長月の歌会
夢で会う約束がある 傘立ての底にうまれた夜のみずうみ 久藤さえ × 西藤智
平成28年度 長月の歌会『上弦の部』
詠草リスト
特選(2点)×1票 |
並選(1点)×3票 |
次選(0点)×∞票 |
互選(2点)×1票 |
また一つ忘れてしまう木の実落つ
出詠名
吉川みほ
首席 / 17点 特×4 並×7 次×3 自×1
互選名 つん坊斎蟻男塾カレーえんどうけいこ知己凛ロサ・ブラックティー蝶番静ジャック村田一広きつねきい悠管理人自吉川みほ
選評名
視界の端で“どうせ忘れてしまうに違いない”木の実が
(…また落ちた)と、その刹那だけ思う。
主体が何をしている場面なのか
何パターンが想像出来てワクワクします。
蟻男
★0
年を取るごとに少しずつ忘れてしまう思い出。
今年もまた、木の実が落ちる季節が巡ってくるとともに、その感慨を深めているのだろうと読みました。人知れずぽとりと落ちる木の実に、知らぬ間に消えて行く思い出を重ねているのだろう。
塾カレー
★0
私も上評のように、「木の実が落ちるようにひとつづつ何かが忘れ去られていく」、と詠われている様に感じました。季節の終わりに向かっていく侘しさと、忘却への寂しさが呼応している様で抒情的だと思いました。
ロサ・ブラックティー
★0
木の実と記憶が呼応するのが面白いですね。木の実が転がったりぐしゃりと潰れたりまた拾ったりと続きを考えるのが楽しいです。確かに思い出もそんな感じですよね。
きい
★0
エンジン音高く響いて秋の空
出詠名
きい
2席 / 16点 特×4 並×6 次×2 自×1
互選名 いちかわあさひ坊斎404notF0816蟻男えんどうけいこ知己凛ロサ・ブラックティー静ジャック村田一広藤 かづえきつね悠自きい
選評名
いいな、稲刈りかな?バイクかな?
いろんな想像ができるので、特選。
いちかわあさひ
★0
抜けるような青空に雄々しい駆動音が轟いて、その音は上へ上へと延びていって止まない。音が続く限り空の高さは保証され、同時に高さ自体が増すように思えて。視線は否応なく音の発信源から空へと向かされる――、そんな想像をしました。「高く」という言葉がよく効いていると思います。
坊斎
★0
いろいろな下の句が考えられるなと思いました。
秋のさわやかな空気が漂うようです。
404notF0816
★0
視覚と聴覚に訴えかけてくるバランスのとれた上の句。口に出したときの響きも気持ちいいです。
えんどうけいこ
★0
ツーリングかドライブか、バイクのような気がしますが、秋晴れの情景が見えるようで、爽やかな感じがします。
ロサ・ブラックティー
★0
良く晴れた十月の空が浮かびます。楽しい一日の始まりの高揚感が「高く響いて」に表れています。
藤 かづえ
★0
とても気持ちのいい上の句だと思いました。ドライブに出かけたくなります。
きつね
★0
飛び出したバッタの瞳に映るもの
出詠名
桜望子
3席 / 9点 特×1 並×7 次×1 自×0
互選名 いちかわあさひ吉川みほ蟻男古志野光サリーBロサ・ブラックティー蝶番藤 かづえ管理人
選評名
バッタの瞳って不気味な感じもするが、勢いよく飛び出している様子と映し出したものとの対比が見たいなと思った。
いちかわあさひ
★0
久しぶりに聞きました“バッタ”(笑)
田舎育ちなのもあって情景がバッチリ浮かびました。
バッタの瞳って、無機質で印象的ですよね。
古志野光
★0
虫の眼・・怖いです。特にあの複眼が(^^;)
ロサ・ブラックティー
★0
トノサマバッタを連想しました。
蝶番
★0
とても魅力的な句です。何がどんな風に映っているのか考えると楽しいです。
藤 かづえ
★0
秋風が通り抜けてくスニーカー
出詠名
つん
4席 / 8点 特×2 並×2 次×3 自×1
互選名 塾カレーえんどうけいこロサ・ブラックティー蝶番静ジャック藤 かづえきつね自つん
選評名
秋らしさが。現実的な力を伴い。個人的には中学生時代の,部活ない日の帰り道が思い出されました。
蝶番
★0
