連歌の花道『新月ノ歌会』

葉月の歌会

新月ノ歌会工事中

夢で会う約束がある 傘立ての底にうまれた夜のみずうみ 久藤さえ × 西藤智

平成31年度 葉月の歌会『上弦の部』

今月は9月の季語を詠んだ上の句を提出ください


 季語リストに未掲載でも9月に関連する語であれば構いません

詠草リスト

[今回の投票式目]
特選(2点)×1票
並選(1点)×4票
次選(0点)×∞票
互選(2点)×1票

冠太陽を閉じ込めたまま八朔は

出詠名 ほのふわり
首席 / 21点 ×3 ×13 ×5 ×1

互選名 袴田朱夏万間みいやりん2文月知己凛黛カイリNATURAきい甘酢あんかけ文月 栞ロサ・ブラックティー榊 康芍薬西鎮衣未(みみ)天田銀河蟻男静ジャックさちほのふわり

選評名 祖父の家にあった八朔の木を思い出します。夏の間に太陽を閉じ込めていたんですね。久しぶりに食べたくなってきます。
袴田朱夏
★0
八朔のあの爽やかな橙色は、確かに夏から秋にかけてギラギラと強い光を失って赤みがかるような9月の太陽に似ているように感じられます。豊穣な秋の光や空気を十分に吸収して熟れていくのでしょうね。美味しそうです。
りん2
★0
「太陽を閉じこめる」という表現が素晴らしいと思います。甘酸っぱいだけではなくほろ苦さもある八朔、太陽が中でじたばたしていたようで面白いです。
きい
★0
色が目に浮かぶようです。柑橘の中でも八朔というチョイスが、まだ夏の匂いのする秋という感じで好きだなと思いました。
黛カイリ
★0
袴田朱夏さん、りん2さん、きいさん、黛カイリさん、素敵な評をありがとうございます!
燦々と光を放っている八朔を見ていると、こちらまで元気になるような気がします。そして頬張ると、爽やかな酸味とかすかな苦味に、夏の太陽を思い出すことでしょう。食べたくなってきました。
初首席でした。とても嬉しいです。ありがとうございました!皆様の下の句がとても楽しみです。よろしくお願いします。
ほのふわり
★0

しゃりしゃりの梨の甘さに泣ける夜

出詠名 遠野 かなみ
2 / 15 ×3 ×7 ×7 ×1

互選名 万間みいやさかなかなりん2文月黛カイリゆりこNATURAきい文月 栞ロサ・ブラックティー榊 康西鎮天田銀河蟻男静ジャックさち遠野 かなみ

選評名 梨の食感は潔くて爽やかであの甘さに、およそ泣くこととは縁遠く思えるのですが、泣く時って、本当の理由でなく別の理由にすり替えてしまいたいことが多いような気がいます。梨には申し訳ないのですが。
さかなかな
★0
小さな頃りんごの食感が苦手で、梨のシャリシャリした食感が大好きでこれから梨の季節という時は嬉しかった事思い出しました。大好きなものを辛い日に食べると甘さに泣き笑い…しますね。
文月
★0
秋は果物の美味しい季節。しゃりしゃりの甘い梨を食べながら泣いているなんて、何があったのか気になって仕方ありません。作り方がお上手だなあと思いました。
きい
★0
「甘さ」に「泣ける」の流れが見事です。「梨」だからこその味もありますね。
静ジャック
★0

