連歌の花道『新月ノ歌会』

春分の歌会

新月ノ歌会工事中

夢で会う約束がある 傘立ての底にうまれた夜のみずうみ 久藤さえ × 西藤智

二人一組で短歌一首を詠む歌会R-2ぐらんぷり 『R-2ぐらんぷり』2020-春

『  』

出詠は二人一組で参加ください
上句下句の分担なしで一首を相談共作して構いません
作中で題の詠み込みは必要ありません
出詠したコンビは互選(選歌と選評)に参加ください
選歌は特選並選次選の投票で行います(通常回と同ルール)
選評は(コンビ両名とも)一人一首以上に書いてください

詳しくはR-2ぐらんぷり案内ページR2GP

詠草リスト

[今回の投票式目]
特選(2点)×1票
並選(1点)×7票
次選(0点)×∞票

冠夢で会う約束がある 傘立ての底にうまれた夜のみずうみ

出詠名 (有)西久商会久藤さえ × 西藤智
首席 / 74点 ×13 ×48 ×15

互選名 言繰錬りん2せしん堂那灼風聴雨toron*この季節のたましひ万間みいや西鎮朧(ろう)からすまぁ椋鳥藍笹キミコ西村春希青山祐己日向彼方天国ななお尾渡はちやじこえんどうけいこ甘酢あんかけ淡海わこロサ・ブラックティー水沼朔太郎とうてつ山口綴り草薙ペンギンおじさんエノモトユミハナゾウニッキ多賀盛剛404notF0816波乃みなまちか阿坂れいモカブレンド 秋山生糸梅丘つばめ砂狐鴨衣ルナク花房香枝天田銀河愁愁かざなぎりん袴田朱夏つりしのぶ水無月水有🐏小俵 鱚太海月ただよう中嶋港人姉野もね千仗千紘ときぽんぬあさ華栄斎藤秀雄未補街田青々実岡まつ小池佑ビリでえぇよ(^_^)ともえ夕夏小川けいとおり架森のんれもんぜすた泳二ハシリドコロ狐森こと青海ふゆ羊亥ハジメ岡桃代

選評名 三句目以降の小さく美しい見立てが目を惹きます。ここに納得できるか・好感を持てるかで採点は大きく変わると思いますが、見立ての一コマにすべてを賭けるのが気持ちいいです。前半ありきたりなのがかえって爆発力を高めているようです。
堂那灼風
★0
夜のみずうみは底が見えなくて、だからこそ無限の深さがある。雨の夜に、夢で会う約束をした恋人と別れて1人の部屋に帰宅するが、別れの悲しさや一人の寂しさがそこには無くて、約束の甘さばかりが際立つ。傘立ての底の水たまりさえ甘い夢への導入材。
上手くまとまりませんが、ロマンチックでとても素敵です。
万間みいや
★0
とても好きな1首です。
夢で会う約束が前向きなものか後ろ向きなものかは主人公にしか分からないものですが、夜という時間に静かに生まれるみずうみから垣間見えるどこまでも沈んでしまいそうな不安や寂しさ、けれど全体的に見たとき、その優しい言葉選びから感じられる手触りの良い心地よさがあって、読者を惹き付けてくれると思いました。
西村春希
★0
一つの物語をたった三十一文字で表現されていることに驚き、感動すらおぼえました。それは小説であったり絵本であったり、どこかディズニーの世界にも通ずるファンタジーのようでもあり。雨の夜に帰った人や部屋のことには一切触れず、その傘によって生まれた傘立ての底のみずうみに視点を当て、「夢で合う約束」へと誘う、深い深いストーリー性に見事に引き込まれました。
読者に委ねる空間が多いのも楽しいですし、「雨」の言葉を使ってないところも含めて、最高に好きな一首でした!
青山祐己
★0
流れが滑らかで美しくつながっていてとても好きな歌です。雨と言わずに雨を表現しつつそれがまた一遍の詩のようできれいだと感じました。夜のみずうみで二人は逢うのでしょうか想像が膨らむ素敵な一首です。
とうてつ
★0
流れが滑らかで美しくつながっていてとても好きな歌です。雨と言わずに雨を表現しつつそれがまた一遍の詩のようできれいだと感じました。夜のみずうみで二人は逢うのでしょうか想像が膨らむ素敵な一首です。
とうてつ
★0
上句と下句が、よく読めば絶妙に呼応している感じがとても好きです。傘立ての底にたまる雨水をみずうみと見立てたところ、それが夜の出来事でありその夜に見る夢へと繋がってゆくところがいいです。また、普通なら夢で会う約束なんて果たせそうにないのですが、こんな素敵な見立てができる作者なら、その夢も果たせてしまいそうな気なってきます。「うまれた」「みずうみ」のひらがな表記も絶妙です。
ニッキ
★0
とても素敵なお歌だと思います。傘立てに溜まっただけの水をこんな風に表現できるなんて素晴らしいです!「底に生まれた夜のみずうみ」があまりに素敵で、これから傘立てに溜まった水のことをそう呼ぶようになるでしょう。その下の句を読んでからもう一度上の句に戻ると「夢で会う約束」がぐっと深みを増す感じです。本当に射抜かれたお歌でした。
砂狐
★0
すごく素敵な歌だと思います。傘立てが雨の雫を集めて濡れているという普通に暮らしていれば当たり前で終わってしまう光景を、言葉によってひとつのうつくしい世界に変えてしまっているのが、まるで魔法みたいで好きです。歌の中に色についての描写はないですが、読んでいく途中で、夢やみずうみが頭の中であざやかに色づいていくのを感じました。
美夜
★0
お題を詠みこまずに、三句以降の傘立ての描写から雨を匂わせています。初句、二句と併せ、恋人と別れた雨の夜の帰宅が浮かびました。結句の湖は、主体の涙を連想させつつも、夢との交点としてうまれたようにも思えてきます。夜の湖は漆黒で、まだ未来が見えないこの恋を象徴しているようでいて、恋人たちだけの世界という喩としての雰囲気も併せて感じます。全体として情景自体が夢のようありながら、具体としての像を結ぶ力にも満ちていて、そこに強く惹かれました。〈夢〉、〈傘〉、〈底〉、〈夜〉と、二音の名詞で始まる句は、どことなく雨音のようにも感じられました。
西鎮
★0
二句までと以降の距離感が上手いと思いました。傘立ての水や水たまりをみずうみと喩えるのはやや常套的ですが、「うまれた」に主体の心情が反映されているようです。
泳二
★0

明け方の歓楽街で手を繋ぐ昨夜の雨を踏みつけながら

出詠名 飛陽軒尾崎飛鳥 × 朝野陽々
2 / 52 ×10 ×32 ×15

互選名 近江瞬りん2聴雨シナモンtoron*万間みいやミウラはとサブレ知己凛えーきち朧(ろう)からすまぁ椋鳥さち藍笹キミコ日向彼方天国ななお尾渡はちやじこえんどうけいこロサ・ブラックティー山口綴りことりペンギンおじさんエノモトユミハナゾウ404notF0816まちかモカブレンド 久藤さえルナク花房香枝天田銀河愁愁袴田朱夏夏山栞🐏海月ただよう中嶋港人千仗千紘あさ華栄斎藤秀雄街田青々実岡まつ小池佑ともえ夕夏小川けいとおりれもんぜすた泳二といじま静ジャック狐森こと青海ふゆ他人が見た夢の話

選評名 「歓楽街」という場面設定が主体と、手を繋ぐもう一人との背景に膨らみを与えていて良かったです。ある種ポジティブな印象のある上の句に対して、「踏みつける」という強いネガティブなイメージのある下の句が置かれていて、そこにある主体の感情をどう読み取れば良いのかは少し悩むところでした。昨夜、二人に何かあったのか、それともあくまで夜ばかり賑わう歓楽街と、人の少ない明け方のその場所の対比なのか、いずれにしても「踏みつける」の「つける」の部分の強さには何がかくれているのか、気になりました。
近江瞬
★0
「歓楽街」のインパクトでまず持っていかれました。
大人の恋の歌でしょうか。
水溜りを「昨夜の雨」と表現することで、「過ぎ去った嫌なこと」のニュアンスが伝わりやすくなっています。
踏みつけるという動作の力強さが、手を繋ぐの前向きさと相まって、乗り越えていこうという気概を感じられました。
えーきち
★0
雨の降った昨夜、喧騒の中で何かがあったに違いないと思わされます。「明け方の歓楽街」は雨上がりであり、人もまばら。静かで、ある意味スッキリした印象が一首から感じられました。踏みつけるのは、直接的には水溜まりとなった「昨夜の雨」でしょうが、ここに「嫌な思い」も比喩的に込められていると読みました。
さち
★0
かっこいい絵が浮かびます。昨夜を乗り越えたふたり。
もしくは乗り越える決意をしたふたり。がんばれふたり。
やじこ
★0
もしかしたらなんですけど、想い人とは上手くいかずに主体は自暴自棄になっていて、違う人と楽しくやってる空元気のまま昨夜の悲しみを踏みつけているのではないかな、と穿った捉え方をしました。

なんだかそれが切なくて痛々しくて人間くさい気がして、バンドの曲みたいでエモーショナルなのが良いなと感じました。
ペンギンおじさん
★0
昨夜の雨を踏みつけて日々を塗り替えていく。手を繋ぐふたり。歓楽街。すごく読んで浮かぶ情景と言葉の一つ一つが好みどんぴしゃでした。
花房香枝
★0
浮かぶ情景の鮮やかさと、想像を掻き立てられるストーリー性の両立が素晴らしいなと思いました。
雨上がりの明け方の歓楽街。多分道路はあまり綺麗ではなくて、でも濡れたコンクリートが朝日に照らされていて。「昨夜の雨」とかなり明確な言い回しで過去を表現することで、一首の中に時間と空間の広がりを感じました。大好きな歌です。
夏山栞
★0
猥雑な「明け方の歓楽街」という舞台が「手を繋ぐ」ことの純粋さを際立たせています。下句では水たまりを「昨夜の雨」と表すことで単なる婉曲表現ではなく、上句と相まって昨夜の二人の物語を想像させ、広がりのある良い歌だと思いました。
泳二
★0
まず、昨夜の雨という表現が好きだと思いました。そして歌本来の景が美しいのはもちろんですが、歓楽街という場所で手を繋ぎ雨を踏みつけるという行為で想像出来る主体たちの前向きさに惹かれました。
おり
★0
ただの願望なのですが明け方の歓楽街で手を繋いでみたいです。非常に絵になる歌だと思いました。
404notF0816
★0
「明け方の歓楽街」という舞台設定がとても効果的だと思います。歓楽街といえば夜、というイメージを良い意味で塗り替えていて印象的でした。泊まっていたホテルから出てきた場面を想像しましたが、そう断定して読まなくても良い短歌だと思います。「昨夜の雨」というのが終わってしまった関係や一晩だけの関係を連想させるなかでそれを踏みつけて手を繋ぐ、というのがふたりの明るい未来を暗示しているように思いました。
れもんぜすた
★0
わりと早い段階で投票を済ませた私にとって、後からじわじわ来た歌で、なにも投票しなかったことがとても悔やまれました。大変申し訳ありませんでした。

〈歓楽街〉で〈手を繋ぐ〉景の後ろに、かなり多層的なドラマが息づいている感覚が残る、凄い歌だと思いました。
西鎮
★0

わたくしの気配を洗ふ春雨をじつと見てゐる防犯カメラ

出詠名 HANA-BOON青山祐己 × かざなぎりん
3 / 52 ×7 ×38 ×12

互選名 近江瞬聴雨シナモンこの季節のたましひ西鎮朧(ろう)からすまぁ椋鳥さち天国ななおやじこえんどうけいこたかはしりおこロサ・ブラックティー水沼朔太郎井筒ふみペンギンおじさん若枝あらうハナゾウニッキ多賀盛剛404notF0816西藤智友漓ゆりりまちか朝野陽々秋山生糸久藤さえ藤田美香鴨衣ルナク花房香枝天田銀河愁愁袴田朱夏つりしのぶ水無月水有小俵 鱚太海月ただよう中嶋港人姉野もね千仗千紘あさ斎藤秀雄未補街田青々実岡まつ小池佑ともえ夕夏おり架森のん泳二ハシリドコロといじま静ジャック狐森こと羊亥ハジメ

