弥生の歌会
夢で会う約束がある 傘立ての底にうまれた夜のみずうみ 久藤さえ × 西藤智
平成25年度 弥生の歌会『下弦の部』
上の句に付ける下の句を出詠ください
詠草リスト
特選(3点)×1票 |
並選(1点)×2票 |
次選(0点)×∞票 |
互選(2点)×1票 |
お弁当には見破られてる
出詠名
迂回
首席 / 22点 特×5 並×5 次×2 自×1
互選名 蘇芳天野うずめさとこはだし遊糸管理人詠伝知己凛五月雨と憂鬱虎ツグミmiyafi泳二自迂回
選評名
好きなおかず、自分サイズのお弁当箱。私は母に作ってもらっていたのでお弁当は外に持ち込める小さな“ウチ”でした。たとえば買ったとしてもそこには自分の好みが素直に反映されて、上塗りされた自分の外壁をあっけなく剥がしていく。「見破られてる」が一見厳しくも温かい言葉に感じられて前向きな気持ちになれます。
詠伝
★0
「お弁当」が「お母さん」の隠喩に思えて、自己紹介で凹んだワタシがお弁当(お母さん)に「お母さんはあなたのことをわかっているのよ」となぐさめられているように思えてほっこりしました。
蘇芳
★0
小さい頃の母に対する感情が「お弁当」に詰められていると思います。
天野うずめ
★0
他の方も言われているように、さすがにお母さんには見破られてるってことでしょうか。
お弁当にこめられた温かい気持ちが伝わってきます。
知己凛
★0
「お弁当男子」なんて言葉もできましたが 自分で作るお弁当に嫌いなモノを入れる人はいませんし そんなお弁当を自分以外で作れる人がいるとしたらそれは母親かな?とそんな事を考えると理解者が一人いるだけで救われる気がします
虎ツグミ
★0
久し振りの優勝で最多優勝も並んだ迂回さんの優勝ですヽ(’ー’#)/ ひさつよー
管理人
★0
スカート丈さえ"いい子"を演じて
出詠名
蘇芳
2席 / 16点 特×4 並×2 次×4 自×1
互選名 眠いよクニコ遊糸白石フランソワ詠伝まりか知己凛五月雨と憂鬱大木はちmiyafi自蘇芳
選評名
女子生徒のナイーブな問題「スカート丈」!!大人になったらくだらないなと思い返せるのでしょうけど、その当時は数センチの微妙な差が乙女らの生死を分けるほど重要であった…(多分) “”で括られた「いい子」は単に校則を守るという意味だけではなく、同級生や先輩からも浮かない程度の「過不足ない」丈を模索する。…そんな深読みまでしてしまいました。さみしいままで終わってしまいますが、自分を客観視する目線からあるいは過去を振り返るうたと見れば希望も見いだせるかも。
詠伝
★0
スカート丈は確かに大事でしたね。誰からも当たり障りのない丈。目立たず地味すぎず。そんな女子社会の繊細なところを付いていてうまいです。
クニコ
★0
「いい子」を表現するのにスカート丈を使ったのは絶妙だと思いました。
本当は冒険したいのに・・・という心情が見え隠れします。
知己凛
★0
スカート丈という言葉のチョイスがいいですね。いい子じゃないスカート丈はどれぐらいなんだろうと想像してしまいます。
五月雨と憂鬱
★0
ちょっと男子ー、何ニヤけてんのよー2
ナイス害
★0
女子高生の歌だろうか?心ではもっと脚を見せたいのに親や先生の目を気にしたらそんなことできない。スカートだからいいのだろう。髪の色とかピアスなんてでてくるとすこしちがう。
大木はち
★0
眼をつむり、また精液を待つ
出詠名
管理人
3席 / 14点 特×3 並×3 次×0 自×1