秋の少し冷たく感じるような、心地いい風を感じました。その風とスニーカーとの取り合わせが秋の寂しさを何気なく表していていいなと思います。
藤 かづえ
★0
団栗のあとを胡桃が追いかけて
出詠名
静ジャック
5席 / 8点 特×1 並×4 次×6 自×1
互選名 いちかわあさひ吉川みほ404notF0816古志野光サリーB知己凛ロサ・ブラックティー村田一広藤 かづえきい悠自静ジャック
選評名
収穫の時をいろんな木の実が一斉に察知して我先に降ってきそうな、色の豊かそれでいて楽しげな景がうかびました。
吉川みほ
★0
弟を兄が追いかけるように、クルミが結局追いつけそうで追いつけないのではないだろうか。
これからどんな世界が広がるのかと思うといいなと思った。
いちかわあさひ
★0
嫌らしくない擬人化に成功していると思います。
どこか可愛らしさも漂っているようで
微笑んでしまいます。
古志野光
★0
そのあとどうなるんだろう。続きがとっても気になります。
知己凛
★0
日曜の野球部に降る秋時雨
出詠名
きつね
6席 / 8点 特×1 並×4 次×3 自×1
互選名 蟻男塾カレー雀來豆サリーBロサ・ブラックティー静ジャックきい悠自きつね
選評名
秋時雨、この場合は、あまり物悲しくはない「秋時雨」だと感じる。そこが魅力になると思う。
雀來豆
★0
雨をものともせず、黙々と部活に励んでいるのでしょうか。ひたむきな光景が清々しいです。
ロサ・ブラックティー
★0
野球部が思い切り活動できる秋、時雨など気にせず大きな声が聞こえるようです。日曜日だけ活動をしている野球部かもしれませんね。雨なんてすぐ止みそうな元気の良さを感じます。
きい
★0
山あいに運動会の声ひびき
出詠名
藤 かづえ
7席 / 7点 特×1 並×3 次×3 自×1
互選名 吉川みほ坊斎サリーBえんどうけいこロサ・ブラックティー静ジャックきい自藤 かづえ
選評名
にぎやかな運動会の声が山あいからきこえてくるという秋らしくて明るい上の句。下の句でどんな情景が広がるのか楽しみですね。
えんどうけいこ
★0
山あいだけに声もよく通るのでしょう、耳をすませば聞こえてきそうな気がします。下の句次第でとても美しい歌ができそうです。
静ジャック
★0
山の近くの学校は普段は静かなのでしょうね。そこへ運動会で人が集まり元気な声が山へ空へと広がっていく、大きな景色が目に浮かぶようです。
きい
★0
神様の内緒の話に耳立たせ
出詠名
知己凛
7席 / 7点 特×1 並×3 次×3 自×1
互選名 吉川みほ蟻男古志野光ロサ・ブラックティー静ジャック藤 かづえ悠自知己凛
選評名
不思議と秋と内緒話の取り合わせが合います。神様の内緒話を聞き分けられるのは…。下の句をつける楽しみが広がると思いました。
吉川みほ
★0
島根県出身なのもあって馴染むような句でした。
“耳立つ”を別の表現で成り立たせられたら
もっと素敵な句になると思いました。
古志野光
★0
去年は神様の密談でしたが、今年は内緒話が出てきましたね(^^)私は、聞いているのは人間でなくてもいいなぁと思いました。「耳を立てる」という言葉があるのでリスやウサギや犬とか思っちゃいますね(^^)
ロサ・ブラックティー
★0
「草の中からのぞくシマリス」
ロサ・ブラックティー
★0
ああエゾリスの方が耳が立ってていいかも
ロサ・ブラックティー
★0
羽織っては また脱ぐのだろ うそ寒の
出詠名
蟻男
8席 / 6点 特×1 並×2 次×2 自×1
互選名 坊斎ロサ・ブラックティー静ジャックきつねきい自蟻男
選評名
今回甲乙つけがたくて悩みました。春の三寒四温の逆で、少し寒くなってまた暑さがぶりかえして、という季節のふり幅を詠んでいるのではと思いますが、揺れ動く季節にどこか飄々とした雰囲気も感じまして、主観だと思いますが、なんかカッコイイです。
ロサ・ブラックティー
★0
目の付けどころがいいなと思いました。10月は日によってまだ暑かったり寒かったり。昼と夜との温度差も著しいです。ひとつの言葉としての季語は曖昧な気がしますが、読むといかにも10月ですね!