選評名 一目惚れでした。改めて全てに目を通して、それは変わりませんでした。
初句(或いは三句)で「わたくしの」と言うと、ものによっては甘くなりがちだと思うのですが、「気配を洗ふ」と言う特徴的なフレイズに繋がってゆくに当たってはこの一人称が欲しい、と思わされ、この場で季語的な考え方を持ち出して申し訳ないのですが、「春雨」は何よりしっくり来るものでした。防犯カメラと言う、一種の無機質にこれ程の詩情を与えられた事。「わたくしの気配」が洗われる事で薄まり、実際には主体が防犯カメラで、それを通した視点(映像)の様な、そうだったとしても音や雰囲気まで見える様な、どうしてか「春雨」を全身で感じられる歌に思えました。カメラは一つの目、だとしたら、「固定された画面」こそがここでは活きているのかも知れません。
旧仮名であれば「じつと」は「ぢつと」の方がより正確でしょうか(単なる不勉強でしたら申し訳ありません)、と自分の中で引っ掛かりもあったのですが、それを考慮してもやはり好きでした。名もなき者の評で説得力はないかも知れませんが、少なくとも、ここに居る一人の人間に深く刺さった事だけはお伝えしたく思います。
この季節のたましひ
★0
最初は、防犯カメラという語の不穏さから、主体にはやましいことがあり、春雨が自分の痕跡を洗ってくれるのを待っている、でもその洗われている様子さえ防犯カメラには映ってしまっているのだ、というふうに読みました。でも考えているうちに、少し前に実際に防犯カメラに映っていたであろう主体が立ち去り、その余韻もやがて消え(防犯カメラの映像って何か余韻のようなものがありますよね)、ただの春雨だけになる、その一部始終を想像したら、さみしいな、と思いました。確かにあったものがなくなるさみしさ、自分が消えていくさみしさ。防犯カメラの中に記録されたその様子もいつかは消去されてしまうのでしょう。
まちか
★0
「わたくし」と「防犯カメラ」のあいだに春雨があること、春雨の語感とイメージのやさしさの効果として、その場所への主体の執着が薄れているように読みました。ただ防犯カメラはきっと最後までみていて、履歴をのこしています。「気配を洗ふ春雨」のことも記録しています。そのことに怖さを感じてしまいます。魔が差した一時の過ちを、許す場合も許さない場合も、人の心の履歴までカメラの映像をみた人は解釈してくれるだろうか。そのことに私は悲観的です。
深水遊脚
★0
「わたくし」の存在が、もうそこにはないことを「わたくし」がかたるとき、「わたくし」はどこにいるんか、ぼくは、そこにいるてかんじられた、「わたくし」は、不在ていう状態でそこに存在するてかんじられた、存在してへんてことは、その対象の、このばあいは「わたくし」の状態のひとつで、状態があるていうことは、その状態にかかわらず、状態があるていうかたちでそこに存在してる(なくしたもんは、なくしたていう状態で、部屋に存在してる)、ことばは対象にたいして状態をあたえる、そうすると、もしかしたら、その場の状態が、「わたくし」なんかもしれん、ともおもう、じつは、ぼくらは、じぶんの存在の状態として、ここにいる、そこにいる、あっちにいる、ていうのがあるておもてるけど、ここやそこやあっちの状態として、ぼくらがおるんかもしれん(部屋ていう存在にたいして、なくしたもんがあるていう状態がある)。「わたくし」ていうものの表現のかたちとして、こういうことをかんじさせてくれたので、だいすきな短歌でした。
多賀盛剛
★0
よくよく読むと、実は防犯カメラが見ているのは「春雨」であって、主体ではないのですね。主体はもしかしたらカメラに映らないような場所、死角となる場所をあえて選んで立ち尽くしているのかもしれないな、と思いました。
ちょっとストーカーめいた怖さもありつつ、たぶんこの主体は何も行動はしない気もします。ただじっと、自分が納得するまでそこに立つことをやめられないでいる印象を持ちました。
旧仮名でないほうが正直良かった気もしますが好きでした。
小俵 鱚太
★0
防犯カメラが見ているのが「わたくし」ではなく、「春雨」というところが面白いです
多重のレイヤーを重ね合わせた世界
「気配」「防犯カメラ」、わたくしは何を企んでいるのか
海月ただよう
★0
防犯カメラが見ているものがわたくしではなく雨だという視点が面白いと思いました。春雨がわたくしの気配を洗っていると感じているのは「わたくし」に他ならないので、なぜそのように感じているかという点が気になります。「気配」「防犯カメラ」という言葉から不穏な待ち伏せをイメージしてしまいましたが、待ち伏せだとするともう少し背景の物語が欲しい気がします。
泳二
★0
春雨は、晩春に降る細い糸のような雨をさす。しとしと柔らかい雨が、時には何日か降り続く。春雨は、草木を芽吹かせる雨だからだろうか。ほかの季節に降る雨よりも、なんだかあたたかい。だから、作中の《気配を洗う》というのが、なんだかしっくりくる。《気配を消す》なら、全然しっくりこなかった。《気配を消す》のはもっと、スコールのような土砂降りの雨だ。《洗う》だと、今まで纏っていた気配がだんだん落ちていき、本来の気配に戻るようなイメージがある。主体は、気配の上に気配をさらに重ねているのかもしれない。面白い《気配》の捉え方だと思う。しかも、それを見ているのは、人ではない《防犯カメラ》。主体は今まさに春雨に打たれながら、どこかにいる。たぶん、ひとりきりで。でも、防犯カメラの向こうにはもしかしたら誰かがいるかもしれない。私たち読者は、防犯カメラの映す画面を見る人→防犯カメラのレンズ→春雨→気配、という多くのフィルターを通して、《わたくし》を見ている(《わたくし》の実態は極限まで薄められる気がする)。洗われたあとに現れる気配は、どんな気配だろう。春雨が止んだあと、《わたくし》は今までとは違う《わたくし》になっているような気がして、目が離せなくなる。わたしも、防犯カメラごしに《わたくし》をずっと見ている気になった。一番心を持っていかれた歌でした。
未補
★0

側溝に溜まり始めた雨の音いまさら好きになってごめんな

出詠名 まりらう井筒ふみ × ハナゾウ
4 / 48 ×5 ×38 ×12

互選名 りん2せしんtoron*この季節のたましひ万間みいやミウラはとサブレ西鎮朧(ろう)からすまぁ椋鳥藍笹キミコ西村春希青山祐己尾渡はち甘酢あんかけ淡海わこロサ・ブラックティー山口綴り井筒ふみ若枝あらうニッキ404notF0816西藤智まちか尾崎飛鳥朝野陽々秋山生糸梅丘つばめ久藤さえ砂狐ルナク花房香枝天田銀河かざなぎりん袴田朱夏夏山栞小俵 鱚太中嶋港人千仗千紘未補街田青々実岡まつビリでえぇよ(^_^)ともえ夕夏小川けいと架森のん安達太良れもんぜすたハシリドコロ静ジャック青海ふゆ他人が見た夢の話岡桃代

選評名 側溝に溜まり始めた雨から雨はとても長くて降り続いているのだろうと思います。それは2人の過ごしたときの長さと終わりが近づいていることを示しているのでしょう。下の句の「いまさら好きになってごめんな」はさまざまのことを想像させます。2人が体だけの関係だったのか、別れを決意してから別れるまでの期間が長かったのか、または自分を好きと言っていた人が他の人を好きになったタイミングで好きと気づいたのか。いずれにしても降り続く雨とごめんなが呼応して美しく悲しい恋の歌だと思いました。
ミウラ
★0
世界観がとても好きです……お風呂に湯を張るときもそうなのですが、なにかに水が溜まるときって最初こそばちばちとした激しい音なのですがすぐ、ぴちゃぴちゃと優しい音になるじゃないですか。その優しい音に合わせるような下句の「いまさら好きになってごめんな」が、主体の心根の、やさしさとずるさを端的に表しているように思えて、心惹かれました。
山口綴り
★0
世界観がとても好きです……お風呂に湯を張るときもそうなのですが、なにかに水が溜まるときって最初こそばちばちとした激しい音なのですがすぐ、ぴちゃぴちゃと優しい音になるじゃないですか。その優しい音に合わせるような下句の「いまさら好きになってごめんな」が、主体の心根の、やさしさとずるさを端的に表しているように思えて、心惹かれました。
山口綴り
★0
二人の関係や状況に,側溝の雨のような澱みが発生してきている.
そんな状況での「いまさら好きになってごめんな」は,悲しくて,狡いなぁと思いました.
そして,そんな事を言う人にはとても惹かれます.
ナ行,タ行,ラ行で語尾がまとまっていて,リズムもきれいです.
朧(ろう)
★0
側溝という言葉のチョイスがぐっときました。側溝の雨はもうすぐ決壊してしまいそう。そんな満ちていく想いを無視できなくなって。そんな心音を見て見ぬ振りは出来なくなって。でも、もう時はすでに遅くて。そんな雰囲気が好きです。
あさ
★0
下の句にやられました。強い存在感と、それを掻き消すような上の句の美しさ。素晴らしいです。
せしん
★0
主体は、〈側溝〉に〈雨〉が溜まってゆく〈音〉を聴いている。どうにもならない想い〈雨〉がつのってゆく〈溜まり始めた〉、それは自分〈側溝〉にしか解らない〈音〉…という喩として機能しているように思えました。〈側溝〉というフレーズの持つ、ぶっきらぼうで硬質な、しかし流れゆくもの、というイメージが、結句の〈ごめんな〉と相まって独特の雰囲気を生んでいると思います。
西鎮
★0

薄雲のように書類が散らばって明日はどれかが雨を降らせる

出詠名 なななま天国ななお × 秋山生糸
5 / 40 ×6 ×28 ×14

互選名 せしんシナモンこの季節のたましひミウラ知己凛椋鳥藍笹キミコ青山祐己日向彼方やじこ甘酢あんかけたかはしりおこロサ・ブラックティーとうてつ山口綴り井筒ふみペンギンおじさん若枝あらう西藤智阿坂れい朝野陽々鴨衣花房香枝愁愁かざなぎりん袴田朱夏東風めかり神丘水無月水有小俵 鱚太海月ただよう中嶋港人姉野もね肉ロボ千仗千紘あさ斎藤秀雄街田青々実岡まつ小池佑ともえ夕夏おりハシリドコロといじま静ジャック羊亥ハジメ他人が見た夢の話

選評名 何の書類かは分からないけど、なんとなくネガティブなイメージのあった書類の可能性を美しく描写しているところがいいと思いました。何かの助けになったり障害になったり、大きな影響を与えるかもしれないし、全然何にもならないかもしれない。
本当の雨や雲と違うところは人間の誰かが作り、人間の誰かの元へ行く、というところだと思いました。
それから、散らばったということは同じものが複数あるととれるので、この書類は成績表や合否通知なのかなとおもいました。
鴨衣
★0
とてもユニークな比喩だと思いました。薄雲って、全然雲の形が見えなくて、厚みも感じず、均一な真っ白い紙のようです。どれかの紙が雨を降らせるというのも、紙の内容を暗示させ、読者に想像させてくれるところが、面白いと思いました。
甘酢あんかけ
★0
純粋にめちゃくちゃ上手いなぁ、面白いなぁ、と思いました。
明日の仕事の怠さみたいなもの、もしくは会議か何かが決まっていて、おそらく荒れるんだろうなという予感を雨として表現されているところがとても好みです。
薄雲のように書類が散らばった時のなんとも言えない面倒臭い気持ちとか鬱屈感、またその時の音も雨に繋がっているような雰囲気もありますね。
青山祐己
★0
「書類が散らばって」以外はすべて比喩なのにやり過ぎ感がないところに詠まれた方々の巧さを感じました。オフィスの床に散らばる書類、どれも主体にとってやっかいな案件の書類なのでしょう。ため息が聞こえてきそうな一首です。奇をてらった単語も表現もなく詠まれているのに臨場感、インパクトともに抜群なところもすばらしいと思いました。
シナモン
★0
薄雲を選んだのは何故かな、というのが気になっていました。これが積乱雲ならどしゃっと崩れる感じをイメージしますが、薄雲の場合「雨を降らせる」はなんの比喩か。未来形なので散らばった書類のどれかが問題を起こすことを漠然と不安がっている、いまの主体の心理なのかもしれません。解決を目指すよりは、少し投げやりな倦怠感を感じます。
深水遊脚
★0
書類を薄雲と見立てることで結句の雨への説得力を持たせています
床の上に散らばった書類、どんよりと不穏な気配ですね
「どれかが」という曖昧さもまた天気予報のようです
海月ただよう
★0
不思議な歌で印象に残りました。書類が雨を降らせる、という発想に惹かれました。
姉野もね
★0

雨粒を半音高く響かせてあなたの傘で春がはじまる

出詠名 うたう十姉妹ことり × 梅丘つばめ
6 / 37 ×5 ×27 ×16

互選名 はとサブレ西鎮知己凛朧(ろう)椋鳥藍笹キミコ西村春希天国ななお尾渡はちやじこ甘酢あんかけ淡海わこロサ・ブラックティーとうてつ山口綴りペンギンおじさん若枝あらうハナゾウ西藤智阿坂れいモカブレンド 尾崎飛鳥朝野陽々久藤さえ砂狐藤田美香ルナク花房香枝かざなぎりん夏山栞つりしのぶ神丘姉野もねときぽんぬあさ華栄斎藤秀雄あひるだんさー街田青々ビリでえぇよ(^_^)小川けいと架森のん安達太良泳二といじま静ジャック岡桃代

選評名 雨粒をはじく傘の音。少し弾んだ感じがとてもいいと思いました。半音高いっていう音がいい!
知己凛
★0
気持ちの高揚感から、いつもと同じ雨音も少し高めに聴こえてくるのかなと思いました。間接的な心情の表現が読者に想像を広げさせてくれます。下の句から、あなたの傘の下という特別な空間が明るい映像で見えてきて、うきうきした春が見えてきます。こんな素敵な春、お金で買えるなら買いたいものです!
甘酢あんかけ
★0
一読した時はあなたと二人並んで歩いていて、背の高いあなたの傘から自分と違う音が聞こえる...と読み取ったんですけど、あなたの傘を借りてる読みの方が自然ですね。
淡海わこ
★0
恋の始まりなのでしょうか。ちょっと舞い上がっているウキウキした気持ちが、傘に弾ける雨音に投影されているようです。初々しさが良いと思いました。
砂狐
★0
これわたしは好きです!
ときぽんぬ
★0
傘に当たる雨の音が半音高く聞こえるのは実感としても納得できますし、あなたの傘だからという主体の心情も表現されていて良いと思いました。
泳二
★0
ひとさしの傘の下を二人で歩く恋人たちの景が浮かびました。二句の描写から、主体の心踊る状況が生き生きと伝わってきます。結句から、二人はもしかしたら始まったばかりなのかと思いました。「あま」粒、「は」ん音、「たか」く、「あなた」、「かさ」、「は」る、「は」じ「ま」る…と、A音の連続や頻発が、とても明るくリズミカルで、恋の始まりを爽やかに演出しているようにも思えました。
西鎮
★0
新しい季節の始まりに、あいにくの雨ですが楽しい気分、前向きになれる歌ですね。
安達太良
★0

優しさはきっとどこかに溶けていて葉の裏側は雨を知らない

出詠名 すまぁえだ美夜 × からすまぁ
7 / 37 ×4 ×29 ×13

互選名 近江瞬toron*この季節のたましひはとサブレ西鎮椋鳥藍笹キミコ青山祐己日向彼方天国ななお尾渡はちえんどうけいこ淡海わこロサ・ブラックティーエノモトユミ若枝あらうニッキ404notF0816波乃みなモカブレンド 尾崎飛鳥朝野陽々砂狐花房香枝愁愁夏山栞つりしのぶ東風めかり🐏小俵 鱚太海月ただよう姉野もね肉ロボ千仗千紘ときぽんぬあさ斎藤秀雄街田青々実岡まつ小池佑ビリでえぇよ(^_^)ともえ夕夏小川けいと静ジャック羊亥ハジメ岡桃代

選評名 「葉の裏側は雨を知らない」という下句が格好良くて好きです。表があるから、誰かがいるから守られている。あたりまえのことだけど、それは優しさなんですね。「溶けていて」という表現も液体である雨と重なっていい感じです。
天国ななお
★0
知らずに守られている事、その優しさが、溶けてなくなる程度だと思わせている事に、大きな愛情を感じました。
葉のうらがわに焦点を当てているのが新鮮です。
「葉の裏側は雨を知らない」私なら雨を動かしたと思うので「てにをは」の重要性に改めて気がつきました。「葉の裏側は雨を知らない」とても好きです
波乃みな
★0
一首丸々好きなのですが、下の句の「葉の裏側は雨を知らない」が特に好きです。上の句の「どこかに溶けている」という表現は、「本当の優しさはさり気なく、周りには気付かれないもの」という意味なのかなと思いました。直接的には言っていませんが、「葉の裏側」にいる虫などの様子を想像しました。私の中でこの歌は梅雨のイメージで、アジサイの葉を想像しました。雨がしとしとと降る中、「葉の裏側」では虫たちがゆっくり身体を休めている、そんなイメージです。全体的に温かく優しい歌だと思いました。好きです。
尾崎飛鳥
★0
実は少し迷いました。というのが、下の句の「葉の裏側は雨を知らない」という視点は好みであると同時に、個人的に手グセとしてやるタイプの表現なもので、自分としてはやや既視感がありました。
ただそれを抜きにしても、「優しさ」が「溶ける」という言葉を持ってきたことによって、全体がおおらかな雰囲気になっている印象を受け、この感性が素敵だなぁ、やっぱり好きだなぁと思い採らせて頂きました。
青山祐己
★0
やはり着地が効いています。やられた感。
せきさん。
★0
下の句には、理を坦々と詠まれている風情のようなものと同時に、喩めいた響きも感じます。A音がリズミカルに入る韻律も美しいと思いました。ここに上の句の、余り既視感の無い〈溶け〉る〈優しさ〉が程よくシンクロしていて、非常に美しく、それでいて奥行きと自然体とを感じさせる短歌になっていると思いました。
西鎮
★0
流れがとても心地よいです。下の句の「葉の裏側」にはやられました。素直にとても巧いなぁと思いました。
砂狐
★0
下の句に惹かれました。「葉の裏側」という具体に対して上の句は「どこか」としか書いていない。想像が膨らみます。好きな歌です。
野添まゆ子
★0
なるほどなあと思いました。下の句が抜群に良いです。
404notF0816
★0
前評にもありますが、構造としてよくあるタイプの歌、という印象があります。多くの方の評価のとおり、優しさの把握やアイテムの選択としてとても上手いと思いますので私は少しもったいなく感じました。
泳二
★0