互選名 迂回天野うずめ黒夜行白石フランソワ詠伝ナイス害自管理人
選評名
「受精卵からやり直したい…」ていう究極のリセット願望に見えて面白かったんですが、ひねくれた解釈かもしれない。「卵子を目指す」だと倍率高すぎて難しいですね。
迂回
★0
性風俗産業に従事する女の子の歌と読みました。性風俗には興味がなく行ったこともないのでよく知らないのですが、女の子は源氏名=ウソの名前を名乗り、指名を多く取れるように画像加工した写真を出し、より魅力的に見せるように誇大な自己PRを書いてお店に張り出して、好きでもない男たちの精液を搾り取る。「眼をつむり」には、ウソをついてまで自分の尊厳を損なうような職業を続ける自分への諦めが読み取れて、悲しくなりました。
白石フランソワ
★0
「精液」という単語のインパクト、なのにいやらしさというより神聖な感じがして二重に度肝抜かれました。受精のイメージでも読めますが、瞑目という部分からもやはりそのままの意味で“身体に受ける”画を想像したくなります。うそ故に抱かれているのかもしれないし、抱かれることで本当の自分を取り戻せるのかもしれない。意味深でかなり引き込まれる作品ですが、唯一惜しいと感じたのは「、」の位置。韻律としては「目をつむり、また」で切れると思うのですが、読点で思わず一度止まってしまいました。平仮名が続くのを避けたのでしょうか。
詠伝
★0
初め読んだ時は、正直、読解出来ませんでした。ただ、評の中で「性風俗の女性」というものがあって、なるほど、と感じました。その解釈込みで読んだ時、この句は良いなと感じました。確かに、性風俗の女性は、様々なものを嘘で塗り固めているイメージがあります。個人的な好みの問題ですけど、「、」をつけるなら、「つむり」の後じゃなくて、「また」の後の方が好きだなぁ(別の方も同じことを書いていますが)。「また」で一回溜めて、「精液」というインパクトのある単語を持ってくる方がいいような印象を持ちました。
黒夜行
★0
風俗店の日常を切り取っていて素晴らしいです
上の方も書いてますが「また」の次に句読点がきた方が精液の濃さが増すような気がします
そのウソのせいで、目をつむりながら笑う女
ナイス害
★0
(松潤よりLOVE力道山さま)
出詠名
黒夜行
4席 / 13点 特×3 並×2 次×6 自×1
互選名 中森つん悠天野うずめさとこはだし真匿名クニコまりか五月雨と憂鬱虎ツグミ大木はち自黒夜行
選評名
8、8の字余りなんですよね。だけどこれが一番好きです!面白いし、あるある!って頷いてしまいました。いまどきのアイドル好きなふりして、私も関根勤さんが好きなもので。
中森つん
★0
下の句勝ちです。
私も松潤よりも小野Dとかまもちゃんとかといいたい。
天野うずめ
★0
おお、私も関根さんが好きでむかしそう答えてました。好きなものを隠さないタイプの私ですがさすがに力道山は…。と思ったのでナイスチョイスです!面白い。
クニコ
★0
インパクトが強すぎて、いつもはだんだん絞っていって投票するんですがこの下の句には高速で点を入れてました。LOVEとか、さまとか、括弧使いとか、すべてがツボです(笑)
まりか
★0
消えないように上書きして消す
出詠名
真匿名
5席 / 12点 特×2 並×4 次×4 自×1
互選名 眠いよ蘇芳悠遊糸管理人まりかみなま五月雨と憂鬱虎ツグミmiyafi自真匿名
選評名
うそのワタシを演じてるうちに、それがだんだん本当のワタシになっていくのかも知れませんね