彼岸花ここからわたしひとり行く

出詠名
3 / 14 ×3 ×6 ×4 ×1

互選名 万間みいやさかなかなほのふわり黛カイリ遠野 かなみきい藤 かづえ文月 栞ロサ・ブラックティー榊 康芍薬西鎮さち

選評名 そういえば彼岸花っていつも群がって咲いていますね。途中まで大勢で見送ってくれているように感じても、「ここからわたしひとり行く」という主体の決意は固い。先に何があるのか下の句を見たいです。
きい
★0
彼岸花にはなんとなく「別れ」のような詩情を感じます。そして、たくさん群れて咲いてはいるけれど、茎が一本立なので、自分は、一つ一つが独立している様な感を抱いているので「ひとり行く」という心持ちに共感する所がありました(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
死の花というイメージがどうしても強いので、この「わたしは」ここからひとりで「逝く」のかもしれないなと思いました。あるいはもっと単純に何かと決別するシーンなのかもしれません。
芍薬
★0
誰か身近な人の死を乗り越えた女性の背中が見えました。彼岸花の花言葉のひとつに「また会う日を楽しみに」というものがあるそうで、心の中では顧みながらも強く前を向く、そんなしなやかさのある素晴らしい歌だと思いました。
黛カイリ
★0
「(彼岸花ここからわたしひとり行く)影を供にと いざ!西の方(かた)」・・・目指すは・・・西方浄土・・カモ。
ロサ・ブラックティー
★0

さっきから同じ姿勢の蟷螂は

出詠名 藤 かづえ
4 / 12 ×2 ×6 ×6 ×1

互選名 袴田朱夏さかなかな黛カイリ遠野 かなみNATURAきい甘酢あんかけロサ・ブラックティー榊 康西鎮衣未(みみ)蟻男静ジャックさち藤 かづえ

選評名 下の句を作る力が試される、でも、スパンと景を切り取ったいい上の句だと思いました。無駄な動きを一切しない、狩りのエキスパート。それを見ている主体も、ずっと同じ姿勢、動かずにじっと見ていることでしょう。
袴田朱夏
★0
何もしない蝙蝠を詠むとは面白い句ですね。主体も同じ姿勢で見ているのが読みとれて二重にじわじわ来ます。ここから下の句でどう変化させるか、たしかに腕の見せ所だと思いました。
きい
★0
素敵な評をありがとうございます。大きな蟷螂、意外にじっとしていることが多いな、と思い句にしてみました。お花もたくさんありがとうございました。
藤 かづえ
★0
「(さっきから同じ姿勢の蝙蝠は)顔を隠してまだ夢の裡(うち)」コウモリ・・けっこう可愛い顔してますよね(^^)
ロサ・ブラックティー
★0

桃缶をひとりで空けるさみしさに

出詠名 芍薬
5 / 12 ×2 ×6 ×6 ×1

互選名 文月知己凛遠野 かなみゆりこNATURAきい甘酢あんかけ文月 栞ロサ・ブラックティー榊 康西鎮天田銀河蟻男芍薬

選評名 くだものの中でも「桃缶」というところに惹かれました。
お中元などでいただいたものでしょうか。わいわいとした夏も終わり、静かになったという時間経過まで感じます。
知己凛
★0
親からの仕送りを思いました。一人暮らしを始めた大学生・社会人のちょっぴり望郷の念も入り混じった寂しさを見るようです。
榊 康
★0
田舎の葬儀の後を思わせるような桃缶。都会の部屋に持ち帰りひとりで食べる寂しさを思い起こされました。
ゆりこ
★0

卵からかえったばかりの台風の

出詠名 きい
6 / 12 ×2 ×6 ×4 ×1

互選名 袴田朱夏万間みいやさかなかなりん2藤 かづえロサ・ブラックティー榊 康芍薬西鎮静ジャックさちきい

選評名 天気図や衛星写真があるからこそ、生まれたばかりの台風もそれと知ることができますね。現代的な視点がいいと思いました。
袴田朱夏
★0
あどけない様子がなんともかわいい。でも、その容貌は恐竜のような獰猛さと穏やかな目が同居する、改めて感じる興味津々を台風に感じております。
さかなかな
★0
発生して発達していく台風を、成長していく生き物の様にとらえている視点が、斬新で面白かったです(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
台風を生き物として描く視点は、好ましくかつ自然現象の本質を突いていると思いました。下の句が楽しみになる上の句です。
西鎮
★0
皆さま、あたたかな評をありがとうございました。お花にも感謝です☆
きい
★0
卵と台風のあまりものギャップに、その発想が引き付けられました(^_^)。
榊 康
★0
「(卵からかえったばかりの台風の)駄々をこねてる大陸列島」・・・いろいろ散らばるやら倒れるやら(^▽^;)
ロサ・ブラックティー
★0