傘くらい買えばいっかの気楽さで本音を告げたあとの土砂降り

出詠名 プルートズやじこ × えんどうけいこ
8 / 37 ×3 ×31 ×22

互選名 堂那灼風聴雨シナモンこの季節のたましひ万間みいやミウラはとサブレ知己凛えーきち椋鳥さち藍笹キミコ青山祐己尾渡はち甘酢あんかけ淡海わことうてつ山口綴りペンギンおじさんエノモトユミハナゾウニッキ404notF0816友漓ゆりりモカブレンド 尾崎飛鳥朝野陽々梅丘つばめ久藤さえ砂狐鴨衣ルナク花房香枝かざなぎりん袴田朱夏夏山栞神丘小俵 鱚太中嶋港人姉野もねあさ華栄未補街田青々小池佑ビリでえぇよ(^_^)ともえ夕夏小川けいと架森のんれもんぜすた泳二ハシリドコロといじま静ジャック青海ふゆ羊亥ハジメ

選評名 雨が降る、傘をさすといった比喩がどちらのどういう行動に対して当てはめられているのかちょっとわかりにくいですが、振り幅の大きい表現が楽しいです。なんか大変なことになってそうなのに、この期に及んで気楽というか他人事みたいに言えちゃう。でもなにが起こっているのかはさっぱりです。
堂那灼風
★0
雨を「涙」、傘を「フォロー」の比喩として捉えました。
このくらいなら言っても大丈夫かなとサラッと吐露した気持ち、思いの外相手を刺激してしまって、フォローすら役に立たないくらいの大泣きさせてしまった様子を想像しました。
えーきち
★0
傘くらい買えばいいやと持たずに出かけたときにかぎって降る土砂降り。同じように何の心の準備もせずに好きだと伝えてしまったのでしょう。土砂降りから思いは通じなかっだのだろうと思いました。結句の土砂降りという簡潔な終わり方から、あっけない恋の終わりも感じました。
ミウラ
★0
「傘くらい買えばいっか」が「まあ振られちゃえばいっか」のように聞こえる。本音を告げて楽になりたい。さっさと振られて悶々とした気持ちから放たれたい。わかっていても振られると辛いのが、土砂降りから伝わってくるように感じた。
藍笹キミコ
★0
上の句のか行のかろやかな感じが「気楽さ」と合っているように思います。ですが、結句の「土砂降り」が傘をさしても間に合わないような、本音を告げた結果の落差がおもしろいと思いました。
エノモトユミ
★0
全然気楽じゃなかったんですね。結句の土砂降りがとてもいいなと思いました。
淡海わこ
★0
気楽さから一気にどん底へ下降して行く、スピードのある落差が良いです。読み終わって「あぁ…」ってなる感じにとても共感出来ます。
砂狐
★0
「傘くらい買えばいっか」と思っているので、降られてもいいと思って「本音を告げた」のでしょうか。だとしたら、ずいぶん肝の座っている人だなと思いました。本音を告げたあと、告げられた誰かは大なり小なり雨を降らす予定だったのですものね。でもわざわざ「土砂降り」と書くということは、想定外に強い雨だったのですね。ありますよね、傘の役に立たないくらいの雨。
中嶋港人
★0
うまい比喩だな、いいな、と思いました。こういう展開が身の上に起こることがあるけれどこれをこんなに短く理解させつつ共感できるように一首に詠み込んでいてすごいと思いました。読後にふふっとしてしまうユーモアがあるのも好きです。
小川けいと
★0
「本音を告げる」ところ以外はすべて比喩という一首。具体的な景は読めず、私はたいていそういう場合は疵として指摘したくなるのですが、この歌ではそこが面白さになっていると思いました。二人(?)の関係やどんな本音を告げたのか、想像が広がります。
泳二
★0

どしゃ降///でと///どき聞き取れない///れど「すき」って言われ///ことにしておく

出詠名 芳香剤中嶋港人 × おり
9 / 32 ×6 ×20 ×27

互選名 近江瞬りん2聴雨この季節のたましひ万間みいやミウラはとサブレ西鎮からすまぁ椋鳥さち藍笹キミコ日向彼方天国ななお尾渡はちえんどうけいこ甘酢あんかけ淡海わこロサ・ブラックティーとうてつことりペンギンおじさんエノモトユミ若枝あらうハナゾウ友漓ゆりり阿坂れいモカブレンド 尾崎飛鳥朝野陽々梅丘つばめ砂狐藤田美香ルナク花房香枝天田銀河かざなぎりん袴田朱夏夏山栞水無月水有🐏小俵 鱚太海月ただよう肉ロボ街田青々実岡まつ小池佑れもんぜすたハシリドコロといじま静ジャック青海ふゆ羊亥ハジメ

選評名 挑戦的な歌で、隠されている部分も気にせず読めるのが面白かったです。中身ともリンクしていて、「ことにしておく」が本当はそうでないことを示唆しているのも良かったです。一方でスラッシュで雨を表すというのはままある発想なのでそれを、どう取られるかは好みの分かれるところかなと思いました。
近江瞬
★0
個人的に視覚的な表現が好きなので、見た目のインパクトに惹かれました。ただ面白い工夫としてではなく、雨音で声が聞き取れないという歌意を、視覚的に表現しているのが見事だと思います。
りん2
★0
上から読んだとき、スラッシュの箇所でごく一瞬立ち止まってつっかえるような感じになるのが面白かったです。でも、スラッシュで見えなくなっているのは理解に支障のない箇所なので、一読でちゃんと伝わるようになっていますね。読者の視線が遮られるのと、雨音で相手の言葉がかき消されるのとが重なって、臨場感を生み出していると感じます。スラッシュだけでなく、「どしゃ降」「でと」「どき」「れど」といった濁点がまた雨粒を表しているように見えます。「すき」がひらがな表記になっているのも、はっきり聞き取れていない様子がわかって良いと思いました。
えんどうけいこ
★0
スラッシュでどしゃ降りの雨を表現しているところがおもしろいと思いました。何と書いてあるんだろう、と一瞬立ち止まりますが無理なく全体の意味が入ってきて、本当にどしゃ降りの雨の中にいるような気分になりました。見た目のインパクトだけでなく、実際は相手は何と言っていたのかなどの想像も膨らみ、ドラマ性のある歌だと思いました。
はとサブレ
★0
とっても面白いと思いました。この発想はすごい。
淡海わこ
★0
やられた!って感じです。でも、意表を突いただけでなくちゃんとストーリーがあって、恋する気持ちがとても可愛らしく詠まれていると思いました。
砂狐
★0
///を、ちゃんと読める程度に配置しているのがテクニシャンだなあ…と。テクニカル過ぎてちょっとなあ…と思ったのですがそれでも点数を入れてしまいたいとても「上手い」歌だなと思いました。
藤田美香
★0
ノイズ「///」の入る場所が背景描写、頻の副詞、接続詞、過去を示す助詞などで、ノイズの比較的少ない場所が歌意を最低限汲むのに必要な言葉であるところに興味をもちました。人の聞き方、聞こえ方は案外そのようなものかもしれません。縦書きで成立するかは疑問ですし、横書きでも環境に依存する表現かもしれないな、と思います。作り手の環境での表示、歌会での表示、このコメントの編集のための私のエディターでの表示、それぞれ違う気がします(後二者は違います)。雰囲気は伝わるのですが。
深水遊脚
★0
言葉なんていらないから早くキスしろよと突っ込みたくなるけど好き。
せきさん。
★0
テクニカルな作品ですよね。というかこういうタイプの歌が一首しかなかったのは意外でした。
言われた(ことにした)言葉が「すき」という点がひねりがないように感じました。恋歌は共感されやすいけれど、この歌の場合恋歌にしなくてもおもしろく着地できたのではないでしょうか。
西藤智
★0
短歌で記号を使う工夫は正直ほぼやりつくされていて、雨をスラッシュで表すことも目新しいものではありません。そのため類例を知っている読者にとっては逆に平凡だという印象を与えてしまいます。もちろん工夫だけに寄りかかった歌ではありませんが、その印象を挽回する一首の力としては私はやや弱いと思いました。
泳二
★0
視覚的にインパクトが強くて一番好きでした。記号を入れる場所を工夫するともっとリズムがよくなるかもしれないとおもいます。
水無月水有
★0

空港の雨はきまってあかるくてフラペチーノで知る春がある

出詠名 きすたとエノモ小俵鱚太 × エノモトユミ
10 / 31 ×6 ×19 ×25

互選名 近江瞬りん2toron*この季節のたましひはとサブレ知己凛朧(ろう)椋鳥さち藍笹キミコ西村春希青山祐己尾渡はちえんどうけいこ甘酢あんかけとうてつ井筒ふみことり草薙多賀盛剛404notF0816友漓ゆりり阿坂れい尾崎飛鳥朝野陽々秋山生糸久藤さえ鴨衣天田銀河かざなぎりん夏山栞神丘海月ただよう肉ロボ千仗千紘ときぽんぬあさ斎藤秀雄未補街田青々実岡まつともえ夕夏おりれもんぜすた泳二静ジャック狐森こと青海ふゆ岡桃代

選評名 雨の降る天気であっても明るく季節感のない空港で、唯一春を感じるのがフラペチーノであるのは事実なのかも知れませんが、そこに着目したのが面白いと思いました。全体にあ段の音が散らばっていて、春の明るさを感じます。
りん2
★0
フラペチーノで知る春という表現がとてもいいなあと思いました。そういう気づき、この世に確かに存在しますよね。空港のような開けた場所に降る雨とあわさって美しい歌と思いました。
友漓ゆりり
★0
誰かを見送ったあとや帰国後に、飛行機が次々飛び立つ様子を眺めながら新作のフラペチーノを飲んでいるのかなと思いました。空港の雨のあかるさ、すごくよくわかります。「空港」という非日常の場所で心がふわふわする気持ちを、ひらがなを効果的に使って表現できていると思いました。
草薙
★0
空港の直線的な明るさや守られたような感じ、人工的な整った季節の感触がフラペチーノという生き生きとした語で回収されています。季節限定フラペチーノはどの季節にもあるけれど、現実の季節をおいても、春である必然性が感じられます。何度読んでも好きです。
秋山生糸
★0
最後まで特選と悩みました。あんまりいい表現じゃないかもですが、めちゃくちゃ「右脳で読む歌」だなあと思います。(そして私はそういう歌が大好きです)。
文章にしてしまうと「空港の雨はあかるいので、フラペチーノで春を知る」って全然文意が通らないんですけど、不思議とすとんと腑に落ちるんですよね。なんなんだろう。
空港、雨、あかるい、フラペチーノ、春。すべての単語が脳内で繋がって、納得感を伴ったひとつのイメージに収斂する感じ。あーわかるぞ好きだぞ感。
感想下手で申し訳ないです。こういうの詠みたいなあ。
夏山栞
★0
文字を読んだだけなのに、自分が空港内のカフェにいるような感覚を呼び起こしてくれる素敵な一首だと思いました。
季節感のない空港にいて、カフェで新作のフラペチーノを飲みながらぼんやり外を眺めていると、降っている雨もあかるく春らしく見えてくる。そんなちょっとした時間があざやかに切り出されています。
空港にいるのは誰かを迎えにきたのか、それとも自分がどこかへ旅立つのか、具体的に書かれていないところが、さらっとした読後感につながっていて良いなと思いました。
久藤さえ
★0
空港の雨がきまって明るいというのは非常に共感できる良い視点だと思いました。フラペチーノで知る春、が最初わからなかったのですが、なるほど季節限定のものなのですね。
泳二
★0

やわらかな春のひかりを吸い込んで手すりの雫にやどる七色

出詠名 砂丘のカレー屋さん砂狐 × 阿坂れい
11 / 30 ×2 ×26 ×14

互選名 言繰錬せしん堂那灼風聴雨シナモン万間みいやミウラはとサブレ西鎮知己凛からすまぁ椋鳥さち藍笹キミコ天国ななおえんどうけいこ甘酢あんかけたかはしりおこ淡海わこロサ・ブラックティー水沼朔太郎とうてつ井筒ふみことりハナゾウ404notF0816西藤智友漓ゆりりモカブレンド 秋山生糸久藤さえ鴨衣ルナク水無月水有華栄斎藤秀雄街田青々実岡まつビリでえぇよ(^_^)おり静ジャック狐森こと

選評名 手すりに残った雨粒にミクロな虹を見ていますが、題なしに雨上がりを思い起こせるかどうかは自信がありません。綺麗にまとめるなかで「手すり」のみに背景描写を担わせるのはちょっと厳しいかと思います。
堂那灼風
★0
雨上がりの情景がすぐに浮かびました。公園のベンチの手すりとか、街の中にある急な階段の手すりとか、そういうすらりとした銀色の手すりが雨に冷やされて、その雫に映る虹を見ている。おそらく実際は遠くに本物の虹を見ているのでしょう。視点が上手いと思いました。
万間みいや
★0
「手すりの雫」でぱっと雨上がりが浮かびました。なんでだろう、ぴかぴかの「銀色」の手すりがなぜか浮かぶ。そしてこれ、すごくよくわかる。雨降ったあとってどこもかしこも濡れてる。手すりもだし、ベンチとか、バス停とか。だからさわれない、使えない、って思ってしまうんですが、これはその雫に焦点を当てて、綺麗だなって思ったんですね。すごい。まとまってて綺麗な一首だとも思うし、好きな歌です。
たかはしりおこ
★0
唯一の具体である〈手すり〉から得られる感覚は、硬質感や、主体のよるべなさ、または錆びついた手触り感かと思いました。優しさや美しさに満ちた他の要素は〈七色〉の虹として〈雫〉に正にレンズの如く集約され、逆説的な存在としてこの〈手すり〉に配置されている…そのように受け止めました。その構造が好きです。
西鎮
★0