眠いよ
★0
自分が存在を示せるように、過去をぬぐって消して新しい環境にデビューしたんですね。
深刻によめばいじめられていた自分をやり直そうとがんばってる、けなげな姿と読めなくもないです。
がんばって!と応援したくなります。
みなま
★0
ただ、最後の字余りには工夫の余地があったのでは?消すは要らないかもしれません。上書きと重複しています。ないと意味がとりづらいかなー、むつかしいですね。
みなま
★0
浮かんだのは“遺伝”です 嘘を重ねても削除せずに上書き 自ら繋がりを絶つ事はタブーなので
虎ツグミ
★0
眼鏡のレンズを内側から抜く
出詠名
まりか
6席 / 12点 特×2 並×4 次×3 自×1
互選名 迂回悠真匿名白石フランソワ管理人詠伝ナイス害虎ツグミ大木はち自まりか
選評名
うその殻をうちやぶりたい心情が真っ先に感じられて前向きな歌だと思いました。眼鏡がモチーフなので「色眼鏡を外す」みたいな意味も浮かんでしまってちょっと歌意がブレかけた印象もありますが、ここでは自分をうそで縛る要因としてのアイテムなのでしょう。人間の見なくていいところまで見えてしまうような。
迂回
★0
眼鏡が割れたのですね。でなければレンズ抜いたりしませんものね。そして、眼鏡を割ったことがある人は誰でも知っているけど、レンズは内側からしか抜けないのです。あたりまえのことなんだけど、誰も詠んだことのない情景で、新鮮です。
それと上の句とどうつながるんでしょう。謎です。でも謎なところに惹かれる自分がいます。
眼鏡が割れるというのははんぱない喪失感で、それが上の句の自己嫌悪感と絶妙に響きあってる、そんな印象をもちました。
白石フランソワ
★0
自分自身(内側)から放たれるエネルギーを強く感じました。ちょっとシュールな映像が浮かんでちょっと浸りにくいとも感じましたが…。眼鏡ユーザーなのでレンズ抜くの想像するとやっぱり不安です。けど殻を破るとかそのようなニュアンスでこの表現は面白い。
詠伝
★0
眼鏡は弱くなった視力を矯正する器具。生活しやすくするためにかける訳ですが、ある意味視力を偽っているともいえます。レンズを介してではなく真実の視力になることで、自分の真実を周りに晒すという歌意と捉えました。眼鏡自体を外すのではなくレンズを抜くとしたのは、普段眼鏡をかけているため、外したらさらに「うそになる」から。と考えました。
もしくは、自己紹介で自分が嘘になったことへの自己嫌悪を紛らわせたくて「一発芸やります!」ってノリでレンズを抜いちゃった、とか(笑)
悠
★0
韻律が68588かな、結構大胆な構成と思いますが、この歌の場合はこれで良いと思いました。前評にある通り殻を破るような、ぎこちなく縛られた自分から感情が漏れ出てくるような、破調がその演出効果のようにさえ見えます。決して乱暴な印象はなく、むしろ厳かな姿に感じられる。
管理人
★0
「自分で割った」読んだときそんな気がしました レンズの欠片(嘘)を取り除くには内側からしかできない 元には戻れないかもしれないけどそういった手間のかかる作業してまでも変わりたいという強い意志を感じます
虎ツグミ
★0
たぶん太いプラスチックフレームを使っているのだろう。レンズを外して裸眼で見る。メガネレンズは確かに完璧には自然な色にはなりません。だから「内側から抜く」。そうすれば見えないなりに自然にはなる。メガネが割れた説はあまり同意できない。今時ガラスレンズなんてほとんどないし、プラならほぼ割れないからだ。ただもし主体がガラスレンズでそれを外そうとしているのなら、傷つくことすら恐れない無鉄砲さや覚悟を感じる。