次々と降る星に焦がれリンドウは

出詠名 知己凛
7 / 11 ×2 ×5 ×10 ×1

互選名 万間みいやりん2文月ほのふわりゆりこNATURA藤 かづえ甘酢あんかけ文月 栞ロサ・ブラックティー榊 康芍薬西鎮蟻男静ジャックさち知己凛

選評名 思わず風景を想像していました。何となく控えめなリンドウも憧れるのでしょうか華やかに星降る夜に
文月
★0
上を向いて咲くリンドウを、何かに焦がれているように捉えられた感性に好感を持ちます。昼間の太陽でなく夜の流星に思われた所が、リンドウの色と星を拾うような形に合わせられているように思い、詩性を感じ鑑賞を楽しませて頂きました。
榊 康
★0
リンドウの花言葉は「悲しんでいるあなたを愛する」。次々と降る星は涙のようでもあり、そんな星たちへのリンドウの思いが詠まれていると感じました。その思いは、きっと主体の愛する誰かへの思いに重ねられているのでしょうね。
西鎮
★0

長き夜を持て余しゐるくちびるに

出詠名 キール
8 / 11 ×2 ×5 ×8 ×1

互選名 袴田朱夏さかなかな知己凛ほのふわり遠野 かなみNATURAきい甘酢あんかけ文月 栞ロサ・ブラックティー榊 康西鎮天田銀河キール

選評名 なんとも色っぽい句にドキドキしています。くちびるのクローズアップで止めるところが艶っぽいですね、下の句をぜひ。
きい
★0
こういう艶っぽいけど品のある感じの雰囲気、いいですねえ。月が綺麗な夜長、このあとこのくちびるはどうなるのでしょうか? 楽しみです。
NATURA
★0
私も、艶っぽくて、思わず下の句見えました(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
長き夜、魅力的な季語ですよね。そこにおかれた唇は、負けじとインパクトのある言葉です。下の句が凄く気になる上の句だと思いました。
西鎮
★0
「艶っぽい」とすでに他の方も表現されていますが、その艶っぽさに秋特有の深みを感じました。 下の句、ちょっと挑戦してみたいなと考えて入れさせて下の句、ちょっと挑戦してみたいなと考えて入れさせていただきました。
天田銀河
★0
「(長き夜を持て余しゐるくちびるに)含むはワインか微笑みか」🍷(💋 )
ロサ・ブラックティー
★0

売れ残る秋刀魚についた半値札

出詠名 NATURA
9 / 10 ×2 ×4 ×6 ×1

互選名 知己凛遠野 かなみキールきい藤 かづえロサ・ブラックティー榊 康西鎮衣未(みみ)静ジャックさちNATURA

選評名 売れ残ってしまった秋刀魚に哀愁を感じます。でも半値札のついた途端に手を伸ばす人もいる事でしょう。身近な題材に親しみを感じました。
きい
★0
半値札の付いた秋刀魚に、私事ですが遠い思い出が甦りました。子供の頃ハイタッチができるほど懐かれた野良猫の分として買って帰った折、帰宅して七輪で焼いてると傍で三つ指をついた姿勢で待っていたのが可愛いかったです。勿論食べ終わってのハイタッチもしました。白の美人さんでした。半値の商品でも幸せな時間や思い出は作れるものです(^_^)。
榊 康
★0
遅い時間のスーパーの鮮魚コーナーがパッと目に浮かびました。私は買う側ですがこの上の句から秋刀魚の悲哀を感じました。海にいたらこんな値札はられずにすんだのに…。そこはかとなく漂うさみしさがいいですね。
キール
★0
秋刀魚、やはり秋には欠かせない味ですね。半値札がリアリティがあって面白いな、と思いました。
藤 かづえ
★0

月影の銀幕に溶け僕たちは

出詠名 榊 康
10 / 9 ×2 ×3 ×2 ×1

互選名 万間みいや文月ほのふわり甘酢あんかけロサ・ブラックティー天田銀河さち榊 康

選評名 漂う雰囲気が非常に美しいです。「月影の銀幕」という比喩のセンスもさることながら、それに「溶け」ていく、とすることでより一層幻想的に仕上がっています。すみません、評が下手で…
ほのふわり
★0
作品世界の中にスッと入り込ませる力がありますね。この世界の当事者としての「僕たちは」どうなるのか、下の句を詠みたくなりました。
さち
★0
ほのふわり 様