きみなんて振られてしまえ傘の柄を持つ手が小指から冷えてゆく

出詠名 アンチ・プロム夏山栞 × 神丘風
12 / 26 ×1 ×24 ×15

互選名 せしんこの季節のたましひはとサブレえーきちからすまぁ椋鳥さち青山祐己尾渡はちえんどうけいこたかはしりおこロサ・ブラックティーペンギンおじさんエノモトユミ若枝あらうハナゾウ404notF0816まちか阿坂れいモカブレンド 朝野陽々ルナク花房香枝かざなぎりん袴田朱夏小俵 鱚太千仗千紘ときぽんぬあさ華栄街田青々実岡まつビリでえぇよ(^_^)ともえ夕夏安達太良れもんぜすた静ジャック羊亥ハジメ他人が見た夢の話

選評名 想い人は別の誰かに恋をしている。相手の失恋を願いながら、自身の失恋の気配に、赤い糸が結ばれているはずの小指が次第に冷えていく。
「振られる」が「降られる」との掛詞なら、「ふられる」と書くと、その後の「傘」が「サポート」の意味により繋がりやすいと思います。
えーきち
★0
好き……!特になにも考えてなかったけど好き……!前の方の読みも好き……!そうかあ、小指は赤い糸が結ばれてるはずの指かあ……そこまで深く考えてなかった……。そして「振られる」と「降られる」を重ねる発想もなかった……。でもここは別に「振られる」だけでいいのかなとわたしは思いました。声に出したり音にしたときに読み手が気付いてにやにやするくらいの仕掛けでいいのではないかと。ひらがなにしちゃうと狙いすぎ感が出そう。
個人的に好きなのは「傘の柄を持つ手」というところで、この具体的な感じ、映画やドラマみたい、って思います。主人公の悔しそうな表情を映すんじゃなくて、傘の柄をぎゅって握っている手を映して表現するの……。そういう画が見える一首なのも上手いなあと思うし好きだなあと思います。
たかはしりおこ
★0
やけっぱちな言い方の上の句から、自身の手のじんわりとした触感に移行する、心情の機微の捉え方がとても良いなぁと思いました。
「振られる」もどこかダブルミーニング的な雰囲気もあって巧みです。
青山祐己
★0
上の句の強い想いから下の句の静的な体感の移り変わりが見事な一首だと思いました。気持ちの高ぶりとは裏腹に雨の冷たさに抑え込まれてゆくどうしようもない主体の状況がたまらなく切ないですね。大好きな歌です。
街田青々
★0
二句まででもう言いたいことは言い切ってしまっていて、三句目からは状況描写なのですが、お題の消化の仕方がうまいなあと思いました。
雨を直接読み込まず傘の柄としたことでふんわりとした空気感が漂っています。
404notF0816
★0

700系 遣らずの雨かふるさとに引かれて走る窓の水滴

出詠名 ロココドボボハシリドコロ × 肉ロボ
13 / 23 ×1 ×21 ×14

互選名 せしん堂那灼風聴雨toron*この季節のたましひはとサブレ椋鳥さちえんどうけいこたかはしりおこロサ・ブラックティー山口綴りペンギンおじさんニッキ404notF0816西藤智波乃みなまちか阿坂れい朝野陽々秋山生糸藤田美香ルナクかざなぎりん袴田朱夏姉野もね千仗千紘ときぽんぬ斎藤秀雄あひるだんさー街田青々実岡まつビリでえぇよ(^_^)泳二静ジャック他人が見た夢の話

選評名 三句目以降、進行方向に対し後ろに引きずられて見える水滴をこう捉えるかというのが新鮮でした。二句目のちょっと強引な挿入がなくても気持ちは通じるのでは、と思えたところが惜しいです。慣用表現はわかりやすさを高めてはくれますが。
堂那灼風
★0
「遣らずの雨」という言葉を知らなかったので、勉強になりました………………。わたしはここは特に気にならなかったです。「ふるさとの方向へ窓を走る水滴は、遣らずの雨だろうか」っていう、文学っぽさを感じます(?)
そして「ふるさとに~」の表現が上手いなあと思いました。窓についた雨粒が進行方向の反対に流れるのは何度も見てきましたが、こんな表現ができるなんてー!そして雨粒のことしか具体的には書かれていないのに、ふるさとに未練はありつつ夢に向かって旅立つとか、帰省してふるさとへの愛を確認しつつ今住んでいる場所に帰るのか、とにかく主体のふるさとを離れる寂しさを感じます。
あと、新幹線に詳しくなくて700系について調べたのですが、なんとなーくこのへんを走るやつだな……というところまででよくわからなかったです。わからなくても十分だと思いつつ、詳しい人にはもっと深く読めたり、想像できたりするのかなあと思うとちょっと悔しい。
たかはしりおこ
★0
着眼点がとても魅力的な歌だと感じました。全体的に、スピード感のある音の響きで、そこも好きでした。
かざなぎりん
★0
雨というと上から下に降ることばかり想像してしまいますが、横方向の雨を詠んだ点、さらにその新幹線の窓につく雨を、行かないでほしいという「遣らずの雨」として詠んだ点がいいと思いました。700系、のチョイスは、「ふるさと」が大都市ではないことを思い起こさせます(例えば大都市にしか停まらないのぞみであればN700Aとなるでしょうから)。さらに、雨の筋は主体の心の後ろ髪、というふうにも読めます。700系とはいえ地上を走る乗り物の中でも相当早い部類に入りますから、主体には相当な心残りがあるようです。
袴田朱夏
★0
新幹線の窓に流れる水滴はその速さのためほとんど真横のこともあるので、それを「ふるさとに引かれて走る」としたのは巧い表現だと思いました。ただ、「遣らずの雨」というやや演歌的な匂いもする慣用表現は入れずとも、その心情は十分に伝えられる気がしました。選ばれた新幹線が700系なのは営業運転終了の記念なのか、そこがちょっとだけ気になります。
西藤智
★0
新幹線の窓の横に流れる水滴を「ふるさとに引かれて」はドラマチックで良いですね。「遣らずの雨」はどちらかというと送る側の視点の言葉ように思え、そうするとこの歌の視点が新幹線に乗る主体ではなく物語作者(いわゆる神視点)のように感じられます(700系という初句も)。神視点が疵というわけではありませんが、この歌ではやはり故郷を離れる主体の目線で読みたいと思いました。
泳二
★0

あっけなく嘘はさくらと洗われてフロントガラスの隅で混ざった

出詠名 アラナギ派若枝あらう × 草薙
14 / 23 ×1 ×21 ×11

互選名 近江瞬言繰錬せしんはとサブレ椋鳥ロサ・ブラックティー水沼朔太郎ことりニッキ西藤智波乃みなモカブレンド 尾崎飛鳥梅丘つばめ久藤さえ鴨衣花房香枝天田銀河袴田朱夏夏山栞つりしのぶ東風めかり神丘🐏海月ただよう姉野もね千仗千紘あさ華栄街田青々小川けいとハシリドコロ狐森こと

選評名 〈さくらと洗われて〉という表現がとても魅力的でした。〈嘘はさくらと〉(一緒に)〈洗われて〉と読むのが妥当かもしれないけれど、と、同時に〈さくらと〉がオノマトペのような機能を果たしています。ざぶんと、のような。フロントガラスだから車の中でしょうか。大人の恋をイメージしました。
水沼朔太郎
★0
「さくら」が漢字表記ではなく、ひらかれている理由が気になりました。偽客も「サクラ」と読ませるじゃないですか。それと「嘘」とが呼応してしまって「嘘はさくらと(して)洗われて」と読めてしまったので、詩的な雰囲気にノイズが入るような気がしました。また、流れとしても、「混ざった」で景をとめるのではなく、その先を見せた方がストーリーが生まれて、より含みを持った余韻のある歌になったのではないかと思いました。
中嶋港人
★0
歌意からは嘘がフロントガラスの外側についていた、という解釈になると思いますが、それがどのような状況なのかよくわかりませんでした。
泳二
★0
スルスルっと下の句まで読み進め、『フロントガラスの隅で混ざった』でラストを迎えた瞬間に映像がズバン!!と脳内の映写機一面を支配されました!そして改めて上の句に戻り、次はスローモーションの映像を追うように咀嚼していきました。はい!良いです!!春の終わりごろに見かける、ごく日常の映像。気にも留めない、もしくは疎ましく思う、フロントガラスの隅にべしゃりと濡れ、よれた桜の花びら。木々に咲いていたときは陽の光を浴び、人々に持て囃され、旬を過ぎるとあっけなく、誰に知られることもなく最期を迎える。そんな濡れて、ぐしゃっとなった花びらと、無様で情けない心情が重なっているように感じました。さくらを平仮名にされていることによって、サラサラハラハラと流れ落ちる様を表現出来ているように感じました。
あさ
★0

花散らす雨の向こうへ消えてゆく母は裸のくすり指して

出詠名 麦芽飲料ミロミウラ × 朧(ろう)
15 / 22 ×3 ×16 ×13

互選名 りん2せしん聴雨万間みいや西鎮知己凛椋鳥藍笹キミコ甘酢あんかけたかはしりおこロサ・ブラックティー水沼朔太郎井筒ふみ草薙ペンギンおじさん若枝あらう朝野陽々砂狐鴨衣天田銀河愁愁神丘姉野もねときぽんぬあさ斎藤秀雄街田青々ともえ夕夏架森のん青海ふゆ羊亥ハジメ

選評名 お母さんが亡くなったのかなあと詠みました。裸のくすり指、つまり指輪をしていないということで、主体を女手ひとつで育てたということかと。雨の日に、棺に入っている母親を見て、たぶん指とか組まれてて……というイメージが浮かびました。ひとつ気になったのは、最初読んだときに「くすり」と動詞の「指す」に読めて「裸のくすり?結句六音かな?」って思ってしまったことです。薬指じゃ駄目だったのかなあ……。そこに意図があるのかはわたしには読みとれませんでした。ただ、「薬指して」でも「薬」と「指す」に読んでしまう可能性はあるので、どうしようもないかもしれないのですが!
たかはしりおこ
★0
あまり考えたくはないですが、不倫の歌かなと思いました。
裸のくすり指ということは、指輪を外しているのでしょうから。
もしそうだとしたら、この姿を見せた母の子どもとしてはとても寂しい歌です。
知己凛
★0
母親は一人で家を出て行ったのかなと思いました。色んな事情があって、どうにもならなくて、母であることも妻であることもやめて出て行った。主体である子供を置いて行くことにも物凄い葛藤があったでしょう。それを全て理解できるほど大人ではない主体がじっと見送っている…。そんな訳ありのドラマを作ってしまう、余韻の残るお歌でした。好きです。
砂狐
★0
指輪をしていないことを「裸のくすり指」と表現するところは、不倫が示唆されているように思います。一緒に暮らせなくなった季節を象徴する「花」がもし桜であれば、開花するときは否応なく思い出すことになるのでしょう。散らす雨はきっと冷たいでしょう。悲しく感じる歌です。
深水遊脚
★0
裸のくすり指という表現は秀逸だと思いました。死別か、主体父親との離別か、不倫か、断定はできないものの、断定できないからこその物語の広がりと、瞬間を巧みに切り取れたことの成功があると感じました。どのように読んだとしても、主体の目に映った母親の後ろ姿は薄ぼんやりとして孤独。そしてその孤独はかたちを変えて主体にも襲いかかります。
映像的に見てもとても美しく調っていると思います。結句に向かうにしたがって、きちんと細部へフォーカスが移動していく目線の誘導があるのもいいです。景の詠み、映像としての成立、物語性、とてもバランスのいい作品だと感じ入りました。
ともえ夕夏
★0
《裸のくすり指》をした人物が、いまどのような状況なのか・どこへ向っているのか、書かれていないので分からない。亡くなった・別居または不倫または離婚・普段から指輪をしていない(農作業など)……さまざまな可能性が考えられるけれど、いずれにしても、2つの「情」をあらわす景、つまり「花が散る」(=祝福)「雨が花を散らしている」(=悲しさ・淋しさ)の乗算が、そのまま語り手の情になっていると感じる。このことは、この人物が《母》という語り手との関係性をあらわす言葉で名指されていることによって、よりいっそう強められているように思う。指輪はある種の「枷」の象徴だけれど、これがないことによって、《母》は《裸のくすり指》を獲得する。ここで《裸》は、ヌードよりもっと剥ぎ取られた、ネイキッドに近い生身の肉の感触を与えているように感じる。衣服を脱ぐよりも、もっと裸。完全なネイキッド、けもののような生身、というひとつの極があるとして、その反対の極は、着膨れたニンゲン、だろうか。ここで《母》と呼ばれる人物は、語り手の目には、二重の、あるいはふたつの極のあいだに漂う、亡霊のような、振動する何かとして映っているのではないかと感じた。この二重性・亡霊性を的確に捉えた歌だと感じました。
斎藤秀雄
★0

春雨も秋雨もぜんぶ酸性雨 レモンサワーに溺れる夜は

出詠名 ひかりの使徒花房香枝 × ぬぬ
16 / 22 ×2 ×18 ×10

互選名 堂那灼風はとサブレ椋鳥藍笹キミコ西村春希やじこロサ・ブラックティーとうてつペンギンおじさん多賀盛剛西藤智阿坂れい朝野陽々梅丘つばめ藤田美香かざなぎりんつりしのぶ神丘姉野もね肉ロボあさ華栄あひるだんさー街田青々架森のん泳二ハシリドコロといじま狐森こと青海ふゆ

選評名 一杯で酔い潰れるイメージの酒ではないので、どちらかというと意識的なストレス発散の雰囲気です。体言止めの強い断定には季節感や風流を自分でぶち壊して捨てる思い切りがあります。夢じゃ食っていけない、綺麗事じゃ生きていけない、とかに似るつらさ。レモンサワーが流行っているような気がするんですが、その体感とも重なってかなり現代を感じる一首でした。
堂那灼風
★0
梅沢富美男の顔のついたレモンサワーをほぼ毎晩飲んでいるので見過ごせない歌でした。
酒に溺れる、という内容なのにどこか明るいのは、詩情あふれる言葉として扱われがちな「春雨」「秋雨」を「酸性雨」と言いきる気持ちよさによるものかと思います。言葉選びのバランスがよくて好きです。
西藤智
★0
好きです!カランっと氷が溶けてグラスが揺れる音が聞こえてきそう。あーぁ、と投げやりになって、お代わりを重ねて、くだをまいて、どうにもならん想いを飲み流している。その酸っぱい気持ちを酸性雨とレモンサワーという言葉でかけている所が好きです。春雨も秋雨もぜんぶ、ってところに投げやり感が出ていて、溺れているなぁ、と他人事だから笑えるような、そんな愉快さ軽快さも感じられました。
あさ
★0
この歌の季節はいったいいつなんだ、という疑問が湧きますが、レモンサワーに溺れているのでいつでもいいですね。酸性雨→レモンサワーという連想(逆か)も自然さと突飛さのバランスがちょうどよいと思います。個人的には主体が「溺れる」と言ってしまうとやや言い過ぎ(理性的すぎ?)かなと感じましたが。
泳二
★0
投げやりで自暴自棄ともとれる言い回しと内容なのにポップで明るい印象があるのが好みでした。「春雨」とか「秋雨」とかそういうものに含まれる風情を全部季節性のない液体の性質としての「酸性雨」に雑に括ってしまうこと、酸性の液体であるレモンサワーを飲んでいる描写から、かなり酔って世の中うあ一般的に良いとされている物にぐだぐだ文句をつけている光景を想像しました。酔ってネガティブになるというある種どうしようもなく俗な行為を行っていながら、その内容が「春雨」「秋雨」だったりレモンサワーから酸性雨を連想していたりとなかなか粋で心地よく、そういうの好きなんだよなあと思いました。
ハシリドコロ
★0