大木はち
★0
ホームルームの音きこえない
出詠名
はだし
7席 / 10点 特×2 並×2 次×3 自×1
互選名 さとこ黒夜行詠伝まりか温かい図鑑miyafi泳二自はだし
選評名
全体としてまとまりのある印象でした。主体の後悔と自責の念がよく伝わってきます。個人的に少し「自己紹介」と「ホームルーム」の距離が近すぎたような気がしたので、ある程度のキャッチーさを残しながら違う角度や捻った表現で同じようなことを言うことができれば、もっといい句になりそうだと思いました。
miyafi
★0
春が来るたびやっていることなのに、自己紹介の時間が近づくと頭が真っ白になってしまう。そういうとき確かにホームルームの音なんてきこえなくなります。学生の頃の気持ちにすうっと戻れるようで印象に残りました。
さとこ
★0
二通りに読める気がします。もう既に書かれていますが、「頭が真っ白になって聞こえない」という解釈が一つ。そしてもう一つが、「ホームルームがうるさくて、誰も自分の自己紹介なんて聞いてない」という解釈。どっちかというと僕は、みんながうるさくしてる方をイメージしました。言葉を重ねても重ねても、誰も聞いてくれていない無力感、自分が透明になっていくような感じ、でしょうか。
黒夜行
★0
切なすぎますね。これで何度目の強い自己嫌悪なのか、転校の数だけなのか、はたまた学年が変わるたびなのか、なんにせよ後悔しかないのでしょう。ホームルームが終わった後のことを考えるともう何も聞こえませんよね。小学生の頃にそういう女の子がいて、清楚で勉強もできる女の子だと誰もがそう思っていたけど、裏ではそうではなくて中学の上がる頃にはすっかり荒れ果てた生活を送っていました。残念
温かい図鑑
★0
蜘蛛巣のなか踊る指先
出詠名
クニコ
8席 / 8点 特×1 並×3 次×3 自×1
互選名 眠いよ蘇芳迂回黒夜行詠伝まりか温かい図鑑自クニコ
選評名
心の内側でうその糸を絡ませているのでしょうね
眠いよ
★0
蜘蛛の巣は自分の心うちなのか、あるいは自己紹介の場そのものかも。場になじむ存在であらねばならない、みたいな薄く細く粘っこい圧力に絡め取られていく心境の足掻きが感じられました。
迂回
★0
「蜘蛛の巣」というモチーフは良いと思いました。自分が発した様々な言葉が、少しずつ自分を縛っていって、身動きが取れなくなる、というようなイメージで読みました。ただ、どうして「指先」なんだろう?というところがうまく読めず。指先じゃなくて、自分自身が蜘蛛の巣に囚われているという方が、(僕の解釈で正しければ、だけど)伝わりやすい気がしました。
黒夜行
★0
細かい点ですけど蜘蛛の巣を「蜘蛛巣」表記にしたの好感が持てました。文字の芸術は字面のバランスも大事ですよね。締まって良いと思います。
管理人
★0
もうすぐ俺は三十なのに
出詠名
大木はち
9席 / 7点 特×1 並×2 次×3 自×1
互選名 中森つん悠さとこ真匿名遊糸まりか自大木はち
選評名
「ワタシ」の上句に対し「俺」の下句。自分とシンクロできるいい一首になったと思います。
中森つん
★0
上句はフォーマル、下句はプライベート、ということが一人称の使い分けで伝わります。
30にして自分を飾って見せるような自己紹介が必要なシチュエーションってなんでしょうね。転職か、合コン?