評が下手なんてとんでもない!書いて頂けただけでもありがたく、気持ちが十分伝わる評でしたよ(^_^) 美しいと言って頂けて感激しております。評に特選までありがとうございました。
ほのふわり 様 首席おめでとうございます。下弦の部楽しんで下さいね(^_^)/。
榊 康
★0
さち 様

下の句が詠みたくなったとのお言葉、とてもありがたく思いました。月や銀幕はどこか溶け込んでしまいそうな力がありますよね。そこを掬って頂いたみたいで感無量です。評に特選まで頂き感謝申し上げます(^o^)/。
榊 康
★0
映画「カサブランカ」のハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマンみたいに(^_^) お読み頂きまた花を贈って下さった皆様ありがとうございました(^o^)/。
榊 康
★0

病室を抜け出して見た小望月

出詠名 甘酢あんかけ
11 / 9 ×0 ×7 ×7 ×1

互選名 文月ほのふわり遠野 かなみキールNATURAきい藤 かづえロサ・ブラックティー榊 康西鎮衣未(みみ)蟻男静ジャックさち甘酢あんかけ

選評名 小望月は満月の前夜だから、何か時が満ちる前、ということで、子供さんでも生まれるのかしら(^^)と思いました。そういえば、本来、子供が生まれるのは、新月か満月が多いとか聞いた気がします。
ロサ・ブラックティー
★0
中庭や屋上、開けた場所で見上げる主体を思い浮かべました。
月に話しかけているのでしょうか。
月が話しかけているのでしょうか。
蟻男
★0
ありがとうございました!
甘酢あんかけ
★0

風の香が少し変われば秋の朝

出詠名 文月
12 / 9 ×0 ×7 ×6 ×1

互選名 万間みいやほのふわり遠野 かなみゆりこきい文月 栞榊 康芍薬西鎮衣未(みみ)天田銀河静ジャック文月

選評名 和歌「秋来ぬとめにはさやかに〜」が想起されました。和歌は「音」によって秋の到来を感じていますが、「香」はまたおもしろい着想だと思います。朝の新鮮な空気の中に流れ込んで行く、秋の香りのする風、見えない景物を詠んだ典型にみえて新しい上句ですね。
万間みいや
★0
特選にしようか迷った句でした。
秋の朝を、丁寧に受け止めている雰囲気が伝わるステキな句だと思います。
この句の場合、風の香を挙げていますが、そういった少しの変化で季節を感じられることは、人間に欠かせない・大事にしておきたい感覚だ…と改めて気づきがありました。

この主体は、おそらく気持ちが整っていて、ある程度のゆとり(心身の余裕、生活の余裕)を持てる状態で暮らしている人物なのだろうと思うのです。
日々の生活でヘトヘトになりがちな私は、そんな主体がうらやましいですね。
きっと実りの多い秋を過ごす主体なのでしょうね。
遠野 かなみ
★0

枝豆をむく指先に水が澄む

出詠名 黛カイリ
13 / 8 ×0 ×6 ×8 ×1

互選名 袴田朱夏りん2ほのふわり遠野 かなみNATURAきい藤 かづえ甘酢あんかけ文月 栞ロサ・ブラックティー榊 康西鎮静ジャックさち黛カイリ

選評名 ゆでた枝豆をむいたときに、水分がしずくとなってその向いたところにちょこんと乗ったんでしょうか。よく観察されていますね。やさしい雰囲気もあります。
袴田朱夏
★0
この『水』が、枝豆の次にポイントになるだろうと思います。どのように読むと詠み手の意図に近いのか、まず考えました。
以下、合っていないかもしれませんが、記します。
①単純に、枝豆の皮自体に付着した水分である(洗った直後で水切りが未完である)
②主体が流した涙の粒である
③枝豆は乾いているが容器に水分が残っており、枝豆を取る際に指先に付着した水分である

私は、③+②で読むことにしました。
指先に付着した水分を見て、枝豆の黄緑色とのギャップに(あまりの透明さに)ハッとした。
それと同時に、水分の透明さから拭った涙を思い出し、一番近い過去(直近)で泣いた日を振り返る。少しの時間、そうしてまた自分と向き合っている。時間帯は夕方〜夜。物寂しく背中を少し丸めている主体の姿を描いた…と読みました。