君はまたうなじを濡らすの夕立の郵便夫にも傘をかざして

出詠名 文鳥パフェ鑑定団海月ただよう × 愁愁
17 / 21 ×3 ×15 ×13

互選名 聴雨toron*この季節のたましひ万間みいやミウラ朧(ろう)椋鳥藍笹キミコロサ・ブラックティー山口綴り草薙若枝あらう404notF0816友漓ゆりりまちか尾崎飛鳥鴨衣天田銀河袴田朱夏東風めかり神丘中嶋港人斎藤秀雄あひるだんさー街田青々実岡まつといじま狐森こと他人が見た夢の話岡桃代

選評名 言葉の節々に別の意味を見いだせる素敵な一首です。うなじ、郵便夫という古風な名詞が効いています。
歌意としては自分以外の男性にも傘を差し出して濡れてしまう恋人(妻)に嫉妬をしている様子と読みました。
404notF0816
★0
傘を渡すのではなくて「かざす」,濡れていくのが「うなじ」,そして「また」という言葉に想像が膨らみました.夕立にあって濡れている郵便夫という,色気のあるチョイスもとても素敵です.大好きです.
朧(ろう)
★0
長い髪を緩く束ねて、襟のついた白いシャツワンピースをまとう女性を思い浮かび、その思い浮かべたカットは昔の白黒映画の一コマのようで、とても妖しげでロマンチックでした。そこから匂い立つのは、誰かの嫉妬心。このあとの展開を想像してしまいました。素敵です。
あさ
★0
雨って、うまく言えないのですが、複雑な心境を表すというか、気持ちが乱れるときほど心に引っかかってしまうというか、そういう気がします。
この歌にはそれがよく表われていて、浮かび上がってくる情景がとても印象的でした。
それぞれの登場人物の、それぞれの心の動きが、いろんな音を奏でる雨と重なっていいなあと思いました。
天田銀河
★0
景の切り取り方の構図がとても美しいと思いました。上二句で強烈にフォーカスを合わせ、残りの文字で夕立、郵便夫、傘が浮かんできます。良いレンズで写された写真のように、まわりはどんどんぼやけていて、実景なのかイメージなのかも分からない景の演出として上手くはまっていると思いました。
若枝あらう
★0

にわか雨せめてあの信号までは僕らを傘に閉じ込めてくれ

出詠名 ダイナミックジャパン桃の妖精さん × 西村春希
18 / 20 ×2 ×16 ×27

互選名 近江瞬堂那灼風シナモンこの季節のたましひミウラはとサブレ知己凛からすまぁ椋鳥日向彼方尾渡はちやじこえんどうけいこ甘酢あんかけ淡海わこロサ・ブラックティーとうてつ山口綴りことりペンギンおじさんエノモトユミハナゾウニッキ404notF0816阿坂れいモカブレンド 尾崎飛鳥朝野陽々藤田美香花房香枝袴田朱夏中嶋港人千仗千紘ときぽんぬあさ華栄街田青々実岡まつビリでえぇよ(^_^)れもんぜすたといじま羊亥ハジメ他人が見た夢の話岡桃代

選評名 ストレート! 閉じ込めるというほどなので、ゲリラ豪雨並みの、傘から一歩も出られない雨を思います。「にわか雨」は初句切れながらそこまで目立つ言葉でもなく、心情の直球を邪魔しないバランスになっているように感じます。
堂那灼風
★0
今回の歌の中でいちばん勢いを感じた歌でした。真っ直ぐでガスンと豪速球で意味が届いてくる歌ですね。作り自体はシンプルで凝ったり飾ったりしてないのですがたくさんある歌の中でいちばん「本当の事っぽさ」を感じます強いです。
ハナゾウ
★0
『閉じ込めてくれ』が好きです。もうすぐ解けてしまう魔法のような時間を祈りながらあと少し、もう少しだけと祈り願いながらも、この時間を堪能する余裕もなく、、そうする間にも終わりが近づいていく焦りを感じられました。にわか雨、というのが、やっと訪れたチャンスで、でもどうにもこうにも出来ない歯痒さを感じ、微熱の二人を思い描きました。
あさ
★0
もう少し同じ傘の中にいたい、という歌意は珍しくないと思うのですが、この歌はとても心に響きました。
初句でにわか雨を想像させて、そこから信号→僕ら→傘と視点が移っていきます。読者が景を想像しやすく、結句の「閉じ込めてくれ」から主体の気持ちが伝わってくる、とても良い歌です。今回いちばん好きな歌でした。
日向彼方
★0

ひとつぶの雨で崩れるバランスで歩くわれらに降るさくらばな

出詠名 そよ風とそよ風安達太良 × 山口綴り
19 / 20 ×1 ×18 ×14

互選名 近江瞬聴雨toron*万間みいやはとサブレ西鎮椋鳥藍笹キミコ天国ななお尾渡はち甘酢あんかけ水沼朔太郎とうてつ井筒ふみことり草薙エノモトユミ若枝あらう西藤智まちか尾崎飛鳥朝野陽々藤田美香ルナクかざなぎりんつりしのぶ姉野もね斎藤秀雄あひるだんさー街田青々実岡まつハシリドコロ

選評名 雨粒ひとつ程度のことでバランスを崩すかもしれない危うい恋。儚い命のさくらばなを用いることで恋への(恋人への?)不安や主体の不安定さをうまく表現していると思いました。儚いからこそ美しい恋なのでしょうか。
ことり
★0
なぜふたりのバランスがひとつぶの雨で崩れてしまうのかが読みとれませんでした。それぐらい危うい(もろい)関係だということはもちろんわかるのですが。
泳二
★0
雨粒ひとつで崩れる二人の関係。もう終わりそうなのでしょうか。〈雨〉は、二人の関係の継続にマイナスとなる様々な要素の喩のようにも思われました。結句の〈さくらばな〉だけが、優しく二人を包んでいるのが、余計に切なく感じられました。
西鎮
★0

致死量の孤独を抱えないように適宜届ける柔らかき雨

出詠名 みりん万間みいや × りん2
20 / 19 ×3 ×13 ×10

互選名 言繰錬聴雨この季節のたましひ西鎮知己凛藍笹キミコ日向彼方やじこえんどうけいこ甘酢あんかけロサ・ブラックティー西藤智友漓ゆりり阿坂れい朝野陽々梅丘つばめ花房香枝水無月水有あさ斎藤秀雄あひるだんさー街田青々小池佑おりハシリドコロ

選評名 視点が好きです。孤独には晴れよりも雨のほうがやさしいのかもしれない。
一人の人間に、「雨を届ける」なんてそんな力はないはずだけど、きっとこの人は届けたんだろうなぁ。そして届けられた人は救われたんだと思う。いい。

いや、雨はもっと具体的な、比喩なんだろうか。わからないけど、好きな歌でした。
(蛇足ですみませんが、普通に「柔らかい」でもいい気もしました。)
やじこ
★0
雨は時によっては優しさになるのだと再確認できた歌でした。
人それぞれに抱えきれる孤独の限度量があり、孤独に寄り添うことができるのは雨。そのことを誰かが知っていて、届けてくれるという歌だと読みました。
送り主が誰なのかわかりませんが、神のような存在ではなく、孤独を抱えている人の近くにいる人だったらいいなと思いました。
桃の妖精さん
★0
「適宜届ける」というのがいいですね。誰が誰に届けるのかは読み手に委ねられた歌ですが、「適宜」というのが湿っぽくなりすぎなくて好きです。
四句目までが漢字も多くかっちりとした作りなので、五句目は「やわらかい」としたほうが音的にも見た目の上でもよりやわらかさが伝わるように思いました。
西藤智
★0
雨というのはイメージとして哀しみを想像するものが多いですが、この歌では逆に柔らかな日をまとった雨が心を解いてくれていて。疎ましいはずの雨が、この身を解き、雫を纏わせて守ってくれる。そして、致死量になり得る孤独さえも流し落とし行く雨。柔らかで優しい雨の温度を感じました。
あさ
★0
雨で洗い流しているところはあるかもしれないなと思いました。
よしおかさくら
★0

簡単にとびきりになる日々があるチュッパチャップスの雨を降らせば

出詠名 ゆかりおにぎりずたかはしりおこ × 404notF0816
21 / 19 ×1 ×17 ×14

互選名 せしん聴雨椋鳥尾渡はちやじこえんどうけいこ甘酢あんかけロサ・ブラックティー水沼朔太郎ことり草薙多賀盛剛西藤智波乃みな尾崎飛鳥朝野陽々秋山生糸梅丘つばめ砂狐藤田美香花房香枝袴田朱夏水無月水有海月ただよう中嶋港人姉野もね千仗千紘華栄街田青々といじま狐森こと他人が見た夢の話

選評名 「チュッパチャプスの雨」のイメージがカラフルでたしかに「とびきり」で、とても好きです。比喩でなく、実際にばら蒔いている光景を想像しました。
比喩でないとすると「チュッパチャプスの雨」は降らしている人と浴びている人が存在すると想像したのですが、どちらの側も楽しいんだろうなー!と思いました。あるいは一人で大量のチュッパチャプスを上に向かってばら蒔いてそれを浴びているのかもしれないですが、それでもめっちゃ楽しそうだと思います。
ハッピーを自らの手で作り出す、その姿勢にとても惹かれました。
椋鳥
★0
わかる、ひとのきもちは簡単にかわる、かわりうるできごとがおきれば、でも、その、かわりうるできごとがおきるかどうか、映画やったら奇跡もおきるけど、現実は、どうや、奇跡はおきんと、おこりうることしかおきひん、でもほらぎゃくに、奇跡はおきひんから、おこりうることはいつかおきる、奇跡がおきて、おこりうることがおこらんくなるていうことがない、チュッパチャップスの雨は? 確率はしらんけど、おこりうる、運んでる飛行機からおちてきたり、ビルのうえからまいたり、ちょっといたそうやけど、いつかおこる、それをことばにすること、いいあらわすこと、それを希望ていうやったっけ、希望はことばにできる、希望はことばとして共有できる、おお、それがあるだけでかわれるやん、とびきりになれるやん、とびきりのことおこらんくても、希望をあたえる、このひとがおるだけで、日々はとびきり。ていうのがかんじられて、とてもすきでした。
多賀盛剛
★0
ポップでカラフルな雨のイメージが楽しく、チュッパチャップスの語感に水が跳ねる音も重ねられます。「簡単にとびきりになる日々がある」と無邪気に言うのも難しい時代ですが、そうした影を一切描かない作り込みで、ひとつの世界観を作っていますね。
深水遊脚
★0
めちゃ良いです。コミカルなミュージカルみたい。
明るくて爽快でキュート。
藤田美香
★0

やさしさを許し合えない僕たちの言葉のかわりだった雨音

出詠名 まだまだ建設天田銀河 × 袴田朱夏
22 / 18 ×1 ×16 ×24

互選名 言繰錬聴雨この季節のたましひ万間みいやミウラ西鎮椋鳥藍笹キミコ青山祐己尾渡はちえんどうけいこ甘酢あんかけたかはしりおこ淡海わこロサ・ブラックティー山口綴りペンギンおじさんエノモトユミハナゾウニッキ阿坂れい尾崎飛鳥朝野陽々梅丘つばめルナク花房香枝かざなぎりんつりしのぶ🐏肉ロボあさ斎藤秀雄未補あひるだんさー街田青々小池佑ビリでえぇよ(^_^)れもんぜすた静ジャック岡桃代

選評名 黙ることが優しさな時もある。でも本音を言って欲しかったりする。お互いに。でも黙っているから雨音が聞こえるのだろうな、と読んだ。
藍笹キミコ
★0
相手への思いやりややさしさが、時にその相手を傷つけてしまうことがある。沈黙の中で響く雨音は、はたして主体たちの思いを正しく伝えてくれているのだろうか。すれ違うふたりの心情を想像してとても切ない気持ちになりました。好きです。
朝野陽々
★0
やさしさを許さない理路・感覚がもしあるとすれば、やさしさが摩擦を回避するための保身であるとの考えを、主体と相手(あるいは他のコミュニティのメンバー)と共有している状況なのかなと思いました。あるいは刺激を求めあう関係なのかもしれません。激しい雨が似合います。
深水遊脚
★0
雨音だけがそんな自分達を赦した。とも思いました。やさしさを許し合えない二人というのが、どんな風にも受け取れますが、私はただ不器用な二人として思い描きました。そんな二人に注ぐ雨は、対照的に雄弁で。その音にだけは素直に委ねられた想いがあったのでは、と感じました。言葉のかわりだった雨音、という響きが好きです。
あさ
★0
わかる。わかるのですが「やさしさを許し合えない僕たち」にも「言葉のかわりの雨音」も常套的な気がします。
泳二
★0
票+評、お読みくださりありがとうございました!読むほうとしてもこのページを大いに楽しませてもらいました!
袴田朱夏
★0

どしゃ降りが全部剥がした真夜中に君に抱かれていいと思った

出詠名 栄光の黄色いくちばしえーきち × 椋鳥
23 / 18 ×0 ×18 ×16

互選名 近江瞬言繰錬はとサブレ西鎮朧(ろう)西村春希青山祐己尾渡はちたかはしりおこロサ・ブラックティーとうてつエノモトユミ若枝あらうハナゾウニッキ404notF0816モカブレンド 尾崎飛鳥梅丘つばめ砂狐花房香枝天田銀河袴田朱夏千仗千紘ときぽんぬあさ街田青々おりれもんぜすたといじま青海ふゆ羊亥ハジメ他人が見た夢の話

選評名 激しい雨をイメージしました。それこそ何かを剥がしてしまうような暴力的な音がする、比喩でなく現実に屋根などを剥がしてしまいかねない雨を。ビートの効いた音楽が好きなので、音が字のイメージを越えて身体に働きかける感覚がよくわかります。「君に抱かれていいと思った」という直球の下の句は「どしゃ降り」「全部剥がした」という上の句の言葉の激しさと響き合っています。「剥がした」は直接的に衣服とも考えましたが、抱かれることへの葛藤はそれだけではないでしょう。翌日には衣服をまとうようにその葛藤もまた着けるのかもしれません。この「真夜中」だけが特別。刹那の激しさなのでしょう。
深水遊脚
★0
極限の愛のように感じました。ギリギリな感じが好きです。
砂狐
★0
激しい雨の音が外界から主体と君を切り離して、ふたりの世界になっています。普段は「君に抱かれて」はいけない理由があるのだけど、どしゃ降りが理性とか世間体とかを「全部剥がした」のではないのでしょうか。
梅丘つばめ
★0
上の方が書かれているように、ギリギリの感じの匂いが好きです。
真夜中のどしゃ降りじゃないと剥がせないほどの皮。そんな全てを剥いだ相手に自分もようやく全てを剥がせる。いっときの時間でも、二度は無くても、もう後戻りは出来ない。そう思い知らされる雨だと思いました。
あさ
★0
「どしゃ降り」「全部剥がした」「真夜中」「君に抱かれていい」少し揃えすぎた気がしました。それによって前評のギリギリ感の効果が生まれているとは思いますが。
泳二
★0