転職の場面ならまだやりたいことが見つからないもどかしさを感じます。
遊糸
★0
最初は女装した男性の下の句かと思ったんですが、上の方の評で、男性も社会人になったら一人称「ワタシ」になるのか!と今更なことに気付きました。
まりか
★0
帰ってヒトリ さわる靴擦れ
出詠名
miyafi
10席 / 7点 特×0 並×5 次×6 自×1
互選名 眠いよ蘇芳迂回さとこクニコ遊糸管理人詠伝まりか知己凛みなま自miyafi
選評名
家に帰ったら気疲れがドッと押し寄せて来たのでしょうね
眠いよ
★0
自己紹介シーズン、新しい服に新しい靴、新社会人が着慣れない格好で疲れて帰ってきたところを思い浮かべました。字空けの意図はつかめませんでした。なくてよさそう。
クニコ
★0
一人暮らしを始めたばかりの光景が浮かびました。新しい生活に慣れることと、新しい靴が足に馴染むことを同列に捉えた点が面白いと思います。
私も字空けはない方がいいと思います。
遊糸
★0
黄ばんだ襟へあてるアイロン
出詠名
中森つん
11席 / 6点 特×1 並×1 次×3 自×1
互選名 さとこ遊糸管理人詠伝温かい図鑑自中森つん
選評名
四月なのに黄ばんだシャツという発想は独特だ。四月ならば真っ白なシャツとしたいところだろう。しかもアイロン掛けも慣れてるように思える。
新しい仲間を迎え入れる立場なのか。自分をよく見せるための嘘ではなく、新入りをからかうための嘘かもしれない。
遊糸
★0
「黄ばんだ襟」には染み込んだ汗が浮かびます。この主体も自己紹介に嫌な思いを重ねてきたよう。ただ今回他作に多かった哀愁や苦笑いを詠むことに留まらず、それでもまた直向きに準備をしている(と読みました)その横顔に惹かれました。一歩深い思いが覗けます。自己紹介そのものからは時間を離した家での景へ場面を移しているので、話の辻褄を追うのが難しい印象もありますが、個人的にはそれも含めて好みです。まるで映画の中盤、セリフなしで時間だけ進むシーンのような。下句が上句のただ補足にならず、映像表現のように流れているみたいです。
管理人
★0
フランス生まれの埼玉育ち
出詠名
五月雨と憂鬱
12席 / 6点 特×0 並×4 次×7 自×1
互選名 眠いよ悠さとこはだし遊糸白石フランソワ管理人まりか知己凛温かい図鑑大木はち自五月雨と憂鬱
選評名
ポンと出てしまったんでしょうね、あるなー。上句の寂しいイメージが一気に変わってて面白いなと思いました。
はだし
★0
い、一応、生まれたんはフランスなんやで!(震え声)
なんて言い方はしてないと思いますが、心中で言い訳っぽいこと考えてるとしたらこんな感じなのかなと思いました。嘘の規模が大きい。
まりか
★0
今年がコレなら、来年の自己紹介ではなんて言うのでしょう(笑)上句からの空気の変え方がお見事です。
遊糸
★0
湿っぽい感じの作品が多かった中、からっと面白かったです。でも「の」要らなくないですか、普通「○○生まれ××育ち」って「の」挟まないような? 字数も合うし。
管理人
★0
おしゃれなイメージのフランスと少し残念なイメージのある埼玉のギャップが面白いですね。実際こういう人たくさんいそうだけど、フランス生まれ東京育ちなんて言いそう。
大木はち
★0
歳月経ればどれもホンモノ
出詠名
知己凛
13席 / 5点 特×1 並×0 次×3 自×1
互選名 眠いよ詠伝まりかみなま自知己凛
選評名
自己紹介は新しい環境に直面した時するもの。殻をやぶる機会でもあります。理想をちょっと上乗せして口にした事が、振り返ってみればそうなれていた。最初の嘘が本当になり、それまでの自分を嘘にする、反転があらわされてます。上の句のカタカナづかいをうけていて、結果、自信がなくて嘘でガードしていた「ワタシ」が「ホンモノ」になれたことを際立たせています。何気ないけれど優しい目線で好きです。
みなま
★0
父からもらったペンがふるえる