豆の鮮やかな黄緑色・指先の赤みが少し混じった肌色・水の透明感、手元のクローズアップがリアルな映像化をさせますし、それぞれの質感も容易に想像が出来ます。
好きな句でした。
遠野 かなみ
★0

街じゅうが葡萄の色に染まるころ

出詠名 天田銀河
14 / 7 ×2 ×1 ×8 ×1

互選名 りん2文月キール甘酢あんかけロサ・ブラックティー榊 康芍薬西鎮静ジャックさち天田銀河

選評名 むらさきがかった空の色=朝焼け、宵どちらにも取れるところが下の句のバリエーションを広げてくれそうでとてもわくわくします。どんな暮らしがその先にあるのか、詠む人によっていろんな景が生まれますね。
芍薬
★0
あのたまに見ることのできる紫色の空、光、大好きです。家が、ビルが、一気にほんのり葡萄色を帯びる短いひととき。私は夕方ととらえました。何気ない日常の中に、圧倒的な美しさは潜んでいて、そこを拾っていたのがすばらしいと思ったし、下の句への広がりが様々に展開できそうで魅力的でした。
甘酢あんかけ
★0
有り難うございました!
天田銀河
★0
「(街じゅうが葡萄の色に染まるころ)醸されて灯る家々の窓」美味しそうな匂いも(^^)
ロサ・ブラックティー
★0

ふれたなら弾けて胸の鳳仙花

出詠名 西鎮
15 / 7 ×1 ×3 ×9 ×1

互選名 万間みいやほのふわりゆりこキール甘酢あんかけロサ・ブラックティー榊 康芍薬衣未(みみ)蟻男静ジャックさち西鎮

選評名 一目惚れしました。鳳仙花の花言葉は「私に触れないで」。その胸にある鳳仙花はどんな想いを秘めているのでしょう。

★0

失恋も葡萄の房のようになり

出詠名 万間みいや
16 / 6 ×1 ×2 ×10 ×1

互選名 さかなかなりん2文月ゆりこきい藤 かづえ甘酢あんかけロサ・ブラックティー榊 康西鎮衣未(みみ)蟻男万間みいや

選評名 たわわに実った葡萄の房を失恋に重ねているのが珍しいと思いました。また、実をすべて落とした葡萄は、どこか寂しげで冬の枯れ枝にも似ています。楽しかったことも嬉しかったことも含めていろいろな経験をした恋だったけれど、その奥にはどうしようもない喪失があるのかな、と読みました。
りん2
★0
私はむしろ、たくさんの失恋は、実となり、今の自分を作り上げた糧となった、のだと読みました(^^)
ロサ・ブラックティー
★0

<kana>野分<:>のわき</kana>立ち二人の喧嘩掻き混ぜて

出詠名 蟻男
17 / 6 ×0 ×4 ×7 ×1

互選名 袴田朱夏万間みいやほのふわりNATURA甘酢あんかけロサ・ブラックティー榊 康芍薬西鎮静ジャック蟻男

選評名 あれ台風、洗濯物取り込まなきゃ、など、ケンカを一時中断させるような感じでしょうかね。今の猛暑をかき混ぜてすこしクールダウンさせてくれるような台風が待ち遠しい。もちろん災いですから、喜ばしいことではありませんが。
袴田朱夏
★0
上の者ですが、野分、台風とは限りませんね。失礼しました。
袴田朱夏
★0
野分が、丈の高い草を、縦横無尽に、クチャクチャに乱して行く様に、二人の喧嘩も、収拾がつかないぐらいに、掻き混ぜられているというのは、傍から見ていると、ドタバタ劇のような、一種コミカルなリズムを感じたりもします(^^;)
ロサ・ブラックティー
★0