アパートの名前は銀の雨屑の彼方の、確か、虹のひといろ

出詠名 salon de 油山東風めかり × 藤田美香
24 / 17 ×2 ×13 ×8

互選名 りん2toron*西鎮朧(ろう)からすまぁ椋鳥さち西村春希甘酢あんかけ西藤智波乃みなルナク愁愁小俵 鱚太海月ただよう姉野もね華栄斎藤秀雄街田青々ともえ夕夏狐森こと青海ふゆ羊亥ハジメ

選評名 アパートの名前を思い出すまでの思考の過程を比喩しているのかと思いました。「雨屑」「虹のひといろ」などの各フレーズとしても全体の歌意としても、十全に意味がとれている訳ではないのですが、とにかく気になってしまって票を入れました。
「虹のひといろ」が特に気になってこれは「虹の一色」なのか「虹の人色」なのかとか、考えさせられました。「虹の一色」ならば、虹の足りない一色がそのアパートにあって、「虹の人色」ならそのアパートに住んでいる人のことを表しているのかな、と。おそらく明るい景の歌で、淋しい景が多いなか引き付けられた歌でした。
toron*
★0
記憶をたどる過程が描かれていていいなと思いました。句点の効果でしょうか、ぽつぽつと記憶がよみがえる感じがして、ストーリーの広がりと奥行きが感じられました。
甘酢あんかけ
★0
雨を形容する言葉、雨に縁のある言葉をかさね、連想を辿るかたちで、思い出すプロセスを追体験するような読み心地でした。間の取り方がいいように思います。読点の効果かもしれません。
深水遊脚
★0
評を読んで歌意を理解(?)しましたが、ほんとうに思い出そうとしている過程の歌でしょうか。アパートの名前は七色のうちのどれか(メゾン緑とか?)ということになりますが、それを「銀の雨屑の虹の一色」と思い出すというのは私は乗れませんでした。比喩としてならわかるのですが。
泳二
★0
〈銀の〉以降が、読点も含め絶妙な配置で、迫ってくるような美しい韻律を感じました。〈アパートの名前〉を思い出している思考の一節なのでしょうか。主体がこれまで住んだ全てのアパートの名前をひとつひとつ思い出している情景のようにも思えました。不思議な雰囲気ですが、もしかしたら住んでいた当時の様々な出来事とともに、印象的な景色とアパートの名前がオーバーラップしている様子のようにも思えました。また、〈銀の〉、〈雨屑の〉と読んでも、〈銀の雨〉、〈屑の彼方〉と読んでも、どちらでも通りそうな感じも、面白いように思いました。
西鎮
★0

スコールを降らせたい日がたまにあるホワイトノイズを聞きながら夜

出詠名 きみことせしんせしん × 藍笹キミコ
25 / 17 ×1 ×15 ×9

互選名 堂那灼風はとサブレえーきち青山祐己尾渡はちロサ・ブラックティー山口綴りエノモトユミ西藤智波乃みな阿坂れい梅丘つばめ久藤さえ花房香枝かざなぎりん🐏千仗千紘あひるだんさー街田青々実岡まつおりハシリドコロ羊亥ハジメ岡桃代

選評名 耳からノイズを流し込むのは個人的で孤独な状態だけど、雨がノイズ代わりを果たすのであれば世界が味方についているような安心感がある、かも。自分と大きなものとの関係が重要であって、他人のことは一切考えもしていない感じを受けます。
堂那灼風
★0
嫌なことがあると外界から遮断されて一人になりたくなりますね。
私にとってはホワイトノイズはラジオのイメージでした。深夜に一人耽るラジオ、それは自分の意思で降らせるスコールなのかもしれませんね。
えーきち
★0
「雨」の語そのものを詠みこまず、「スコール」に置換し初句へ配している点にまず惹かれました。類想がなく歌に立ち止まらせる引力があります。
ホワイトノイズの音は確かに形容するならば雨のようであり、浴びるように聞く様子が上句のスコールから想像されます。
「たまにある」というのも共感を誘う効果があるうえに、スコールそのものがたまに降るものなので全体を通して練られている構成に感服しました。

また、夜に雨に打たれるかのような音に晒される主体を捉えると孤独な時間に耐えているとも、嫌な出来事を洗い流して新しく朝を迎えたいと考えているとも取れました。
おそらく誰もが抱いたことがある夜のむなしさや明日へ切り替えたい気持ちを、実際の雨の情景ではなく音と聴覚に寄せて現した点に新規性があり大変惹かれました。とても素敵な歌だと思います。
千仗千紘
★0
夜のホワイトノイズ、ラジオやテレビというよりも、春雨の降り続く音をホワイトノイズと譬えたのかなと思いました。やさしい雨音でもずっと続いていると耳について、いっそのこと一気に降ってさっさと止んでくれないかなという苛立ちを感じることがあります。
雨音のことを詠んでいるようであって、あるいは身近な人間関係、たとえば優しいけれど変化も主張も乏しい恋愛の相手に対する、ふとした苛立ちにも通じるものがあるのかなと思いました。
阿坂れい
★0

うそつきがあおぞらをみていいましたぼくたちにふる雨はながいね

出詠名 みずとあぶら水無月水有 × 中牧正太
26 / 16 ×2 ×12 ×13

互選名 この季節のたましひ知己凛からすまぁ椋鳥さち藍笹キミコ西村春希青山祐己ロサ・ブラックティーとうてつ井筒ふみハナゾウ波乃みな友漓ゆりり尾崎飛鳥朝野陽々久藤さえ愁愁袴田朱夏姉野もね千仗千紘ときぽんぬ未補街田青々実岡まつ安達太良狐森こと

選評名 うそつき、が全体にいい影響を与えていると思います。どこまでがほんとうでどこまでが嘘なのか分からない。ひらがなのかもしだすそこはかとない曖昧な空気に惹かれました。どんな物語があるんでしょう。二人でこういうものを作り上げるのって結構難しいと思うんです。うそつき、あおぞら、ぼくたち、の四文字の響き合いもいいなと思いました。
からすまぁ
★0
雨だけを漢字にしたのがよい、と思いました。うそつきが牽引する1首で雨は詠み込んであるけと降ってない。降ってないのに不穏な空気漂う歌だと思います。
井筒ふみ
★0
こういう回りくどい告白、好きです。
ふたりの雨がいつまでも降り続けますように。
波乃みな
★0
「雨」以外はひらがなで書かれていることと語り口があいまって、絵本のような印象を受けました。
もしかしたら「うそつき」は嘘をついているつもりはなくて、自分では本当にずっと雨の世界を生きているように感じている人なのかもしれない、とも考えました。
そうだとしたら、長く一緒にいる人は、隣にいるのにその雨の世界を共有できないことをとてもさみしく思っているのかなと思いました。
久藤さえ
★0
すいません、うそつきが誰なのか、何かの比喩なのか物語なのか、私にはわかりませんでした。前評の方の「告白」という解釈を聞かせていただきたいと思いました。
泳二
★0
この「うそつき」はきっと嘘をついていないんじゃないかな、と私は読みました。心の中の悲しみや寂しさを「雨」と喩えて、それを正直に口にしたのだと思います。「雨」以外をひらがなで開くことにより物語の深みをさらに引き立てているように感じました。好きです。
朝野陽々
★0

去る恋を雨と名づけて振り向けばその航跡に鈴なりの虹

出詠名 うににひたひた未補 × 斎藤秀雄
27 / 13 ×2 ×9 ×9

互選名 言繰錬この季節のたましひ西鎮からすまぁ藍笹キミコ尾渡はち淡海わこロサ・ブラックティー西藤智朝野陽々かざなぎりん東風めかり小俵 鱚太海月ただよう中嶋港人ときぽんぬ街田青々ビリでえぇよ(^_^)安達太良羊亥ハジメ

選評名 作品全体のやわらかな雰囲気のなかで「航跡」という言葉がやや硬いのが気にはなるのですが、歌の持つ前向きな明るさに共感しました。何しろ虹は光が射さなければ見えませんから。主体は恋の終焉のさなかでも沈み込むことなく、この恋で生まれたたくさんの思い出ひとつひとつに「虹」を見出している、美しい作品だと思います。
西藤智
★0
「鈴なりの虹」という言葉がいいと思いました。航跡のひとつひとつの波に虹を見出だし、浮かびあがる映像が綺麗です。「去る恋」には終わる理由があったでしょうし、終わる瞬間はやはり悲しいものなのでしょう。そんな恋が残した様々なものを肯定したい思いを感じます。
深水遊脚
★0
船が残していく航跡は束の間の引力を持ちます。
波を捉えた浮遊物は暫く去った船を追うように揺れ動きながら辿ってゆき、やがて水面は平穏を取り戻します。
比喩ではあるものの船の別れで寂しいのは断然、残されるほう。
結実しなかったであろう恋や追慕、そして時間経過をお涙頂戴ではなく、美しく表現している歌です。航跡は光の跡にも音が通じて、一首全体の雰囲気にも効果的に作用しています。
東風めかり
★0
〈雨〉と名づけた〈恋〉。もう終わる二人のこれまでを振り返れば、〈虹〉、恐らくは様々な輝きに満ちた思い出の数々に満ちていた、そんな情景でしょうか。終わりゆくものに、その時点で名前を与える視点、そして、自らを含む恋人との関係性を船のような存在に喩えた〈航跡〉という表現、どちらにも強く惹かれました。ともすれば少し遠い意味をもつ言葉が配置されているようにも思えますが、そのギリギリの違和感めいた雰囲気により、かえって複雑な読後感を生み出しているように、私には思えました。
西鎮
★0

雨の予報無視して洗う布団カバー待ってばかりのあなたの返事

出詠名 関西センチメンタルず街田青々 × 小池佑
28 / 13 ×1 ×11 ×13

互選名 近江瞬この季節のたましひ万間みいやえーきち椋鳥青山祐己尾渡はち甘酢あんかけロサ・ブラックティー草薙ペンギンおじさんニッキ多賀盛剛友漓ゆりり阿坂れい尾崎飛鳥朝野陽々夏山栞中嶋港人千仗千紘ときぽんぬともえ夕夏ハシリドコロ静ジャック他人が見た夢の話

選評名 「あなた」に来て欲しいから、いつでも泊まれるように準備している。
けれど返事は来ない。雨の予報は、「涙の予感」ともとれますね。
えーきち
★0
下の句を受けての、この上の句から、あなたへの強い気持ちが伝わってきました。段取りだとか、冷静な判断だとか、そういうの飛び越えて、「洗いたいから洗う!」みたいな主体の気持ちからくる強引な行動が、とても魅力的な歌だと思いました。
甘酢あんかけ
★0
最初歌意がよくわからなかったのですが、評で理解しました。洗うのが布団カバーというところに私はあまり実感がわかないのですが、それは私がそういう生活に疎いだけかもしれません。初句と三句がどちらも長音で終わって六音となっているので上句がやや間延びした印象があるのと、初句の助詞を省くことでぶつ切りになる気がするので、初句七音となっても「を」を省かない方が私は好きです。
泳二
★0

ため息よ空をめぐって雨になれ貴方を濡らす止まない雨に

出詠名 華サブレのレシピ華栄 × はとサブレ
29 / 13 ×0 ×13 ×6

互選名 せしん堂那灼風えーきちからすまぁ藍笹キミコ青山祐己えんどうけいこたかはしりおこ淡海わこロサ・ブラックティーニッキ阿坂れい尾崎飛鳥朝野陽々梅丘つばめ街田青々小池佑安達太良静ジャック

選評名 ため息に潜む水気を思えばずいぶんため息にため息を重ねている姿が浮かんできます。けっこうコミカルに見えるんですが、下で言いすぎなほど多量の雨を願うにあたって、それぐらい沈みまくった描写をしたのがちょうど良かったと思います。
堂那灼風
★0
ため息の水蒸気が雨になってしまうという発想が面白いです。
そして、積もり積もった想いが、少しでもあなたに影響したらいいのにという点が、今はまだ何も届いていない切ない状況を想像させます。
えーきち
★0
心底愛想を尽かせている様が伝わります。深刻さが理解されない分だけ雨量も増えることでしょう。空をめぐることも止まない雨も、そう大袈裟でもない比喩なのではないか。そう思います。
深水遊脚
★0
私のこの想いで貴方を直接濡らすのではなく、空を巡って、というところに惹かれました。10年経っても思い出すかつて憎んだ思い出に、『不幸になっていればいい』『幸せになっていればいい』そんな相反し共存するなんとも言えない気持ちを抱くことがある自分の心を詠んでくれたような気がしました。
あさ
★0
「君が行く海辺の宿に霧立たば我が立ち嘆く息と知りませ」と万葉集にあるように、昔から自然現象に仮託して愛する人に思いを届けたいという願いは繰り返し詠まれてきた。この一首では止まない雨になって想い人を濡らせというのだから、深い悲しみを思い知らせてやりたいという嘆きであろう。「空をめぐって」には、想う人が心理的にも物理的にも距離があるということと、主体にとっての世界を占める思いがその嘆きであることが表現されている。初句「ため息よ」ではあるが、繰り返される「雨」は主体の悲しみの涙の象徴に他ならず、泣くだけ泣いた後にもなお消えない悲しみのため息であり、受け容れられることのない愛しさである。「止まない」のは断ち切ろうとしても断ち切れぬ主体の思慕である。古典的かもしれないが普遍的な美しさのある相聞の一首。
阿坂れい
★0
自分のため息の分だけ貴方によくないことがあれ、みたいな気持ちかなと思いました。いくらため息をついても貴方には少しもダメージがないことはわかってて、でもなんかダメージあれよ、みたいな感じで、雲になって雨になったらいいなって思う感じ、共感できます。
小池佑
★0

