護神なんですね。ギリシャ神話を持ち出されたことが新鮮で、時の舟にも合いますね!ヘルメス加護の下、ふたりの未来に確かさみたいなものを感じました。
榊 康
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7月20日。またこんなところに来ているのですが。そういえば、ギリシャ神話の中に、ゼウスとヘルメスは共に旅していた話があったのを思い出しました。それを考えると、この「ふたり」は男と女でなくてもいいなぁなどと(^^)この「ひかり」も英知の光あたりかも・・・などと想像をめぐらせました(^^9
ロサ・ブラックティー
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Tポイントカード月POINTについて sing-for.month.jp/classic/tpoint.html
三ヶ月Data卯月の歌会下弦の部H31.04.20 up
順位筆名首席投句選句特選偏差EX合計

EX内訳

最優+3甘酢あんかけ

最黄+2千仗千紘

最緑+2きい

上下+1榊 康藤 かづえ芍薬キールNATURA404notF0816常盤このはきつね甘酢あんかけりん2水無月水有きい寿々多実果ゆりこロサ・ブラックティー袴田朱夏さち衣未(みみ)さかなかな知己凛静ジャック蟻男もーたろ尾渡はち

初回+1千仗千紘つだみつぐしまりす尾渡はち

欠票-1しまりす

欠評-1しまりす常盤このは

六連+3寿々多実果もーたろきつねきいさかなかな水無月水有衣未(みみ)

のの+1全員(管理人欠席のため)

月開催後記


甘酢あんかけさんが初の下弦首席でした

通算120回出席: 知己凛

通算70回出席: 404notF0816


ありがとうございました 花

卯月の歌会下弦の部