きい
★0
あかねさす石榴の罪が指を染め
出詠名
えんどうけいこ
9席 / 6点 特×0 並×4 次×7 自×1
互選名 吉川みほ坊斎雀來豆古志野光知己凛ロサ・ブラックティー蝶番静ジャック藤 かづえきい管理人自えんどうけいこ
選評名
柘榴の紫と枕詞の呼応。どのような罪でしょう。かっこいいです。
吉川みほ
★0
夕焼けに案山子はいつもひとりきり
出詠名
宮嶋いつく
10席 / 5点 特×1 並×3 次×10 自×0
互選名 いちかわあさひ吉川みほ坊斎404notF0816蟻男古志野光サリーBえんどうけいこロサ・ブラックティー静ジャック村田一広藤 かづえきい管理人
選評名
ひとりきり、っていうのが、当たり前かもしれないが、
案山子を見ている作者が一人じゃないと教えているようでいい。
いちかわあさひ
★0
ひとつひとつの言葉と繋ぎに雑味がなく
バランスのとれた完成度の高い句だと思います。
“いつも”がいい仕事をしていますねぇ。
古志野光
★0
秋の空鉄アレイより重くあれ
出詠名
えさい
11席 / 5点 特×1 並×3 次×4 自×0
互選名 坊斎サリーBロサ・ブラックティー静ジャック藤 かづえきい悠管理人
選評名
ユニークな措辞だと思います。
サリーB
★0
雲ひとつない秋晴れの空を想像しました。青一色の空は何とも言い難い重さを感じますね。ここからガツンと響く下の句をぜひ見たいと思いました。
きい
★0
「ア」の音が印象的な上の句です。
藤 かづえ
★0
秋の空はとても高く見えます。他の季節よりも高い位置に広がる空に「重くあれ」と要望するというのが綺麗な対比になっていると思います。「鉄アレイ」という言葉が効いていて、重さの質感が具体的に伝わってきました。
悠
★0
鉄アレイのモチーフが面白い。
管理人
★0
煮かぼちゃで祝う我が家のハローウィン
出詠名
雀來豆
12席 / 5点 特×1 並×1 次×5 自×1
互選名 サリーBえんどうけいこ知己凛ロサ・ブラックティー静ジャック村田一広きい自雀來豆
選評名
ハロウィンを家で祝うって日本ではまだ馴染みが薄いと思うんです。興味しんしん、楽しそう♪
きい
★0
さむざむとして夕空の草紅葉
出詠名
塾カレー
13席 / 5点 特×0 並×3 次×2 自×1
互選名 サリーBえんどうけいこロサ・ブラックティー蝶番村田一広自塾カレー
選評名
ぶどう味選んで食べるアイスの実
出詠名
404notF0816
14席 / 5点 特×0 並×3 次×1 自×1
互選名 つん雀來豆村田一広管理人自404notF0816
選評名
現代的な秋の風情をとても自然に詠まれていて好印象でした。
管理人
★0
園児らが裂けた柘榴を捥ぎ取って
出詠名
坊斎
15席 / 4点 特×1 並×0 次×3 自×1
互選名 つんロサ・ブラックティー蝶番静ジャック自坊斎
選評名
裂けた柘榴の赤々とした鮮明な色合いと、園児の幼さが混ざって、無邪気なものが怖いと感じました。でもとても描写がきれいで惹かれました。これは綺麗です。
つん
★0
木琴を叩くきつつき「いかがです?」
出詠名
悠
16席 / 4点 特×1 並×0 次×2 自×1
互選名 404notF0816ロサ・ブラックティー静ジャック自悠
選評名
なかなかユーモアのある句だと思います。
下の句を考えてみたいです。
404notF0816
★0
柿もいではしゃいだ君の膝の傷
出詠名
蝶番
17席 / 4点 特×0 並×2 次×4 自×1
互選名 つん蟻男サリーBロサ・ブラックティー静ジャックきい自蝶番
選評名
君が大人(ならば女性でしょう)なのか子供なのかで景が変わってきますね。柿をもいではしゃいでいる君、いつのまにか膝に傷を作っている。そして物語はつづく。
静ジャック
★0
子供の頃の思い出かなあと思って読みました。なぜ思い出したのか今に繋がる下の句を見たいですね。
きい
★0
神様がナゴヤドームで一休み
出詠名
いちかわあさひ
18席 / 4点 特×0 並×2 次×3 自×1
互選名 つん404notF0816塾カレーロサ・ブラックティー静ジャック自いちかわあさひ
選評名
出雲に集まっているはずの神様がナゴヤドーム!?最下位に低迷するドラゴンズを激励しているのでしょうか?下の句でどんなふうになるのか楽しみです。
静ジャック
★0
夕されば虫聞きがてらのふたりづれ
出詠名
ロサ・ブラックティー
19席 / 4点 特×0 並×2 次×1 自×1
互選名 404notF0816村田一広管理人自ロサ・ブラックティー
選評名
きれいによくまとめられていると思いますが、秋の歌に「夕」「虫」とやや無難な素材に落ち着いてしまった感も。
管理人
★0
八月九月を奇蹟のように越えてきた
出詠名
サリーB
20席 / 3点 特×0 並×1 次×4 自×1
互選名 雀來豆ロサ・ブラックティー静ジャック村田一広きい自サリーB
選評名
難しそうだけど、現代的でちょっと心が動きました。
ロサ・ブラックティー
★0
散っていく紅葉を見つめる横顔が
出詠名
古志野光
21席 / 3点 特×0 並×1 次×3 自×1
互選名 知己凛ロサ・ブラックティー蝶番村田一広自古志野光
選評名
下の句の力にかかってきますね。
蝶番
★0
月POINT
順位 | 筆名 | 首席 | 投句 | 選句 | 特選 | 偏差 | EX | 合計 |
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EX内訳
最優+3:吉川みほ
最黄+2:吉川みほ桜望子
最緑+2:宮嶋いつく
初回+1:桜望子蝶番サリーB
欠票-1:桜望子宮嶋いつくえさい
欠評-1:桜望子宮嶋いつくえさい
六連+3:蟻男
のの+1:吉川みほ
開催後記
吉川みほさんが通算2回目の上弦首席でした
通算30回出席: えさい
通算10回出席: えんどうけいこ
連続20回出席: 古志野光
ありがとうございました