3人目の家族かきみは 雨は降る 白木蓮がひかりを帯びる

出詠名 トペ・スイシーダ多賀盛剛 × 水沼朔太郎
30 / 12 ×2 ×8 ×8

互選名 朧(ろう)椋鳥さち藍笹キミコえんどうけいこまちか秋山生糸久藤さえルナク肉ロボ街田青々実岡まつれもんぜすた泳二ハシリドコロ青海ふゆ羊亥ハジメ

選評名 初句二句は、「きみ」を「家族」だとやっと実感を伴って認識した、という風に読みました。家族なのか、という驚きのような、戸惑いのような感情があるのかなと思いました。
しかし、その驚きあるいは戸惑いは不快なものではないのだろうと、下の句の描写から思いました。「家族」が増えることへの静かな喜びが下の句に表れていると読みました。
この雨は白木蓮を散らしてしまうような激しい雨ではないのだろうな、と想像しました。一字空けによる"間"、好きです。3人目の家族かきみは、と認識してから喜びが沸き上がるまでの静かな時間経過が、一字空けと「雨が降る」の間に流れているように感じます。
椋鳥
★0
夫婦の間に新しい命が誕生した瞬間の歌だと読みました。白木蓮が咲いているということはちょうど今くらいの季節で、雨が降っている。「ひかり」に象徴されるように、「きみ」が生まれたことで、その日の雨も、白木蓮もいつもとちがう特別なもののように感じられて、家族にとっては一生大切な忘れられない日となる。ゆったりした一字あけによって、喜びを実感するまでの時間が感じられます。「きみ」を慈しむ気持ちが伝わるあたたかい歌で、心に残りました。
えんどうけいこ
★0
白木蓮は生まれたての子供を包むタオルも表しているのかなと思いました。全体として柔らかさを感じる素敵な句です。
肉ロボ
★0
独白、実景、心情を反映した景、という構造が主体の視線と心の動きをうまく表していると思います。「3人目の家族かきみは」は生まれてくる子供への言葉としては少し違和感もあるのですが、そこに戸惑いがあるようにも読めます。好みの問題ですがこの歌だと3は漢数字の方が好きです。
泳二
★0

呼び方を定めないから雨が地に染むまでは問わないで 先生

出詠名 女^2友漓ゆりり × れもんぜすた
31 / 10 ×2 ×6 ×9

互選名 せしんtoron*この季節のたましひ西鎮椋鳥ロサ・ブラックティーペンギンおじさんまちか天田銀河愁愁🐏ときぽんぬ斎藤秀雄あひるだんさー街田青々ともえ夕夏

選評名 「雨が地に染むまで」という、時間の長さの表現に魅力を感じました。
校舎裏や体育館の脇など、人気がなくて足元が土のところに、向かい合っている「先生」と主体がいる、少し緊張感のある場面を想像したので、きっと降り始めた雨が足元の土を濡らし始めたくらいのイメージで、雨が染みるまでの時間は、そんなには長くないのかな、と思いました。
公的な場での呼び方と私的な場での呼び方の違いが、場面に心地いくらいの緊張感を与えていると思います。
呼び方を定めないのはきっと「先生」のほうなんだろうな。「問わないで」って、何を問わないでほしいのかはこの1首からでは分からないけれど、それが雨の音だけがし始めた言葉のないワンシーンのようで好きでした。
天田銀河
★0
主体は「先生」の生徒で、2人は恋人同士でもあると読みました。「呼び方」は何のことであるかはこの歌単体では断定できないのですが、名前の呼び方でしょうか(先生らしく名字にさん付けだったり、恋人として下の名前で呼んだり)。次第に激しくなっていく雨の中での秘め事のような、ほんのり官能的な印象を受けました。
「定める」も「問う」も、試験の問題文の文体を思わせる単語で、冷静に見える言葉の裏にある情念のようなものを引き立てているように感じます。
愁愁
★0

金平糖ちらばるように息をする雨粒の輪唱で目覚めるよ

出詠名 toromytoron* × 近江瞬
32 / 10 ×0 ×10 ×14

互選名 りん2この季節のたましひ知己凛えーきち椋鳥藍笹キミコ甘酢あんかけ淡海わこロサ・ブラックティー山口綴り井筒ふみことり阿坂れい朝野陽々秋山生糸愁愁水無月水有姉野もねあさ街田青々ビリでえぇよ(^_^)安達太良静ジャック岡桃代

選評名 雨粒の輪唱という表現と、金平糖が散らばっていく音がぴたっとはまっていると思いました。下の句の音数がもう少し整うともっといいと思います。
知己凛
★0
金平糖がばらばらと落ちる音と、少し大粒の雨が降り始めたときのアスファルトを叩く音を重ねたのが上手だと思いました。雨粒は確かに合唱ではなく輪唱ですね。雨音を歌に例えるのもユニークでした。
りん2
★0
雨音を金平糖のちらばる音に例えたのがやはりとても素敵です。「息をする」については、三句切れで息をしているのが主体と読むべきか、連体形で雨粒にかかるのか、迷いました。上句下句とも雨音のことを言っている気がするので、下句はすこしずらしても広がりがあったのではと思います。でもとても好きな歌でした。
秋山生糸
★0
「金平糖ちらばるように」は、すでに前の方が書かれているように、雨の音の例えだと思います。そこが素敵ですね。
ただ、「金平糖ちらばるように」は「息をする」にかかり、「息をする」のは「雨粒」だと思うので、最初、金平糖がちらばるような雨音という風には読み取れず、少し立ち止まりました。
息次ぎ?というのは違う用にも感じますし、息をしているように生き生きした雨音というなら、せっかくの金平糖がちらばるような雨音から遠ざかってしまう。
すみません、うまく言えないのですけれど、もしかしたら、ユニークで素敵な比喩をもっと生かせる方法があるのかもと感じました。
後半のリズムは、私は音がずれていく感じがして、それが臨床というイメージにもつながって心地よく感じられました。やさしい口調もよく合っていると思います。
かざなぎりん
★0
なるほど。「雨音で目覚める」ということですね。どの部分が何の比喩なのか複雑になってしまっていて、結局どのような雨音なのか伝わり辛くなってしまったのではないかと思います。あと結句の「よ」の効果は疑問です。
泳二
★0
雨が美しく思える表現で良かったです。
よしおかさくら
★0

泣き顔は美しいんだ神様は明るい雨を配って歩く

出詠名 さかなとさくらとうてつ × よしおかさくら
33 / 9 ×1 ×7 ×8

互選名 ミウラからすまぁ椋鳥ロサ・ブラックティー波乃みな阿坂れいかざなぎりん夏山栞東風めかり千仗千紘未補街田青々ビリでえぇよ(^_^)架森のんハシリドコロといじま

選評名 「明るい雨」ってなんだろう。「神様」が「配る」もの……。
「泣き顔は美しい」っていうのと、後半部分との繋がりもよくわかりませんでした。涙の比喩かなと思いつつ、「明るい」だから悲しい涙ではないのかな?とか、でも神様が配るのかあ、とか。そう考えるとこれは神様の泣き顔のことなのか?とか(最初は、主体の「好きな人」の泣き顔とかかなと考えていたのですが)
いや、神様が、誰とかではなく「人々」の泣き顔を美しく造形した、みたいな歌なのかな……?それが今のところわたしの中で一番しっくりきてる読みなのですが、そうするとやっぱり「明るい」の部分が気になる……
たかはしりおこ
★0
前評と似た意見かもしれませんが、特定の場面を描いているのか、一般論として泣き顔は美しいということを言いたいのかが読みとれませんでした。
泳二
★0

音もなく杏の花を散らす雨もう一緒には歩けない道

出詠名 あひるのいる小川あひるだんさー × 小川けいと
34 / 9 ×1 ×7 ×6

互選名 聴雨さちえんどうけいこ甘酢あんかけ404notF0816尾崎飛鳥天田銀河姉野もね肉ロボときぽんぬ街田青々ビリでえぇよ(^_^)安達太良静ジャック

選評名 しとしとと降りやまぬ煙る雨、抵抗もできず散らされてゆく杏の花びら、灰色の空の下で真っ白になってゆく思い出の小道、濡れて道に貼りつき留まり続ける花びら。主体の目に映るしっとりとした映像から、主体の哀しみがじんわり伝わってきました。別れてしまったのは、離別なのかもしれない、死別なのかもしれないけれど、軽い別れでなく、重い別れであることが読み取れました。こんな景色を目の前にして、もう一緒には歩けないんだとハッと気づいてしまったら、歩み出す足にも力が入らないだろうと思いました。つらさが伝わってくる素敵な歌だと思います。
甘酢あんかけ
★0

雨、雨、雨は水面に抱かれていのちを孕むごとたゆたえり

出詠名 波待ち波乃みな × まちか
35 / 9 ×0 ×9 ×12

互選名 言繰錬せしん万間みいや朧(ろう)藍笹キミコえんどうけいこロサ・ブラックティー山口綴り尾崎飛鳥梅丘つばめかざなぎりん中嶋港人あさ斎藤秀雄あひるだんさー街田青々実岡まつビリでえぇよ(^_^)おりれもんぜすたハシリドコロ

選評名 読点の使い方が興味深いです。読点なしでは四音になってしまうところ休符のような間を置き五音にしているのが最初の「、」で、一句目と二句目の間を置くのが二番目の「、」で、「雨」が等間隔で並ぶことによって降る雨の連続性も感じとることができます。次々にできる波紋が「いのちを孕む」ものとして描写されている後半部分も綺麗です。
深水遊脚
★0
雨が水面に抱かれてたゆたう、という景、またそれを「いのちを孕むごと」と喩えた感覚が私にはわかりませんでした。
泳二
★0
読点も含めて雨の表現のようで素敵です。雨が、海なのか川なのか湖なのかは分かりませんが、水面に落ちて波紋が広がる様子を表現した下の句も見事だなと思いました。
全体が文語なので、結句もおそらく「たゆたへり」の方が良いのかなと思います。
おり
★0

あのひとに置き去りにされ空を見るてるてる坊主 また梅雨が来る

出詠名 犬ペンの仲ペンギンおじさん × 西鎮
36 / 9 ×0 ×9 ×8

互選名 シナモンミウラえーきち藍笹キミコ天国ななおえんどうけいこ淡海わこ水沼朔太郎ことり友漓ゆりりモカブレンド 尾崎飛鳥ルナク斎藤秀雄街田青々ビリでえぇよ(^_^)泳二

選評名 辛い恋の歌。
晴れたらいいなと願いながら、きっとまた沢山涙を流す梅雨がやってくるのでしょう。
えーきち
★0
失恋をした主体をてるてる坊主と重ねているのだと思います。空を見るてるてる坊主の景が悲しいけれど可愛らしくていいなあと思いました。また梅雨が来るなのでてるてる坊主の願いはしばらく叶わないのでしょうが、梅雨にも明けがあるので、希望も感じる歌になっていると思います。
ミウラ
★0

寄り添えば濡れずにすんだ帰り道ひとつの傘が青かった春

出詠名 Swimming sister姉野もね × 泳二
37 / 8 ×0 ×8 ×16

互選名 せしん聴雨シナモンこの季節のたましひ万間みいやはとサブレ日向彼方尾渡はち淡海わこことりペンギンおじさんニッキ多賀盛剛阿坂れいモカブレンド 尾崎飛鳥小俵 鱚太あさ街田青々ビリでえぇよ(^_^)ともえ夕夏れもんぜすた静ジャック青海ふゆ

選評名 一緒に帰る仲なのにお互いが照れてしまって傘から肩がはみ出て濡れる。ということを上句でリズム良く言えてて流石です。それがもちろん恋(友情かも)の比喩になっているし、青い傘だから男子が持ってた傘で、そこを青春とかけているのも分かるし上手いけど、さすがに「青かった春」は言い過ぎかなと思ってしまいました。
天国ななお
★0
距離感。暴風雨のような「抱きしめたい」感。アオハル感。
季節が10代を濡らしていく。
人生の歌ならこの先いくらでも歌えるから。今はいい。
せきさん。
★0
制服姿の二人をすぐさま思い浮かべました。『濡れずにすんだ』『青かった』と過去形のように、かつての青春を思い出しているような。今だからそう思えるような。そんな誰にでも思い浮かべられる事が出来る青春の歌でCMの場面にありそうです。自分に同じ場面の想い出がなくとも、この歌から想起し、自分の想い出を辿る旅に出られる事が出来ると思いました。
あさ
★0

終わらないしりとりみたい 「すき」とキスきみと重ねる春雨の午後

出詠名 spicesニッキ × シナモン
38 / 7 ×1 ×5 ×12

互選名 はとサブレ西鎮藍笹キミコ西村春希天国ななお尾渡はちロサ・ブラックティーことりモカブレンド あさ華栄街田青々実岡まつビリでえぇよ(^_^)といじま静ジャック岡桃代

選評名 想いを言って触れ合うと止まらない。「終わらないしりとり」というのがうまいとおもった。
藍笹キミコ
★0
すき、キス、すき…で無限ループできますもんね。雨降りで外には出られないけれどその状況を楽しんでいる主体と「きみ」が浮かんできます。ゆったりとした時間の流れも歌の中から伝わってきて素敵だなと思いました。
はとサブレ
★0
可愛くって好きです!無邪気にはしゃぐ二人だけの世界。春色模様。雨だからこそ相合傘の中で、はたまた雨宿りの桟の下で、二人きりの部屋で。いたずらに笑う二人を思い描きました。
あさ
★0
雨で出かけられず、家に二人きりの様子を想像しました。良くないイメージのある雨降りの日も、二人なら楽しく幸せに過ごせる。「春雨」という一言で重くなりすぎず、柔らかな印象を受けました。
華栄
★0

汚れてもいいや今夜はかろやかな雨に抱かれて芽吹きへ向かう

出詠名 肉玉そばW(青ネギ)堂那灼風 × 知己凛
39 / 7 ×0 ×7 ×10

互選名 言繰錬万間みいやミウラ椋鳥藍笹キミコ西村春希草薙エノモトユミ西藤智友漓ゆりり朝野陽々東風めかり姉野もね未補あひるだんさー街田青々

選評名 自然の恵みをもたらすものとしての雨が詠われる後半のイメージは、とても明るく前向きです。初句の「汚れても」の汚れとは何か、これをどう読めばいいのかを考えていました。人にとっては土そのものが汚れであるように見えます。でも本当は、土を汚れたものと捉える人々の意味づけのなかにしか「汚れ」はありません。「芽吹き」は汚れとして意味付けられた自分自身の回復であり、そのような価値観からの解放を意味するのではないか。
深水遊脚
★0
芽吹きに向かう、という表現がすきでした。植物が土に汚れても雨に降られて綺麗になってゆくように主体もまた雨に降られて美しくなろうとする決意を感じました。
あひるだんさー
★0
「汚れてもいい」「かろやか」「抱かれて」「芽吹きへ向かう」ポジティブな主体の心情を表す言葉が並んでいますが、もう少し具体的な景を描いてほしかった気がします。
泳二
★0

窓に露、言い訳はもう蒸発し君が残した雨色の付箋

出詠名 小籠包ズあさ × 甘酢あんかけ
40 / 6 ×1 ×4 ×9

互選名 言繰錬聴雨からすまぁ藍笹キミコ404notF0816天田銀河小俵 鱚太姉野もね街田青々ビリでえぇよ(^_^)ともえ夕夏おり他人が見た夢の話

選評名 きっと白熱した言い訳だったのでしょう、それが蒸発して窓に露となって残った。そしてそれが出て行った君が残した沢山の雨色(水色)の付箋のように見えると、残った私が思っている。初句に「窓に露、」としたことで分かりにくくなったかもしれません、でも句読点まで打ったのできっとそれは狙いなんですよね。言い訳した側が出ていく展開は変わってます。もしかして全く違う内容だったらごめんなさい。
天国ななお
★0
初句と二句目以降が対応していると読みました。言い訳が降っているときの雨により、残された付箋が露により、それぞれ喩えられているように思います。言い訳のなくなった状態は快いのか、それとも寂しいのか。露は残っていたほうがいいのか、露すらなくなって欲しいのか。そのようなこともいろいろ考えました。雨がやむことが一義的に好ましいものとは限らないのではないか、という発想が得られました。
深水遊脚
★0
景がうまく読みとれませんでした。窓の露は結露でしょうか。窓についた雨が蒸発すると部屋の内側に結露が生じることがありますが、それを「雨色の付箋」とされたのかと想像しました。そうだとすると二句目以降が初句(結露)の比喩という構造になりますが、その中にも「言い訳」という比喩が含まれていて二重の比喩になるので、わかり辛くなってしまっているのかもしれないと思いました。
泳二
★0