出詠名
詠伝
14席 / 5点 特×0 並×3 次×3 自×1
互選名 悠さとこ管理人まりかmiyafi泳二自詠伝
選評名
「自己紹介」という言葉から「父」という言葉を引っ張ってきたのを見て、あぁなるほどなと思いました。家族の前ではうそをつく必要がありませんものね。内と外との対比が良く効いていていいと思います。四句、定型を崩してまで「父から」にしたのは「父に」だと「に」の連続になるから避けたのかな。
miyafi
★0
結んだ口はアヒルになりて
出詠名
虎ツグミ
15席 / 5点 特×0 並×3 次×2 自×1
互選名 眠いよはだしクニコ五月雨と憂鬱ナイス害自虎ツグミ
選評名
アヒル口にある少し作為的な感じが内と外のずれを表すものとしてあってるとおもいました。最後が文語なのは少し気になります。この上句なら「なって」でも大丈夫そうです。
はだし
★0
ぶりっことしてあえてのアヒル口。学校だとしても合コンだとしても、この先ずっとは大変ですねぇ。でも女子のそういうの可愛いなと思います。
私も最後の文語きになりました。
クニコ
★0
この上句からアヒル口へつなぐの良い流れと思いました。
ただ、わたしも言い回し気になります。直せるとぐっと感じ良くなりそう。
管理人
★0
ちょっと男子ー、何ニヤけてんのよー
ナイス害
★0
ゆうべうさちゃんには言えたのに
出詠名
悠
16席 / 5点 特×0 並×3 次×0 自×1
互選名 天野うずめまりか温かい図鑑自悠
選評名
下の句で、どんな自己紹介をしたのかがなんとなく分かるような気もしてすごいと思います。
まりか
★0
「うさちゃん」には「うそ」では無い自分が言えたのでしょうか。うそでは無い自己紹介の練習をしてたのに、うそを言ってしまったと?ちょっともやもやですね。
みなま
★0
好きじゃないのにねるねるねるね
出詠名
天野うずめ
17席 / 4点 特×0 並×2 次×4 自×1
互選名 迂回悠白石フランソワ詠伝まりかナイス害自天野うずめ
選評名
上の句の「る」から、韻を踏みまくってますねねるねるねるね!語呂が最高です。自己紹介でキャラ立てするためか奇を衒う発言をしちゃったあとの「あちゃー」な後悔も窺えます。
詠伝
★0
個人的なことですが、息子の名前が「るね」なので親近感をもちました。意味のない羅列のようでいて人の名前らしきものが聞こえたり 寝る が聞こえたり、呪文のようなおまじないのような。
欧米人の bla bla bla... のような、以下同文的な、意味の稀薄な言葉の羅列を自虐的に諷しているようにもとれます。
る と ね のひらがな さいごのしっぽくるりのとこが似ていて 兄弟みたいな字。
白石フランソワ
★0
好きじゃないのに寝る と詠みました。それを結構かるくやってしまう自分をわざと重くならないようにごまかしているような結句かなと。そう読むともうひとつあった性を詠った歌とはまた違った価値観で、かつアプローチも全く違って面白いなと思いました。
まんま「ねるねるねるね」のお菓子のことかもしれないけど><
クニコ
★0
ハッピーマニアのシゲカヨっぽい、軽めなセックス
繰り返す様子が上手く表現されてるなと思いました
ナイス害
★0
肉じゃがなんてできるわけない
出詠名
泳二
18席 / 4点 特×0 並×2 次×3 自×1
互選名 中森つん悠はだしまりか知己凛自泳二
選評名
彼女の作る肉じゃが、が男性の定番化してしまったのはなぜでしょう。発想が好きです。
中森つん
★0
得意な料理は? ときかれて「えーと、肉じゃがとか…」とお茶を濁しているようすが目に浮かびます。何を期待されているかわかっていて、それに沿って答えてしまう自分への嫌悪みたいなものが伝わります。
白石フランソワ
★0
レンズを変えても見えない距離感
出詠名
遊糸
19席 / 2点 特×0 並×0 次×4 自×1
互選名 眠いよ詠伝まりか大木はち自遊糸
選評名