蛇穴に入ったらしい田舎道

出詠名 さち
18 / 6 ×0 ×4 ×3 ×1

互選名 袴田朱夏黛カイリ遠野 かなみキールロサ・ブラックティー榊 康西鎮さち

選評名 九月も終わりの頃でしょうか。巣ごもりの虫が戸を閉ざすように、蛇も冬眠の穴に入ってしまって(^^)すっかり涼しくなった季節を感じます。
ロサ・ブラックティー
★0
都会では春と秋が知らない間に終わってたなんてことが多いのですが、田舎で生き物たちは季節の移ろいを感じ、来たるべき季節の準備を整えているのですね。蛇と田舎道に目を向けられた所に、詠み人さまは色んな生き物の営みに関心を寄せられるナチュラリストではと好感を持ちます。
榊 康
★0
評ありがとうございます。「田舎道」はギリギリまで迷い、置くような感じになってしまったかなとも思いましたが、好意的に受け取ってくださりホッとしています。
さち
★0

ジャムを煮る祖母の背中と山葡萄

出詠名
19 / 5 ×0 ×3 ×9 ×1

互選名 万間みいや文月知己凛黛カイリ遠野 かなみNATURAきい甘酢あんかけロサ・ブラックティー榊 康衣未(みみ)静ジャック

選評名 おばあちゃんの丸い背中の懐かしさや年老いたなぁと思う気持ちが煮てるジャムが山葡萄である事が田舎の風景が、目に浮かびます。
文月
★0

夏枯れの桔梗のなおも揺れており

出詠名 袴田朱夏
20 / 5 ×0 ×3 ×7 ×1

互選名 万間みいや文月ゆりこ甘酢あんかけ榊 康芍薬西鎮衣未(みみ)天田銀河静ジャック袴田朱夏

選評名 桔梗は秋に花を咲かせる前に長い梅雨・盛夏の猛暑を乗り越えなくてはならない。詠み人は<なおも揺れており>に外見以上の生気・生きる力を見ていて、遅れてもきっと花を咲かせるだろうと信じているように、歌から感じさせてもらいました。
榊 康
★0
夏が終わった淋しさを感じる情景が好きです。
衣未(みみ)
★0
票、お読みのほどありがとうございました。
袴田朱夏
★0

地虫鳴く畦道一人自転車で

出詠名 りん2
21 / 4 ×0 ×2 ×7 ×1

互選名 袴田朱夏万間みいや遠野 かなみキール藤 かづえ甘酢あんかけロサ・ブラックティー榊 康静ジャックりん2

選評名 地虫ってオケラだそうですね。田んぼで泳いでたオケラが可愛くて家に持ち帰りケースで飼ってたことを思い出します。一人で帰宅する寂しさはありますが、一人だからこそ地虫のような自然の音に付き合えたように思います。最近昆虫がどんどん姿を消しています。合わせて野鳥もあまり見られなくなりました。秋になれば当たり前のように聞いていたクツワムシやマツムシ等の音は遠い昔の音になりました。色んな自然の音に触れ合えたのは財産であったと思います。そんなことを考えながらこの歌から紡がれる秋の光景を故郷の光景と重ね鑑賞させて頂きました。
榊 康
★0
りん2 様
Twitter拝読させて頂きスケールの大きな下の句に感動しました!畦道の先はそのままミルキーウェイ(天の川)に続くようでスケールの大きさを視覚的に楽しめました。この下の句を音のスケールで上の句に合わせようとなさっていたのかなとも思いました。<億点の星>(明るさの強弱・色とりどり)とされているので、上の句も音の種類の多さを表現できたらと勝手な希望を抱いてしまいます。いち鑑賞者のコメントが参考になれば幸いです。失礼しました<(_ _)>。
榊 康
★0
榊 康様
評に加えて呟き読んでいただき、更にこちらにコメントまでありがとうございます。自分で客観的な分析があまりできていないので、凄く勉強になります……。確かに自分で追加したものではありますが、下の句と比べ些か地味な上の句でした(他の方の句と比べても)。単純にカラフルであればいいというものではありませんが、視覚的にも響くものであれば更に良かったのかなと思います。五感を意識した詠み方も意識していきたいです。本当にありがとうございました!
りん2
★0

三日月のピアスを揺らすその指に

出詠名 ゆりこ
21 / 4 ×0 ×2 ×7 ×1

互選名 万間みいや文月NATURA甘酢あんかけロサ・ブラックティー榊 康静ジャックゆりこ

選評名 「ピアス」という言葉は、音としても、すごくお洒落に響きますので、ファンタジックに誰か作って欲しい気がしました(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
風雅でもあり洗練されてもいる印象を受けました。
この後の展開が気になります。