あたらしい日々はじめての雨の朝たださよならの手紙が届く

出詠名 るりからくさ日向彼方 × 鴨衣
41 / 4 ×0 ×4 ×10

互選名 せしん椋鳥さちロサ・ブラックティー尾崎飛鳥天田銀河姉野もね肉ロボあひるだんさー街田青々小川けいとハシリドコロ岡桃代

選評名 ひらがなで対応する「あたらしい」と「はじめての」、それから「日々」と「ただ」の響きなど、考えられた表現ではないかと思いました。手紙と言っているので、あたらしい日々は新しい住まいでということなのでしょう。そこで暮らして初めての雨の朝、まではとてもよく分かるのですが、「さよならの手紙」の意味が、すみませんわかりません。それでも想像したのは、本当は二人で住むつもりの新居に、何かの理由で来られなくなった、住所を知っている相手からのさよならなのではないかと思ったけど、その理由が分からない短歌になってしまっていて残念です。
天国ななお
★0
前評の方とほぼ同じ印象です。描きたい雰囲気はよくわかりますが、「あたらしい日々」「はじめての雨」「さよならの手紙」という調子を揃えた工夫が引き換えに具体的な景を浮かべ辛くしてしまったように思います。
泳二
★0

水清きふるさと思ふ木のベンチ雨を見る人なきバス停で

出詠名 ひまわり珈琲野添まゆ子 × 深水遊脚
42 / 3 ×0 ×3 ×12

互選名 せしん万間みいやミウラ椋鳥尾渡はちロサ・ブラックティーペンギンおじさん西藤智ルナク東風めかり斎藤秀雄街田青々架森のん泳二他人が見た夢の話

選評名 ベンチが擬人化されていて、そのあとに続く雨を見る人がいないバス停がでてくるとどうしても、バス停も擬人化されているようでなんとなく景がぼやけているように思いました。
水のうつくしい(おそらく主体の)ふるさとで育った木が、だれもいないバス停のベンチになったのでしょう。「雨」を入れなければならないので、具体的な地名を入れられなかったのかもしれないですが、ここは地名を入れるともっとぐっとくると思いました。
知己凛
★0
いつも雨を見るのはベンチに座ってバスを待つ人ですが、その人がいない時にはすることのないベンチが雨を見てふるさとを思い出している。シンプルな景ですがうまくまとめられて良い歌だと思いました。
泳二
★0

雨降りを君は嫌だと言うけれど相合傘が少し嬉しい

出詠名 Jリーグのある日常北町南風 × ガイトさん
43 / 2 ×0 ×2 ×7

互選名 知己凛さち藍笹キミコ多賀盛剛阿坂れいときぽんぬ街田青々ビリでえぇよ(^_^)静ジャック

選評名 自分でもこのような内容の短歌を読んでしまいがちです^^ 残念なのはその表現が俗に言うあらすじ短歌になってしまっていて、「嫌い」と「嬉しい」の対比はあるけれど、あと少し詩的なところか、違った視点が盛り込めたら、さらに面白い短歌になったのではと思ってしまいました。
天国ななお
★0
主体は「君」と相合傘ができるので雨を悪くないと思っている。一方で「君」は雨降りを「嫌だ」と言っている。本当に単に「雨降りは嫌だ」と思っているのかもしれないし、もしかしたら主体と同じように、口では嫌だと言っているけれど、心の中では「悪くないな」と思っているのかもしれない。
相合傘にいるふたりの気持ちが重なっているのか、すれ違っているのか。
もしかしたら、重なっていてほしいと思うのは主体だけで、本当はやっぱり「君」はこの相合傘の状況について何とも思っていなくて、気持ちはすれ違っているのかも・・・。
なんて想像はできるのですが、この歌からだとどちらでも通るように思います。

もしかすると、どちらか一方を貫けるような詠み方がされていたら、さらに一歩想像は進みますし、より個性が出て印象に残ったかもしれません。
かざなぎりん
★0

三色の花見団子と引き換えにあの子の好きを成就させたり

出詠名 ボンリーヌぴんくのきりん × ちまさかな
44 / 2 ×0 ×2 ×1

互選名 シナモンことりビリでえぇよ(^_^)

選評名 かわいい神さまですね。花見団子を素直に喜んだのかも知れませんし、「あの子」なりの懸命な願掛けを買ったのかも知れません。その両方もあり得ます。愉しそうで和やかな世界観がいいです。「三色の花見団子」というアイテムが効いています。
深水遊脚
★0
お題が読みとれませんでした。
泳二
★0

魂を燃す<kana>兵<:>つはもの</kana>と<kana>英<:>はなぶさ</kana>に降る雨やがてみぞれに変はる

出詠名 子連れレオパデス・改ともえ夕夏 × 淡海わこ
45 / 1 ×0 ×1 ×5

互選名 甘酢あんかけロサ・ブラックティー尾崎飛鳥天田銀河街田青々泳二

選評名 「兵(つはもの)」は兵隊、「英(はなぶさ)」は民でしょうか。懸命に生きても未来に希望がもてない世相が、雨からみぞれへの変化として描かれているのかもしれません。

あくまで全体としてではなく一人の個として歌を詠んでいたいです。国のいまを憂う心情は共有するものの、その解決として全体が個を抑圧するような未来は望みません。この歌のロマン主義的情緒が個の抑圧に接続しかねないと考えるのは杞憂かもしれませんが。杞憂であることを望みます。
深水遊脚
★0
知識があまりないので自信がありませんが、兵隊と英雄、立場の違う者にも雨は平等に降り、平等にみぞれに変わる(戦争がもたらす疲弊)というような意味かと思いました、いずれにしても象徴的な歌かと思います。
泳二
★0

入学を祝ってくれた公園の二度目は雨に「二人きりだね」

出詠名 さちぽんぬさち × ときぽんぬ
46 / 0 ×0 ×0 ×2

互選名 ロサ・ブラックティー街田青々

選評名 入学を祝ってくれたのは公園なのでしょうか。それとも二度目に「二人きりだね」と言ってくれた人なのでしょうか。それとも雨?
主語がとっ散らかっているように読めるのでもったいないな、と思います。
知己凛
★0
だんだんと距離が縮まってくるカップルの歌として読みました。雨のなかで公園に二人きりでいる瞬間に焦点が絞られていると、もっとよかった気がします。公園についての説明や、(その公園に来るのが)二度目である事実より、親密の度合いが深まったと感じるなにか別の描写が欲しかったように思います。雨から庇ったり、さりげなくタオルを差し出したり(陳腐でごめんなさい)。会った回数を具体的に書いてしまうと読み取り方によっては矛盾が生じてしまうように思います。一度目が入学祝と考えると、お祝いが個人的なものならそれ以前から知っている関係であるのが自然で、そこで初対面なのは不自然です。さきほどの()内は、この公園に来るのが二度目であるというふうに解した私の読みを示させていただきました。たぶん回数がなくても思いが深まった描写は可能だったように思います。
深水遊脚
★0
もう少し長い文章からいろいろ省いて五七五に収めたような窮屈さを感じます。描きたい情報をすべて言葉として含めてしまっているためにかえって描きたいものが何なのかが伝わりにくくなっているのではないでしょうか。
泳二
★0
↑五七五七七ですね(凡ミス)
泳二
★0

cancel

出詠名 ガンバレルーヤすみ × のの
47 / 0 ×0 ×0 ×0

互選名  Don't Mind... 

選評名


参加者一覧

エントリーコンビ
(有)西久商会久藤さえ × 西藤智
当社は完全週休七日制を導入しております
飛陽軒尾崎飛鳥 × 朝野陽々
短歌のおかわり自由です! 飛陽軒、今日も元気に開店します!
HANA-BOON青山祐己 × かざなぎりん
今年はマスクが品薄で厳しいです!
まりらう井筒ふみ × ハナゾウ
推しの笑顔は春より春いよ
なななま天国ななお × 秋山生糸
久しぶりのユニット再結成です!打倒泳二さんをめざします
うたう十姉妹ことり × 梅丘つばめ
港町の二羽がうたいます♪
すまぁえだ美夜 × からすまぁ
朝焼けが藤の枝からのびてゆき目覚めるやうに咲いた朝顔
プルートズやじこ × えんどうけいこ
かつて惑星だった宙ぶらりんの星
芳香剤中嶋港人 × おり
すきなかおり
きすたとエノモ小俵鱚太 × エノモトユミ
キスだって絵のモチーフに仕立て上げ春一番に天まで目指す
砂丘のカレー屋さん砂狐 × 阿坂れい
...意外に美味しい...
アンチ・プロム夏山栞 × 神丘風
プロムに行く服がなかった
ロココドボボハシリドコロ × 肉ロボ
な〜にがロココドボボじゃ
アラナギ派若枝あらう × 草薙
いたってまじめです。
麦芽飲料ミロミウラ × 朧(ろう)
こちら、まだまだフレッシュな中年です!
ひかりの使徒花房香枝 × ぬぬ
「短歌、困ったら光らせがち」
文鳥パフェ鑑定団海月ただよう × 愁愁
鑑定受付中!
ダイナミックジャパン桃の妖精さん × 西村春希
名前の決定にTAKE6かかった先輩と、推しに日々貢ぐ後輩。チーム名はTAKE3。
そよ風とそよ風安達太良 × 山口綴り
いぶりがっこタルタルソースのようにがんばります
みりん万間みいや × りん2
肉じゃが、煮っ転がし、筑前煮、テリヤキなどあらゆる日本料理にどうぞ
ゆかりおにぎりずたかはしりおこ × 404notF0816
ゆかりのにおいに誘われて結成されたふたり
まだまだ建設天田銀河 × 袴田朱夏
雨の降る直前に設立しました。
栄光の黄色いくちばしえーきち × 椋鳥
いつか輝くその日のために、ヒヨッコながらも頑張ります!
salon de 油山東風めかり × 藤田美香
油山とは福岡市城南区/早良区/南区にまたがる標高597メートルの山である。楽しみ方は、いろいろ。
きみことせしんせしん × 藍笹キミコ
短期決戦
みずとあぶら水無月水有 × 中牧正太
春の新作 乳化しました
うににひたひた未補 × 斎藤秀雄
時価です。
関西センチメンタルず街田青々 × 小池佑
あ、雨
華サブレのレシピ華栄 × はとサブレ
雨の日はお菓子作りをしませんか?
トペ・スイシーダ多賀盛剛 × 水沼朔太郎
ビニール傘は傘に含めない
女^2友漓ゆりり × れもんぜすた
短歌って百合じゃない?
toromytoron* × 近江瞬
あるさびれた温泉地にたどり着いたトロンが、近江瞬の助けを借りながら、短歌で街を元気にしていく新感覚ゲームアプリ(※アプリ内課金あり)
さかなとさくらとうてつ × よしおかさくら
詩人です。
あひるのいる小川あひるだんさー × 小川けいと
バシャバシャ…グワッ!
波待ち波乃みな × まちか
二夜めの
犬ペンの仲ペンギンおじさん × 西鎮
君と出逢ってからいくつもの夜を語り明かしたはちきれるほどMy短歌
Swimming sister姉野もね × 泳二
およげるおねえさんは、好きですか。
spicesニッキ × シナモン
アップルパイは好きですか?
肉玉そばW(青ネギ)堂那灼風 × 知己凛
+150円
小籠包ズあさ × 甘酢あんかけ
言葉の肉汁ほとばしる!!我等のパッションしっとり包んで貴方のお口へ
るりからくさ日向彼方 × 鴨衣
にわか雨
ひまわり珈琲野添まゆ子 × 深水遊脚
初心者二人がタッグを組みました。若葉マークをつけながら、丁寧に詠み、丁寧な票を心がけます。
Jリーグのある日常北町南風 × ガイトさん
アビサポとVファーレンサポでタッグを組みました!クラブを愛するくらいに短歌も愛している二人なので、上位進出を目指します!!
ボンリーヌぴんくのきりん × ちまさかな
誘われて初めて詠むきりんと、しつこく誘ったさかなです。
子連れレオパデス・改ともえ夕夏 × 淡海わこ
育児と三食の支度に脳を占拠されコロナを憎む女豹たち
さちぽんぬさち × ときぽんぬ
今年出会ってスピード結成( ´ ꒳ ` )ノ
ガンバレルーヤすみ × のの
ガンバレルーヤのすみとよしこです

47組 

近江瞬[*]言繰錬[*]りん2[*]せしん[*]堂那灼風[*]聴雨[*]シナモン[*]toron*[*]この季節のたましひ[*]万間みいや[*]ミウラ[*]はとサブレ[*]西鎮[*]知己凛[*]えーきち[*]朧(ろう)[*]からすまぁ[*]椋鳥[*]さち[*]藍笹キミコ[*]西村春希[*]青山祐己[*]日向彼方[*]天国ななお[*]尾渡はち[*]やじこ[*]えんどうけいこ[*]甘酢あんかけ[*]たかはしりおこ[*]淡海わこ[*]ロサ・ブラックティー[*]水沼朔太郎[*]とうてつ[*]山口綴り[*]井筒ふみ[*]ことり[*]草薙[*]ペンギンおじさん[*]エノモトユミ[*]若枝あらう[*]ハナゾウ[*]ニッキ[*]多賀盛剛[*]404notF0816[*]西藤智[*]波乃みな[*]友漓ゆりり[*]まちか[*]阿坂れい[*]モカブレンド [*]尾崎飛鳥[*]朝野陽々[*]秋山生糸[*]梅丘つばめ[*]久藤さえ[*]砂狐[*]藤田美香[*]鴨衣[*]ルナク[*]花房香枝[*]天田銀河[*]愁愁[*]かざなぎりん[*]袴田朱夏[*]夏山栞[*]つりしのぶ[*]東風めかり[*]神丘[*]水無月水有[*]🐏[*]小俵 鱚太[*]海月ただよう[*][*]中嶋港人[*]姉野もね[*]肉ロボ[*]千仗千紘[*]ときぽんぬ[*]あさ[*]華栄[*]斎藤秀雄[*]未補[*]あひるだんさー[*]街田青々[*]実岡まつ[*]小池佑[*]ビリでえぇよ(^_^)[*]ともえ夕夏[*]小川けいと[*]おり[*]架森のん[*]安達太良[*]れもんぜすた[*]泳二[*]ハシリドコロ[*]といじま[*]静ジャック[*]狐森こと[*]青海ふゆ[*]羊亥ハジメ[*]他人が見た夢の話[*]岡桃代

102名 


春分の歌会R-2ぐらんぷり