眼鏡はやがて度が進み、新学期を機に新調する学生は少なくない。
レンズを変えたら視界はよく見えるようになるが、人間関係は何処まで踏み込んでいいのか未だ見えない、という歌意だろう。人見知りの心情が伝わる。
マサキ
★0
姫草ユリ子になりかわりたく
出詠名
白石フランソワ
20席 / 2点 特×0 並×0 次×3 自×1
互選名 悠詠伝まりか自白石フランソワ
選評名
嘘で塗り固めた自分を愛する「姫草ユリ子」へのあこがれ。いっそ自分でついた嘘に殉じることができれば幸せかもしれない、という主体の葛藤がうかがえます。だからこそ主体の「うそ」に対しての自己嫌悪が引き立って。「少女地獄」を知っていたらすぐ成る程と思うのでしょうが、知らなかったら「姫草ユリ子」という語にどういう印象を得るのか気になるところでもあります。
詠伝
★0
それをはがすための一学期
出詠名
さとこ
21席 / 2点 特×0 並×0 次×2 自×1
互選名 蘇芳まりか自さとこ
選評名
「本当の自分を知ってもらう一学期」というのはすごくしっくりきたのですが、読んだ時に音がつんのめってしまうのが残念でした。でも好きです。
蘇芳
★0
中学、高校のぎこちない教室の風景を思い出す。四句に一工夫欲しいところ。
マサキ
★0
今日と明日をつなぐフィクション
出詠名
温かい図鑑
21席 / 2点 特×0 並×0 次×2 自×1
互選名 詠伝miyafi自温かい図鑑
選評名
うまく生きるためにうそをついて、そんな暗澹たる日々が続いていくよみたいな、なんというか救いのないイメージの歌に読みました。でも「今日と明日をつなぐ」という言い方だけ切り取ってみると、なんとなくポジティブな意味にも見えなくなくて、作者さんの解説が聞いてみたくなりました。
miyafi
★0
新しい名刺、新しい印鑑、…確かに自分の名前に違いないのに、何かウソっぽい、自分のもののように思えない。本当のことを言ったつもりでも、全て白々しく聞こえる。そんなこと、ありますよね。でも、それをよりどころにして、明日も生きていくんだ、みたいな、開き直りにも似たすがすがしい決意のようなものが感じられました。
白石フランソワ
★0
ただ、その人はシリウスだった
出詠名
ナイス害
21席 / 2点 特×0 並×0 次×2 自×1
互選名 詠伝まりか自ナイス害
選評名
ちぐはぐな自己紹介。ただそれによって得る出会いのかけがえのなさ、という意味を感じました。もしくは順番に自己紹介していくなかで、自分とは違い魅力的にそれをやり遂げた人を眺めている情景とも読めます。上の句の「ワタシ」という型に対しおおいぬ座の一等星である「シリウス」の対比が良いです。
詠伝
★0
なりたいワタシになれますように
出詠名
みなま
21席 / 2点 特×0 並×0 次×2 自×1
互選名 悠知己凛自みなま
選評名
上句から下句へあまり展開を見せられなかったようです。上句が含んでいた歌意を下句が言葉に出したような、注釈的になってしまい所謂「付け合いの妙」に欠ける印象でした。同じ歌意でも、例えば比喩を用いて詩的に飾るなどのひと味が欲しかったと思います。
管理人
★0
月POINT
順位 | 筆名 | 首席 | 投句 | 選句 | 特選 | 偏差 | EX | 合計 |
---|
EX内訳
最優+3:迂回
最黄+2:迂回miyafi
最緑+2:五月雨と憂鬱
上下+1:詠伝中森つんクニコ黒夜行ナイス害はだしまりか白石フランソワ知己凛五月雨と憂鬱温かい図鑑眠いよ迂回miyafi悠天野うずめみなま管理人さとこ
初回+1:蘇芳大木はち虎ツグミ泳二
欠評-1:真匿名泳二
六連+3:迂回管理人黒夜行miyafiナイス害
のの+1:中森つん
Season Cup 『春杯』表彰
新春王 は クニコ さんに決定しました
春の表彰会場へ
開催後記
迂回さんが初の下弦首席でした
通算20回出席: 温かい図鑑
ありがとうございました