★0
「(三日月のピアスを揺らすその指に)パールの星がちりんと笑う」(^^)
ロサ・ブラックティー
★0

さわさわと夜長始まる秋分の

出詠名 さかなかな
22 / 4 ×0 ×2 ×4 ×1

互選名 袴田朱夏文月ほのふわり榊 康芍薬静ジャックさかなかな

選評名 <さわさわと>にススキの奏でるやわらかな風の調べを聞くようです。秋の夜長の過ごし方、皆さんは思い思いの楽しみ方があるのではないでしょうか。下の句の楽しさを予感させてくれる上の句です!
榊 康
★0
「さわさわ」の音が秋の湿度の低い夜をあらわすのにちょうど良くて好きです。
芍薬
★0

河原を埋めつくしているコオロギに

出詠名 ロサ・ブラックティー
23 / 3 ×0 ×1 ×1 ×1

互選名 藤 かづえ榊 康ロサ・ブラックティー

選評名 姿は見えなくても<埋めつくしている>と思えるほど賑やかだったのですね。一匹のコオロギでもその音は力強いものがあります。地面から響いてくるような荘厳さは、名月を南天へと押し上げるようであったのではと思いました。
榊 康
★0
いや、実は、かなりグロい(?)話・・・。
ロサ・ブラックティー
★0
川土手の道を車で走っているのに(窓閉めているのに)草の数ほどコオロギがいるんじゃないかと思うぐらい多い(--;)
ロサ・ブラックティー
★0

初めての檸檬はとても酸っぱくて

出詠名 衣未(みみ)
24 / 2 ×0 ×0 ×8 ×1

互選名 NATURA藤 かづえロサ・ブラックティー榊 康蟻男静ジャックさち衣未(みみ)

選評名 初めてでなくても檸檬は、まあ酸っぱいのですが、「初めて」味わった、あるいは「初めて」収穫した場合は、酸っぱさも一入でしょう。ファーストキスを想像させる上の句でキュンとしました。
藤 かづえ
★0
「(初めての檸檬はとても酸っぱくて)トパァズ色の笑みがはじける」・・何か思い出しました(>▽<)
ロサ・ブラックティー
★0

振り返るたびに団扇が揺れている

出詠名 静ジャック
25 / 2 ×0 ×0 ×5 ×1

互選名 万間みいやロサ・ブラックティー榊 康西鎮天田銀河静ジャック

選評名 浴衣の帯に団扇を挿しているのでしょうか、その人が何度も振り返るのは何のためなのか、気になるところです。
ロサ・ブラックティー
★0

指先の蜻蛉とペアリングを済まし

出詠名 一音乃 遥
26 / 0 ×0 ×0 ×3 ×0

互選名 袴田朱夏ロサ・ブラックティー榊 康

選評名 リングもトンボをあしらったものだったのでしょうか。赤とんぼの人懐っこさが<指先の蜻蛉>から伝わってきます。蜻蛉を漢字になさった所はリングの硬質な感じと合っているように個人的に思いました。
榊 康
★0
このペアリング(^^)「接続」の意味もあるので、かの映画の、指先と指先をちょんとつけるシーンを思い出しました。
ロサ・ブラックティー
★0
「(指先の蜻蛉とペアリングを済まし)雨の匂いを追って旅立つ」・・・トンボといっしょに(^^)
ロサ・ブラックティー
★0


Tポイントカード月POINTについて sing-for.month.jp/classic/tpoint.html
三ヶ月Data葉月の歌会上弦の部H31.08.10 up
順位筆名首席投句選句特選偏差EX合計

EX内訳

最優+3ほのふわり

最黄+2ほのふわり

最緑+2知己凛万間みいや

欠票-1一音乃 遥

欠評-1一音乃 遥

のの+1全員(管理人欠席のため)

月開催後記


ほのふわりさんが初の上弦首席でした

通算90回出席: ロサ・ブラックティー

通算40回出席: キール


ありがとうございました 花

葉月の歌会上弦の部